※この作品はR-18です。

ふたりの牢獄人生   作:水瓜

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第六話 入浴

ココとの初めての情事の後、迷宮攻略の疲れもあって眠ってしまった俺が目を覚ましたのは翌日だった。

何時ものリフト移動のベル音が部屋に鳴り響き、朝が来たことを悟る。

 

身を捩って昨日一緒に寝た筈のココを探してみるが、既に隣にはおらず乱れた寝藁だけがその痕跡を残していた。

――いや、何か美味しそうな匂いが漂ってくる。

 

ベッドから身を起こしてテーブルの椅子に座ると、その物音を聞いたのか台所の扉を開けてココが入ってきた。

 

「おはようございます、ご主人様」

「おはよう。 朝食を作ってくれていたのか」

「はい。 とは言っても簡単な物ですが……、もう直ぐ完成するので少しお待ちください」

「ああ」

 

こうして何もしないでも飯が出てくるというのは、思えば久しぶりだ。

昨日の夜に身体を交わした時には、次の日は少し気まずくなったなるかも知れないと危惧したものだが、彼女の様子は至って普通で何か物足りないくらいだった。

 

「あっ」

 

台所へ朝食の準備に向かおうとしたココが、ワンピースをたくし上げて自分の股間へと指を這わせる。

いきなり何をするのかと訝しむが、再び上げたココの手には、ぬらりと光る粘液が纏わりついていた。

 

「ふふ、沢山出して頂きましたからね……、漏れてきちゃいました」

 

別に煽情的に見せつけるでもなく、当然の事のようにぴちゃぴちゃとそれを舐めとる彼女の様子に股間に熱が集まるのを感じるが、朝早くという事もあり理性で性欲を封じ込める。

娼婦以外とは経験がなかった俺にとって、昨日からの展開は余りに刺激的過ぎた。

 

やがて運ばれてきた朝食を済ませ、今日もそれを残してココへと下げ渡す。

昨日と同じように残飯を全て自分用の深皿に集めた後に、四つん這いになって犬のように食らいついた。

 

分かってはいたが、やはり毎食これをやるのか。

俺の目の前で下品に食事を啜るのを嫌がってか、今日も彼女は俺に尻を向けて手を使わずに残飯の混合物を口に運んでいく。

腰を高く、頭を低くする姿勢の為にワンピースの裾が捲れ上がりココの女性の部分が覗いてしまっていて、腰が動く度に淫らに花弁が揺れ動く。

 

このまま長々と地下牢に居ては性欲が抑えきれなくなりそうなので、ココの食事が終わると直ぐに迷宮へと向かおうと腰を浮かして、ふと立ち止まった。

そうだ、彼女をあそこに連れて行ってやろう。

 

「ココ、後片付けが終わったら連れて行きたい所がある」

「え? 連れていく……ですか?」

「ああ、迷宮の中にちょっとな……、危ない目には遭わせないから安心しろ」

「は、はい……」

 

目を泳がせている所を見ると、やはり不安を感じているようだ。

まあ、いきなり命の危険がある迷宮に行こうなどと言われたら誰でも不安には思うだろうが、下手に知らせると遠慮して行かないと言い出す可能性もある。

 

今回は防具は身に付けず、麻袋に必要な物のみを入れて持っていく。

 

食器を洗い終えたココと共に、迷宮の入り口の膜の前に立った。

これから何をされるのかと恐怖を感じているのだろうか。

所在なさげに忙しなく動く彼女を前にすると申し訳なさも感じるが、連れていくのには必要な事だし安全なのは確実だ。

 

ココの手を引いて迷宮の入り口を潜ると、やはり珍しいのだろう。

最初に迷宮に入った時と同じように周囲の様子を見まわしていた。

 

「あの光っている石、少し緑になっているだろう? 迷宮の魔物は緑の光を嫌がるから、この通路は安全なんだ」

 

迷宮の入り口や安全地帯の周囲の通路は何故か魔物が立ち入れないようになっている。

初日はそれを知らずに警戒してしまったが、確かに緑色の光の通路では一度も魔物に出会った事は無いし、例え魔物に追われていても、この通路に入れば逃げていく。

 

今から行く場所は、安全な通路のみを通って辿り着ける安全地帯だ。

幾つかの角を曲がりながら五分も歩くと、緑白色の光に照らされた部屋へと辿り着く。

円形の部屋で、広さは端から端までニ十歩程。

 

中心部には清浄な水を静かに湛える浅い泉があった。

 

安全地帯にある泉は飲用にも適しており、幾ら汲んでも、流れ込む水もないのに水位が直ぐに回復する。

更に例え汚されても、一日も経てば清潔な水に戻っているという不思議な性質を持っていた。

 

どうやら迷宮内に捨てられるような事態では無さそうだと察したのだろう、少し表情が柔らかくなったココを尻目に泉に近づいて、右手を水中に差し入れる。

泉は小さいが、中に人が使っても広々と足を伸ばせるくらいの広さはあるし、そこも丁度バスタブくらいだ。

大勢の人間が共同で使う泉なら汚すような行為はマナー違反だが、どうせ俺だけしか攻略しない迷宮なら気にする人間も居ない。

 

