トウヤがチームを組んでから一か月が経った。いつも通りチームで依頼をこなしているとアリシアからトウヤ達に話があると呼ばれた。
「試験ですか?」
「はい、トウヤさん達にDランクへ昇級の許可が出ました」
頭に?を浮かべるトウヤにアリシアはギルドが決めた評価基準を説明する。
簡単に言うとまずG~Eまでは依頼を規定数まで熟せばそのまま上がっていくが、D以降は他冒険者や依頼人との衝突を防ぐために協調性や礼儀作法が評価に加わる。
それらの評価がある一定まで得ると昇級の為の試験を受けられ、それをクリアすることでランクが上がるとの事。
「ということですので、今日は早めに切り上げて明日また来てくださいね」
「分かりました」
アリシアのDランク昇級の話を聞いたトウヤ達は早めに拠点へ帰り、明日に備えて色々と準備をし始める。
そして翌日、トウヤ達はギルドに来ると早速Dランクの昇級審査を受けるために指定の場所に向かう。
向かった先には一組のチームを中心に数組のチームが集まっていた。
その中にトウヤが時折組んでいた【光の方舟】のメンバーも居た。
「ん?あ!トウヤじゃないか!」
チームリーダーであるリクがトウヤ達に気付くとエンジ、ユハナ、リーアもトウヤの方を見る。
「皆さん、お久しぶりです」
「ああ、本当に久しぶりだね!」
トウヤとリクはお互い握手をすると他のメンバーも話しかけていく。
「聞いたぜトウヤ!お前、チームを結成したそうじゃねえか!」
「後ろの子達、トウヤのメンバー?ねえねえ紹介して!」
「分かりましたから、落ち着いてください。エンジさん、ユハナさん」
テンションが高いエンジとユハナに急かされながらトウヤは自身のチームメンバーを紹介する。
「こちらはチームメンバーのヒルメさん、アネスさん、クレージュさんです」
「ヒルメです。半妖狐族で職業はエレメンタラーです」
「アネスよ。人族で職業はストライカーよ」
「クレージュです。胡狼人族で職業はエクソシストです」
メンバーの紹介が終わると今度は【光の方舟】の番となる。
「初めまして、俺は人族のリク。チーム【光の方舟】のリーダーをやっていて職業はファイター。よろしく!」
「リーアです。人族で職業はヒーラーをやっています」
「俺はエンジ!猿人族で職業はランサー!よろしくな!」
「私はユハナ。闇人族で職業はウィザードよ。よろしくね!」
両チームはお互いに自己紹介が終わると女性陣はすぐさまガールズトークを始め、蚊帳の外にされたトウヤ達男性陣はとりあえず最近あったことなどの世間話をしていた。
「はい、全員注目!これよりDランク昇級試験の説明をするわよ!」
お互い、親睦を深めていると獅子人族の女性が声を掛ける。
「まずは自己紹介させてもらうわ。私は獅子人族のリオ、職業はソードダンサー。Cランク冒険者チーム【獅子の牙】のリーダーをやっているわ。こちらの二人がメンバーの、スカウトのレオンとアーチャーのライオス。今回の全体統括役兼試験官を務めるわ」
どうやらこのリオと名乗る獅子人族の女性が率いるチームが試験官を務めるらしい。
彼女達の紹介が終わると赤色ツンツン髪に褐色の肌をした不良系の青年が威勢よく名乗り上げる。
「俺らは、Eランクチーム【羅刹】のリーダーの鬼人族のシキだ。職業はランサー。試験なんざ、あっと言う間にクリアしてやるよ!」
シキと名乗った男は周囲に威圧するように睨みつける。
他の三人のチームメンバーも、槍使いで装備も統一している。柔軟性はなさそうだが、ハマれば強い。そんな印象を抱かせている。
「私達はEランクチーム【森羅万象】のリーダーの森人族のヒューズです。職業はセージです」
二チーム目は全員緑色の装備で統一していた。
彼の仲間は三人でファイターが、スカウト、アーチャーというバランスの良い構成だった。
「俺はEランクチーム【光の方舟】のリーダーの人族のリクです。職業はファイターです」
三チーム目はトウヤが良く知っている【光の方舟】のメンバーだ。
そして次にトウヤの番が来る。
