※この作品はR-18です。

異世界ハーレムダンジョン生活   作:BLUE@

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十三話

早朝、目を覚ました二人はベットの上でお互い抱き合っていた。

 

「トウヤ、朝だぞ」

「ん……んぅ……」

 

トウヤは自身を包む温もりと柔らかさに再び眠気に誘われて更に密着する。

 

「もう、今日はギルドに行くんだろう?」

「……ふぁい」

 

ホークスは自身の胸の中で微睡むトウヤを愛しく思いながらも起きるように声を掛ける。

その際、トウヤの逸物がホークスの下腹部に押し付けられる。

 

「ん……昨日あんなに出したのにこんなにも大きい……」

「す、すいません……」

「謝らなくていい、むしろ嬉しいんだ。それだけ私を求めてくれるって分かるから……」

 

ホークスは自身の爆乳でトウヤの頭を包み込みながら優しく撫でる。

 

「……あの、君に頼みたいことがあるんだ」

「頼みたいことですか?」

「えっと、その……私が産んだ卵の処理を手伝って欲しいんだ」

 

ホークスの言う頼み事を聞いてトウヤの脳裏に昨日の産卵シーンを思い出してしまうが何とか振り払って話を聞く。

 

「いつもは自分で処理をしてたんだが今回は多くてね。私一人じゃ今日中に処理できない」

「処理ってどうすればいいんですか?」

「その……君に食べて欲しいんだ。卵を……」

「た、食べる!?」

 

ホークスは顔を真っ赤にしながら教えた処理の方法にトウヤは戸惑う。

 

「えっと、その……い、良いんですか?」

「正直に言うと凄く恥ずかしい。私達、鳥人族にとって人の前で卵を産んだり、自分が産んだ卵を人に食べさせるのはとてもはしたない事だからね」

「え、それじゃあ……」

 

何かを察したトウヤにホークスは頬を赤らめ。

 

「……せ、責任は取ってもらうよ」

 

咎める様に言ってはいるがその声に怒りは宿っておらず、むしろ何かを求めているような雰囲気を宿していた。

 

その後、二人は風呂で身体の汚れを落とした後、ホークスが産んだ卵を持って食堂に向かい、ピンクのエプロンを身に着けたホークスは早速その卵でオムレツを作り、トウヤに振舞った。

 

「その……どうかな?……味は……」

「す、凄く……美味しいです」

 

口ではそういうが彼女が産んだという情報が脳にこびり付いていて味を楽しむ余裕は無かった。

 

ぎこちない様子でオムレツを食べるトウヤに少し恥ずかしそうに頬を赤らめるホークス。お互いがお互いを意識し合う状況の中、同伴していたエイダは二人の様子を見てニヤニヤしていた。

 

そして朝食を終えると。トウヤは自室でギルドに行くために装備の確認をしていた。

 

「装備良し、道具に不足は無し。後は……」

 

回復薬や携帯食料、各種道具をポーチに入れていく。

そして全てを確認し終えるとギルドに行くために部屋を出る。その途中、廊下でラフな格好をしたホークスと再び会った。

 

「ホークスさん?どうかしましたか?」

「君に渡したいものがあってね」

 

そう言ってホークスはトウヤの左腕にに綺麗な羽が括りつけられたミサンガを付ける。

 

「ホークスさん。これは……」

「私の故郷に伝わる魔除けのお守りだ」

「お守りですか?」

 

付けられたお守りを興味深そうに見つめるトウヤにホークスは更に説明を続ける。

 

「私の故郷では親しい者が不幸に逢わないように自分の羽を使ったお守りを送る風習があるんだ」

 

彼女の説明にトウヤは自分を心配してくれていると分かり、少し嬉しくなっていた。

 

「ありがとうございます。大切にしますね」

「そう言ってくれると、頑張って作った甲斐があるよ」

「じゃあ、行ってきますね」

「ああ、ちょっと待ってくれないか?」

 

