相方が帰ってこねぇ…… 作:性癖を開示する者
「実はこの魔石には各地域に配置された浄化者のシスター達が役目を果たしているかを確認する以外にも使用用途があります」
案内されたオルタチの私室と思われる部屋。窓から入り込む暖かな光に照らされながら聖女オルタチは机に置かれたカップの紅茶を飲み、一息ついてから机に置かれた魔石に視線を向けた後、机を挟んだ対面に座る俺の顔を見る。
その姿はまさに隙だらけ。既に俺は魔眼を起動させているので、後は俺のタイミングでいつでもオルタチに攻撃することが出来る。
なのに出来ない。近付いたからわかる、聖女オルタチに内包された力。様々な経験を経て成長した姉と比較するのも馬鹿らしくなるほどの差に、俺は冷や汗が止まらない。
最終兵器聖女とはよく言ったもんだ。俺ではまず勝てない。魔眼が通ればワンチャンといいたいところだけど……。
『その魔眼は便利ですね。視点を飛ばせるのですか』
眼帯で両眼を隠しているのに俺が魔眼を起動させていることに気付き、さらにごく一部以外には存在を隠している天眼の魔眼にもオルタチは自力で気付いた。ブラフかと思いたかったが、俺が飛ばした視点へ目を合わせながら言わてしまったのでその可能性はゼロだろう。
切り札である天眼を察知されてなお相手は余裕の体勢を維持しているので魔眼対策の何かを持っている可能性は高い。そうなれば戦闘は魔眼頼りの俺に勝ち目はほぼ無いので、俺は聖女オルタチの捕まえない発言を信用して彼女が座る椅子の対面に座るしかなかったのである。
「魔石の別の使用用途。それを私に言っても大丈夫なのですか?」
「本来なら駄目です。でも信用してもらうには話すべきだと判断しました。お姉さんと違ってレイホさんは口が堅いでしょうし」
おい、馬鹿姉。聖女に口が軽いと思われているってことは何か口を滑らせたな。何を言った? ゴブリンの肉棒はそこらの大人より大きいみたいな感じの変なことを言ってなければいいけど……。
「……わかりました。魔石に別の使用用途があることを私が周りに言いふらしたりすることは無いと、ここで誓います。もしこれが破られた場合、私はこの教会の地下で男達の肉便器となりましょう。当然、扱いは最低ランクです」
「よい覚悟です。私もレイホさんを信用し、【ギアス】の魔法は使わないでおきましょう」
「良いのですか? ぽろっと口を滑らせる可能性もありますが?」
「構いません。お互いを信用するということで」
教会の地下で男達の肉便器として犯されるシスターの姿は見習い時代に罪を犯したシスターの末路として一度は見学を強制される。その中でも最低ランクである罰は、一生地下から出れずに死ぬまで男達に犯される罰だ。当然避妊なんてしないし、むしろ確実に孕むために特殊な薬を注入される。そして犯された末に産まれた子どもは教会の孤児院に引き取られ、女の子だった場合は次代のシスターとして育てられる。それによって外から人材が来なくなっても教会は存続出来るのだ。
口を滑らせただけでそんな死罪と変わらないものを受けると言う俺に聖女は目をパチクリとさせるが、俺が本気だと知るとニコリと笑ってお返しと言いたげに契約などを確実に守らせる【ギアス】の魔法を使わないと返した。そんな聖女に俺は思わず聞き返すが、彼女はウインクをして悪戯が成功した子どもみたいに笑う。その姿を見て毒気が抜かれた俺はようやく肩の力が抜けて魔眼を解除することが出来た。
「さて、改めてこの魔石の別用途についてですが、この魔石の映像は聖女の技術向上に使います」
「技術向上……ですか」
