※この作品はR-18です。

アニメ世界移行能力をもった俺がアニメヒロインを犯りまくる。※リクエストも可   作:みなぽん

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天国大魔境 キリコ メス堕ち あの回の話とその後

夕焼けが崩れた高架道路の鉄骨を赤く染めていた。

今日の寝床は、かつてコンビニだった建物の二階だった。窓ガラスはほとんど割れているが、雨風は防げるし、見晴らしもいい。

「よし、今日はここで決まり。」

キルコが荷物を下ろす。

「了解、お姉ちゃん!」

マルが元気よく返事をする。

「だからその呼び方やめろって。」

「えー、でもキルコお姉ちゃんだし。」

「年上だけどな。」

「じゃあキルコさん?」

「なんか他人行儀だな。」

「キルコ。」

「呼び捨てもなんか違う。」

「めんどくさいな!」

「誰のせいだ誰の。」

キルコはため息をつきながら笑った。

こういう時間が好きだった。

怪物に襲われることもない。
人間同士の争いに巻き込まれることもない。
ただ二人で、同じ場所で夜を迎える時間。

そんな当たり前のことが、この世界では奇跡みたいに貴重だった。

マルは窓際に座り、夕焼けを眺めている。

その横顔を見て、キルコは少しだけ目を細めた。

びっくりするくらい整った顔。

初めて会った時から思っていた。

こいつは黙ってれば本当に絵になる。

黙ってれば。

「キルコ。」

「ん?」

「好き。」

「はいはい。」

「いや、本気。」

「知ってるよ。」

即答だった。

マルは少し不満そうに頬を膨らませる。

「なんでいつも流すんだよ。」

「だってお前、毎日言うじゃん。」

「毎日好きだから。」

「軽いなあ。」

「重い方がいい?」

「そういう問題じゃない。」

マルは真剣な顔になる。

「俺、ずっと好きだよ。」

その真っ直ぐな目。

冗談も打算もない。

ただそこにある感情を、そのまま言葉にしているだけ。

キルコは視線を逸らした。

ずるいと思う。

こんな世界で、こんな風に誰かを好きになれるなんて。

自分にはもう無理だと思っていた。

桐子として生きていた時間。

春希として生きている時間。

失ったもの。

壊れたもの。

積み重なったもの。

自分が男なのか女なのか。

桐子なのか春希なのか。

そんなことを考え続けているうちに、恋愛なんて遠い世界の話になっていた。

なのに。

「キルコ?」

「……なんだよ。」

「怒った?」

「怒ってない。」

「じゃあ悲しい?」

「違う。」

「困ってる?」

「それはまあ。」

「ごめん。」

マルがしょんぼりする。

その様子を見て、キルコは思わず笑ってしまった。

「なんでお前が落ち込むんだよ。」

「だって困らせた。」

「困るよ。」

「やっぱり。」

「でも嫌じゃない。」

マルが顔を上げた。

キルコは自分でも驚くくらい素直な声で続ける。

「お前に好きって言われるの、嫌じゃない。」

むしろ。

少し嬉しい。

誰かに必要とされること。

誰かが自分を見てくれていること。

それがどれだけ救いになっていたか。

マルは知らないだろう。

「キルコ。」

「なんだ。」

「今のもう一回。」

「断る。」

「えー!」

「一回言ったら十分だ。」

「録音したかった。」

「そんな機能この世界にねえよ。」

二人は笑った。

しばらく沈黙が続く。

風が吹く。

遠くで崩れた看板が軋む音がした。

やがてマルがぽつりと言った。

「俺さ。」

「うん。」

「キルコが男でも女でもどっちでもいいんだ。」

キルコは目を見開いた。

「キルコはキルコだから。」

あまりにも簡単に。

あまりにも自然に。

マルは言ってしまう。

キルコが何年も苦しんできたことを。

何度も悩んできたことを。

この少年は、たった一言で飛び越えてしまう。

「……バカ。」

「なんで!?」

「そういう恥ずかしいことを平気で言うから。」

「本当のことだよ。」

「余計タチ悪い。」

キルコは苦笑する。

夕陽が沈んでいく。

世界は壊れたままだ。

明日も危険な旅が待っている。

怪物がいる。

人間も怖い。

探している答えだって、見つかる保証はない。

それでも。

「マル。」

「ん?」

「明日もよろしくな。」

「もちろん。」

即答だった。

「俺がキルコを守るから。」

「逆だ逆。」

「半分ずつだよ。」

マルは笑う。

「俺も守るし、キルコにも守ってもらう。」

キルコは少し考えてから、小さく頷いた。

「……それなら、悪くない。」

夜風が吹く。

星がひとつ、またひとつ現れる。

壊れた世界の中で。

二人は並んで空を見上げていた。

恋人ではない。

家族でもない。

依頼人と便利屋という関係も、もうとっくに越えている。

名前を付けるには少し難しくて。

でも確かにそこにあるもの。

それだけで、今は十分だった。

マルは隣のキルコを見る。

キルコは空を見上げたまま言った。

「なあマル。」

「なに?」

「返事はまだしないからな。」

「うん。」

「でも。」

キルコは少しだけ笑った。

「待たせる価値くらいはある女だろ、あたし。」

マルは満面の笑みを浮かべた。

「世界一だよ。」

「……バカ。」

そう言いながら。

キルコの頬は、夕焼けより少し赤かった。

大濾過装置施設の巨大な鉄の塊は、冷たい蛍光灯の光を放ち、かつて人々が生きていた痕跡を無機質に塗り潰していた。

コンクリートの打ちっ放しの床を、キルコの軍靴が響く。長い旅の果てにたどり着いた場所。探し求めていた男、稲崎露敏がいる場所。

 