ギルドに向かおうとするトウヤに突然ホークスに止められる。まだ何かあるのかと首を傾げていると彼女はトウヤと同じ高さにしゃがむと。

 

 

―――ちゅっ。

 

 

優しく口付けした。

 

「……え」

「おまじないだ。怪我だけはしないようにね」

 

そう言ってホークスはちょっと恥ずかしそうに微笑みながら部屋に戻っていった。

残されたトウヤは普段見ない彼女の可愛らしい一面に胸を高鳴らせながらギルドに向かった。

 

 

―――

 

 

「……久しぶりだなぁ」

 

五日ぶりに来たギルドの雰囲気を感じながら早速受付の所に向かう。

 

「はい、次の――ってトウヤ君!お久しぶりですね!」

「お久しぶりですアリシアさん。あの、ダインさんから指名依頼の話を聞いてるんですけど」

 

お互いに挨拶を済ませるとトウヤは早速とばかりにダインの指名依頼の事を聞く。

 

「はい、聞いてますよ。直ぐに用意しますので少々お待ちくださいね」

 

そう言ってアリシアは十件の依頼書の束を持ってくるとそのうちの一つをトウヤに手渡す。渡されたトウヤはその依頼書に掛かれた魔物の情報を見る。

 

「今回、ダインさんからの指名依頼はこちらとなります」

「アシッドスネークの皮と牙ですか」

 

アシッドスネークは強酸性の毒液を放つ体長が10mもある大蛇の魔物で主に洞窟を住処にしている。

 

「早急に必要な素材らしいです。どうかお気を付けて」

「分かりました。行ってきます」

 

アリシアから討伐依頼を受けたトウヤはギルドから出ると討伐対象が生息している洞窟へ向かう。

 

「……居た」

 

薄暗い洞窟を歩いて数分。討伐対象のアシッドスネークは獲物を丸呑みしている最中だった。

 

「……チャンスだ」

 

トウヤは小剣を引き抜きながら慎重に忍び足で視界に入らない様に頭部の方へ近づく。そしてアシッドスネークが獲物を完全に飲み込んだ瞬間、一気に跳躍して頭部に乗り込み、その眼球に小剣を突き刺してその奥を抉った。

 

「ぎしゃああああぁぁぁぁ!」

 

一撃で急所を抉られたアシッドスネークは周囲に毒液をまき散らしながら息絶えた。

 

「良し、まずは一件目と」

 

トウヤは周囲の安全確認をした後、解体して目的の素材を手に入れるとギルドに戻る。

 

「……はい、確認しました。依頼は達成です。報酬金です」

「ありがとうございます。次の依頼はどれを受ければいいですか?」

「相変わらず仕事熱心ですね。無理はなさらないで下さいよ?」

 

その後、トウヤはダインからの指名依頼を受け続けた。

 

鉱石を主食とするハリネズミ型の魔物のメタルヘッジホッグ、腹部の針から爆発性の体液を放つスズメバチ型の魔物のブラストホーネット、刀の様な切れ味の鎌を持つカマキリ型の魔物セイバーマンティスなど、様々な魔物を討伐していった。

 

そんな調子で全ての指名依頼を終えた次の日、アリシアからギルド長が呼んでいると伝えられた。

今度はどんな話なのか考えながらギルド長室に向かう。

 

「ギルド長、トウヤです。入っても良いですか?」

「ああ、入ってくれ」

 

中に入るとイズモと部屋の隅に可愛らしい巫女服を着た妖狐族の少女が立っていた。

 

「やあ、久しぶりだね。トウヤ君」

「お久しぶりです。今回はどんな仕事ですか?それと彼女は?」

「今回呼んだのはこの子に関しての事なんだ。……まだ揃っていないが先に紹介しようか」

 

イズモの話にトウヤは?マークを浮かべていると彼女は隣の少女を紹介し始める。

 

「この子はヒルメ。私の娘で今日から冒険者になったんだ。ヒルメ、挨拶を」

「は、はい!お母様」

 

