※この作品はR-18です。

異世界ハーレムダンジョン生活   作:BLUE@

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六話

ダンジョン攻略当日、トウヤは新たに見つかったというダンジョンの前で大勢の冒険者と共に居た。指揮を務めるのはギルドの教官シュランだ。

 

「おい、あいつって……」

「青薔薇の所の子供か、あの子も今回のダンジョン攻略に?」

「だろうな。まあ、あのシュランさんと引き分けたからな。今回は余裕だろ」

「だな」

 

冒険者達はちらちらとトウヤを見るが当の本人は目の前のダンジョンに集中していた。

 

「おい、なんで子供が混じっている!」

 

突然、一人の冒険者がトウヤを指差して叫び始めた。声を荒げているのは細身の青年だった。着ている鎧はまだまだ綺麗で、駆け出し感丸出しだった。

 

「そんな粗末な剣なんか持って、何のつもりだ?」

 

青年はギロリと睨みながらトウヤに突っかかる。

今回参加できるのはFランク以上が条件のダンジョン攻略に幼い子供であるトウヤが居るのが我慢ならないのだろう。

 

因みに同じFランクの【光の方舟】のメンバーにも召集が掛けられたが俺達にはまだ早いと言って辞退している。

 

「……おいおい、あいつ死んだぞ……」

「相手の実力差に気づいてねえぞあれ……」

「良く見たらあいつ。配達や荷運びばっかりやってた雑用じゃねえか」

「え、あいつも参加するの?まじで?」

 

周りの冒険者から色々言われているが青年は聞こえてないのか未だトウヤの事を睨んでいた。

 

「ダンジョン攻略に参加するために来ました」

「はあ?何の冗談だ。お前みたいな子供、足手まといだ!大体な、Fランク以上の冒険者しか参加できないんだぞ。子供は帰れ!」

 

物凄く不愉快そうな表情を浮かべながら怒鳴り散らす青年にトウヤは言っても無駄と認識して無視する。

 

「おい、聞いているのか?」

「……」

「っち、ほらこっち来い、此処は子供の遊び場じゃないんだ。冒険者ごっこは向こうでやれ」

 

そう言って、トウヤを何処かに連れて行こうとする青年だがトウヤはヒョイヒョイ躱す。端から見れば子供同士が場違いに騒いでいるようにしか見えない。

 

「くそ、ちょこまか動くなよ!」

 

何時までも躱し続けるトウヤに、更に怒鳴る青年。周辺の冒険者の中には怒っている者や、怒鳴ろうとしている者がいたがその周囲の冒険者達に止められる。

 

「お前達!!そこで何をしている!!」

 

ここで二人の争いを見ていたシュランが割って入った。

 

「シュラン教官!?いや、俺はこの子供を……」

「トウヤの事か?この子も冒険者だ。お前より上のEランクのな」

「え!?こんな子供がEランク!?」

 

青年はトウヤが自分より高いEランク冒険者ということに驚愕した。

 

「全く、開始前にいらん騒ぎを起こすな」

「え、あ……すみません……」

 

青年を叱ったシュランは定位置に戻り、攻略開始の号令を叫ぶ。

 

「これより!!ダンジョン【ゴブリン洞窟】の攻略を開始する!!」

「「「「おう!」」」」

 

号令と共にシュラン率いる。攻略隊は一斉にダンジョンへ突入した。

 

 

―――

 

 

ダンジョンに突入したトウヤ達は襲い来るゴブリンの群れを倒しながら奥へ進む。他の冒険者達は初めてのダンジョン攻略なのか、動きがぎこちないながらもゴブリンを倒していく。

対してトウヤは以前のゴブリンの群れに対して行った戦法で戦っていた。

 

その素早さを生かして、他のゴブリンを統率している上位種を狩ることで混乱させ。

遠くにいる遠距離持ちには落ちていたゴブリンの武器を拾っては投げつけて妨害し。

更には足を切りつけて機動力を奪い、他の冒険者に倒させるなど、縦横無尽に敵の陣形を掻き乱していた。

 

「す、すげぇ……」

「あんな動きが可能なのか?」

「あんな剣でここまで出来るのか……」

「あの子一人で俺達に有利な状況を作り出している……」

 