「はい、ただ魔法を放つだけで私達聖女が相手をすることになるモンスターが死ぬ可能性は低いです。そもそも魔法が効かない特性を持つモンスターが相手なら聖女は嫌でも武器を手に持って戦う必要が出てきます。当然、聖女も武器を扱う特訓はしていますが、その質をさらに向上させるためにこの魔石を使います」
「つまり、魔石の映像に映るシスター達の戦う姿を見て学ぶということでしょうか?」
「いいえ、それでも経験にはなるでしょうがそこをさらに一歩踏み込み、聖女が代々継承してきた魔法を使って映像に映る出来事を映像の主であるシスター視点で追体験します。モンスターを浄化する際にシスター達が何を考えながら剣を振り魔法を使うのか。視線や筋肉を動かすのか。不意を突かれてモンスターに組みつかれた時に届くモンスターの吐息。モンスターの爪が皮膚に食い込む痛み。シスターの恐怖などの全てをです」
「成程、それならモンスターと戦わずとも戦い方を学べるわけですか。……ん? 全てを体験? あっ……」
オルタチが語った聖女の強化という魔石の恐らく本命であろう使用用途。それを聞き、だから聖女は強いのかと納得した俺だったが、追体験という言葉に引っ掛かりを感じた。そしてその直後、全てを察してしまった。
いやいや、そんな馬鹿なと頭に浮かんだ信じたくない己の結論をそのままに聖女の顔を見れば、彼女は黙って机の上に置いたままの魔石を起動させた。
ホログラムみたいに宙に浮かび上がる映像。映る映像はどこかの洞窟の天井。映像の視点の持ち主が己の肉体に視線を下すと自身の両脚は開脚されており、発情したゴブリンが己の肉棒を視点の持ち主の股に擦り付けているところだった。
興奮した笑い声を漏らしながら肉棒を擦り付けるのをやめたゴブリンはゆっくりと肉棒を膣口にくっ付け、一気に膣へ挿入。その勢いで視点の持ち主はのけぞったのか再び洞窟の天井へ視線が向いた。
肉棒をピストンするゴブリンとそれに合わせて喘ぎ声を出す視点の持ち主。俺も一度見たことがある映像から視線を外し、油が切れた機械みたいにギギギとオルタチの顔へ視線を向けると、彼女は拳を作った片手で口元を隠し、頬を赤らめながらモジモジしていた。
「これ、追体験しちゃったんですか?」
「……………はい、とっても刺激的で、その、雄という存在を教え込まれました」
プルプルと震える指先で改竄したはずのゴブリンと姉の交尾映像を指差しながらオルタチへ聞けば、消え入りそうな声でオルタチは肯定した。
マジかー、体験しちゃったかー。嘘でしょ?
「あの、つかぬことを聞きますが、聖女様は……その、処女ですか?」
「……はい、なんならこれを見るまでそういったことは知識としては知っていても経験は……してませんでした」
モジモジしながら映像から恥ずかしそうに目を離し、やっぱり見たいのか再び映像へ視線が向くオルタチの姿に俺は両手で目を覆って天井を見上げた。
「すみません、本っっっ当にすみません」
「いえ、とっても……とっても良い体験でした」
つまりあれだ。追体験って言っていたので、何を挿入しても気持ち良いになる姉の感度ビンビンな膣に雄の肉棒を挿入されるという感触を知識でしか性に関することを知らないオルタチは感じちゃったわけである。
チラリと横目で未だに再生されている映像を見れば、喘ぎ声に誘き寄せられたのかいつの間にかゴブリンが増えており、映像の姉は胸を吸われたりと色々されていた。
「この映像を追体験してから、他の方々のこういった映像を保管庫から探して追体験しました。でも他の方々のは挿入されても恐怖や気持ち悪さしか感じず……。しかしインラさんの場合は全部気持ち良いんです。お胸を吸われても、お尻を叩かれても、首を絞められながら挿入されても、他の方々は気持ち悪いや苦しいと感じる行為の全部が気持ち良いんです」