ヒルメと呼ばれた少女は緊張した様子でトウヤに自己紹介を始める。

 

「初めまして私は半妖狐族のヒルメと言います。職業はエレメンタラーです。よろしくお願いします」

「初めまして、ヒルメさん。僕は人族のトウヤです。職業はソウルブレイダーです。こちらこそよろしくお願いします」

 

お互いに自己紹介を済ませるとイズモは今回の件について話し始める。

 

「単刀直入に言うとねトウヤ君、ヒルメとチームを組んで欲しいんだ」

「チームですか?どうして急に?」

「ああ、じつはね」

 

イズモはトウヤとヒルメを組ませることになった経緯を説明する。

 

このヒルメという少女はイズモが産んだ九人姉妹の末っ子であり、八人の姉から色々な事を学びながら蝶よ花よと大切に育てられたらしい。

 

だが二週間ほど前の15歳の誕生日の際、突如ヒルメは冒険者になりたいと家族に言ったそうだ。

 

当然、姉達は妹が死ぬ可能性がある冒険者になることを頑なに認めなかった。彼女達は何とか止めようと冒険者業の危険性を説くがヒルメはそれを理解した上で冒険者になる事を選んだ。

 

妹を危険に合わせたくない姉達と未知に憧れて冒険者になりたい妹、両者は互いに譲らず話が平行線に進んだ結果、大喧嘩へと発展していった。

 

長い喧嘩の末にイズモの力添えもあって何とか認めてもらったが、それでも心配な姉達はせめてもの手助けにと言ってお互いの資金を出し合い、高ランクの魔物の素材を集めてヒルメ専用にデザインされた最高級の防具を鍛冶師に作らせ、更にイズモが最も信頼できる人とチームを組ませるという条件を付けたらしい。

 

「とまあ、そんな感じでな。適当な者に任せられないんだ」

「それで僕が選ばれたわけですか……でもそれならリューネさん達の方が適任じゃ?」

 

ヒルメの姉達の異常な過保護さに引き攣らせながらも自分以上に信頼できる【青薔薇の戦乙女】のチーム入りを提案するがイズモは首を横に振る。

 

「それじゃあこの子は守られてばかりで冒険者になる意味が無いよ。この子もそれを望んでいないしね」

 

イズモの話を聞いてトウヤは確かにと納得するが別の問題があった。

 

「でもリューネさん達に聞かないと何とも……」

「大丈夫だよ。彼女達には事前に伝えてあるし、了承してもらっているよ」

 

今も護衛の依頼で居ないリューネ達に話さず、勝手にチームを組んでいいのか悩むトウヤだが、イズモは事前に予想していたのか既に根回しを済ませていた。

 

「……分かりました。僕で良ければチームを組みたいと思います」

「ありがとうトウヤ君。ヒルメ、頑張りなさい」

「はい!よろしくお願いしますね。トウヤさん」

「よろしくお願いします」

 

二人は互いに握手を交わす。トウヤは気になったことをイズモに聞く。

 

「そういえばギルド長。ヒルメさんを紹介する時、まだ揃ってないって言ってましたよね。他にも居るんですか?」

「ああ、後二人が居るんだが、依頼を受けているから遅れているようでね」

 

コンコンとノックが聞こえた。

 

「ギルド長、クレージュです。入ってもよろしいですか?」

「ああ、入ってくれ」

 

イズモが入室を許可すると褐色の肌をした二人組の女性が入ってきた。

一人は露出が高い格好をした人族ともう一人はゆったりとした白いロングワンピースを着た胡狼人族だった。

 

「遅かったね、二人共。何かあったのかい?」

「申し訳ございません。戻る途中で魔物の群れに襲われてしまい。その対処で遅れました」

「きつかったわ。依頼で疲れている所で襲って来るんだもん。しかも更に大型種が出てきたりと散々だったわ」

「それは災難だったねアネス、クレージュ。後で特別手当を出すよ」

 

アネス、クレージュと呼ばれた人族と胡狼人族の二人はうんざりとした様子で遅れた理由を説明する。

 

