俺以外の男子が滅んだら、逆レイプやおねだりエッチの毎日が始まった 作:荒井アライ
地球上から俺以外の男がいなくなった。
当然、そんな事態が起きてまともな日常が遅れるはずがなく、学校も二ヶ月ほど休みとなった。
しかし、いつまでも学校を再開しないわけにはいかないらしく、今日から学校が再開された。
「え?」
俺がいつも通りに教室の扉を開けると、一気に俺に視線が集まってきた。
それもそのはずだ。ニュースで報道されている通り、この世界のほとんどの男は死んでしまった。
当然、このクラスの男子もみんな死んでしまっていると思う。
そんな中、俺みたいなスクールカースト下位の奴がやって来たのだから、反応にも困るだろう。
これが早乙女とかだったら、きっとみんなこぞって俺の元に集まってきたのだろうなぁ。
俺は少し大きなため息を一つ吐いて、自分の席に腰を下ろした。
男どもがいなくなったということは、いつものようにオタク談義をする友人たちもいなくなってしまったということだ。
なんというか、本当にみんな死んじゃったんだな。
俺が周囲を確認するように目を向けていると、まだ俺が注目を集めているみたいだった。
やるせなくなって、俺は鞄から教科書を出して一限目の準備をすることにした。
「えっと、日野君、だよね?」
「え?」
俺が極力気配を消しながらやり過ごそうと思っていると、俺の所に金髪ロングの阿澄がやってきた。
そして、何を思ったのか俺の前の席に腰を下ろして、屈託のない笑みを浮かべてきた。
「しっかり話すの初めてだよね? 日野君でいいかな? それとも……日野ちん、とか?」
「え、あ、え?」
「あ、急に話しかけてきて馴れ馴れしいかな?」
少しだけ申しわけなさそうに眉を下げながら、阿澄はこちらを窺うようにして覗き込んできた。
ただ見つめられるだけで心拍数が上げられてしまうというのに、そんな上目遣いのような目で見られては心臓が持たなくなる。
「春香、日野が困ってるでしょ」
「わ、分かってるよ。でも、話しかけたかったんだから、仕方がないでしょ?」
「ええ?」
そして、俺の元にはもう一人、小倉楓がやってきた。
凛とした顔立ちに、黒色のボブショートを揺らしながら俺の元に来ると、俺の隣の席に腰かけた。
クラスのトップ2が俺に話しかけてきているだと?
一体、何が起きているって言うんだよ。
「日野、春香は昔から暴走する癖あるから、困ったら私に相談してくれていいから」
「え? あ、お、おう」
「そ、そんなことないよ。ていうか、楓だって日野君のこと困らせてるじゃん!」
「それこそ春香の勘違い。そうだよね、日野?」
「え、ああ、おうよ」
「あははっ、『おうよ』だって。日野君、面白いね」
そんな俺のちょっとした返しで口元を緩ませて、阿澄は俺に笑みを向けてくれた。
そして、そんな俺の隣でも小倉が微かに口元を緩ませていた。
そんなクラスで一番のイケメンだった早乙女君がいたような立ち位置に、なぜか俺がいた。
本当に一体、何が起きているのだろうか?
それから二週間が過ぎ去った。
「日野君、一緒にお弁当食べよっ!」
「日野。昨日、日野が勧めてくれた漫画読んできた。あれは面白いね」
「俺でよければ喜んで。ちょっ、春香少し近すぎるって。あ、楓あれ読んでくれたんだ。楓もハマってくれるかなって思ってたよ」
地球上から俺以外の男子がいなくなってから、俺は学校ではこの美少女二人と一緒にいる生活を送っていた。
最近、なぜか分からないが女子達が妙に俺に優しくて、俺と積極的に話そうとしてくれる人達が増えた。
ものすごく嬉しいことなのだが、さすがにずっと話しかけられてしまうと疲れてしまう。
春香と楓が俺の周りにいるときは、周りも俺に話しかけてくることが減っていて、自然とこの三人でいることに居心地の良さを感じていた。
もしかすると、早乙女も同じような気持ちだったのかもしれないな。
体育の授業では女子よりも筋肉があるだけで黄色い声援を受けて、部活に入らないかと勧誘を受けたりもした。
この世界にいるのが男子一人だけになれば、当然ハーレム状態になる。これは、神が与えてくれた幸運なのかもしれない。
俺は不謹慎ながらも、そんなことを思ってしまうのだった。
今日の放課後までは。
「ごめん、今日はちょっと用事があるの!」
「私もちょっと用事がある。明日は一緒に帰ってあげるから、そんな悲しい顔をしないで」
「してないわ! 二人とも気にしないでくれ」
放課後。珍しく二人とも用事があるらしく、俺たちは久しぶりに別々で帰宅をすることになった。
最近、いつも一緒にいたので一人での帰宅は結構久しぶりだ。
……どこか本屋にでも寄っていこうかな。
「えっと、夜遅くにならないように早く帰ってね」
「危険なところは通らないこと」
「大丈夫だっての。俺のことなんだと思ってるんだよ」
運動神経の良い二人に対しては、体育をやっても俺が負けてしまうことがある。だから、二人からすると、俺はか弱い乙女に見えてしまうのかもしれない。
少しだけ情けなくなってきたな。
「そういう二人も気をつけるんだぞ」
俺は二人にそう言い残すと、教室を後にした。