FEエンゲージ イルシオンの希望【R-18版】 作:あじさいファン
プロローグ第4章-2 「復讐の終わり・後編」での情事。
ハイアシンス王、崩御。
自らを王の友と騙る
そんな狂騒の中、帰還したオルテンシアが少年に告げたのは、あまりに無慈悲な真実。父を殺したのは崇拝の対象であった邪竜ソンブルであり、敬愛する姉アイビーは国を裏切り、神竜の軍勢へとついた──。
信じていた全てを失い、絶望の淵で
身体を交わらせ、愛執という名の熱で孤独を溶かす。それが、今の彼にできる唯一の救済だった……。
*****
愛するオルテンシアの、美しく滑らかな肢体。
窓から差し込む光に照らされたその肌には、神竜の軍勢との戦いで負ったであろう細かな傷跡が、痛々しいほど鮮明に幾筋も残っていた。
回復の杖で致命傷を癒したとしても、死線を潜り抜けた証である生々しい痕跡までが消えるわけではない。肉体的にも精神的にも、あらゆる意味で痛い思いをしながら……それでも帰還し、自分のことを忘れずにいてくれた彼女が、少年には愛しくてたまらなかった。
少年は溢れる愛を示すため、震える指先で彼女の柔らかな膨らみをなぞり、その頂で自己主張する薄桃色の突起に舌を這わせた。赤子のように優しく、けれど逃がさぬという執着を込めて、硬く尖ったそこを
久しぶりに鼻腔を突く、彼女固有の甘い香り。あまりにも甘美で、瑞々しい。少年は、彼女の全身を長時間かけて舐めしゃぶり、食べ尽くしてしまいたいという倒錯した衝動に駆られる。
「ん……ぁっ……んぅっ♡」
一年半前、学園へ出発する前の二ヶ月間の逢瀬では、オルテンシアは常に絶対的な主導権を握っていた。自分の指示通りに奉仕させること、そして何より少年の情けない喘ぎ声を聞くために、意地悪に焦らしていじめることを至上の愉悦としていたのだ。
しかし、今の彼女にそんな余裕はない。指示を出すこともなく、ただ愛する少年のなすがままに、重なる熱に身を委ねている。あの頃、彼女が悦々として編み出した『可愛い彼氏くんの声を出させるためのいじめ方♡』など、今は忘却の彼方にあるかのようだった。
それでも、少年には構わなかった。
時折オルテンシアの唇から漏れる熱い吐息が、演技ではないことは肌の密着を通じてダイレクトに伝わってくる。彼女は少年が示す独占的な愛を、その発展途上の身体で精一杯に受け止めてくれているのだ。
二ヶ月前、彼女を繋ぎ止めるためだけに強行した、あの精神的な充足感の一切ない強姦まがいとは、決定的に違っていた。
けれど、贅沢を言えば。一年半前の、何もかもが満ち足りていたセックスとも、また違っていた。それが少しだけ悲しかった。彼女自身が心から愉しんでいるわけではないことも、微かな強張りと、拒絶のない従順すぎる反応から悟ってしまうから。
「はぁ……っ、ぁ……っ♡」
少年の舌は乳房を離れ、這うような愛撫を続けながら下腹部へと降りていく。
そして、女性の最も大切な秘所へと辿り着いた。幾度となく愛を重ねてなお、彼女の髪と同じ鮮やかな色を保つ秘肉へ、惜しげもなく舌を割り込ませる。
少年は本来、彼女の指示の下で、満足ゆくまで舌による奉仕をするのが好きだった。舐めたくてもお預けを食らったり、彼女が達した後も執拗に舐め続けるよう命じられたり。犬のように扱われ、最後に満足げな彼女に頭を撫でられることに、脳が痺れるほどの至福を感じていたのだ。
だが今は、行為の全権を少年が握っている。この世の情事の多くは、こうした男性主導なのだろう。それに興じている自分に対し、一抹の
「ひぅ……っ、ぁっ……んんぅっ♡」
オルテンシアは身体を弓なりに反らせ、シーツを固く握りしめて絶頂を迎えた。
かつての彼女は情事において思いっきり声を出すことを好んでいたが、今はそれを必死に押し殺している。というより、感情を
それでも。彼女からは、少年の愛撫を受け入れた証である熱い蜜が、止まることなく溢れ出していた。小さなことかもしれないが、今はその反応ひとつひとつが、少年にとっての救いだった。
「オルテンシア様……そろそろ……あの……」
「ん……いいわよ。彼氏くんの……好きなように、して……っ」
胸がちりりと痛んだ。
彼女を
かつての彼女なら、少年が同じことを言えば『ダメダメー♡ あたしがいいって言うまでおあずけよ♡』だとか、『仕方ないわねー。でも、許可なしで勝手にイったらお仕置きなんだからね』と、茶目っ気たっぷりに支配してくれたはずだ。
今の彼女は、父を亡くし、姉に裏切られ、精神的に限界まで
「ん……ぁ、あああっ……!」
正常位の体勢で、少年は自らの昂ぶりをオルテンシアの
「あは……相変わらず、可愛いわね……っ」
そんな少年の様子に、オルテンシアの唇から僅かに笑みがこぼれた。
