※この作品はR-18です。

異世界ハーレムダンジョン生活   作:BLUE@

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執筆中に半分にしたものの後編です。


五話

その後、なんやかんやあってとりあえずギルドに戻ったトウヤは今回の件をイズモに報告していた。

 

「なるほど、そういうことだったんだね。すまないねトウヤ君。大変だっただろう」

「いえ、大丈夫です」

「それにしても、ゴブリンの群れとは……近くに巣でも出来たのかな?」

 

イズモは今回のゴブリンの群れについて何かが引っかかるのを感じた。

 

「とりあえず、シーフを使って詳しく調べてみよう。ああトウヤ君、君はEランクにランクアップできるからステータスプレートを更新しておくように」

「え?Fを通り越してEですか?」

 

いくら何でも飛ばしすぎなのではないだろうか。そうイズモに聞くと。

 

「先の依頼の達成に加えて、突発的なゴブリンの群れの襲撃に対して即座に撤退戦を行う判断力。

【光の方舟】を逃がし、ギルドに救援を呼ぶ時間を稼ぐ作戦を即座に決める決断力。

そしてDランク相当のゴブリンチャンピオンなどの上位種を含めたゴブリンの群れを単騎で殲滅する戦闘力。

これだけの事を出来る君を底辺に置いておくのは勿体無いからね。本当ならDランクにしてあげたかったんだが、流石に他の支部から了承されなかった」

 

少し残念そうに話すイズモだがトウヤはそれはやり過ぎなんじゃ?っと思っていた。

 

「そういえば、君は職業のスキルを使ったそうだね。どうだった?」

「……それがですね」

 

トウヤはイズモに【心装具現】と【深怨罪華】の二つを使用した時の事を話した。イズモは興味深そうに聞いていたが【深怨罪華】の説明を聞いた時は真剣な表情となった。

 

「地形を変えながらゴブリンの群れを一撃か……確かにこれは町中やダンジョン内では使えないな。君の判断は正しいよ」

「ですよね。今回で初めて使ったので分かりませんがコントロール出来るなら、習得した方が良いですよね」

「その方がいい。さて長話に付き合わせて悪かったね。気を付けて帰ってくれ」

「はい、また明日」

 

 

―――

 

 

トウヤがイズモと話している頃、【光の方舟】は沈痛な雰囲気でテーブル席に座っていた。

 

「……なあ、どうする?」

 

このままじゃ埒が明かないと思ったエイジは三人に話しかける。

 

「どうするって……トウヤ君の事か?」

「ああ、俺達のチームに引き入れる話……どう考えてる?」

「私は無理だと思う。仮にチームに入っても私達が足枷にしかならないわ」

 

このエイジの問にユハナはトウヤのお荷物になってしまうことを断言する。彼と【光の方舟】の実力差は大きく開きすぎている。どうやっても追いつけないほどに。

 

「だよな、正直俺はあいつが怖え。今でも震えちまう……」

 

エイジはトウヤの狂気的な考えと精神に恐怖していた。人だろうが魔物だろうが敵をただ効率的に殺すという彼の思考回路は理解できなかった。

 

「私も……無理だと思います……」

 

リーアはトウヤの言葉に苦しんでいた。誰かを救いたいと常に願っていた彼女にとってトウヤの言葉は己の存在意義を全否定された様なものだった。

 

「そうか……みんなもか……」

 

三人の答えにリーダーであるリクは自分の選択に激しく後悔していた。

 

最初はトウヤの事は自分達と同じだと思っていた。幼い頃から冒険を夢見て遊びながら過ごし、成長して冒険者になった時は輝かしい未来を想像しながら日々の冒険を楽しむ、そして最高峰の冒険者となって最高難易度の七大迷宮を攻略するのだと理想を抱いた自分達に。

 

だがそれは間違いだった。

 

彼の送ってきた人生は残酷だった。他者に傷つけられ、孤独に過ごし、信じていた者に裏切られる。それを12年も受け続けた。その間、誰も彼に救いの手を差し伸べなかった。

 