「僕はトウヤ。Eランクチーム【ブレイブ・クエスター】のリーダーをやらせてもらってます。人族で職業はソウルブレイダーです」
最後は煌びやかな装備を纏った端正な顔立ちをした優男だった。
「僕達はEランクチーム【天剣】のリーダー、人族のアスモです。職業はパラディンです」
アスモと名乗った男性は優し気な笑みで優雅にお辞儀するがその目は周囲を見ず何故かトウヤの後ろのヒルメ、アネス、クレージュを見ていた。
まるで彼女達を狙っているかのような眼差しにトウヤはとっさにヒルメ達の前に立つ。
「……ふん」
アスモはつまらなそうに一瞥すると直ぐに元の柔和な笑みに戻っていった。
そんな彼の仲間は三人の女性で構成されておりエンチャンター、レンジャー、ヒーラーとアスモを主軸とした編成をしていたが彼女達の目は虚ろで無表情なのが気になった。
「えー。それでは、自己紹介も終わったので、説明に移らせてもらうわ」
お互いの自己紹介を終えるとリオは早速試験の内容を伝える。
「今回の試験は最近発見されたダンジョンの調査よ」
「調査かよ。そんなのFランクの雑魚共で十分だろ?」
「今回のダンジョンは今までと違うわ」
最新のダンジョンと聞いてやる気を無くすシキにリオは注意しながらこれから行くダンジョンを説明する。
今回のダンジョンは大陸北部の荒野で発見されたそうだがその周辺に魔物は居らず、ダンジョンから検出されるはずの魔素が一切無かった。
それを聞いたギルドは不審に思い、調査隊を派遣したがたったの一層目で多くの冒険者が返り討ちにあった。
比較的軽傷な冒険者からの報告では内部には生物の気配は一切なく、居るのはどの系統も属していない未知のゴーレムだけとのこと。
現在はそのゴーレムがダンジョンの入り口周辺を徘徊し、魔物も人も無差別に攻撃しているとの事。
「そういう訳で決して油断しない様に」
「へぇ、未知の敵ねぇ。歯ごたえがある奴だと良いんだがな」
忠告を聞いても好戦的な笑みを浮かべるシキにリオは頭を押さえながらため息を吐いた。
―――
ギルドを出発した一行は、半日かけて件のダンジョンが見える丘に着いた。
道中では意外な事に一番チームの和を乱しそうなシキ達【羅刹】が危険度が高い魔物を積極的に倒したり、試験官の方針に素直に従ったり、他チームと連携をしたりと粗暴な態度からは想像もつかないほど貢献していた。
逆にアスモ率いる【天武】は自分勝手な行動が目立ち、いちいち周りに突っかかって和を乱していた。見た目に反してお山の大将気質なのだろう。どうしても、自分以外のリーダーが気に入らないようで試験官であるはずのリオに口答えしていた。
試験に受けておいて、試験官の印象を悪くしてどうするのかとトウヤ達は思っていたがそれを言っても彼には伝わらないだろう。
彼等が問題行動を起こすせいで本来なら、夕方にはダンジョンに到着できるはずが、すでに夜となっていた。
「えー、本来だと今日の内に1、2階層を踏破して、明日に残りを攻略する予定だったけど、少々予定が遅れているわ。なので、今日はここで野営を行い、明日は早めにダンジョンに入ろうと思う。良いわね?」
「異論はねぇ」
「そうですね。俺は野営をするのは賛成です」
「私もその方が良いと思います」
「僕も試験官の意見に賛成ですね」
「僕もです」
見張りはリオの取り決めで最初に【ブレイブ・クエスター】と【光の方舟】、次に【天武】と【羅刹】、最後に【森羅万象】と【獅子の牙】の順で行なうことになった。
トウヤ達は焚火を見ながら周りを見張っていると後ろから【天武】のリーダー、アスモが近づいてきた。
「やあ、こんにちは」
アスモはトウヤを無視してヒルメ達に挨拶をする。そのあからさまな態度にトウヤは怪訝な表情を浮かべる。
「えっと、こんにちは。あの、お一人ですか?お仲間さんは?」
「彼女達は今日の行軍で疲れてしまったので先に休ませています。それで暇になったので少し私とお話しませんか?」
そう言ってにっこりと微笑むアスモだがトウヤは彼から発せられる泥の様にねっとりとした感覚を感じた。