「ありがたく貰うわ。それで話って何なの?てか、この二人は?」

「この二人にも関係してそうですが?」

「ああ、実はな」

 

イズモは二人に、トウヤにした時と同じ説明を聞かせる。

説明を聞いた二人はその内容に呆れていたがとりあえずチームを組むことは了承した。

 

「話は分かったけど、あたし達が二人のお守りするの?面倒なんだけど」

「いや、トウヤは十分経験を積んであるから、彼と一緒にヒルメを気にかけて欲しい」

「ふ~ん?彼ってそんなに優秀なの?」

 

アネスは懐疑的な視線をトウヤに向ける。

 

「ああ、何せ史上最年少にして僅か数日でEランクになったからね。実力は本物だよ」

「「す、数日でEランク!?」」

 

イズモから伝えられた二人は驚く中、クレージュが何かに気づく。

 

「待って下さい。その灰色の髪に黒い瞳……そして白い軽装鎧……貴方はもしかして噂の【白疾風】ですか?」

「えっと……はい、一応」

「【白疾風】って言ったら、最近急速に名を上げている冒険者じゃない!それがこんな小さな子供なんて……」

 

アネスとクレージュは【白疾風】の正体が小さな子供ということに更に驚愕する。

 

「まあ、とにかく君達には一つのチームとしてヒルメを支えて貰いたいんだけど、受けてくれるかい?」

「……まあ、ギルド長の頼みだしねぇ。良いわ、受けてあげる」

「私も異論はありません」

 

ヒルメの事を頼み込むイズモに二人は少し考えた後、チームを組むことを了承する。

 

「ありがとう二人共。さて、これで私の話は終わりだ。チームでの決まり事はしっかり話し合って決めてくれ」

「「「「はい」」」」

 

イズモとの話を終えた四人はギルド長室を出ると、ギルドにあるテーブル席で囲む様に座ってチームとしてのこれからを話していた。

 

「まずは自己紹介と行きましょうか。私は人族のアネス。職業はストライカーよ、よろしくね」

「私は胡狼族のクレージュです。職業はエクソシストです」

「一度紹介してますけど改めて自己紹介しますね。私は半妖狐族のヒルメです。職業はエレメンタラーです」

「最後は僕ですね。僕は人族のトウヤです。職業はソウルブレイダーです」

 

簡単な自己紹介を終えると早速とばかりにアネスが切り出す。

 

「まずはリーダーを決めないとね。言っとくけどあたしはやんないわよ。面倒だし」

「私もまだ皆を纏められる自信はありませんね」

「私は冒険者になったばかりなので」

 

リーダーを辞退した三人は最後の一人であるトウヤをじっと見つめる。

 

「分かりました。どこまで出来るか分かりませんがリーダーをやらせていただきます」

 

三人の視線に苦笑いを浮かべながらトウヤはチームリーダーを買って出た。

 

「じゃあ、まずはチーム名を決めましょう。何か案はありますか?」

 

トウヤがチーム名の案を聞くと三人は悩む。色々と案は出たがどれもしっくりこないか別のチーム名に似ているなど、中々決まらなかった。

 

「う~ん、どうにもこれだ!って思える名前がないなぁ……」

「そうですね……」

「トウヤさんは何かありませんか?」

 

三人に任せられたトウヤはしばらく考え込む。

 

「……じゃあ、【ブレイブ・クエスター】って言うのはどうですか?」

「【ブレイブ・クエスター】どういう意味ですか?」

「僕の故郷のとある国の言葉です。ブレイブは勇敢、クエスターは何かを探求する旅や冒険に出ている人、という意味で、そのまま訳すると【勇敢な冒険者】という意味になります」

 

トウヤの説明したチーム名の意味に三人は感心したように頷いた。

 

「良いんじゃない?これが真の冒険者だ!って感じが伝わってくるわ」

「そうですね。私もいいと思います」

「凄く格好いいですね!」

 