オルタチは恍惚とした表情で席を立ち、収納棚を漁って追加でいくつかの魔石を取り出す。それらを机の上に置くなり起動していき、映る映像が全て改竄前の姉の映像と理解するなり俺の口は引き攣っていく。
「もしかしたら他にも改竄されたものがあるかと思い、インラさんの映像の魔石は可能な限り回収しました。それからというもの、インラさんの映像を追体験しながら1日を終えるのが日課になってしまって……」
スイッチが入ったのかここで容赦なく挿入される感触が良かった。この触手に尻穴から口まで貫通されたのが凄かった。ここの盗賊は後ろから犯している最中にずっと首を絞めてきて、息苦しかったけど凄く気持ち良かったなどと映像を指差しながら語るオルタチ。その姿を見ながら俺は軽く思考放棄をしていた。
マジでどうしようかなぁ。姉やリリアを見てきた俺にはわかる。あれは雌堕ちした女の顔だ。元に戻そうにももう間に合わない。対処が遅すぎたんだ。
まだオルタチの身体は感度が良くないはずなので、本来なら適当な誰かと軽く性行為をさせて気持ち良くないことを教えて性行為の憧れを終わらせることも出来たのだが、今回は追体験をしたお陰でいくとこまでいったゴールを知ってるからどうしようもない。
「お姉ちゃんの映像が気に入ったことは理解しましたけど……、聖女様は何故私を呼んだのですか?」
このままだと姉の性行為体験を延々と語りそうなので強制的に話を戻せば、オルタチはハッとした表情で我に返り、恥ずかしそうに椅子へ座った。
「こほん、失礼しました。レイホさんを呼んだ理由ですが、最近は回収出来たこれらの映像だけでは満足出来なくなりまして……。もっと凄いものがあれば譲ってほしいなと思った次第です。勿論お金は払います」
「凄くキリッとした顔で言ってるのに内容が酷い」
シスターの中ではあまりにもダサい倒しかたをしたとか、モンスターに途中で犯されてしまい、それを教会の人に見られるのが嫌だという理由で魔石を用意しても提出せずにお蔵入りさせる人がいる。それを知っているからオルタチは俺に聞いているのだろう。何故エロい前程なのかは知らないが。
んで、あるかないかと言われると……普通にある。お腹が肉棒でボコォとなったり、捕まってしまってエッチ込みの調教をされたりなどの凄いやつが。ちなみに提出しなかった理由は相手が面倒なやつだったからだ。前者はモンスターとしては普通に強く、無難に倒す映像に改竄しても倒す時点で目立つから注目される可能性が高くなり、改竄がバレるリスクがある。後者は通りすがりのエッチな商人だったため、映像を改竄して送ってもそもそも評価の対象じゃない。改竄がバレるリスクだけの映像なんて送るだけ無駄だ。
それを言うか悩んだが、その悩みが表情として出てしまったのかオルタチは顔を輝かせて両手で俺の片手を包み込むように握りしめた。
「無い……って言いたいですけど、無駄そうですね。えぇ、ありますよ。凄いやつが」
「まぁ‼︎」
「とはいえ取りに行く必要があるので渡すのは数日後になりますが……」
「いえ、大丈夫です‼︎ レイホさんはセンゼンの村でしたね? 今すぐ行きましょう‼︎」
えっ? と言う間もなくオルタチは立ち上がり、俺を引っ張りながら窓際へ行く。華奢な身体なのに男の大人顔負けなパワーを持つオルタチに抵抗すら出来ずについて行くと、窓を開けたオルタチが指を咥えて指笛を鳴らした。
その数秒後、部屋に突風が入り込む。その風の強さに咄嗟に目を瞑り、慣れてきたところでゆっくりと目を開けば、窓の外には信じられないモンスターがいた。
「噴炎竜……⁉︎」
「私のペットです。これに乗ればここからでもセンゼンの村までは数分もかからないはずです。すぐに行きましょう!」