その後、アスモは女性陣と話をしていたがどの話も自身の自慢や武勇伝に繋げるばかりでこちらの話を一切聞いていなかった。
女性陣は長い自慢話を聞かされて辟易しだし、それに気づいたトウヤはアスモをテントに帰らせようと話しかけた。
「そろそろ戻った方が良いのでは?今起きていたら見張りを交代した時、辛くなりますよ?」
「君には聞いてないよ詐欺師君。黙っていたまえ」
トウヤが口出しした瞬間、アスモは先ほどの柔和な笑みとは違ってまるでゴミを見るかのような冷たい眼差しを向ける。突然の豹変に一同は驚くがそれよりも気になる事があった。
「詐欺師って僕の事ですか?」
「君以外の誰が居るんだい?他の冒険者が話していたよ。『あんなに早くEランクになったのはおかしい。絶対にギルド長に取り入って不正をしている』ってね。全く、冒険者として恥じらいは無いのかい?」
どうやらアスモは何らかの理由でトウヤ達の戦いを目にする機会がなかったのだろう。
だからトウヤ達が何らかの不正な手段で自分と同じランクを手に入れたと、勘違いしているんだろう。
その後、アスモはトウヤに対して丁寧な口調を被せた罵詈雑言を浴びせ続けた。
(……うるさいな、この人)
対してトウヤはこの程度の罵倒は慣れているので聞き流していたがこうも長いと流石にイラついていた。
「君達もこんな奴を放って僕の所に来ないかい?歓迎するよ」
アスモはトウヤが言い返さないのを見て気分が良くなったのか上機嫌にアネス達を勧誘する。
それに対して三人はアスモのトウヤに対する罵倒に激しい怒りを抱いていた。
「さっきから聞いていれば、好き放題に言ってくれるわねぇ?」
「……不快ですね」
「トウヤさんはそんな人じゃありません」
各々が武器を手に取り、臨戦態勢に入る三人にトウヤが止める。
「皆さん、落ち着いて。こんなのにいちいち反応していたら疲れるだけですよ」
あんな罵倒、キャンキャン煩い子犬の威嚇みたいなものだ。言外にそう言われたことに気づいたのだろう。アスモが挑発に乗ってきた。トウヤにはそんな意図は無かったが。
「言ってくれるね。さっきは何も言い返せなかったくせに」
「貴方の様な能無しの相手なんてしてられません」
ただ淡々と答えるトウヤの様子にさっきの罵倒が効いてないどころか全く相手にされてなかった事に気付いたアスモは眉を顰める。
「僕が能無しだと?」
「ろくに調べもせず他人の話を鵜呑みにして、相手の実力差に気付かずに馬鹿にする。これを能無しと言わずに何といいますか?」
「ふふふ、聞き間違いかな?この僕が君より劣っていると聞こえるのだが?」
「この依頼が終わったら病院の脳外科か精神科に行くことをお勧めしますよ。もしかしたらそのすっかすかの脳ミソを治せるかもしれません。手遅れかもしれませんが」
「っ!」
トウヤの罵倒にアスモは一瞬鬼の形相になるが一度深呼吸をして直ぐに柔和な笑みに戻す。
「なら、その実力が本物かどうか。見せてもらいましょうか」
アスモはそう言って、剣を抜いてトウヤに突き付けた。模擬戦でもやろうというのだろう。
「明日は調査ですよ?こんなところで体力を無駄に使うつもりですか?」
「今更怖気づいたのかい?大丈夫さ、ちょっとした準備運動だから怪我はしない様にすればいい」
「……はぁ」
言っても無駄かと思ったトウヤはゆっくりと立ち上がり、お互い周囲に被害が出ない様に広めの場所に移動する。
一触即発の雰囲気に誰か止めそうなものだがどのチームも割り込まず見守っていた。
【光の方舟】だけは二人を止めよう動こうとするがリオに止められてしまう。
お互い位置に着き、トウヤが小剣を引き抜くとそれを見たアスモは薄ら笑いを浮かび始めた。
「そんなみすぼらしい剣で僕と張り合う気とは舐められたものだね。もっと良い装備を選びなよ」
「……さっさと来い」
「ふん、所詮は現実を知らないガキか。なら一撃で終わらせてあげるよ!」
アスモは盾を構えながらトウヤに剣を振り下ろす。
寸止めとか全く考えている様子のない、全力の攻撃。