だから彼は強くなった……いや、強くならざるを得なかった。自分を傷つける人の悪意に対抗するために、自分の大切なものを奪う理不尽から守る為に、自分が安心して暮らせるように。

 

それは自分達とは相容れない物だった。そしてどうすることも出来ない物だった。

 

「彼をチームに入れるのは諦めよう……」

 

リクの出した結論に三人は同意を示す。その事をトウヤに伝えようと重い足取りで向かう四人。

 

その時、ギルドの一角に人だかりが出来てるのを見つけた。気になった四人はそこに向かう。

 

「あの、何の集まりですか?」

「ん?ああ、ちょっとな。Gランクだった奴が一つ飛ばしてEランクになってな。今ちょっと騒ぎになってんだよ」

 

そう言って、冒険者は人混みの中心を指差す。そこには長い銀髪の美女と話すトウヤの姿だった。

 

「Eランクって……トウヤですか!?」

「ん?お前ら知り合いか?」

「えっと、今日一緒に依頼を受けました。……あの、トウヤと話している銀髪の人って誰ですか?」

「あ?お前、知らないのか?」

「俺達、昨日冒険者になったばかりなんです。だから知らなくて……」

 

冒険者は「ふ~ん」と言いながらもリクの質問に答える。

 

「あの人はSランク冒険者チーム【青薔薇の戦乙女】のリーダー、【守護竜姫】のリューネだな」

「え……」

「「「「Sランク!?」」」」

 

トウヤが話している女性が最高峰の冒険者チームのリーダーということに四人は驚く。実力はともかく底辺冒険者であるトウヤが気軽に話せる相手じゃなかった。

 

「な、何故そんな人がトウヤ君と……」

「あの子は【青薔薇の戦乙女】に保護された後、彼女達に引き取られているんだとよ」

「保護されたってどういうことですか?」

「詳しいことは知らんが。何でもあの子は闇組織に実験動物として囚われていたらしい」

 

冒険者から伝えられた情報にリク達は驚愕する。

 

「実験動物って、どうしてトウヤ君が!?」

「これは聞いた話なんだが、一ヶ月前、闇組織がアークレイ大森林であの子を使った非合法な兵器開発をしていたらしくてな。あの子は其処から逃げ出したところで保護されたらしい」

「その兵器って何ですか?」

「そこまでは知らないがその兵器のせいでたった数分で討伐隊の三割も殺されたらしい。しかもたった一機でな」

 

たった一機の兵器が数分で討伐隊の三割を殺した。その事実にリク達は恐怖を感じた。もし自分たちがその兵器に襲われれば一瞬で殺されるだろう。

 

「その兵器は当時参加していた【青薔薇の戦乙女】と冒険者【八咫烏】のレイブンが仕留めたらしいが。もし量産されていたら討伐隊は全滅だったろうな。ま、お前らもあの子には関わらない方がいいぜ。触らぬ神に祟りなしだ」

「え?どういうことですか?」

 

冒険者の言ったことが理解できずに困惑するリク達に冒険者はある情報を伝えた。

 

「これは噂なんだが、西大陸の【軍事国 アヴァロン】の連中があの子を狙っているらしい」

「「「「え!?」」」」

「今はギルドが抑えてるって話だが連中なら何をやらかしてもおかしくねぇ。それに巻き込まれたくなかったら放っておいた方がいい」

 

そう言って冒険者はひらひらと手を振りながらギルドを出た。残されたリク達は冒険者の忠告を聞いてトウヤの事を考えていた。

 

余りにも救いがない、誰も彼もがトウヤを傷つけ弄び、そこに更らなる苦痛を与えようというのか。心に怒りが沸き起こるがトウヤを狙っている存在の大きさに恐怖で塗り替えられる。

 

自分達には何もかも足りなかった、力も、知恵も、心も。

 