トウヤの戦いぶりに他の冒険者は唖然としながらもゴブリンを相手にする。

 

「……」

 

そんな中でトウヤに絡んでいた青年は自分より幼い少年が戦場を支配している様を目の当たりにして言葉を失っていた。

 

「ふふ、流石だな」

 

シュランは数体のホブゴブリンを葬りながら効率的に自分達が有利になる様に立ち回るトウヤの戦いぶりに称賛していた。

 

その後、一同はトウヤのおかげで誰一人欠けることなく第一階層を突破した。

 

第二階層では明らかに物理法則が可笑しい、道が縦横無尽に張り巡らされた広い空間だった。そこにあらゆる場所に配置されたゴブリン達による全方位攻撃に攻略隊は苦戦を強いられたが何とか突破。

 

第三階層では岩だらけの洞窟とは打って変わって木々が生い茂る密林の空間だった。その中に潜むゴブリン達の奇襲で攻略隊に被害が出たがトウヤのパッシブスキル【心想信理】でゴブリンの殺意と悪意を察知してこちらから先に攻撃するという方法で被害を最小限に留めた。

 

そして三階層と四階層の間にある広い空間を見つけた一同はそこで休憩を取ることにした。

 

トウヤは壁にもたれながら、異常に硬いパンの様な携帯食料をゴリゴリと少しずつかじりながら食べていると目の前からトウヤと同じ携帯食料を持ったシュランが話しかけてきた。

 

「お疲れ、トウヤ。初のダンジョン攻略の感想はどうかな?」

「お疲れ様ですシュランさん。そうですね、ちょっと疲れましたね」

「ははは!大活躍だったもんな。だが、ペース配分には気を付けろよ?中には百階層もあるダンジョンも確認されているからな」

「そうなんですか?なおさら気を付けないといけませんね」

「ああ、そうしておけ。お前は他とは違って優秀だ。もしかしたら七大迷宮を攻略できるかもしれんな」

 

そう言ってははは!と笑いながら硬い携帯食料を大口でかみ砕くシュランにトウヤは七大迷宮について質問を投げかけた。

 

「あの、七大迷宮ってどんな迷宮なのですか?」

「ん?【青薔薇の戦乙女】から聞いていないのか?てっきり知っているものかと思っていたが」

「……えっと、ダンジョンが発生した理由までなら知ったんですけど。魔物の生態とか薬草の種類とか色々と勉強しないといけないことが多くて……」

「ふむ、そういうことなら仕方がないな。分かった、簡単にだが説明しよう」

 

そう言ってシュランは地面に中央大陸の地図を描きながら説明する。

 

「まず、七大迷宮はこの配置で存在している」

 

そう言って、中央大陸の中央に一つ、それを囲むように六つの点を記す。

 

「この位置に存在する七大迷宮はそれぞれ独自の生態系で築かれていてな。魔物の種類もそれに対応する属性も違う」

 

次にそれぞれの点を示しながらダンジョンの名と生態を口にする。

 

「まず、第一の迷宮【大鉱洞窟 アヴィケブロン】土系統の魔物が多く生息している洞窟型のダンジョン。

次に第二の迷宮【深海神殿 ティアマト】水系統の魔物が多く生息する神殿型のダンジョン。

第三の迷宮は【獄炎山脈 アシュヴァッターマン】炎系統の魔物が住む火山地帯型のダンジョン。

第四の迷宮は【螺旋紅塔 ゴルゴーン】風系統の魔物がうろつく螺旋の塔型のダンジョン。

第五の迷宮は【宝物都市 ギルガメッシュ】財宝が多く眠り、それを守護する聖系統の魔物が生息する地下都市型のダンジョン。

第六の迷宮は【黄泉墳墓 二トクリス】死霊系の魔物が蠢く墳墓型のダンジョン。

そして最後が第七の迷宮【混沌世界 アビゲイル】ありとあらゆる魔物が混合した異界型のダンジョンだ」

 

全ての迷宮の名と生態を話したシュランは口が乾いたのか水筒を取り出して喉を潤すと続きを話す。

 