窓の外に浮遊するのは竜。その中でもトップクラスの速度を出せる飛竜種だ。皮膜がない骨だけみたいな特殊な翼を持つ噴炎竜だが、その翼の所々に炎を噴射することができる器官がある。その炎の反作用でコイツは空をジェット機みたいに飛ぶのだ。
そんな竜をペットにするって何? なんて俺が困惑している間にオルタチは俺を引っ張って噴炎竜の背中に乗り、聖女の力で結界を展開。そして噴炎竜の背中を叩くと噴炎竜は緩やかに上昇し、周りへ被害がいかない高さまで上がると一気に出力を上げて飛び出した。
ホリフェンがあっという間に後方へ消えていき、流れていく景色。その光景に思わずオルタチのお腹に腕を回して万が一でも落ちないように俺は引っ付く。
そんなことをしているうちに噴炎竜は止まり、ゆっくりと降下していく。まさかと思って落ちないように慎重に下を見れば、少し離れた場所に見慣れたセンゼンの村がすぐそこにあった。
あの、まだ数分しか経ってないんですけど……。どんだけ速いんだこの竜。しかもこの竜、標高が高い山に普通に生息しているから怖いわ。滅多に下には降りてこないから危険度は低いけど安心は出来ない。
「流石に結界をすり抜けて真上に竜が現れるとパニックになると思うので、少し離れた場所から村に入りましょう」
「それでしたら隠し通路から村へ入りましょうか。教会へ直通ですし、パパッと取ってパパッと帰りましょう」
噴炎竜が着地し、ドスンと音が鳴る。そして身体を丸めて伏せたので滑り台を滑るみたいに竜の身体を滑って俺達は地上へ降りた。その際に竜の甲殻や微妙にゴツゴツした鱗がお尻を擦ってちょっと感じそうになったが、そこは気合いで耐えた。でも感度が良かったらヤバかったかも。
竜の首あたりに跨って股を擦り付けたらなかなか良い刺激を得られるのではないかと一瞬だけ考えてしまい、咄嗟に首を振ることでその考えを散らす。それからオルタチの方を見れば、オルタチは何かを考える様子で寝る体勢となった噴炎竜の首をジッと見ていた。
多分俺と同じことを考えているんだろうなぁと思いながらも、それを出さずにオルタチへ声をかければ、彼女はハッとした様子で俺を見て、恥ずかしそうに咳をしてから村の方へ歩き始めたのでついて行くことに。とはいえ隠し通路を知っているのは俺と姉だけなのですぐに俺がオルタチを追い抜いて先導することになる。
その後は隠し通路から教会地下へ行き、そこから俺の部屋へ。その途中でギャラリー部屋を通ることにはなったが、幸いにもオルタチは他の部屋に興味はないようで素直に俺についてきてくれた。
「え〜と、あったあった。これですね」
「こ、これが……。見ても大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
収納箱を漁って取り出したのは2つの魔石。それを受け取ったオルタチは宝物を得たみたいな表情で魔石を抱きしめた後、期待に満ちた表情で俺に魔石を起動させても良いかと聞いてくるので、部屋に防音魔法をかけてから許可を出した。
ワクワクが隠せない様子で魔石を起動し、モンスターにズッコンバッコンされたり、商人らしき男に調教される映像を見て頬を赤らめるオルタチ。その2つを見終わると、彼女はほふぅと息を吐いた。
「どうせなら追体験もここでしていきますか? 出来るかは知らないですけど」
「えっ⁉︎ 勿論出来ますけど、良いんですか?」
「別に時間はあるので大丈夫ですよ」
「じゃ、じゃあ遠慮なく。あ、ベッドを借りてもいいですか? あとタオルか何かを股辺りに敷きたいのですが……」
「んー、用意しますね」