「露敏……!」

 

施設の最深部、制御室の前で、キルコは息を呑んだ。そこに立っていたのは、記憶の中よりもやつれ、目の奥に異様な光を宿した露敏だった。しかし、その精悍な顔立ち、あの喧嘩っ早い兄貴分の面影は間違いなくそこにあった。

 

「来たか、桐子……いや、キルコか」

 

露敏の声は低く、砂を噛むように乾いていた。キルコの胸が高鳴る。迷いも、疑念も、この男なら全て許せるとさえ思っていた。孤児院で共に生き、血の繋がり以上の絆で結ばれていたはずの男。

 

「探したぞ、露敏。あたしの体を弄った医者を探して、お前に会いたくて……」

 

キルコが駆け寄ろうとした瞬間、露敏の腕が伸びた。それは捕獲用の罠のように正確で、容赦がなかった。

 

「あたし? 誰がだ」

 

露敏はキルコの赤い髪を鷲掴みにし、無慈悲な力で彼女を制御室の冷たい壁へと叩きつけた。鈍い衝撃が走り、キルコの視界が揺れる。

 

「露敏、何を……!?」

 

「うるせえよ。俺は妹を失ったんだ。マリンをな。お前みたいな化け物じゃねえ」

 

露敏の指が、キルコの服を乱暴に引き裂いた。布が裂ける音が、静寂な施設内に冷酷に響き渡る。露敏の目には、かつての仲間を見る温かさはなく、ただ狂気じみた実験者のような冷徹な光が宿っていた。

 

「お前の体はどうなってるんだ? 男の脳みそを詰め込まれた女の体。人食いの因子を植え付けられた肉塊。確かめてやるよ、お前が何者かをな」

 

「やめろ! 露敏!!」

 

キルコは抵抗した。彼女は便利屋として、荒廃した世界で修羅場を潛り抜けてきた戦士だ。しかし、露敏の怪力はかつての記憶以上で、しかもキルコの心は、最も信頼していた男に裏切られたという衝撃で凍り付いていた。

 

露敏の手が、キルコの下着を暴き、露わにされた肌に触れた。

その瞬間、キルコの脳髄に強烈な違和感が走った。

 

弟の春希としての意識。男としての自我。

しかし、露敏に弄ばれているのは、間違いなく女の体だった。キルコの体は、男の思考とは裏腹に、露敏の粗暴な愛撫に対して物理的な反応を示し始める。粘膜が濡れ、体温が上昇する。

 

「あ……っ、うっ……!」

 

声が漏れた。脳は拒絶している。これは冒涜だ。兄貴分に犯されるなど、あってはならないことだ。しかし、女の肉体は残酷なほど忠実に、異物を受け入れる準備を始めていた。春希の心が、キルコの体の反応を眩むような恥辱と共に感知する。

 

「見ろよ。男の脳みそが入ってるってのに、女のド真ん中はこんなに濡れてやがる」

 

露敏が耳元で嘲笑う。その言葉が、キルコの精神を刃物のように切り裂いた。

 

露敏の荒い息遣いが耳元で聞こえる。かつて兄貴分として慕った男の熱が、今はただの加害者の熱として肌を焼いた。

 

「見ろよ、こんなに硬くなってやがる」

 

露敏の親指と人差し指が、無慈悲な力でキルコの乳首を挟み上げた。捻り上げるように刺激され、キルコの背筋が弓なりに反る。

 

「ひっ……! やめ、ろ……ッ!」

 

脳内で警鐘が鳴り響く。これはおかしい。男である自分の胸が、こんな風に弄られて感じるはずがない。だが、女の肉体は露敏の手つきに従順に応え、淡いピンク色の先端は彼の指先の中でいやらしく膨張し、乳汁を搾り出すかのように粟立っていく。反対側の乳房も露敏の掌に包まれ、肉が溢れるほどに揉みしだかれるたび、子宮の奥に鈍い痺れが走った。

 

「男の脳みそが入ってるのに、乳首なんてこんなに立たせやがって。体は正直だな、キルコ」

 

辱めの言葉が脳髄を刺す。否定したい。これはただの生理現象だと。しかし、乳首から直接伝わる電流のような快感は、春希の意思を無視してキルコの理性を溶かし始めていた。

 

露敏の手が、震える腹部を滑り降りる。迷いなく、ズボンのバックルを外し、下着の中へと侵入してきた。

 

「いやっ……! 触るな……!」

 

抵抗しようと腰を引くが、露敏の腕が鉄の箍のようにキルコを逃がさない。ごつごつとした指先が、秘められた割れ目をなぞる。そこは既に、否定しようもないほど濡れていた。

 

「ほら見ろ。男のくせに、股間は洪水だ」

 

露敏が低く嘲笑うと、そのまま容赦なく二本の指を膣内にねじ込んだ。

 

「あぐッ……!!」

 

異物が肉壁をこじ開ける圧迫感。しかし、それはすぐに悲惨なほどの快楽へと変貌した。内側から掻き回される感覚。男としての春希には理解できない、女の器官特有の、奥へと誘い込むような蠕動運動。露敏の指は容赦なく前壁の敏感な一点を狙い撃ち、乱暴にかき回した。