余りの情けなさに、リク達は悔しがる。

 

「あれ?皆さんこんな所に居ましたか……」

 

そんなリク達の前に件の少年、トウヤがリューネと一緒に話しかけてきた。

 

「トウヤ、この子たちは?」

「今回の依頼で知り合ったチーム【光の方舟】のメンバーです。人族の戦士がリーダーのリクさん、猿人族の槍使いがエイジさん、闇人族の魔術師がユハナさん、人族の治癒師がリーアさんです」

「そうなんですか?なら自己紹介をしないといけませんね。初めまして【光の方舟】の皆さん。私はチーム【青薔薇の戦乙女】のリーダーをやっています、天竜族のリューネです。よろしくお願いしますね」

 

リューネは柔和な笑みを浮かべながらリク達【光の方舟】に挨拶する。

 

「い、いえ!?こちらこそよろしくお願いします!?」

「Sランク冒険者様と話せるなんて光栄です!?」

「えっと、その、よろしくお願いします!?」

「よ、よろしくお願いしましゅ!?」

 

突然のSランク冒険者が目の前にいるという事実に全員緊張でガッチガチに固まってしまう。そんなリク達がおかしいのかリューネはクスクスと微笑む。

 

「ふふ、それにしてもトウヤにお友達が出来るなんて。私嬉しいです」

「「「「え?」」」」

「あの、リューネさん。今日初めて会ったばかりだから友達という程では……」

 

突然のリューネの友達発言にリク達は再び固まる。対してトウヤは冷静に否定しようとするがリューネはリク達に話しかける。

 

「これからもトウヤと仲良くしてくださいね。トウヤは今まで同年代の友達が居なかったから、他人と距離を置こうとするけど根は優しい子です。だからこれからも一緒に冒険に連れてって下さいね」

「……すみません。俺達じゃ無理です」

 

これからもトウヤと仲良くして欲しいというリューネの願いにリク達は申し訳ない気持ちで謝る。

 

「……それは、何故ですか?」

「俺達、弱いんです、何もかもが。……だから一緒に居ても、迷惑をかけてしまう……」

 

そう言ってリク達は俯いて涙を流す。それを見たリューネはリクの方にそっと手を置く。

 

「なら、強くなればいいでしょう」

「「「「……え?」」」」

 

リューネの言葉に、リク達は目を点にする。そしてさらに続ける。

 

「弱いなら強くなればいい、分からないなら知っていけばいい、一人で駄目なら皆でやればいい。そうすれば道は切り開けます」

 

真っ直ぐ見つめるリューネのその言葉に宿る、強い意志がリク達の心の暗雲を晴らしていく。

 

「Sランクと呼ばれる私達も最初から強かったわけではありません。皆さんの様に何度も失敗する時がありました。分からないことが沢山ありました。心が挫けそうなときもありました。でも、それでも諦めずに進み続けたこそ今の私達がいるんです」

 

その言葉でリク達の傷ついた心を癒していく。

 

「もし、どうしても前に進めなくなった時は、私達に頼ってください。必ず力になります」

「「「「……はい!」」」」

 

そう締めくくったリューネの言葉にリク達【光の方舟】は再び涙を流す、だがそれは後悔ではなく感謝だった。

 

そしてリク達が泣き止んだ頃、リューネはあることを思い出してトウヤに聞く。

 

「そういえばトウヤはリクさん達を探していましたね?何か用事があったのですか?」

「ええ、リューネさん。実は……」

 

トウヤはリューネにリク達が自分を【光の方舟】のチームに勧誘してた事を簡潔に説明した。説明を聞いたリューネは突如、トウヤを胸に抱きしめ始め大声で叫んだ。

 

「だ、駄目です!?それだけは駄目です!トウヤは私の大切な旦那様です!他のチームに入れさせたら一緒に居られる時間が少なくなってしまうじゃないですか!?」

 