俺の提案をオルタチは嬉しそうに受け入れ、タオルなどの準備が完了するとベッドに寝転ぶ。その状態で首にかけていたネックレスを取り出すと、中身が空のペンダント部分に俺が渡した魔石を嵌めてから両手で握りしめる。
その状態でオルタチは目を瞑り、寝たのかと勘違いしそうになる程穏やかな寝息を漏らした。しかしジッと見ていると、濡れると大変だからという理由で脱ぎ、何も履いてない状態となっていたからか股から愛液などが垂れる様子がよく見える。なのでこれが追体験をしている状態なのだろう。
パッと見た限り俺に出来ることは無さそうなので本でも読もうかと考えていると、ビクンとオルタチの身体が跳ねて勢いよく股から潮が吹いた。その飛距離に少し驚いてしまったが、慌てず騒がすタオルを追加しておく。
その後は時々絶頂したりするオルタチをチラチラ見ながら本を読んで時間を潰していると、1時間ぐらいしてからオルタチが目覚めた。
目覚めたオルタチはすぐには立ち上がらず、自分が追体験した快感を味わうように両手で身体を抱きしめて息を吐く。
「しゅごかったぁ……」
満足そうな顔でここではないどこかを見つめてオルタチは呟く。そのまましばらくぼんやりしていた彼女だが、俺の顔を見るとここがホリフェンの自分の自室ではなくセンゼンの俺の部屋ということを思い出したのか、みるみるうちに顔が赤くなってベッドから飛び上がるような勢いで起き上がって女の子座りで座る。しかしその体勢で俺の方向を向いたので、微妙に開いている脚の隙間からマンコが見え、そこから垂れる愛液もよく見えてしまうことに。まぁ姉やリリアで見慣れている俺は気にしないのだが。
「楽しめたのなら渡した甲斐があるというものです」
「……はいぃ。商人の方や大きなモンスターに沢山ジュポジュポされて気持ち良かったです」
両手で頬をおさえながらリリアや姉みたいに幸せそうな声を出すオルタチ。うーん、これは完全に淫乱娘になっちゃったね。つまり姉みたいな人が増えた。
今更だけどこれ、この先の国防は大丈夫なのか? 国を滅ぼすモンスターが仮に現れたとして、そいつが巨根かつオルタチを誘うような動きをしたらホイホイ釣られて合体しかねないぞ。
…………うん、知らんぷりをしよう。最悪この国がモンスターに支配されて滅んでも他の国にいる聖女がなんとかしてくれるだろう。それ以前にそんな危険度のモンスターが現れるなんてまずないんだけどな。
「レイホさん、今回はありがとうございます」
「いえ、お礼を言うならこちらの方でしょう。改竄を黙ってもらいましたし、むしろこんな世界を教えてしまって申し訳ないというか……」
「私的には知れて良かったと思います。これも1つの喜びというものですね」
追体験中に精液を注がれたであろう膣を撫でるかのような手つきで下腹部を撫でてフッと微笑むオルタチ。しかしその直後に真面目な顔になると姿勢を正してからジッと俺の方を見つめた。
「レイホさん、今回は私のお願いを聞いてくださりありがとうございます。その上でもう1つ、お願いをしても良いでしょうか?」
「……えぇ、大丈夫ですよ」
真剣な様子のオルタチに俺の背筋が自然と伸びる。一体どんなことをお願いされるのかと緊張でうるさく鳴り始めた心音を意識しないようにしながらオルタチと視線を合わせる。
それから数秒見つめ合い、オルタチが俺から視線を外した。そして迷うように視線を彷徨わせた後、両手の指先同士を胸の前で絡めながら上目遣いで俺を見つめてゆっくりと口を開いた。
「その、魔石の追体験だけでは満足出来ないので、あの、男を紹介してくれませんか?」
ズッコケそうになった俺は悪くないだろう。滅茶苦茶真剣な表情をしてから出てきたのが男の紹介だぞ?