 

「あッ、ああッ……! だめ、そこっ……!」

 

指が抜き差しされるたびに、水音が卑猥に響く。自分の体からそんな音がするのかという羞恥が、さらに体を熱くさせる。脳は拒絶しているのに、子宮は喜んで精を求めて収縮を繰り返している。思考と肉体の完全な乖離。男の魂が、女の快楽という泥沼に引きずり込まれていく恐怖と、抗えない絶頂の予感に、キルコは目を見開いた。

 

「んッ……!?」

 

不意に、視界が塞がれた。露敏が強引にキルコの顎を掴み、唇を重ねてきたのだ。

 

それはキスなどという甘いものではなかった。獲物の息の根を止めるかのような、侵略行為。舌が歯列を割り、口腔を蹂躙する。露敏の唾液が流し込まれ、キルコは息継ぎすら許されない。

 

「んぐッ……ぅぅッ……!」

 

過去の記憶の中の、頼りがいのある兄貴分の顔が重なる。あの露敏が、今自分の中に舌をねじ込み、体を弄っているという現実。苦しい。酸素が足りない。

しかし、唇を塞がれ、子宮を指で犯され、乳首を弄ばれたままでは、逃げ場などどこにもない。

鼻腔から漏れる甘い吐息。それは明らかに女の喘ぎだった。春希の意思とは無関係に、キルコの体は露敏に与えられる暴力的な快楽に溺れ始めていた。

キルコの膝がガクリと折れ、冷たいコンクリートの床に縫い付けられた。肺が酸素を求め、浅く速い呼吸を繰り返す。涙でぼやけた視界の先で、露敏が容赦なくキルコの脚を開かせた。

 

「見てみろよ、桐子。てめぇの女の部分を」

 

露敏が荒々しく最後の布を取り去ると、そこには暴かれた女の割れ目が露わになる。先ほどまで散々弄られ、人差し指と中指で掻き回されたそこは、充血し、熟した果実のように赤く濡れ光っていた。

 

「……やめ、見るな……」

 

震える声で懇願するキルコ。自分の意思とは無関係に蜜を滴らせるその場所は、男の魂を持つ彼女にとって、何よりも忌むべき恥部だった。

 

「見るだけじゃなくて、味わってやるよ。てめぇの女の味をな」

 

露敏は人の悪い笑みを浮かべると、キルコの腰に腕を回し、その顔を濡れそぼった陰部へと埋めた。

 

「あああッ……!!」

 

熱いものが走った。露敏の厚い舌が、敏感に充血した花芽を一気に舐り上げる。あまりの強刺激に、キルコの体がビクンと跳ね上がった。男の春希には想像もつかなかった感覚。女にしか存在しない器官を直接舐られるという、背徳的で暴力的な快楽。

 

「じゅる……れろ……っ」

 

わざと音を立てて、露敏は陰核を吸引し、舌で転がす。ねっとりとした唾液と、自分から溢れ出る蜜が混ざり合い、卑猥な摩擦音が静かな制御室に響き渡る。

 

「ひっ……! やば……だめ……っ!!」

 

脳が警鐘を鳴らすのを無視して、腰が勝手に動く。露敏の口から逃れようとする動きか、それとももっと深く舐めさせようとする動きか、自分でも区別がつかない。敏感な突起を吸い上げられるたび、まるで産み落とされた卵が割れるように、キルコの体の中で何かが弾けるような感覚が連鎖する。

 

「イくか? 男のくせに、女のマンコ舐められてイくのか? 桐子ぉ」

 

露敏が顔を上げ、ぬらぬらと光る陰部を指で広げながら、嘲るように囁いた。

 

「ちが……あたしは……」

 

否定したいのに、言葉にならない。股間から聞こえる卑猥な水音が、すべてを肯定している。膣が痙攣し、子宮がきゅうきゅうと収縮を始める。視界が真っ白に染まりかけたその時、露敏が再びクリトリスに吸い付き、同時に膣内に再び指を突き立てた。

 

「あ、ああっ、あああああッ――――!!!」

 

目の前で火花が散った。来るな、来るなと思うほど、それは残酷な速さでやって来た。

脳髄を快楽物質で焼き切られるような、暴力的な絶頂。

弟、春希としてのプライド。桐子としての記憶。便利屋キルコとしての矜持。

すべてが、この一瞬のエクスタシーの前で意味を失った。

ビクビクと痙攣する肢体。内腿を伝い落ちる透明な液体。ぐったりと床に脱力し、口元からはだらしなく唾液が垂れている。

世界が歪む中、キルコはただただ、自分が女であるという事実を、身をもって刻み込まれたのを感じていた。

「イキやがった、、そろそろ春希を女にしてやるか!身も心もキルコになれよ」

露敏は容赦なくキルコの中に侵入した。

激痛。しかし、それはすぐに、ねっとりとした粘着質な快楽へと変質していく。キルコの体は、勝手に痙攣し、露敏を受け入れる形に収縮していく。

 

(嫌だ、嫌だ、これはあたしじゃない。春希だろ? なんで女みたいに感じてんだよ!)