リューネが放ったとんでもないカミングアウトに聞いて、その場の全員の時が止まった。【光の方舟】を始め、依頼を確認する冒険者、それに対応する受付嬢、こちらを見ていた野次馬達、そのすべてが石像化した。

 

「~♪~♪。……ん?どうしたんだい、皆?」

 

此処で、鼻歌を歌いながら降りてきたイズモが周囲に声を掛けた瞬間。

 

「「「「なんだってーーーー!!!!!」」」」

 

男達を中心に、超特大の絶叫を上げた。

 

「旦那様!?旦那様って言ったか今!?」

「嘘だああああああああ!!?そんなバカな話があるかあああああああ!!」

「あは、あははははは!?これは何かの間違いだ!?そうだろ!?」

「我らのアイドルに手を出しやがったのかあのガキ!?」

 

モテない男達による阿鼻叫喚の地獄絵図と化したギルド内の混乱はギルドの音響兵器シュランのデスボイスが炸裂するまで続いた。

 

 

―――

 

 

あの騒動から一週間が経過した後、トウヤはある討伐依頼を受けて森林に来ていた。

 

「……はぁ」

 

トウヤはため息を吐きながらこれまでの事を振り返る。リューネのカミングアウトからの一週間、トウヤは周りの男達から怨嗟と嫉妬の籠った視線に晒されていた。

 

転移前と比べればマシといえばマシなのだが、それでも気が滅入ってしまうのだ。

 

「……大丈夫かい?トウヤ君」

 

そんなトウヤに、最近装備を新調したリクが心配そうに声を掛ける。

 

「……まあ一応大丈夫です、未だに他の冒険者の視線が痛いですが……」

「あ~、何だ……頑張れ……」

「全く、男共の嫉妬は見苦しいわよね」

「ユハナちゃん言いすぎだよ……」

 

他のメンバーもトウヤが置かれている現状に労ったり、呆れたりと反応が様々だ。

 

今回の依頼はつい先日Fランクにランクアップした【光の方舟】のメンバーと一緒に受けていた。

 

トウヤと彼等はあの騒動の後なんやかんやあって和解し、たまにだがこうして一緒に依頼をこなす仲まで発展した。

 

和気あいあいと話していたトウヤ達は目標がいるとされる川に着いた。

 

「今日の討伐対象は……いましたね」

 

トウヤは川で魔物を捕食している討伐対象である巨大なカニを見つけた。

 

「あれがロッククラブか……デカいな」

「呑気にお食事中みたいね」

「あのデカい右腕が脅威だな」

「まだこっちに気づいてないね」

 

リク達も対象を注意深く観察していた。

 

 

ロッククラブ、別名【岩槌蟹】は地球でいうところの巨大なモズクガニで異常発達した毛が生えた右腕に岩を付着させることでハンマーとして振り回す。

 

またその甲殻は岩の様に硬く生半可な攻撃では傷つかないため、弱点である口を狙う必要があるが巨大な右腕で守るため、まずは右腕をどうにかするのが討伐の鍵となる。

 

更に甲殻は鎧や盾に利用できるため。鍛冶師に需要がある。

 

因みに身は泥臭く、味は不味いので食用には適さない。

 

 

「どうする?トウヤ君」

 

リクは未だ食べているロッククラブを見ながらトウヤに意見を聞く。

 

「例えどんなに硬くても可動部である関節は脆いです。リクさんが注意を引き付けてる内に僕が右腕を切り落としますのでエイジさんは弱点である口内を攻撃してください」

「分かった!」

「おう!」

「今回は出番無しか~」

「き、気を付けてね。三人とも」

 

作戦が決まると三人は早速行動を開始する。

 

そして、全員所定の位置に着くと、食事をしていたロッククラブが三人を認識し、外敵を排除するために襲い掛かる。

 

「来い!」

 

リクは盾を構えながらロッククラブの前に立つ。ロッククラブはリクに向けてその巨大な右腕を振り下ろすがリクは直前で回避。

 

「っせい!」

 