手を通して泉の中に魔力を流し込み、それを熱へと変えていく。

俺の属性である炎は、厳密に言えば魔力を熱へと変換する属性。

水は比熱が高い為、これほどの量を暖めるには多くの魔力を消費するが、貴族である俺ならば全魔力の一割も使わずに済む。

心地よい温度になり湯気が立ち始めた泉を前に、俺は服を脱ぎ始めた。

 

「お前も服を脱げ、一緒に風呂に入るぞ」

「わ、私がお風呂に!? そ、そんな勿体ないです! 水を浴びさせて頂くだけで充分過ぎますから、こんな贅沢をしたら罰が――」

「別にお前の為に言っているんじゃない。 湯船の中で俺が入浴する世話をさせたいだけだ」

「お世話を……、うー、でも……」

「お前は主人が命じた仕事が出来ないというのか?」

「い、いえ! そんな事は……」

 

まだ不安そうな様子はあったが一応自分の中で折り合いをつけたようで、ココも服を脱いでいった。

昨日と同じく互いに全裸となった俺達は共に湯船へと入った。

 

身体を柔らかく包む温かい水が心地よく汚れと疲れを溶かしていく。

ココもいざ入って見ると心地良いようで、入る前の緊張は消えて蕩けた表情を見せていた。

 

「どれ、俺が洗ってやろう」

「えっ! だ、駄目ですよ、奴隷なんかをご主人様が洗ったりしちゃ、あべこべです。 私なんて元々冷たい水で身体を清めさせて頂けるだけで十分なんですから」

「お前は何を勘違いしている?」

「勘違い……、ですか?」

「お前は俺の所有物だ……、しかし自分の持ち物を汚れたまま使う主人がいるか? お前を洗うのも、あくまで道具の手入れだお前に断る権利は無い」

 

それだけ伝えると、返事も待たずに素手で身体を擦り洗っていった。

短い付き合いだが、遠慮する彼女相手に話を進めるには、多少強引に行ったが良いと既に学んだ。

 

ココに背中を向けさせ、俺の足の間に座る姿勢を取らせて肩、脇、腹と指を滑らせて言った。

相変わらず身体に触れる感触は骨ばっていて硬いものの、元々軽い体重に水の中という事もあり重さは殆ど感じない。

少し悪戯心が湧き、胸に手を回して両方の乳首を摘んでみると流石に身を捩られたが、それでもココは俺に抵抗しようとはしなかった。

 

「こうして風呂に入った事は無いのか?」

「昔は……、育った場所に居た頃は入った事があります。 聖クライン様のお祝いの日だけですが」

「聖クライン様の祝祭日か。 奴隷達もあの日を祝うんだな」

 

聖クラインとは劣悪な環境の中で過酷な労働をさせられている鉱夫達の待遇改善の為に活動した聖職者で、百年程前の人物だ。

彼の労働者の権利を求める活動はやがて参加者が増えて全国に波及し、今では労働者達の守護聖人として讃えられるまでになった。

そんな聖クラインの誕生日である十月五日は祝日となっており、労働者や使用人に一日休と日頃の労働を労う贈り物を渡す日として全国で祝われていた。

 

「あの日だけは、奴隷でも贅沢を許される事があるんです。 学校では飴もくれたし、お風呂に入れたし……。 それに先生から聞いた話ですが、昔優しいご主人様に飼って頂いていた頃に普通の女の子みたいな恰好をしてレストランに連れて行って貰ったらしくて……」

「それは……、楽しかっただろうな」

「とても幸せだったと言っていました。 可愛いドレスを着て、美味しいお料理や甘いデザートを食べて、夜には家ではなくホテルに泊まって大きいベッドで可愛がられたんです。 私もそんな一日を過ごせたら、次の日に死んでも良いと思って――、あっ、す、すみません」

「どうして謝る? 何に憧れようと、それはお前の自由だろう」

「でも、身の程知らずな……、申し訳ありません」

 

心なしか耳を赤く染めて押し黙ったココを無言で洗っていき、上半身を粗方清めた後は一旦立ち上がらせてから泉の縁に手をつかせ、俺に尻を突き出すような恰好を取らせた。

 

大きく露出した陰核と傷ついた陰部は部屋でも見たが、今回はその上の尻も露わになる。

痩せている為に尻の肉も薄く、特に脚を開いている訳でもないのに後ろの窄まりまではっきりと見えていた。

 

臀部には多くの煙草の火による火傷痕があり、尻の谷間では金色の茂みが薄く生えている。

その合間から見える肛門は火傷や度重なる酷使によるものか、周囲が唇のように盛り上がっていた。

 

お湯を手で掬い、尻たぶの間と性器の汚れを洗い流していく。

立ち上がった時には若干していた、つんとした臭いが、隅々まで洗っていくにつれて薄まっていった。

 

最後に髪は自分で洗ってもらい、それを終えると今度は俺の身体を洗わせる。

身体を擦り洗うココの指は爪が無い為に肌触りが柔らかくて心地いいのだが、それと同時に痛々しさも感じてしまう。

 

どのような経緯でこれほど凄惨な傷を負う事になったのかは気になるが、まだ出会って間もないし、それに聞いたところで今更どうなる事でもない。

一通り互いの身体を洗い終えると、俺はココの肩を抱き寄せて、暫く目を瞑ってお湯と人肌の温もりを味わった。

 

 

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