 

思考が暴走する。男の心で、女の快感を処理しきれない。摩擦と圧迫が、神経を焼き、脳の論理を溶かしていく。露敏の体温、荒い吐息、かつて慕っていた男の重み。それらが、脳移植によって作られたキルコの肉体に、烙印のように刻み込まれていく。

 

「ああっ、あっ、あぁ……!」

 

口から漏れる喘ぎ声は、自分のものとは思えなかった。快楽の波が、拒絶の壁を容赦なく押し潰し、キルコを溺れさせていく。露敏に抱かれているという事実が、背徳感と共に体の芯を熱く痺れさせた。男の心が軋み、悲鳴を上げる。だが、女の体は雄の支配に陶然と酔いしれ、子宮を収縮させて精を求めているかのようだった。

 

露敏が奥を突き上げるたび、視界が白く弾けた。

人食いの因子を植え付けられた体。敏感になりすぎた神経回路が、絶頂を強制的に引き出していく。

 

「イッちまえよ、化け物が」

 

露敏の低い唸り声と共に、熱い液体が注ぎ込まれた。キルコは全身を反り返らせ、声にならない叫びを上げながら、

「嫌だ!こんなのいやぁーーーーーーイク!」

露敏の精液と共に、自分の体が達するのを感じた。それは決定的な敗北であり、自分のアイデンティティが崩壊する音だった。

 

屈辱と快楽の余韻の中で、キルコは崩れ落ちた。涙が溢れた。それは春希の悔し泣きか、キルコの慟哭か、区別がつかなかった。

露敏は事後の余韻もそこそこに、キルコの赤い髪を鷲掴みにし、無理やり上体を起こさせた。ぐったりと力の抜けた肢体が引きずられ、膝がコンクリートの床を擦る。

 

「まだ終わらねえよ」

 

露敏がベルトを緩め、己の猛った欲望を露わにした。それは先ほどキルコの体を蹂躙したばかりで、まだ彼女の体液と自分の白濁が混じ合ってぬらついている。

 

キルコの目の前に、男の性器が突きつけられた。至近距離で見るそれは、熱を持ち、血管が浮き上がり、異様なほどに悍ましい存在感を放っていた。

 

「舐めろ」

 

短く、絶対的な命令。

 

「……っ! やだ……!」

 

キルコは顔を背けた。脳の中で春希が絶叫している。男である自分が、男の性器を口に含むなど。そんなことは、春希としてのアイデンティティが徹底的に拒絶する行為だ。嘔吐感がこみ上げる。

 

「拒否権があると思ってんのか?」

 

露敏は容赦なくキルコの頬を掴み、その指に力を込めた。口を無理やりこじ開けられる。抵抗する間もなく、露敏はその硬くなった先端をキルコの口腔内へとねじ込んだ。

 

「んぐっ……!!」

 

異物感。熱。そして、生々しい雄の匂い。

舌に触れるカリの感触。先端から滲み出る先走りの塩辛い味。

春希の理性が悲鳴を上げる。これは男のモノだ。同類の肉塊だ。それを口に入れているという事実が、脳髄を焼き尽くすほどの屈辱となって襲いかかる。

 

「上手くねえな。歯当たってるぞ」

 

露敏は不機嫌そうに呟くと、キルコの頭を固定したまま、腰を動かし始めた。喉奥へと突き入れられる太い異物。呼吸ができず、目尻から生理的な涙がこぼれ落ちる。

 

「んッ……うぐっ……じゅる……っ」

 

口内を掻き回されるたび、唾液が溢れ、顎を伝って滴り落ちる。露敏はキルコの口を自慰のための穴として扱い、容赦なく奥まで突き上げた。

 

「どうだ? 自分の体を弄った医者の息子の味はよ」

 

露敏の嘲笑が頭上から降ってくる。キルコは苦しさに身をよじりながらも、逃げられないことを悟る。春希のプライドは粉々に砕かれ、残されたのはただ露敏の快楽の処理として奉仕する女としての体だけ。

 

(あたしは……男なのに……こんなこと……)

 

喉が鳴る。空気が足りない。しかし、口の中の肉棒はさらに硬度を増し、脈打ち始めた。露敏が低く唸り、キルコの頭を更に深く押し付ける。

 

「飲み込め」

 

その声と共に、喉の奥に大量の熱い粘液が注ぎ込まれた。

 

「んぐぅっ……!! むぐっ……!!」

 

苦いとろみとした液体が、食道を無理やり滑り落ちていく。飲み込まざるを得ない。春希の意思とは無関係に、キルコの喉が嚥下運動を繰り返す。

 

露敏がゆっくりと引抜くと、白濁と唾液にまみれた自身をキルコの顔に擦り付けた。口の端から糸を引く精液。

酸素を求えて喘ぐキルコの顔は、涙と涎と精液でぐちゃぐちゃに汚されていた。

 

「これでお前も立派な女だな」

その言葉が、最後の止めだった。春希としての最後の抵抗も、この屈辱的な行為の前に完全に敗れ去った。キルコは虚ろな目で床を見つめながら、子宮の奥底から感じていた。

露敏による支配的な振る舞いと、キルコの肉体的な反応の乖離を描写しつつ、後背位での行為に焦点を当てます。

 

---

 

「立てよ」

 

露敏の冷酷な声が響き、キルコの髪を引いて無理やり立たせた。膝が笑い、足元がおぼつかない。それでも露敏は容赦なくキルコの体を回し、冷たい鉄の機材に手をつかせた。

 

「尻を出せ。突き出すんだよ」

 

「え……?」

 

「とぼけるな。女の体なんだろ? だったらメスの格好してみせろよ」

 

露敏の手がキルコの腰を掴み、強引に尻を彼の方へと押し出した。キルコはバランスを崩し、上半身を機材に預けるしかなかった。豊かな臀部が露わになり、恥ずかしいほどに無防備な姿勢を強要される。

 

「露敏、こんなの……!」

 

言い終わる前に、パァンッ! と乾いた音が響いた。

 

「ひっ……!」

 

露敏の平手がキルコの尻を叩いたのだ。白く滑らかな肉が波打ち、赤い手形がくっきりと残る。

 

「何だこの尻は。揺れやがって。男のくせに随分と発達してるじゃねえか」

 

パァンッ! パァンッ! パァンッ!

