FEエンゲージ イルシオンの希望【R-18版】 作:あじさいファン
少年の懇願など聞く気もない。オルテンシアはランジェリーをずり下ろし、右脚へ引っ掛けたままの状態にした。
久しぶりに見る、彼女の秘裂。今の状況のせいなのか、アロマの効果なのか。あるいは、その両方なのか。小陰唇はひくひくと震え、とろりとした蜜が太腿へ伝っていた。
彼女は二本の指で割れ目を広げ、奥まで見せつけるようにしてから、
そのままグリグリと弄びながら、「んっ……んっ……」と、短い声をこぼす。
これは、少年との情事で、オルテンシア自身が攻め立てる際に必ず最初に行っていた仕草だった。
ただし、今回だけは決定的に違う。少年には、一切の快楽が与えられない。気持ちよくなれるのは、本当にオルテンシアだけなのだ。
「いや……いやですっ! 待ってください、オルテンシア様、僕も――」
「はぁああぁああっ……♡ 奥っ、まで、きたあ……♡」
ずぷぷっ、と淫らな水音が響く。少年の偽物が、オルテンシアの膣内へ飲み込まれていった。
興奮しきっていた彼女は、それだけでも一度達してしまったらしい。口元が緩み、瞳がとろける。幸福そのもののような恍惚とした表情を浮かべ、身体を震わせている。
本来ならば、その膣内の感触を味わっているはずの少年。しかし今は、ただオルテンシアの真下から、その光景を眺めることしかできない。両腕さえ縛られている以上、彼女へ触れることも許されなかった。
──確かにオルテンシア様は、以前、自分を射精させない遊びに興じていたとき、ものすごく楽しそうにしていたけれど……。
「う……動くわよ、彼氏くん」
熱のこもった声が降ってくる。
「あたしたちが繋がってるトコ、ちゃんと見てなさいよね」
そして、意地悪そうに微笑んだ。
「目を背けたら、更に厳しいお仕置きをしてあげるんだから」
「そんなぁ……酷いです、オルテンシア様ぁっ……」
しつこいようだが。オルテンシアがどれほど気持ちよくなろうとも、少年の側にはその感覚が一切伝わってこない。
腰を揺すられようが、偽物が彼女の中でどれほど動こうが。魔法の檻は、少年が得るはずだった刺激を遮断している。自分のペニスを模したものなのに、これではまるで、別の男に寝取られているようだ。そんな馬鹿げた感想さえ頭をよぎる。
実際に股間へ感じるのは、押さえ込まれる痛みと、じわじわ漏れ出していく先走りの感覚だけ。
床へぽたぽた落ちているような気さえする。しかも、量が尋常じゃない感覚がある。あとで絶対に指摘される──そんな未来まで簡単に想像できた。
それでも。少年自身、これ以上ないほど興奮していた。
愛する恋人が目の前で行う、擬似セックスともいえる自慰行為。そして、自分だけが徹底的に封印されているという状況。快楽を奪われていることそのものが、逆説的に昂ぶりを煽っていた。
「だめぇえ! 声出すの、おさえられないわ、あぁ、あああ! 大声出しながら、の、えっち、気持ちいいよぉおぉ、あ゙っ!」
大きな声を出すと、より感度が増す。そんなことを、以前彼女自身が話していた。
自室で身体を重ねたときも、廊下を通る者へ聞かれてしまっても構わないと言わんばかりに声を上げ続けていた。
しかし今の狭い石室では、それ以上だった。彼女の声が壁へぶつかり、何度も反響して戻ってくる。
逃げ場のない空間そのものが、オルテンシアの荒い吐息と嬌声で満たされていく。
ぬぷぬぷと水音を立てながら、激しく腰を振るオルテンシア。膣壁で偽物を擦り上げ、自ら膣内の弱点を狙っていることが、見ている少年にも分かった。
せめて、自分も彼女へ触れたい。刺激を強くしてあげたい。
かつて、指先で弄れば大げさなほど声を上げ、粘つく液体で指を濡らしてくれたことを思い出す。
しかし今は、手首一つ動かせない。何もしてあげられない。ただ見ているだけだ。
そして今のオルテンシアは、それこそが嬉しくて仕方ないらしかった。
見下ろした先にいる彼氏くんは、涙を滲ませ、顔を真っ赤にし、困惑しながら、自分なら本来味わっているはずの感触を何一つ得られないでいる。究極のお預け。その状況そのものに、オルテンシアはますます夢中になっていった。
「ずっとやってみたくってっ、あぁんっ、仕方なかったっ、の!」
腰が跳ねる。