「この七つのダンジョンは他のダンジョンと比べても異常なほど難易度が高い。極限の環境に加えて、道は罠で満たされ、住まう魔物はどれもAランクかSランク、更には階層が百を超えると話があるくらいだ。例え西大陸の勇者でも攻略には一筋縄じゃいかないだろう。

以上が七大迷宮の概要だ。何か質問があるか?」

「大丈夫です」

「そうか。さて、そろそろ休憩は終わりにしよう。少しは疲れは取れたかな?」

「問題ありません。いつでもいけます」

「ははは!頼もしい限りだ!全員、休憩は終わりだ!!攻略を再開する!!」

 

シュランの号令に冒険者達は急いで攻略の準備を進める中、トウヤは帰ったら【青薔薇の戦乙女】のメンバーに七大迷宮についての勉強を追加してもらおうと考えていた。

 

休憩が終わり、第四階層に降りた攻略組は目の前にある巨大な扉を見上げていた。

 

「……どうやら此処が、最後の階層の様だな」

「そうなんですか?」

「ああ、ダンジョンの最終回層は強大な魔物が配置されている場合が多い。無論全てではないが……」

「……なるほど」

 

シュランの説明を聞いたトウヤは扉の向こうにいる魔物に対して気を引き締めた。

 

「よし、開けるぞ。全員、覚悟は良いな!!」

「「「「おう!」」」」

 

シュランの呼び声と共にゆっくりと巨大な扉が開き、トウヤ達は一斉に中に入る。

 

そこに居たのは、華美な装飾が施された玉座に座る、騎士鎧を身に着けた大柄なゴブリンだった。

 

「……」

 

ゴブリンは侵入してきたトウヤ達を認識すると、ゆっくりと玉座から立ち上がり、その手に持った剣と槍が一体化した武器を構える。

 

「……馬鹿な」

 

戦闘態勢に入ったゴブリンを見たシュランは冷や汗を流し始める。その普段見ない反応に周囲はざわつく。

 

「まさか、ゴブリンエンペラーなのか?」

「ゴブリンエンペラー?それがあの魔物の名前ですか?」

 

聞きなれない魔物の名にトウヤはシュランに目の前のゴブリンの事を聞く。

 

「ゴブリンエンペラーはゴブリン種の中でも最上位種の個体だ。発生率が極めて低く、目撃情報は新しい物でも100年以上も前の物しかない。

そしてその情報では奴の強さはBランク相当、今回参加した連中じゃ絶対勝てない。

まさか発生したばかりのダンジョンで出会うとは」

「……Bランク」

 

トウヤは今まで戦ってきた魔物の中でも上位の強さを持ったゴブリンに警戒する。だが一部の冒険者が我先にとゴブリンエンペラーへ襲い掛かった。

 

「な!?お前達!!やめろ!!」

「Bランクって言っても所詮はゴブリンだろ?楽勝だ!」

「ゴブリンごときが騎士鎧なんざ着てんじゃねえ!!」

「先手必勝!もらったあああああ!!」

 

三人の冒険者が各々の武器をゴブリンエンペラーに振り下ろした。

 

「ぐがあああああ!!」

 

ゴブリンエンペラーは雄たけびを上げながら圧倒的な速度で三人の冒険者に肉薄すると手に持った剣槍で中央の冒険者を縦に真っ二つに切り裂いた。

 

「「……え?」」

 

突然の出来事に二人は理解が出来ず、間抜けな声を漏らした。そこをゴブリンエンペラーは見逃さなかった。

 

「ぐるがああああああ!!」

 

ゴブリンエンペラーは剣槍を左に居た冒険者の心臓を貫き、次は真横にフルスイングしながら右の冒険者を上下に真っ二つに切り裂いた。

 

たった一瞬で冒険者を三人も葬ったゴブリンエンペラーは今度は剣槍を上に掲げると周囲に魔法陣が発生、その中から上位種を含めた大量のゴブリンが出現した。

 

「くっ!総員、周囲のゴブリンのみを相手にしろ!!ゴブリンエンペラーは俺がやる!!」

 

シュランは周囲のゴブリンをトウヤ達に任せてゴブリンエンペラーに向かう。

 

任された冒険者達は迫りくるゴブリンの群れを対処する。トウヤも次々とゴブリンを葬っていく。

 

「はあああああ!!」

「があああああ!!」

 

一方でシュランとゴブリンエンペラーは激しい攻防を繰り広げていた。

 

お互いに位置を変えながら、袈裟斬り、突き、振り下ろし、斬り上げなどの攻撃を打ち合い。時には鍔迫り合いながら互いを押し合い。時には高度な駆け引きを繰り返す。

 

「はあ!」

 

シュランは両手斧を横なぎに振るった瞬間、ゴブリンエンペラーは後ろに跳躍して回避後、直ぐに剣槍を構えた突撃体制でシュランに向かって突撃、剣槍をシュランの心臓を狙って突きだした。

 

(しまった!?)