 

容赦ない平手打ちが連続して降り注ぐ。打たれるたびに肉が震え、鋭い痛みと共に、皮膚の下で熱がじわりと滲み出す。キルコは身をよじり、逃げようとするが、腰は露敏にがっちりとホールドされている。

 

「あぐっ……! うぅっ……! やめ……っ!」

 

痛みなのか、羞恥なのか。春希の心は混乱するが、女の体は残酷な反応を示し始めていた。尻を叩かれる衝撃が、腰の奥、子宮にまで響く。打たれるたびに背筋がゾクゾクとし、秘所が疼き始めた。

 

「ほら、濡れてきやがったぞ。尻を叩かれて喜ぶなんて、お前本当に女なんだな」

 

露敏の指が、再び濡れそぼった股間に触れる。先ほどの平手打ちで充血した尻とは対照的に、そこは熱を持ち、蜜を滴らせていた。

 

「ちが……これは……っ!」

 

否定する間もなく、露敏は硬くなった自身をキルコの割れ目に押し当てた。そして、躊躇なく、一気に貫いた。

 

「ああああッ!!」

 

最奥まで突き上げられる感覚。背骨を駆け上がるような強烈な快感。後背位という姿勢は、露敏の侵入をより深く、より無慈悲な角度で受け入れる形だった。

 

「きついな……でも、すぐに馴染むだろ」

 

露敏は腰を掴んだまま、ピストン運動を開始した。獣のような激しさで、尻を打ち付けながら奥を突き上げる。

 

パンッ! パンッ! パンッ!

 

肉と肉がぶつかる音と、濡れた音が混ざり合い、淫らなリズムを刻む。赤く腫れた尻が、露敏の腹に叩きつけられるたびに波打つ。

 

「あっ! あっ! ああッ! そこ……! だめぇっ!」

 

子宮を突かれるたびに、視界が白く弾けた。

男の春希の意思とは無関係に、キルコの体は露敏の形に合わせて収縮し、精を搾り取ろうと蠕動する。背徳感と屈辱感が快感を増幅させ、脳内物質が暴走していく。

 

「どうだ? 後ろから突かれるのはよ。春希にはわからねえ感覚だろ?」

 

露敏の声が耳元で響く。事実だ。男だった自分には理解できなかった圧倒的な快感。犯されているという事実が、心を壊し、肉体を支配していく。

 

「いや……あたしは……男なのに……! こんなの……っ!」

 

口では否定しても、腰は自ら動き、露敏を求めてしまう。尻を打ちのめされるたびに、快楽の波が押し寄せ、理性の岸壁を削り取っていく。

 

「イキたいだろ? 言えよ」

 

露敏が耳を噛みながら囁く。その声だけで、脊髄が震えた。

 

「いや……言わな……!」

 

「素直になれよ。体はもうメスだろ?」

 

強烈な一突き。最も敏感な場所を的確に突き上げられた。

 

「あっ、ああッ――!! イくっ! イッちゃうぅぅぅっ!!」

 

キルコは叫びながら絶頂に達した。全身を痙攣させ、露敏を締め付けながら、女としての決定的な快楽に溺れていく。春希の最後の抵抗も、露敏の容赦ない打撃と共に粉々に砕け散った。

 

「終わったか」

 

露敏が冷徹に身を起こした時だった。

 

ドオオオォォォン!!

 

制御室の分厚い鉄扉が、内側から爆砕された。

瓦礫と砂塵の中から、一人の少年がゆらりと立っていた。

 

マルだ。

彼の右腕は、異様に膨張し、血管が浮き上がり、黒い沼のような何かが渦巻いていた。その手には、引きちぎられたばかりの扉の破片が握りしめられている。

 

マルの瞳は、いつものあどけなさを失い、黄金色に燃え上がっていた。その視線は、服を乱され、床に崩れ落ちているキルコと、立ち尽くす露敏の間で凍り付いていた。

 

「てめえ……」

 

マルの喉から、獣のような地鳴りが漏れた。

マルの姿を見たキルコの心臓が跳ねた。マルに見られた。自分が最も信じていた男に、最も醜い姿を晒しているところを。

 

「マル……来るな……!」

 

キルコの声は震えていた。マルの逆鱗に触れたのだ。この穏やかだが、底知れぬ力を持つ少年の。

 

「お前が、やったのか」

 

マルは露敏だけを見据えていた。怒りを通り越して、静謐な殺意がそこにあった。マルの背後で、影のようなものが揺らめく。彼が怪物の中に手を突っ込み、致命的なものを掴み取る能力。それが、露敏に向けられていた。

 

露敏は舌打ちした。こいつは危険だ。

「チッ、化け物に囲まれちゃかなわねえな」

 

露敏は踵を返し、制御室の奥の隠し通路へと走った。

「露敏! 待てよおおお!!」

 