「あ゛っ! あたしだけぇ、きもち、よぐっ、て! 彼氏くんだけ、一切お預けの、イぐっ、プレイ!」
快楽に言葉が崩れていく。
「あっ、またイぐっ、ふわ゙ぁん! そこゾリゾリされる゙の、イイ゙っ、やばあ゙っ、イく! イきます、んッ! はぁっはぁっ、ご、ごめ、彼氏くん、あたしだけが何度、も゙! あ゙ッま゙た!」
それでも彼女は、必死に言葉を紡ごうとする。
「ごめ、ごめんなさ、ああ゙あああ゙あーっ!」
膣内へ与えられる快感を獣のように貪りながらも。
それでもオルテンシアは、少年にとってはどこまでも彼女だった。可愛らしく。愛しく。少し意地悪で。けれど誰よりも自分を求めてくれる、愛した第二王女。
乳首もクリトリスも最大限まで勃起し、目を見開き、口元からは涎まで伝っている。がくん、がくんと身体が震えて、下の口から溢れる液体はさらに増え、少年の下腹部へ水溜まりを作っていった。
そんな姿が、たまらなく愛しかった。
自分が封じられている痛みよりも。快楽を奪われている苦しさよりも。愛するオルテンシアが楽しそうで、嬉しそうで、気持ちよさそうであることのほうが、少年には遥かに大きかった。それだけで胸の奥が満たされていく。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……は……」
荒い息を何度も繰り返したあとオルテンシアは、とろんとした瞳で少年を見つめた。
「ねね、彼氏くん。チューしようよ、チュー」
先ほどまでの攻め立てるような声音とは違う。甘えるような声だった。
「ほら、はぁっ、お口、開けなさい♡」
そして、すぐに悪戯っぽい笑みを戻す。
「あと──目、閉じちゃダメよ」
少年は、オルテンシアと交わす
恋人同士という関係になってから、もう幾度となく唇を重ねてきた。それでも、そのたびに慣れるということがない。唇が触れ、舌が絡むだけで、足の裏から頭の天辺まで、痺れるような感覚が一気に突き抜けていく。
先ほど、ロビュスト砦の大広間で仲間たちの目の前で交わした
そしてもちろんオルテンシアも、そんな少年の性質をよく知っている。知っているからこそ、ねだっているのだ。貞操帯によって封じ込められた彼氏くんを、さらに追い詰めるために。
分かっていた。
分かっているのに。
少年は、その誘いに抗うことができなかった。
オルテンシアと舌を絡ませたい。あの甘い感触を、もう一度味わいたい。その欲望ばかりが頭を支配していた。
犬のように息を荒げながら舌を出し、オルテンシアを見上げる。そんな姿を見た第二王女は、くすくすと笑った。ひとまず腰の動きを止め、焦らすように、ゆっくりと顔を近づけてくる。
やがて、しゃぶりつくように、オルテンシアは少年の口へ自らの唇を重ねた。逃げられないようにするためか、片手は彼の顎へ添えられている。もっとも、逃げる気など少年には初めから欠片もなかった。
舌と舌が絡み合う。まるで口の中で交わっているかのような、濃密な接吻。
「ん……っ」
やはり駄目だった。触れた瞬間から、突き抜けるような快感が全身を駆け巡る。
まして今回は、勃起することすら魔法によって禁じられている。昂ぶろうとする身体を無理やり押さえつけられた状態で与えられる甘美な刺激は、もはや耐え難い暴力に近かった。
オルテンシアは、そんな反応を楽しむように目を細めながら、巧みに舌を操る。
度重なる情事の中で磨かれてきた彼女の技術は、少しも衰えていない。それどころか、少年の反応を知り尽くしているぶん、昔より意地が悪くなっているようにすら思えた。
かつて何度も、彼女は少年のペニスを舌でも味わい尽くした。弱点を探し当てれば、そこだけを執拗に責め。耐えられなくなるまで弄び。最後には射精へ導いてしまう。
そんな彼女の舌技。このまま絶頂してしまうのではないか。本気でそう思わされるほど、甘美だった。
しかもオルテンシアは、
「ん……んっ……」
唇を塞いでいるせいで、甘い吐息がそのまま口内へ漏れ込んでくる。
自分との接吻を楽しみながら、それとは別に快楽まで得ていることが、息遣いを通して、嫌というほど伝わってきた。声を漏らしているのは少年も同じだった。
「んーっ……! んーっ……!」
むしろ懇願するような声になっている。抑えることは完全に不可能だった。