その瞬間を狙ったトウヤが右腕に飛び乗って根元に向かうと小剣を根元の関節に突き刺して引き裂いた。

 

「貫けえ!」

 

有一の攻撃手段と防御手段を失ったロッククラブはそれでも暴れるが突き出されたエンジの槍が口内に深く突き刺さり、ロッククラブはしばし痙攣した後、力尽きて地面に沈んだ。

 

「よっしゃあ!!」

「やったねトウヤ君!」

「やるじゃない三人とも!」

「け、怪我が無くて良かったよ」

「そうですね、早速素材を剥ぎ取りましょう」

 

こうしてトウヤ達は協力してロッククラブの素材を回収してギルドに戻った。

 

「……はい、これで依頼達成となります。トウヤさん、【光の方舟】の皆さん、お疲れ様です」

「「「「ありがとうございます!」」」」

 

ギルドに居た金髪の受付嬢から今回の報酬を受け取ったトウヤ達はホクホク顔で報酬金を握りしめる。

 

「いや~、今日の依頼もトウヤのおかげで楽に終えられたぜ!ありがとな!」

「そうねぇ。正直、私に出番が無かったのは複雑だけど」

「私は、誰も怪我をしないならそれでいいです」

「でも、いつまでもトウヤに頼ってばかりはいけないよ」

「そうですね、では皆さん僕は「トウヤさん!」……ん?」

 

今回の依頼の事で楽しそうに話すメンバーにトウヤは彼らに帰ることを伝えようとすると突然アリシアがトウヤに話しかけてきた。

 

「すいませんトウヤさん、ギルド長がお呼びです。なんでもお話があるとのことで」

「イズモさんがですか?分かりました、直ぐに向かいます。すいません皆さんちょっと行ってきます」

 

トウヤはリク達と別れると直ぐにギルド長室に向かうとイズモはいつもの様に書類仕事を片付けていた。

 

「やあ、トウヤ君。急に呼び出してすまないね」

「いえ大丈夫です。それで話というのは?」

「ああ、一週間にゴブリンの群れに襲われた時があっただろう?シーフ職の冒険者に頼んで調べてもらった際、近くにダンジョンが発見された」

「ダンジョンですか?」

「ああ、どうやら。君たちを襲ったゴブリンの群れはダンジョンから溢れ出た個体らしい」

 

イズモの話を聞いてトウヤは原因が分かって、あの時の判断は間違っていなかったと安心する。

 

「更に調べた所、そのダンジョンは最近できたばかりで規模がそこまで大きくは無いらしい。そこでだ、君にもダンジョン攻略に参加して欲しい」

 

どうやら話というのはダンジョン攻略の参加要請の事だったらしい。

 

「分かりました。どこまで出来るかは分かりませんが受けたいと思います」

「ふふ、そう硬くならなくてもいい。これは君のダンジョン攻略のチュートリアルみたいなものさ。気楽に挑みたまえ」

「流石にそれは出来ませんよ。油断したら死んじゃいます」

「確かにちょっと楽観的過ぎたかな?因みに攻略開始は明日だ。それに備えなさい」

「分かりました。失礼しました」

 

イズモとの話を終えたトウヤは部屋から出て真っ直ぐ自分の拠点【フローラ・ガーデン】に帰っていった。

 

 

―――

 

 

【フローラ・ガーデン】に戻ったトウヤはリビングででリューネに後ろから抱きしめられながら【青薔薇の戦乙女】のメンバーに今日の出来事を報告していた。

 

「そうですか。トウヤも遂にダンジョン攻略ですか。頑張ってくださいね」

「はい。出来る限りの事はしたいと思います。そう言えば何でダンジョンはあちこち発生するんですか?」

 

リューネの柔らかい体に身を委ねながらダンジョンの事を質問するトウヤにエイダが少し気まずそうに答えた。

 

「えっと、それはね……私達、魔族側に原因があるの……」

「え?」

「あ~、簡単に説明するとだな……」

 