三人の反応的にどうやら問題は無いようだ。少し安直かなぁっと思っていたトウヤは胸をなでおろした。

 

それからはチームとしての行動方針や決まり事について話し合い、受付嬢にチーム結成の手続きをした後に個々の実力を確認するためにゴブリンの群れの討伐依頼を受けた。

 

目標に向かう途中、四人はお互いの戦闘スタイルや武器などの情報を交換していた。

 

「アネスさんは武器を使わないんですか?」

「ええ、そうよ。武器も使えるっちゃ使えるけど基本は拳と脚ね。真っ直ぐ行って敵をぶっ飛ばす。それがあたしの戦い方よ」

 

そう言って籠手を装備した拳をガンガンとぶつけ合わせるアネスの様子にトウヤはどことなくエルンと似た雰囲気を感じるが頼もしい前衛が来たと思うことにした。

 

「私はこの杖と聖書ですね。主に死霊などを相手にします」

 

クレージュは十字架の杖と聖書を見せる。

 

「私はこの錫杖と呪符、後は精霊と契約しています」

「ヒルメさんは精霊と契約してるんですね。どのくらい居るんですか?」

「六体ほど居ます。みんな小さい頃から一緒に過ごしてきたお友達なんです」

 

ヒルメは周囲に居る精霊を呼ぶと、虚空から全身から炎を噴出させるドラゴン、周囲に水玉を浮かべているイルカ、風を纏うツバメ、大地に立つトリケラトプス、光を発する垂れ耳のウサギ、黒いオーラを出すフクロウの六体ほど姿を現した。

 

「これが精霊ですか。思ったより可愛い外見をしているんですね」

 

トウヤはヒルメの精霊の姿をよく見る。どの精霊もぬいぐるみの様に小さく可愛らしい外見を持っていた。

 

「はい、火精霊のイグニス、水精霊のアクア、風精霊のエアリアル、土精霊のテラ、光精霊のルミナ、闇精霊のノクスです」

 

ヒルメは各精霊の名前を紹介する中、紹介された精霊達はトウヤの事を興味深そうにしながら周囲をくるくると回っていた。

 

「?」

「ふふ、どうやら皆もトウヤさんが気になっているみたいですね」

 

そんな和気あいあいとしながら進むと目標のゴブリンを見つける。

 

「居ましたね」

 

深い森の茂みに隠れながら川辺で休憩しているゴブリンの群れを観察する。

 

「それじゃあ、行きましょう」

「はい!」

「ええ」

「やってやるわ!」

 

茂みから出た四人は、ゴブリン達に先制攻撃を仕掛ける。

 

「来て、エアリアル!」

 

ヒルメは精霊の名を呼ぶと先ほどのツバメの精霊が姿を現した。

 

「行きます。【ゲイル・ハザード】!」

 

ヒルメがエアリアルの補助を受けてゴブリンに向けて魔法を唱えると群れの中心から巨大な竜巻が出現。周囲を巻き込みながらゴブリンを一掃した。

 

「ホーリー・レイ」

 

クレージュが放った無数の光線がゴブリンの頭を撃ち抜き。

 

「はあ!」

「おりゃあ!」

 

トウヤとアネスは生き残ったゴブリンを各個撃破していく。

そして最後の一体を討伐し周囲の安全を確認するとヒルメがトウヤに駆け寄ってくる。

 

「トウヤさん。やりましたね!」

 

始めての討伐に達成感を感じているのか満面な笑みで聞いてくるヒルメと彼女の肩で自信満々に胸を張るエアリアルの様子に三人は微笑ましく思っていた。

 

それから数週間は四人で依頼を受けたが、三人共の活躍は凄まじかった。

 

アネスはその高い身体能力と戦闘技術を駆使して魔物を蹴散らし。

 

クレージュはその職業故に死霊系や悪魔系の魔物に対して力を発揮。

 

ヒルメは戦闘では攻撃、防御、支援、回復、妨害など様々な役割をこなした。

 