 

痛恨の隙を晒してしまったシュランは振り切った武器を引き戻そうとするがその前に剣槍が先に届いてしまう。絶体絶命かと思われた瞬間。

 

 

―――ガゴン!

 

 

小さな白い影がシュランとゴブリンエンペラーの間に割り込み、ゴブリンエンペラーの剣槍を殴ることで軌道を逸らした。

 

攻撃を妨害されたゴブリンエンペラーはすぐさま距離をとって、乱入者に警戒する。

 

その白い影の姿を見たシュランはその名を口にする。

 

「ト、トウヤ!」

「大丈夫ですか、シュランさん」

 

白い影こと、トウヤは小剣をゴブリンエンペラーに向けながらシュランの無事を確認する。

 

「……周囲のゴブリンを相手にしろと言ったはずだが?」

「もちろん、言われた通りに討伐しましたよ、厄介そうな上位種だけを。後は皆さんがやってくれますので、僕はシュランさんの援護をしようと思いまして」

「ははは!生意気なことを言うな。だがさっきは助かった、礼を言う」

 

そんな言葉を交わしながらシュランとトウヤは武器を構えてゴブリンエンペラーに向かって走り出す。

 

「俺が奴を引き付ける。その隙にお前は奴を攻撃しろ!」

「分かりました!」

 

二人は左右に分かれるとゴブリンエンペラーに攻撃を開始する。シュランの大ぶりな攻撃に合わせて視界外から襲い掛かるトウヤの急所を狙った一撃にゴブリンエンペラーは防戦一方となった。

 

攻撃力は高いが動きが単調なシュラン、素早く手数は多いが攻撃力が低いトウヤ、お互いの短所を補いながら長所を最大限に引き出してゴブリンエンペラーに襲い掛かる。

 

そしてシュランの渾身の振り下ろしをゴブリンエンペラーが防いだ瞬間。

 

「今だ、トウヤ!」

 

シュランの掛け声と共にトウヤはシュランの陰から飛び出し、全身鎧を着たゴブリンエンペラーが有一むき出しにしている部分、左目を狙って剣を突き刺し、その奥にある脳を貫いた。

 

「いくらどんなに硬い鎧をまとっても、視界を塞げない目に突き刺せば良い」

 

そう言ってトウヤは小剣を引き抜くとゴブリンエンペラーは左目から大量の血を噴き出しながら倒れた。それと同時に他の冒険者が最後のゴブリンを斬った所で玉座の方に大量の財宝と宝箱が出現した。

 

「これは……」

「ダンジョンの報酬だな。ダンジョンではボスである魔物を討伐した際、こうして財宝や魔道具が入った宝箱がどこからか出現するんだ」

「ということは、攻略は完了したってことですか?」

「そういうことだな。全員、良く戦った!!ダンジョン攻略はこれで完了だ!!」

 

シュランが攻略完了を宣言すると周囲は雄たけびを上げながら財宝に向かった。

 

「さて、財宝を回収して各冒険者に報酬の分配をしないとな。……それと、三人の遺体を弔わないとな。忙しくなるぞ」

「そうですね」

 

二人は、財宝に群がう冒険者たちに苦笑いしながら、財宝の回収に向かった。

 

 

―――

 

 

ダンジョンを攻略したトウヤはギルドで報酬をもらった後、拠点に向かいながら今日の事を振り返っていた。

 

(今日は特に疲れましたね)

 

さすがのトウヤも今回のダンジョン攻略でいつもより激しく動き回ったせいでかなりの疲労が蓄積していた。さすがに明日は休みを取ろうと思う程に。

 