「勘違いじゃないと思いますけど、男の凸を女の凹に突っ込んでからズッコンバッコンするアレをしたいからですよね?」
「はい、ぶっちゃけますが私の膣に遠慮なく肉棒をぶち込んでズッコンバッコンしてから精液を注いでくれる男です」
「一応聞きますけど、立場的に大丈夫なんですか?」
「大丈夫です。聖女は無垢でなければならない……なんて教会の人達は口うるさく喚いてますが、私の年齢的にそろそろ私も歴代の聖女達と同じように聖女の跡取りを作るための練習なんて理由でギデブさん達みたいな教会上層部の連中との性行為を強要される頃ですから。その時に私が処女じゃなければあの人達は怒るかもしれませんが、初めてをあげる義務なんてありませんし……まぁ、怒ってきたら適当にオナニーをしたら破れたとでも言っておきます。それで無理なら幻術でもかけて誤魔化します」
「おぉう、そんな事情があるんですか。でもギデブ様は……」
「あ、そうですね。すみません。レイホさんが分かりやすいようにと出しただけで、ギデブさんは私と交尾したいだけの男とは違いますね。ふふっ、彼は1人しか見てませんから」
聖女がエッチで大丈夫なのかと思ったが、俺の想像以上に教会のお偉いさん達はギデブを除いて下半身がお猿さんのようだ。
でもさ、なんでギデブの名前を出したらオルタチは微笑んだ顔をして俺の顔を見つめるのかな? 俺とギデブはまだ尻穴から連結しただけでそれ以外は何にもないぞ。
「事情はわかりました。何故私に男の紹介を頼んだのかという疑問もあえて飲み込みましょう」
「ありがとうございます」
「それで、聖女様はどんな雄をお望みですか? 人間でもモンスターでも構いませんよ」
「あ、今更ですけど私のことはオルタチと呼んでください。上層部と子作りパコパコ生活が始まれば私は聖女ではなくなるので」
「いいんですか? では私のこともレイホと呼んでください」
「わかりました。それで私の初めてを捧げるお相手ですが……人型がいいですね。インラさんの追体験で見た蜘蛛みたいな異形型はまだちょっと怖いです」
ふむ、人型が良いと。オルタチのリクエストを受けた俺は本棚まで移動し、この国で生息が確認されている人型モンスターを主に纏めた図鑑を取り出してオルタチにも見えるように開いた。
載っているのはゴブリンなどのモンスターだ。それをオルタチは瞳を輝かせながら見ていたが、とあるページでピタリと動きを止めた。
「あの、レイホ? このページ……」
「気にしないでください」
「えっ? ですが……」
「気にしないでください」
開かれているページに載っているのは俺の旦那様になるオークだ。何故か濡れた紙が乾いた跡みたいに少しくしゃくしゃになっていたり、びっしりと付箋が貼られていたり俺のメモ書きがあるが気にしてはいけない。
オークの顔や肉棒辺りにキスマークがあるって? 読んでいる最中に寝落ちして唇が偶然……偶然くっ付いただけだよハハハ。
そんな俺の言い訳……説明に納得してくれたオルタチは微妙そうな顔をしながらもオークのページから離れて次のページをめくる。次に載っていたのはオーガだが、何故かオーガの身体はペンで黒塗りにされていた。
再び図鑑から顔を上げて俺の顔を見るオルタチ。しかし俺がニコニコと笑みを浮かべているのを見て、わざわざこのオーガの件に触れる必要はないと判断したのかすぐさま次のページへ移った。
その判断は正解だ。彼女がオーガのことを聞いてきたのなら、俺のオーガに対する怒りが噴き出すところだった。このページだって裏がオークじゃなければ千切り取ってやったのに……‼︎ それほど奴らがオークの生息地を奪った罪は重いのだ。
そうやって脳内でオーガにキレ散らかしているといつの間にかオルタチは図鑑を読み終わったようで、次のページがないことを確認するとページを戻してとあるモンスターのページを開いた。
「決めました! このモンスターにします‼︎」
「なるほど、このモンスターですか。でも人間じゃなくても良いんですか?」
「それも考えましたけど、感度が良くない私の膣だと挿入されても痛いだけでしょうから。それなら感度が良くない状態でも媚薬成分を身体から分泌して私を気持ち良くさせてくれるモンスターが初めての方が良いかなって」