そしてオルテンシアは、そんな彼氏くんの声まで、楽しそうに味わっていた。
「んはぁっ……えへへ……」
本当に長い
二人の口元を結んでいた銀の糸が、名残惜しげに細く伸び、やがて切れて、少年の首元へ垂れ落ちた。
まだ顔は近い。甘い吐息が触れる距離で、オルテンシアは彼を覗き込んでいる。
「ねえ、彼氏くん。おちんちん、つらい?」
分かりきったことを、わざと聞いている。
「そろそろ魔法、解けちゃうのよね。未完成だし」
「はい……もう……限界です」
少年は潤んだ瞳で、まっすぐ彼女を見上げた。
「オルテンシア様に……入れたいです」
「ふうん?」
オルテンシアの口元が、楽しそうに吊り上がる。
「どこに?」
「どこにって、それは、その、もちろん……」
「ほら」
逃がさない、と言わんばかりに、さっきまで顎に添えられていた指が、そのまま彼の頬を撫でる。
「言わないと終わりにしちゃうわよ」
「っ……」
それは困る。けれど、言うのも恥ずかしい。逡巡するだけで、顔がどんどん熱くなっていく。
「お、おまんこ……です」
ようやく絞り出す。
「オルテンシア様、の……おまんこ、に。はぁっ、精を吐き出させて……ください。ふぅっ……お、おちんちん、の中身、食べて……ください……」
言い切った瞬間、羞恥で顔が真っ赤に茹で上がった。少年は、そもそも淫語を口にすることに慣れていない。だからこそオルテンシアは、その反応がたまらなく好きだった。
「ああーもう、可愛すぎ。いっぱい食べてあげたいわ!」
心底嬉しそうだった。
もっとも、オルテンシア自身も淫語を頻繁に口にする性格ではない。普段はむしろ、そうした露骨な言葉を好んで使うほうではなかった。
ただし、いざ口にするときは、少年のように躊躇することなく、あっけらかんと言ってしまう。そんな部分でも、二人の間で主導権を握るのは、たいてい彼女のほうだった。少年が完全に主導へ回ったことなど、ほとんどない。
例外といえば、彼女が父王ハイアシンスによって戦争へ駆り出されようとしたとき、それを何としてでも引き止めようとして行われた、あの暴力的な情事くらいだろう。
「じゃあ……」
オルテンシアが少しだけ声を落とす。
「条件よ」
「……条件」
「ペラルゴと戦うのは諦めなさい」
分かっていた。
やはり、それを言うのか。
「それが、今からえっちを──」
「オルテンシア様っ」
最後まで言わせなかった。
「はぁっ……はぁっ……それとこれとは、話が別です」
息は荒く、身体は限界に近い。それでも、その答えだけは揺らがなかった。
この交換条件を持ち出してくることくらい、最初から読めていた。そしてオルテンシアのほうも、強情な彼氏くんが、どれほどセックスをしたくても、それだけを理由に意見を曲げることなどないと分かっていた。
「……はぁ」
呆れたように、深々と溜息を吐く。
「お仕置き、やめてあげようと思ったんだけどなあ」
「魔法が切れたら……はぁっ……また、かけ直すんですか?」
「んー?」
「
少年は強がるように笑った。
「耐え切ってみせます、よ」
「そうねー、かけ直すのは当然なんだけど」
妙に軽い口調。
もっと別のことを思いついているような。
オルテンシアは、自分へ挿入されている偽物を引き抜くため、ゆっくりと腰を持ち上げていった。抜けていくにつれて、どろりとした本気汁が垂れ落ち、少年の脚を濡らしていく。
そのまま彼女は
「……?」
今度は、自分のヴァギナの上へ張り付くような位置に持っていく。そして、短く、軽く魔法を唱えた。
淡い魔力の光が走って、次の瞬間。
「……え?」
少年は目を瞬く。
何度見ても、どう見ても、まるでオルテンシア自身から、ペニスが生えているかのような格好だった。しかも、自分とほぼ同じ形の。
困惑する少年。その表情を見下ろしながら、オルテンシアは、とても、とても楽しそうに笑っていた。
その瞬間、少年は悟った。先ほどまでとは比較にならないほどの嫌な予感がする、と。
「オ、オルテンシア様……?」
「彼氏くんのね」
やけに甘い声だった。
「処女」
意味を理解するまで、ほんの一瞬だけ、時間が止まった。
「彼女のあたしが、貰ってあげるわ」
オルテンシアは、満面の笑みで言い放つ。
「あなたが、あたしのを貰ってくれたみたいに」