心から朗らかに笑えるようになるには、まだ時間が必要だろう。そのためには、この城に我が物顔でふんぞり返る、邪魔な連中を排除しなければならない。それでも、彼女の心が完全に潰えてしまったわけではないという事実に、少年は歓喜した。
彼女の細い腰を掴み、一定のリズムを刻んで、その最奥を幾度も、深く突く。淫らな水音を奏でながら。
「あっ……ぁ、んっ、ぁっ……♡」
オルテンシアも次第に甘い声を隠せなくなってきたが、それは少年の漏らす獣のような声にかき消されていく。
「ううっ、ああっ、あああああっ……!」
どれほど強い快楽に脳が白濁し、腰が砕けそうになっても、自分の意志で速度を変えてはならない……。それがかつてオルテンシアとの間に根付いたルールであり、少年の身体の細胞レベルにまで染み付いている忠誠の証だった。
「ぁっ……オルテンシア様っ、申し訳ありません……っ、もう、我慢できませんっ」
「ふふ……いいわよ。出したい時に、出しなさい……っ」
──ワガママを言ってくれてもいいのに。
ダメだとか、出してもいいけど腰は振り続けなさいだとか。
いつかまた、あの女王様のような顔で命じてくれる日が来るのだろうか。
そんな切ない願いを抱きながら、少年は臨界点を迎える。
「あ……あああああああっ!!!」
「ん……ぅ、っ♡」
オルテンシアの膣内へ、少年の熱い子種が幾度も脈動しながら注ぎ込まれていく。
二人の激しい運動によって刻まれた荒い吐息が、静寂へと還るまでには、少しの時間を要した。
繋がりを断ちたくないと願うように、少年は結合したまま、オルテンシアを壊れ物を扱うようにぎゅっと抱き締めた。すると、オルテンシアがその背に細い腕を回し、抱き締め返してくれた。
それは、今回の情事の中で唯一見せた、彼女自身の意思による、自発的な愛の表現だった。
まだ彼女の傷を癒すには程遠い。そう考えた少年は、情事の続行を迷いなく選んだ。
「……オルテンシア様、体勢を変えても……よろしいでしょうか」
少年は、彼女の耳元でそう甘く囁いた。返答を待たず、彼は繋がったままの熱を逃さぬよう慎重に、けれど力強く彼女の身体を抱え上げる。そのまま自分が仰向けになり、オルテンシアを自らの上に跨がらせた。
かつて、この『騎乗位』は彼女が最も好んでいた体位だった。
『こうすれば大好きな彼氏くんの顔がよく見えるし、何より……あたしのいいトコに、ガツガツ当たって最高に気持ちいいんだもの♡』
そう言って、彼女はいつも自分の意志で、奔放に、誇らしげに少年の上で腰を振っていた。
しかし。今のオルテンシアは、ただ少年の上に力なく座り、彼の肩にその細い腕を回してしがみついているだけだ。自ら動こうとする気配は微塵もなく、その重みを少年の下半身に預けきっている。
少年は自ら腰を突き上げ、彼女の内側の『いいトコ』を、わざと深く、執拗に抉るように突いた。
「ひ……っ、あぁ、んぅっ……! ぁ、ぁっ……♡」
その瞬間、彼女の喉から甘い悲鳴がこぼれ落ちる。
彼女がどれほど心神喪失に近い状態にあろうとも、彼女の身体はかつての快楽を、そして少年の
少年が突き上げるたび、彼女の膣は意思に反して熱く締め付け、彼の存在を拒むことなく、むしろ
「……気持ちいいですか、オルテンシア様」
かつての彼女なら、この体位で少年の顔を覗き込み、『ここがいいんでしょ? もっと可愛い声で鳴いて♡』と不敵に笑いながら、彼の情けない喘ぎを愉しんでいたはずだ。少年の反応を支配し、翻弄することこそが、彼女にとっての至上の悦びだったのだから。
けれど今、立場を入れ替えて問いかけても、彼女からは傲慢な言葉も意地悪な微笑みも返ってこない。ただ潤んだ瞳を
「ん、あ……っ、ぁっ……! いいよお……っ、そこ、ヤバい……っ、ぁ、あああああっ……♡」
自発的な動きはなくても、身体は正直だった。
少年にすべてを委ねているからこそ、彼が狙い澄まして放つ衝撃は、よりダイレクトに彼女の深淵へと響き渡る。彼女の膣内から溢れ出す熱い蜜が、二人の結合部を濡らし、淫らな音を一段と激しくさせていった。
彼女が腰を振ることはない。けれど、少年の突進を受けるたびに、彼女の背中が弓なりに反り、指先が彼の肌に食い込む。それが、今の彼女にできる精一杯の、無言のおねだりのように思えて。
少年はたまらず、彼女の腰をさらに強く引き寄せた。彼女が自ら動こうとしないのなら、自分が彼女をどこまでも高い場所へ連れて行けばいい。彼女の記憶にある『いいトコ』を、かつて彼女が教えてくれた以上の熱量で、何度も、何度も、壊れるほどに突き上げ続けた。
「……あは。彼氏くん、あたし……イく、ね……♡」
ついに彼女の理性が崩壊し、身体が激しく
いつの間にか外での喧騒も落ち着いている。二人だけで愛し合う時間もまた、あっという間に過ぎていった……。