オルタチが指名したモンスターは現在地であるセンゼンの村からだとホリフェンを越えたさらに向こう側というかなり遠い場所に生息しているが、オルタチのペットである噴炎竜がいるなら散歩気分で向かうことが出来るだろう。つまり行くことに問題はない。
問題があるとするのなら時間だろう。チラリと窓から外を見ると綺麗な夕焼けが見える。このモンスターは夜行性なので、今から向かった場合だと先程体験した噴炎竜の速度的にこのモンスターが活動するよりもちょっと早いかどうかぐらいの時間帯で生息地には到着出来るはず。でもそこから捜索して、見つけてから交尾すると考えたら帰るのは深夜になるかもしれない。俺はキチンと伝言すれば大丈夫だけど、オルタチはそうとはいかないだろう。
「このモンスターの捜索からの交尾を考えると余裕で深夜になると思うのですが、オルタチは夜も活動して大丈夫ですか?」
「厳しいですね。護衛の人が私の就寝時間中に様子を見に来ますのでその時にいないと確実に騒ぎになります。前もって連絡をしたら大丈夫ですが、そうなれば護衛の人がくっ付いてくるのでモンスターと交尾は出来ませんし……。寝る時に護衛を誤魔化せる身代わりがあれば……」
「あ、それでしたら分身魔法の【ダブル】を使えば解決出来ますね」
「……えっ⁉︎ 【ダブル】ですか⁉︎」
「もしかして使えませんか? でしたら教えますけど」
「いえ! 使えますよ!」
少しオルタチの反応が怪しいが、【ダブル】を使えるのなら護衛の目は誤魔化せるだろう。許容量以上のダメージを受けると分身が解除される可能性があるだろうが、今回の使い方なら大丈夫だろう。
……なんて、思っていたのだが
「あの、オルタチ?」
「……なんでしょうか?」
「これはなんですか?」
「私の【ダブル】です……」
早速分身を仕込もうとセンゼンの村からオルタチの自室に戻ってきた俺達。今から俺自身がギデブの屋敷に行ってギデブや姉に今日は帰らないかもしれないという説明をするのはこの部屋に戻ってくる手間を考えると少し面倒だったので、俺も【ダブル】を使用して姉とギデブの2人へ説明をするようにと分身に命令してから屋敷に向かわせた。
ギデブは俺を心配するかもだが、そのお詫びとして分身には伝言が済めばギデブの部屋のベッドで全裸の状態で待機しておくように命令している。ギデブが部屋にやってくれば分身からギデブへ本体が帰ってくるまでは分身を好きに使っても大丈夫と伝えるオマケ付きだ。
そんなわけで俺側の伝言は完了。後はオルタチに【ダブル】を使ってもらい、出てきた分身に命令してから出発となる予定……だったのだが出てきたのが……うん。
「なんでこんなにムキムキマッチョなんですか???」
「調整が難しくて……」
オルタチの真横で仁王立ちしているオルタチの分身。しかし普通の少女みたいな身体付きのオルタチとは違い、その分身はボディビルダーも顔負けなムキムキマッチョだった。
あー、なるほど。【ダブル】は分身魔法だと基礎的な立ち位置の魔法だから、最終兵器聖女なオルタチだと自分の力が強すぎて逆に制御が難しいのか。そのせいで筋肉が凄かったり身長が本体より大きかったりと分身のくせに分身をしていない分身が出てきたと。
なのに分身の服だけはオルタチが着ているのと全く一緒だから身体の筋肉に押されてパツパツになっている。
当たり前だが、こんな分身で護衛の目を誤魔化すなんて不可能だ。むしろこれで大丈夫ならその護衛は即刻クビにするべきだろう。
「……とりあえず練習しましょうか。付きっきりで教えるのでそんなに時間はかからない……はずです」
「……はい、お願いします」
キラッと真っ白な歯が見える笑みを浮かべながらマッスルポーズを取り出したオルタチの分身に俺は視線を向けないようにしつつ、恥ずかしそうに俯くオルタチと分身魔法の練習を始めるのだった。
オルタチ
聖女としての日々を過ごしつつ、それをどこか退屈に感じていた少女。それ故に暇さえあればモンスターの大群を相手に無双する自分なんてものを妄想していた。