暢気に食事をしながら観戦気分だったリオたちもこれにはさすがに驚き、彼らの何人かから悲鳴が漏れた。全く動かないトウヤを見て、アスモの剣が直撃すると思ったらしい。
「ふん」
「がっ!?」
トウヤが盾を僅かに振るい、剣を弾いて受け流す。勢いを突きすぎたアスモは体勢を崩してしまい、そこにトウヤの蹴りが炸裂してアスモは地面に転がされる。
「これで僕の勝ちです」
「ま、まぐれだ!もう一度」
「これが実戦なら、貴方はさっきので死んでいます。次なんてないですよ」
「うるさい!もう一度だ!」
そう言って武器を構えるアスモにトウヤはため息を吐きながら構える。
「今度はこっちの番です」
「あ――がっ!」
トウヤは瞬時にアスモの右側に回り込むとその腹に回し蹴りを叩きこんで再び吹き飛ばす。
アスモからは、トウヤの姿が突然消え去り、いきなり真横からぶん殴られたように感じられたはずだ。
「げほっ!?ごほぉ!?」
打ち所が悪かったのかその場で咳き込むアスモに対し、トウヤは冷たい目で見る。
「く、くっそお!」
やけくそになったのか、今度は剣を荒々しく振り回し、連続で突きを放ってくるが、トウヤには当たらない。振り下ろしても盾で弾かれ、連続で突きを放っても剣と盾でいなされる。
その繰り返しが、どれほど続いただろうか。先ほどまで余裕な表情をしていたアスモは見下していたトウヤに追い詰められていた。
「なんでだっ!?何なんだ!?」
「無駄ですよ」
「こんなの信じられるかっ!」
三分くらい経ったのだろう、全力で剣を振り回し続けたアスモは、すでに優男風の仮面は剝がれてフラフラだった。
自分の渾身の攻撃が全く当たらなかったことがショックなのか、情けない顔で喘いでいる。
「ちくしょうっ、ちくしょうぅ!」
「じゃあ、そろそろ終わりにします」
「ちく――ごはっ!」
そろそろ相手にするのが面倒と感じたのか、今度は首筋に蹴りを叩きこんでアスモの意識を奪い、模擬戦を終わらせた。
「良くやったわ。トウヤ!」
「お疲れ様です」
「お怪我はありませんか?」
模擬戦が終了した途端、アネス達はトウヤに駆け寄っていき、見ていた他チームは感心やら興味やらで様々な反応を示していた。
その後は気絶したアスモを【天武】のテントに放り込んだ後、交代の時間が来るまで見張りの続きをした。
―――
翌朝、野営地から出た一堂は岩場の陰に隠れながらダンジョンの様子を見る。
ダンジョンの周囲には情報通り魔物図鑑でも見たことが無いゴーレムが四体ほど周囲を徘徊しており、入り口の方には扉が破壊された跡があるのを見て、おそらく前の調査隊が無理矢理開けたのだろう。
因みにここまで問題はほとんどない。問題行動を起こしていたアスモは昨日の敗北が堪えたのか、トウヤに憎悪の視線を送るだけで大人しくしていた。
(あれがゴーレムですか。)
トウヤは周囲を見渡しているゴーレムを注目する。
外見は某ロボットアニメに出てくる量産機の様な見た目で色は白系統で統一、装備は大型の銃に剣と盾のみととてもシンプルな物となっている。
「どうしますか?」
「そうねぇ……」
「なに立ち止まってるんですか?さっさと行きますよ」
リオはあのゴーレムをどうするか考え始めた所でアスモが周囲の空気を読まずに堂々と歩き出した。
「待ちなさい!無策で行くのは危険よ!」
リオが呼び止めるがアスモは無視して飛び出そうとする。
「おい、待てや」
ここでシキがアスモの前に立ちはだかる。
「何ですか?そこを退いてくださいよ」
「別に死にたいなら止めはしねぇ。けどな、てめぇの自殺行為に俺達を巻き込むな」
「面白いこと言いますね。まるで僕があんな鉄屑に負けるとでも言っているようだ」
「相手の実力差を考えろよ?ああ、出来ないか。昨日は相手の実力を見抜けずにボッコボコにされたもんなぁ?あんな無様を晒しておいて強気でいるとかてめぇの方こそ詐欺師なんじゃないか?」
「……黙れよ。この蛮族が」
「おお、化けの皮が剝がれているぞ?詐欺師殿?この程度の罵倒で怒るとは案外てめぇもガキって事か?笑えるぜ!」