キルコは這いずろうとした。露敏の背中を追いかけたかった。犯された屈辱も、裏切られた痛みも、全て捨て置いて、あの男を追わねばならないという強迫観念があった。だが、震える足は言うことを聞かない。女の体は露敏に刻み込まれた快楽の残滓で痺れ、立ち上がることさえ許さなかった。

 

マルは露敏を追おうとしたが、足元で崩れ落ちるキルコを見て、足を止めた。

迷いなく、マルは露敏を見逃した。彼にとって、今優先すべきはキルコだった。

 

マルはキルコのそばに膝をついた。

 

 

彼の整いすぎた顔が、苦痛に歪むキルコを覗き込む。

 

「キルコ……」

 

マルの手が、震えながらキルコの頬に触れた。その手は、先ほどまでの破壊的な力とは対照的に、酷く優しかった。

 

「あたしは……あたしは…誰…」

 

キルコは涙で濡れた顔を背けた。マルに見られたくなかった。自分が女の体として、男に犯され、快楽に負けた姿を。マルはいつも「キルコはキルコだ」と言ってくれた。でも、今の自分は、男でも女でもない、ただの肉の塊に過ぎない。

 

「見ないでくれ……汚いよ……」

 

キルコは嗚咽した。マルの優しさが、今は残酷に心を抉る。

 

マルは何も言わなかった。ただ、破れた服をかけ直すように、上着を脱いでキルコの体に被せた。

そして、強引に、だが慎重に、キルコを抱き上げた。

 

「帰ろう、キルコ」

 

マルの胸に抱かれ、キルコは力なく首を預けた。露敏に刻み込まれた体の疼きは消えない。男の心と女の体の乖離が、今も魂を引き裂いている。それでも、マルの腕の温もりだけが、今のキルコを繋ぎ止める唯一の支えだった。

 

 

⭐️円光雄

廃墟の隙間を吹き抜ける風が、冷たく肌を刺した。

空はもうすぐ暮れようとしている。マルは焚き火のそばで横になっているキルコを見つめていた。彼女はまだ時折、夢にうなされるように身を震わせている。露敏に蹂躙された心の傷は、簡単に癒えるものではない。

 

「食料、探してくる。すぐ戻るから」

マルは静かに立ち上がった。キルコは小さく頷いただけだった。いつもの「気をつけて」という言葉もない。それだけで、彼女の心がどれほど深く傷ついているかがわかった。

 

マルは近くの廃墟群に足を踏み入れた。かつては商業施設だったらしい建物。崩れた棚の隙間から、まだ使えそうな缶詰を探す。そんな時だった。

 

「やあ、少年。探し物かい?」

 

背後からかけられた声に、マルは即座に臨戦態勢を取った。振り返ると、ぼさぼさの髪に無精髭を生やした中年の男が立っていた。年齢は五十歳前後。だが、この廃墟に似つかわしくない穏やかな目元をしている。

 

「あんた、誰だ」

「おっと、警戒しなくていい。俺は円光雄。ただの物好きな旅人さ」

 

円は背負っていた大きなリュックサックを下ろし、中から包みを取り出した。

「これ、食料だ。極上の肉だよ」

 

そう言って包みを開くと、確かにそこには見事な肉の塊があった。この荒廃した世界では考えられないような、新鮮で質の良い肉。マルは一瞬、疑念に目を細めた。

 

「なんで、こんなものを俺に」

「さっきの様子を見てたんだよ。連れの娘さん、かなり参ってるみたいだしな。若い娘が元気出すには、まず美味いもんが必要だろ?」

 

そう言ってニッコリと笑う円には、悪意は見えない。だが、この世界で善意だけで行動する人間はいない。マルの本能が警戒を解かない。

 

「何か、見返りを求めてるのか」

「見返り? あるわけないだろ。俺も昔は相棒がいてな。そいつが生きてたら、今のお前たちくらいの歳だったんだ。だからまあ、放っておけないんだよ」

 

円は遠くを見る目で呟いた。その瞳には、何か懐かしむような光が宿っている。マルは言葉を失った。

 

円は肉の包みをマルに手渡すと、突然、表情を引き締めた。

「なあ、小僧」

 

その声はさっきまでとは違い、妙に真剣味を帯びていた。

 

「お前、あの娘のことが好きなんだろ」

「……! 何でそれを」

「見てりゃわかる。目の動き、仕草、声のトーン。全部が『好き』って叫んでる」

 

マルの頬が赤くなる。

キルコにはいつも真っ直ぐに想いを伝えているが、第三者に指摘されるのは初めてだった。

 

「好きな女を大切にしたい。その気持ちはよくわかる」

 

円はマルの肩にぽんと手を置いた。その手は意外にも温かかった。

 

「だがな、小僧。男がやるべき時はがっつり決めなきゃダメだぞ」

 

「決める?」

「そうだ。ウジウジしてるだけじゃ、いつか後悔する。ましてや……」

 

円の声が一段低くなる。

 

「他の男にやられたなら、なおさらだ」

マルの体が硬直した。露敏のことを言っている。この男は、あの制御室での出来事を知っているのか。

 

「徹底的に、自分のちんぽで上書きするんだ。その子に、自分が誰のメスなんだかを、しっかりわからせてやれ」

 

円の目が怪しく光る。マルは嫌悪感と困惑が綯い交ぜになった表情で彼を見つめた。

 

「何、言って……」

「心配するな。お前は正しいことをするんだ」

 

そう言うと、円はポケットから小さなガラス瓶を取り出した。中には透明な液体が入っている。

 