言い淀むエイダの代わりにホークスが答える。簡単に言うと、こうである。

 

①大昔に魔界側と天界側に中央大陸で大きな戦争をしていたがお互いに疲弊した結果、和平を結んだ。

 

②魔界側が帰る際、侵攻時に作った七つの巨大な転移門を撤去するのを忘れてしまう。

 

③放置された七つの転移門から魔界の魔素が流出。結果、七つの転移門を起点に巨大なダンジョンを形成。これが後に七大迷宮と呼ばれることになる。

 

④ダンジョン形成後も転移門から魔素が流出し続け、侵食するかのように大小さまざまなダンジョンが形成される。

 

⑤結論、ダンジョンがあちこち発生するのは全部、魔界側が原因。

 

「とまあ、こんな感じだな」

「え、え~……」

 

ホークスが説明したダンジョン発生の原因がまさかの魔界側が片付けを忘れたせいという事実にトウヤは何とも言えない表情になった。

 

「……まあ、原因はどうあれ。ダンジョンには俺達に色々と恩恵が貰えるから一概に悪いとは言えねえな」

「そうだね!お宝がいっぱい眠ってるしね!お金を稼ぐのに丁度良いし!」

 

ツクヨとアイラのフォローにトウヤはそれもそうかと思って緩んだ気を引き締めながら立ち上がる。

 

「明日に備えて、寝ます。おやすみなさい」

「私もこれで、おやすみなさい」

「……あ、待ってお姉ちゃん」

 

トウヤはダンジョン攻略に向けてリューネと寝室に行こうとするが直前でノアに呼び止められてしまう。

 

「ノア?どうかしましたか?」

「……お姉ちゃんに渡したいものがある。……お腹を出して」

「え?分かりました」

 

言われるがままリューネはお腹を出すとノアはへそより下、子宮があるあたりに手を添えると何かを唱える。

 

するとリューネのお腹に青白い色をしたハートに天使の翼を生やしたデザインの文様が刻まれていた。

 

「ノ、ノア?これは何ですか?」

「……淫紋を参考に私が独自に作ったお腹の赤ちゃんを守る保護術式。……これなら冒険に出てもお姉ちゃんは全力を出せる」

「そ、そうなんですか!?」

 

驚くリューネを他所にノアは詳しく説明する。内容は簡単に言うと。

 

 

①妊娠中の子宮保護による流産の絶対回避と悪阻の軽減。

 

②トウヤの精液に含まれる生命力を胎児に供給することで健康状態を維持。

 

③外敵の攻撃から胎児を守る防御結界。

 

④トウヤ以外の精子が絶対に受精できない様にする避妊結界

 

⑤副作用として乳腺の活性化と生殖器官の超鋭敏化(トウヤ限定)

 

 

「……とまあ、トウヤとのエッチに弱くなる代わりにお腹の赤ちゃんを守れるよ」

 

むふーっとどや顔で胸を張るノアにリューネはある質問をする。

 

「ど、どれくらい弱くなるんですか?」

「……10倍くらい?」

 

その言葉で想像したのかリューネは顔を赤くする。今度はトウヤが質問する。

 

「これって解除できるんですか?」

「……ん?無理」

 

あっさりと無理と断言するノア。彼女曰く多くの祝福や加護を組み合わせた結果、様々な効果が絡み合いもはや一種の呪いと化しているとのこと。

 

更には組み上げているのは祝福や加護などの神聖なものだけなので呪いには適用されず、最高位の神官でも解除不可能だった。

 

そんなやばい代物を自ら作り出し、それを自身の従妹にポンと刻む込むノアは何処かずれていた。

 

その後、寝室に戻ったリューネとトウヤは物は試しとヤッた結果、一回小突いただけでリューネは絶頂。しばらくの間、部屋に大きな嬌声が響くが防音結界のおかげで他のメンバーはぐっすりと眠っていた。




こういう淫紋って有りですかね?無しですかね?
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