親の仇の様に睨まれながらもそれでも止まらないシキの罵倒に堪忍袋の緒が切れたアスモは怒りの形相になりながら剣を抜き放つ。
「……殺す」
「おお、何だ?殺り合うってのか?てめぇはちゃんと状況を理解してんのか?今ここで殺り合えばどうなるのか分かってんだろ?」
「そんなもの知るか。お前を殺す」
「おいおい、これが本当に冒険者か?もはやならず者だぜ!そこんところどう思うよ試験官様よ?」
「……これ以上の独断行動は駄目よ。もしこれ以上やるなら、貴方達を失格とします」
ここでシキに話掛けられたリオは厳しい表情で二人を注意する。
「だとよ。残念だが今回はお預けらしい」
「っ!待て、逃げるのか!」
「逃げる?っは!何を勘違いしてるのやら。俺は勝手な事をしようとするてめぇを止めに来たんだぜ?」
「何だと?」
「俺達は今Dランク昇級試験を受けてんだぜ?ここで試験官の機嫌を損ねたら失格になるだろ?俺はそんなの御免だね」
そう言ってシキはアスモを嘲笑いながら自身のチームの元へ戻っていった。
「くっ!気が削がれました。後は勝手にやってください」
お前の方が勝手な事をしようとしただろ!とこの場の全員が思っていたがそれを言うとまた面倒な事になりそうだったため飲み込んで、作戦会議を再開する。
まず前の調査隊が入手したゴーレムに関する情報を纏めるとこんな感じである。
① 装甲は斬撃、刺突、打撃、魔法などに高い耐性を有しており、生半可な武器や魔法じゃ傷つかない。
② 見た目に反して高い機動性と運動性を持っており、原理は不明だが魔法を使わずに空を飛んだり足を動かさずに地上を滑る様に移動することも可能。
③ 武器は光線が出る銃と剣二つだけだがどれも魔法耐性を付与された鎧をあっさりと貫通する攻撃力を持っており、唯一防げるのはプロテクションの魔法のみ。
④ これも原理は分からないがゴーレムは離れていてもお互いの状態が分かるらしく、一体が戦闘を始めれば残りの個体もそこに集まる習性がある。
⑤ ゴーレムは一定範囲内の全てを見通す目を持っており、どんな隠蔽魔法でも必ず見つけ出す。
「これが調査隊が報告したあのゴーレムに関する情報の全てよ」
「え?強すぎませんか?」
「どんな攻撃も防御も効かないって反則でしょ!?」
「隠れて近づくのは無理ですよねぇ」
何とも八方塞がりな状況に一同は頭を抱える中、トウヤはゴーレムの装備を見てある事に気付いた。
「あの、少し良いですか?」
「ん?何かしらトウヤ君」
「あのゴーレム、どんな攻撃も効かないんですよね?なら何で盾なんか装備してるんでしょうか?そんなに硬いなら必要ありませんよね?」
「……言われてみれば確かにそうね。でも何の為に?」
「恐らくですがかなり脆い部位があるのでそこを守っているのかと」
トウヤの指摘に一同は考えを巡らす。
「けどチビ助、脆い部位って何処にあんだ?全く見えねえぞ?」
「チビ助って……僕の名前はトウヤですよシキさん。……う~ん、多分ですけど関節とか構造が複雑な部分とかですかね、後は……頭とか?」
「頭ですか?」
「ほら、あのバイザーの部分とか。あの部分を貫くか首を切断すれば仕留められると思うんですよね。どんな敵でも頭を潰せば死にますから」
「さらっと怖い事言うなお前。けどもしその通りならやってみる価値はあるか」
「それじゃあ、作戦を決めましょう。まずは――」
トウヤの意見を取り入れたリオは他のチームの意見を聞きながら作戦の内容を決めていく。内容が決まるとまず全チームでダンジョンの周囲を囲む様に配置する。
「作戦開始!」
リオの号令と共にトウヤ達前衛組が一斉にゴーレムに向かって駆け出す。
『『『『ッ!』』』』
突然の接近に気付いたゴーレム達は迎撃の為に銃の引き金を引く。
放たれる光線がトウヤ達に襲うが各チームの後衛組が張ったプロテクションで防ぐか回避しながらゴーレムの元に向かう。
ゴーレムは銃が効かないと分かったのかすぐさま剣に持ち替えて迎え撃つ。
「はあ!」