(そういえば、冒険者業とか勉強ばかりやってきたせいでこの都市の事は詳しく知らないんですよね)

 

そこでトウヤはしばらくは冒険者業はおやすみにして、この都市の色々なところを見て回ることを思いつく。

 

(どうせならリューネさんと行きたいですね。この都市の事を色々知っているだろうし。……予定が合えばだけど)

 

最愛の彼女と一緒に都市を巡る。きっと楽しい日になると思うがまずは彼女の予定を聞いてからと高揚する自分を落ち着かせる。

 

(リューネさんには色々と助けてくれたし、何かお礼がしたいなぁ)

 

そう思いながら周囲を見渡しながら歩いていくとたまたまあった店先に気になるものを見つけた。

 

「何だろう、あれ」

 

トウヤは吸い寄せられるかのようにそれが飾ってある店に向かうとそれをじっと見つめた。それが持つデザインにトウヤは何故か強く惹かれた

 

「いらっしゃい。何かお探しで?」

 

店の奥からこの店の店主と思われる老婆がトウヤに話しかけてきた。

 

「え!?あの、その……これっていくらですか?」

 

トウヤは戸惑いながらも目の前のそれの値段を聞く。

 

「ん~、これかい?これなら銀貨―――枚だよ」

「あ、そんなに高くない?……分かりました。これを一つ買います」

 

トウヤは老婆が提示した金額を聞いて、今回の報酬で十分に足りると分かって購入を決める。

 

「はい、毎度あり。君、その恰好を見るに冒険者かい?」

「はい、そうです」

「そうかい、そうかい。若いのにえらいねぇ。これを誰かに渡すのかい?」

「はい、その人に色々と助けてもらって。何かお礼をしたいと思っていたところにこれが目に留まって」

「そうかい。その子もきっと喜んでくれるよ」

 

そう言って老婆は袋に詰めるとトウヤに渡した。

 

それを受け取ったトウヤは店主に会釈して拠点に帰っていく。その後ろ姿を老婆は嬉しそうに見守る。

 

「いやぁ、嬉しいねぇ。あれを買ってくれる人が居るとは、あれもさぞ嬉しいだろうねぇ」

 

そう言って老婆は店の奥に戻っていった。

 

 

―――

 

 

老婆の店で買い物を済ませて拠点に戻ったトウヤは再びリビングでリューネに抱きしめられながら二人っきりでダンジョン攻略の話をしていた。

 

「まさか、ダンジョンのボスがBランクのゴブリンエンペラーだったなんて……本当に怪我は無いんですか?」

「大丈夫です。シュランさんと協力して倒しましたし、怪我は一つもありませんよ。でも今回は流石に疲れました。だからしばらく休もうかと思っています」

「そうして下さい。冒険者になってからのトウヤは働きすぎてますから。アリシアさんがトウヤが毎日数件の依頼をこなすから体を壊すんじゃないかって心配していましたよ?」

「あ、あはは。無理をしているつもりは無いんですけど……」

 

そう言ってトウヤの体を労わる様に抱きしめる力を強めるリューネにトウヤは曖昧な笑いで誤魔化す。

 

トウヤの中にある日本人特有の習性はどうあがいても断ち切れない物なのでどうしようもないのだ。

 

「それでですね。休みの日にリューネさんと一緒に都市を回りたいんですけど良いですか?」

「え?私とですか?」

「はい、僕はまだこの都市の事はまだ知らなくて。リューネさんと一緒なら色々と頼もしいんですけど。勿論、リューネさんの予定が合えばですけど」

「全然大丈夫です!むしろ任せてください!」

「そ、そうですか。良かったです」

 

少し食い気味に了承するリューネにトウヤは少し気圧されたが一緒に回れるということで安心していた。

 

「ふふふ、トウヤと回るならどこが良いですかね?やっぱり定番のあそこでしょうか。それともあの場所ですかね。迷いますね~」

 

ワクワクとした様子でトウヤとのデートの予定を考えるリューネを見てトウヤは何処に連れてってくれるのか楽しみにしていた。




七大迷宮の名称を考えていた時、ピンとくるものが思い浮かばなくて悩んだ結果、FGOのサーヴァントの名前を拝借しました。

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