俺以外の男子が滅んだら、逆レイプやおねだりエッチの毎日が始まった 作:荒井アライ
「……ただいま」
家に着いた頃には深夜一時を回っていた。当然、妹の唯は寝ているはずので、俺は誰に向けるでもない挨拶を小声で済ませた。
「ん? 明かりがついてーー」
「お兄ちゃん?!」
「うわっ、どうしたすごい剣幕で」
しかし、俺が帰宅すると何やらリビングの明かりがついていた。なぜだろうかとそちらを覗こうとしたとき、唯がリビングのドアを勢いよく開けてきた。
「こんな時間まで連絡もなく、何してたの?!」
「え、あーえっと、まぁ、色々と」
さすがに今まで女子中高生に犯されて、その後に婦警さんの家に連れ込まれていたなんてことは言えないだろう。
俺が言葉を濁そうとしていると、鼻をすするような音が聞こえてきた。驚いて唯の方に視線を向けてみると、その瞳には涙が溜まっていた。
「何も……何も連絡なくって、すごい心配したんだよ?」
「あっ、ご、ごめん」
「連絡入れたのに、何も返信なくって、何か事件に巻き込まれてないかって、心配で、」
「連絡? あっ、めっちゃ入ってる」
唯に言われてスマホを見てみると、チャットと着信が二桁溜まっていたことに気がついた。
そういえば、犯されてから家に帰ってくるまでスマホを見る隙もなかったのか。
「スマホが使えないような状況だったの?」
唯は上ずった声でこちらにジトっとした目を向けてきた。
スマホも見れないような状況に長時間置かれていた。それを自らの口でばらしてしまったこともあり、唯の追及の目から逃れることは難しかった。
それに、妹に涙を見せられてしまっては、隠しておくことなんてできるはずがなかった。
唯がブラコン系妹であるように、俺もシスコンだったりするのだ。
「……わかった。でも、話すのは明日にしてもいいか? さすがに、へとへとなんだよ」
「怪我とかはしてないんだよね?」
「ああ、そこは大丈夫だ。大丈夫なんだけど、ちょっとだるいから、明日は学校休むかもしれない」
「学校を? ……うん、分かった」
さすがに、今泣いている妹の前でレイプの話をすることはできない。妹の心情を考えれば、話すのは明日以降の方がいいだろう。
そんな意図をくんでくれたのか、唯は素直に頷いてくれた。
俺が学校を休むのは、色々なことが重なって少し休みたいと思ったからだ。体というよりも心の疲労といった方がいいだろう。
集団の女子中高生に童貞を奪われて、助けに来てくれた婦警さんに家に連れ込まれて、役得だと思うかもしれないが、精神的に疲れたりもするものなのだ。
「すんすんっ……お兄ちゃん」
「ん? どうした?」
「……ううん、なんでもない」
唯は何かに気づいたような顔を見せたが、すぐにその表情を隠すように笑った。その笑顔が少しだけ悲しそうだったのが、少し気がかりだった。
「う……ん」
そして翌日。俺は倒れるようにベッドで横になると、そのまま爆睡したらしかった。
部屋にあった時計を見るとすでにお昼の十二時を過ぎていた。
どうやら、自分の想定以上に疲れがたまっていたらしい。おそらく、肉体的にも精神的にも疲労がたまってしまったのだろう。
俺は大きなあくびを一つして、二階の自室から階段を下りてリビングへと向かった。
「あ、お兄ちゃん、おはよう」
「おはーーえ? なんで、唯がいるんだ?」
俺がだらしない顔をそのままにリビングに向かうと、そこにはエプロン姿の妹がいた。いつものラフなTシャツと短いショートパンツを履いて、その上にエプロンをつけていた。
唯は俺の緩みきった顔を見て安心したのか、口元を緩めながら言葉を続けた。
「なんでって、ここ私の家でもあるからね」
「いや、そうじゃなくて、何で学校に行ってないんだ?」
「お兄ちゃんのことが心配で、学校になんて行けるわけないでしょ」
唯は当たり前のことを言うようにそんなことを言うと、かちゃかちゃと料理を続けた。
唯が立つキッチンの方から香ってくる料理の匂いを嗅いで、俺の腹の鳴る音がリビングに響いてしまった。
そういえば、昨日のお昼以降何も食べずにえっちをして、そのまま次の日のお昼まで寝てしまったのか。