まずアネスはゴーレムの攻撃を回避しながら懐に入り拳や蹴りなどのラッシュを叩きこんで転倒させ、その隙にトウヤが頭部のバイザー目掛けて剣を突き立てる。
頭部を貫かれたゴーレムは激しい放電と痙攣を起こして機能を停止した。
「かったいわねこいつ!?結構全力で殴ったのに凹んだだけだし!?」
「こっちも手応え的に普通の剣だと一発で刃こぼれしますね。ダインさんからミスリル製の剣を買っておいて良かったです」
トウヤは周囲を警戒しながら他のチームを確認する。彼等も問題なくゴーレムを倒していた。
【光の方舟】はリクが囮として引き付けている隙にエイジの槍が頭部を貫く。
【羅刹】は四人で囲みながらの波状攻撃でゴーレムの関節を破壊して攻撃手段と防御手段を奪い、無防備になった所をシキが止めを刺す。
【森羅万象】は【獅子の牙】と共闘してゴーレムを拘束しながら堅実に倒した。
そして最後の【天剣】のチームは未だに苦戦していた。
「く、くそ!おい、回復と強化を!」
「「は、はい!」」
アスモは背後の女性陣から回復と強化魔法が掛けられるとすぐさま攻撃に転じる。
振り下ろし、袈裟切り、突きなどの攻撃を連続で放つがゴーレムは的確に盾で防ぐ。
この攻防を見ていたアネスは呆れた表情になっていた。
「こんな序盤から苦戦してるし、戦い方もなっちゃいない。あれ、本当に私達と同じEランクなの?」
「確かにおかしいですね」
アネス言う通りトウヤはアスモのランクの割に実力が足りていない印象を抱いていた。
「とにかく、さっさと片付けますか。あの様子じゃあ殺されるだろうし」
「別に助けなくても良いんじゃない?此処で死んでもらった方がこの後の余計な手間が減るわよ?」
「それはそうですけど――あ」
アネスと助けるかどうか話し合っているうちにゴーレムがアスモの剣を弾き飛ばした。無防備になったアスモに更なる追撃を咥えようとするゴーレムに後ろからシキが槍でゴーレムの後頭部から貫いた。
「え?」
「よう、無事か?雑魚聖騎士」
突然の事で間抜け面をさらすアスモにシキが挑発的な笑みを浮かべながら無事を確認する。
状況を理解したアスモは怒りを顕わにしてシキに詰め寄る。
そして再び始まった罵倒の応酬に他のチームはため息を吐きながら二人を止めに入った。
二人の喧嘩を何とか止めたトウヤ達は早速ダンジョン内に突入した瞬間けたたましい警報が鳴り響いた。
「な、なんだ一体!?」
「全員!一塊になって!何か来るわ!」
突然の事態にトウヤ達は何が起こっても対処できるように周囲を警戒した時、何処からか声が響いた。
『■■■■■■。●●●●●●●●●。▲▲▲▲』
まるで男性と女性が入り混じったかのような声から発せられる未知の言語がトウヤ達を混乱させる。
「えっと、何を言ってるんだ?」
「途轍もなく嫌な予感を感じますが」
周囲が未知の言語に混乱する中、【森羅万象】のリーダーであるヒユーズが何かに気付く。
「ふむ、どうやらこれは古代文明で使われた言語ですね」
「分かるの?」
「ええ、私は以前北大陸で古代文明の遺産を解析をしていましたから。でもどうやら私達を歓迎している訳では無い様だ」
「ああ?どういうことだ?」
「先ほどの声をこちらの言語に直すとこう言っています『侵入者ヲ確認。防衛プログラム起動。排除開始』とね」
ヒューズが先ほどの声を翻訳した途端、奥の扉が開き中から多数のゴーレムが隊列を組んで向かってきた。
残りの青薔薇の戦乙女メンバーのHな話をどれから先に見たいですか?(TS娘のカムイの話は一番最後に書く予定です)
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ツクヨ 内容:誕生日イチャラブセックス
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アイラ 内容:エロダンジョン攻略セックス
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カミラ 内容:吸血されながらセックス