「これは媚薬だ。ほんの一滴で女はとろけるように蕩ける。あの娘だって例外じゃない」

 

マルは瓶から目が離せなくなった。露敏に蹂躙されたキルコ。泣きながら「あたしは誰なんだ」と慟哭していた彼女。それを自分の力で取り戻せるかもしれない。

 

「……上書き」

「そうさ。よその雄の匂いなんて、お前の匂いで塗りつぶしてやれ。女はそうやって安心するんだ。誰のものか、はっきりすれば、迷わなくて済む」

 

円の口調はあまりにも優しく、説得力があった。まるで長年の親友に相談に乗ってもらっているような、不思議な錯覚。

 

マルの手が、震えながら瓶に伸びた。指先がガラスの冷たさに触れた瞬間、キルコの顔が脳裏に浮かんだ。

俺、ずっと好きだよ。

キルコはいつも照れくさそうに、でも嬉しそうに「バカ」と返した。

キルコはキルコだから。

自分の言葉が、自分を裏切る。

 

「……いやだ」

マルは手を引っ込めた。

 

「え?」

「こんなの、キルコが望んでない」

 

マルは円を真っ直ぐに見据えた。その大きな瞳は、迷いを振り切ったように澄んでいた。

 

「俺は、キルコが自分で選んでくれるのを待つ。これで無理やりなんて、露敏と変わらない」

「小僧、それは綺麗事だぞ。現実はそんなに甘くない 女にとって男を知るということがどういうことかわかってるのか?おまえがやらなきゃあの子は露敏の元にいっちまうぞ!」

「俺はキルコと一緒にいたいだけだ。誰のメスだとか、上書きだとか、でも、、あの人を失いたくない」

光雄は瓶と肉の包みをマルの胸に押し付けた。

「持ってけ。男が決める時は決めろ。」

円は背を向け、廃墟の闇に消えていった。その後ろ姿はどこか満足そうだった。

 

マルはしばらく立ち尽くしていたが、肉の重みに我に返った。急いで野宿の場所に戻ると、キルコが身を起こしていた。

 

「おかえり、マル……」

「キルコ、いい肉もらったんだ。今夜はごちそうだよ」

「……誰から?」

「変なおじさん。でも、悪い人じゃなさそうだった」

キルコは少しだけ笑った。久しぶりに見る笑顔だった。

マルは心の中で誓った。

絶対に、キルコを自分のものにしてみせる。でもそれは、媚薬や暴力じゃなく、ちゃんと彼女が選ぶ形で。

焚き火の炎が、二人の顔を赤く照らしていた。

焚き火の火種がパチリと爆ぜ、小さな火花を散らした。

極上の肉を分け合い、腹が満たされた後の静寂が二人を包んでいた。キルコは膝を抱え、揺れる炎を見つめている。その横顔は、まだ何かを抱え込んだように硬い。

 

マルは隣に座り、じっとキルコを見ていた。円から渡された媚薬の小瓶は、ポケットの中で重くのしかかっている。だが、マルはそれに触れる気にはなれなかった。代わりに、自分の言葉を信じていた。

 

「キルコ」

マルは意を決して声をかけた。

 

「ん?」

キルコは炎から目を離さず、気のない返事をする。

 

「あのさ、俺……」

 

マルの声が少し震える。いつもなら軽く「好き」と言えるはずの言葉が、今夜は喉に引っかかって出てこない。それは、ただの好意を伝えるだけでは足りないと本能が告げているからだ。

 

「俺、キルコのこと、ずっと好きだ」

 

キルコの肩がピクリと動く。いつもの調子だと思ったのか、彼女は呆れたように振り返った。

 

「はいはい、知ってるよ。毎日言うじゃん」

 

「違う!」

 

マルは声を張り上げた。予想外の強い声に、キルコは目を見開いた。

 

「今日のは違うんだ……!」

 

マルはキルコに向き直り、その両肩を強く掴んだ。痛いくらいの力。だが、キルコは振り払わなかった。マルの瞳に宿る、必死な光に気圧されたからだ。

 

「俺は、キルコが誰に何をされても、キルコはキルコだって思う。でも……」

 

マルの言葉が詰まる。露敏に犯された事実が、マルの胸を締め付ける。あの男がキルコの体に刻み付けた痕跡。それを想像するだけで、胃の腑が煮えくり返るような嫉妬と怒りが湧き上がる。

 

「でも、悔しいんだ! 俺がキルコを守りたかったのに! 俺が一番にキルコのこと知りたかったのに!」

 

マルの目から涙がこぼれ落ちた。自分の不甲斐なさと、キルコが受けた苦しみに対する無力感。それらが混ざり合い、嗚咽となって漏れる。

 

「俺だけのものにしたいなんて言わない。でも、キルコが苦しんでるなら、俺が全部背負いたい。キルコが自分が誰かわからなくなるなら、俺が何度でも『キルコだ』って叫ぶ!」

 

真っ直ぐな言葉。打算も駆け引きもない、ただ一心に彼女を想う魂の叫び。

 

「俺が……俺がキルコを一番大切にするから! 誰よりも! なんよりも!」

 

キルコは息を呑んだ。目の前で泣きながら告白する少年。その姿は滑稽なほど必死で、それでいて眩しいほど美しかった。

 

「マル……」

 

キルコの胸の奥で、凍り付いていた何かが音を立てて溶け出した。露敏に刻まれた屈辱と絶望。それが、マルの熱さの前に少しずつ薄れていく。

 