おかげでヒルメの実力とランクはどんどん上がっていき、今ではトウヤ達と同じEランクに上り詰めた。

 

その際アネスがヒルメのEランク昇格のお祝いと言って行きつけの食堂で一緒に食事をすることを提案し、三人は了承。四人は早速、その食堂に向かい。そこで注文した料理を待っている間、様々な話をしていた。

 

「皆さんはどんな理由で冒険者になったんですか?」

 

この中で新米であるヒルメが三人に冒険者となった理由を聞いた。

その問いに最初に答えたのはクレージュだった。

 

「私はお世話になった人たちへの恩返しと苦しんでいる人を助ける為ですね」

 

話を聞くと彼女は幼い頃から創造神と原初の七神を信仰する教会で育ったらしく、自分を育ててくれた協会の人達の為に冒険者となったとの事。

 

冒険者業をしている傍ら、稼いだお金を教会や孤児院に寄付しているそうだ。

 

クレージュの話が終わると次はアネスが答える。

 

「あたしは強い男を探すために冒険者になったわ」

「強い男性ですか。もしかしてその人と戦いたいとかですか?」

「勿論それもあるけど、一番の理由はその人と結婚するためね。いわば婿探しよ」

 

予想外の理由にトウヤとヒルメは固まり、クレージュは事前に知っていたのか無反応だった。

 

「む、婿探し……ですか?」

「そうよ。私の故郷の決まり事でねぇ」

 

アネスは婿を探している理由を話す。

 

彼女は辺境の地にある女性しか居ない戦闘民族の里の生まれで、幼い頃から戦士として育てられた。

 

その里のしきたりに15歳になった女性は自分より強い男性を伴侶にして里の繁栄に貢献するというものがあり、彼女はその近道として冒険者の道を選んだとの事。

 

だがその成果は芳しくないようだ

 

「どいつもこいつも、貧弱すぎて話にならないわ。高ランクの冒険者に挑もうにも、ギルド長から止められているし。なかなか思うようにいかないわ」

 

ままならない状況にため息を吐くアネスはトウヤに視線を向けると好戦的な笑みを浮かべる。

 

「だから、期待してるわよトウヤ?あんたが他の男と違うって事をね」

 

まるで獲物を狙う肉食獣の様な眼差しにトウヤは期待が重いなぁっと思いながら苦笑いを浮かべる。

 

「私は【青薔薇の戦乙女】に憧れて冒険者になりました」

「【青薔薇の戦乙女】って女性だけのSランク冒険者チームね」

「はい、姉様達から彼女達の活躍をを聞いて、私もそうなりたいと思ったんです」

 

ヒルメの話を聞いていたクレージュはある事を思い出す。

 

「そういえば、噂で聞いたのですがトウヤさんは【青薔薇の戦乙女】と一緒に住んでいましたね」

「え!?そうなんですか!?」

 

クレージュの発言にヒルメは食いつく様にトウヤに詰め寄る。

 

「はい。何なら今度の休みに皆で拠点に来ませんか?皆さんの事をリューネさん達に紹介したいので」

「良いんですか!?ぜひ、お願いします!」

「あたしも興味あるわ。噂の冒険者チーム、その実力を知りたいし」

「アネス、悪い癖が出ていますよ。とは言え、私も話を聞いてみたいので一緒に行きたいです」

 

憧れの人に会えるとテンションが爆上げするヒルメ、【青薔薇の戦乙女】の実力に興味を抱き好戦的な笑みを浮かべるアネス、そんなアネスを宥めながらも自身も彼女達の話に興味を抱くクレージュ。

 

そんな各々の反応にトウヤは凄い期待だなぁと思いながら水を飲んだ。

 

そして後日、休暇を取った四人は早速トウヤが住んでいる拠点【フローラ・ガーデン】に招き入れて護衛依頼から戻ってきた【青薔薇の戦乙女】と会わせて親睦を深めたり、【青薔薇の戦乙女】のメンバーから戦術のアドバイスを聞いたりしながら過ごした。

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