そんな彼女の唯一の楽しみは、各地域から送られてくる魔石の映像を追体験すること。しかし彼女が妄想しているような無双シーンはなく、遠距離からコソコソと魔法で攻撃したり、ずっと隙を窺ってチャンスがあれば剣でチクチクしたりと安全思考で動いているシスターが大半で、オルタチが期待しているパリィや猛攻を回避しつつずっと攻撃するような英雄みたいなシスターはいなかった。
そんなある日の深夜、オルタチはコッソリと自室を抜け出して魔石の保管庫に忍び込んだ。目的はオルタチの糧にならないと事前の審査で弾かれた魔石を盗むこと。もしかしたらそこにオルタチが望むスリルと隣り合わせな映像があるかもと考えたからだ。
そして見つけたのはインラの魔石。その名は当然オルタチも知っていたため、期待と共に魔石を起動し、なんてことのない普通の映像に失望。しかし聖女の特殊な瞳でやっと気付けるレベルの巧妙な改竄を発見し、四苦八苦しながら改竄を解除。ワクワクしながら映像を再生し、ゴブリンに群がられて犯されるインラの姿に思考停止した。
一から十までエッチで完結している映像は別の意味で新鮮だったので、好奇心に負けて追体験を実行し、知らなかった世界を知ってしまった。ちなみにここで人生初のアヘ顔を披露した。
そこからオルタチは少し変わった。聖騎士に出会えばバレない程度に彼らの股間へ視線が向き、暇さえあればしている妄想もモンスターの大群を相手にするところまでは同じだが、そこでのオルタチは無双しているのではなくモンスターに組み伏せられて懇願虚しく犯されていた。
教会のバルコニーから民衆を見ては、その民衆に輪姦されている自分を妄想し、夜は保管庫に忍び込んでインラの魔石を探すかインラの映像をひたすら追体験している。
実は被虐願望持ち。モンスター相手に感度を上げれば次は人間相手に犯されたいと思っている。
噴炎竜
標高の高い山に生息している四足歩行の竜。皮膜のない骨みたいな翼についている噴射器官から炎を出してその反作用で空を飛ぶ。
攻撃手段はその速度を活かした突撃で、大半の相手は砕け散る威力を誇る。隕石みたいに上空から地上へ速度を維持したまま着地することもでき、それを支える四肢は強靭。
卵から育てれば飼うことも可能。しかしこのモンスターは乗用車サイズまで成長した頃に人を見下し始め、言うことを聞かなくなったり攻撃してくるようになるため、そこでしっかりと叩きのめさないと殺される危険がある。
雄は2本の立派な肉棒を持っているが、人間を犯す対象として見ていない。その代わりなのか馬車などの大きくて四角い箱のような形状のものに性的興奮をすることが多く、雌と形が似ていないのに何故興奮するのかと研究者は日々頭を悩ませている。
異世界もののドラゴンの定番よろしく肉は非常に美味。どこぞの妹が知れば即座に登山して狩りにいくレベルである。
聖女の継承
基本的には今代の聖女が引退した時に教会にいる適齢(10〜15歳)の女性から1番適性が高い人物が引き継ぐ。
無垢、純粋、(抜群のスタイル)が聖女に求められるものであり、それを維持するために聖女となった者には洗脳にも近い教育が施され、20〜25歳までの間に引退する。
引退した聖女はその後ただの女の子として穏やかな生活を……送れるわけがなく、力を封印されてから聖女の資質を持つ子供を産むために教会の秘密の部屋へ監禁されて余生を送ることになる。
孕みやすくなる薬と周期を早める薬を絶えず打ち込まれ、ただ産むだけの肉道具に成り果てるのだが、そうなることが聖女としての役割だと教え込まれているため歴代の聖女は誰1人欠けることなく薬の反動で寿命を削りながらもそれをやり遂げた(大体10年ぐらいで限界がきて死ぬ。しかしその頃には次代の聖女が肉道具に適した年齢になる)。……が、今代の聖女はエッチというこの世界の快楽に気付いちゃったのである程度子供を産めば離脱する気満々である。
本来ならそこまで子作りする必要もないのだが、昔から続いてきたからという理由かつ、聖女を犯したいという男の欲望が混じった結果、改善されることなく続いている。まぁ悪い風習というやつである。
外向けレイホとオルタチの話し方が似てるか……? 分かりにくいかな……?