俺の突然の腹の音を聞いて、唯は声を出して笑っていた。
兄妹とは言えど、そんなに笑われると少し恥ずかしかったりもするのだが。
「ふふっ……とりあえず、ご飯食べちゃおうよ。それから話そ?」
唯はそんなことを言うと、できたばかりのお昼ご飯を盛りつけてくれた。
食事中は昨日の出来事に関する話はなくて、ただ兄妹で普通の週末を過ごしているような感覚に陥っていた。妹の手作りの料理を食べて、それを一緒に突きあう。なんとも微笑ましい光景だったと思う。
それでも、徐々に食事が進んでいき、全てを平らげた頃には少しずつ口数も減っていった。
言わないわけにはいかない。それでも、極力重い雰囲気にはならないように配慮しながら、俺は口を開いた。
「その、昨日帰りが遅くなったことについてだけど」
「……うん」
「昨日はな、女の子達に突然襲われちゃってな、えっと、その子たちの相手をしてたら連絡するのすっかり忘れちゃってーー」
「襲われた? 女の子の部屋に行ってたんじゃなくて?」
「いや、部屋に行ったのは女の子というか、女性だったな……ていうか、なんで部屋に行ったって思たんだ?」
「……昨日のお兄ちゃん、私の知らない匂いがしたから」
「匂い? あっ」
俺はそこまで言われて、真奈美さんの家で借りたボディソープのことを思い出した。事後の後にも付けたボディソープの香りが俺の体に残っていたのか。
「ていうか、女の子達と女性って言った? ……お兄ちゃん?」
俺が誤魔化そうとしたことがバレたのか、俺は唯に睨むような目を向けられてしまった。
俺も昨日は全てを話そうとしたのだが、中学生の妹を前に性被害を告白するというのも中々抵抗があったのだ。
それでも、ここまでぼろを出しておいて今さら誤魔化すことはできないだろう。
「わ、分かったって、全部話すから」
俺は嘘をついてもバレるだろうと思って、全てを話すことにした。
中高生の集団に犯されて、そのあとに駆け付けてきてくれた婦警さんの家に連れ込まれたこと。
その結果、スマホの着信に気づかずにそのまま家に帰ってきたこと。
それら全てを話し終えても、唯は俺の言葉が信じられないといったように目を大きく開いていた。
「レイプされたの? お兄ちゃんが?」
「まぁ、そうなるな」
「……そ、そうなんだ」
俺が真顔で肯定をすると、唯はどう反応したらいいのか分からずに顔を伏せてしまった。
兄が性被害に遭ったって言われても実感湧かないよな。逆の立場でも、どうやって反応すればいいのか分からなくなりそうだし。
「でも、あれだぞ? 俺も男の子だから、やっぱり女の子に相手をしてもらうって言うのは嬉しいって言うか……だから、結果winwin的なーー」
俺は暗くなりそうだった空気を少しでも和らげようとして、その言葉を途中で呑み込んだ。ここで無理に明るく振舞っても、多分どこかでバレてしまうだろう。どうにも、俺は妹相手に嘘を吐くのが苦手みたいだ。
俺は諦めたように溜息を一つ吐くと、少しだけ本音を漏らすように言葉を続けた。
「いや、違うな。やっぱり、俺も童貞だったからかな? もっと初めてはイチャイチャしながらしたかったって言うのもあるんだよな。強引にされるのは別に嫌じゃないけど、初めてくらいはイチャイチャえっちしたかったって言うのはある」
童貞を捨てられたのならそれでいい。確かに、そう思うこともあるけど、男でもシチュエーションというのは大事にしたりするのだ。
さすがに、初めてが睡眠薬を嗅がされて複数人に犯されたとなると、少し思うと所もあったりはする。
「……したら?」
「え?」
そんな情けない本音を漏らすと、何やら唯が顔を伏せながら言葉を漏らした。よく聞き取れなかったので、それを聞き返すと、唯は顔を上げてはっきりと聞こえるように言葉を口にした。
「その初めて、イチャイチャえっちで塗り替えれるとしたら?」
唯は恥ずかしそうに頬を赤くさせて、熱くなった瞳を揺らしながら俺を見つめてきた。
「え?」
思わず間の抜けたような言葉を漏らしてしまった俺に対して、唯は真剣な眼差しをこちらに向けてきた。