マルは迷わず身を乗り出した。理性よりも先に、本能が彼を動かした。

 

唇が重なる。

 

それは優しく触れるだけのキスではなかった。

食い入るように、吸い付くように、互いの存在を確かめ合うような激しさ。

 

「んっ……!」

 

キルコは一瞬驚いたが、すぐに目を閉じた。マルの唇は熱く、少し荒っぽい。経験のなさを感じさせる不器用さだったが、そこに込められた想いの強さが痛いほど伝わってきた。

 

露敏のキスは侵略だった。息をする隙も与えない暴力。

でもマルのキスは懇願だった。どうか俺を受け入れてくれという、祈りのような愛撫。

 

キルコの手が震えながら伸び、マルの頬に触れた。少年の肌は熱く、涙で濡れていた。

マルはキルコの赤い髪を梳き、深く口づけを続ける。

 

二人の間で焚き火の熱よりも熱い何かが渦巻いた。

長い口づけが終わり、唇が離れると、銀色の糸が引いた。

 

「はぁ……はぁ……」

 

二人は見つめ合った。互いの瞳に映る自分を見て、どちらも顔を赤らめた。

 

「……バカ」

 

キルコは掠れた声で呟き、マルの胸に額を預けた。

 

「急に……びっくりさせんなよ……」

 

その声は怒っているようでいて、どこか安堵に満ちていた。マルの体温と匂いに包まれることで、露敏に付けられた汚れが洗い流されていくような気がした。

 

マルは震える手でキルコの背中を抱きしめた。

もう二度と離さないと誓うように、強く、強く抱きしめた。

 

ポケットの中で、媚薬の小瓶がカチリと鳴った。

だがマルはもうそれを使う気はなかった。必要ないとわかったからだ。

今この瞬間、キルコは自分の腕の中にいる。それだけで十分だった。

夜風が吹き抜ける廃墟の中で、二人はただ抱き合っていた。

言葉はもういらなかった。

焚き火が二人の影を長く伸ばし、一つに重なり合っていた。

焚き火のオレンジ色の光が、二人の影を長く伸ばしていた。

長い口づけの余韻で、キルコの顔はまだ火照っていた。マルの告白と、あの不器用なくらい必死なキスが、彼女の心の扉を無理やりこじ開けた。

 

「キルコ……」

 

マルの声は少し震えていた。彼はキルコのジャケットの襟に手をかけ、ゆっくりと、しかし迷いなくそれを脱がせ始めた。

キルコは抵抗しなかった。ただ、心臓が早鐘を打つ音を聞きながら、マルの動きを目で追っていた。

 

布が擦れ、夜気に晒される肌が粟立つ。上衣が脱ぎ捨てられ、シャツのボタンが一つ、また一つと外されていく。マルの手つきはぎこちないが、どこまでも丁寧だった。まるで、傷ついた小動物に触れるかのように。

 

シャツが肩から滑り落ちた瞬間、焚き火の光が白い肌を照らし出した。

 

マルは、息を呑んだ。

 

そこにあったのは、荒廃した世界には似つかわしくないほど、息を呑むほどに美しい女の体だった。

傷一つないわけではない。荒くれ者たちと渡り合い、怪物と戦い抜いた証である細かい傷跡が、滑らかな肌に散らばっている。だが、それらすらもこの肢体の美しさを損なうものではなく、むしろ彼女の生き様を物語る刺青のようにさえ感じられた。

引き締まった腰回り、女らしい柔らかな曲線、そして夜の闇の中で目立つほどに赤く染まった乳首が先端を飾る、形の良い双丘。

 

「……すごい」

 

マルは思わず呟いた。言葉が出てこなかった。今まで「びっくりするくらい美形だ」と思っていた彼女の顔立ちが、この体にこそふさわしいのだと今更のように気付かされた。

 

「……何、見てんだよ」

 

キルコは顔を赤らめ、反射的に腕で胸を隠そうとした。男である春希の意識が、露わになった女の体を恥じらわせる。だが、マルの手がそれを優しく制した。

 

「見せて。キルコ、綺麗だ。すごく綺麗だよ」

 

純粋な感嘆の声。

その瞳には、欲情だけでなく、ただただ圧倒されたような崇拝の色が混じっていた。それがキルコの心を溶かす。露敏に犯された時のような、品定めするような冷酷な視線とは何もかも違う。

 

マルの手が、震えながらキルコの胸に伸びた。

指先が、ふっくりとした乳房の側面に触れる。その感触の柔らかさに、マルは再び喉を鳴らした。

 

「んっ……」

 

キルコの肩が跳ねた。

マルの指は、まるで壊れ物を扱うかのように、ゆっくりと形を確かめるように動く。そして、その愛らしい突起へと至った。

 

「ここ……」

 

マルの指先が、淡いピンク色の乳首に触れた。

露敏に捻り上げられ、乱暴に吸われた場所。しかし今、マルの指先から伝わるのは不器用なほどの優しさだけだった。

 

指先でつまむのではなく、掌で包み込むように愛撫する。

それが逆に、敏感になりすぎたキルコの体に強烈な快感として伝わった。

 

「あっ……マル……」

 

キルコの口から、甘い吐息が漏れた。

男の心が、女の体の快楽に抗えず反応してしまう。しかし、それは露敏の時のような恐怖や屈辱を伴うものではなかった。好きな人に触れられる喜び。自分が誰かから大切にされているという安心感。それが快感を何倍にも増幅させていく。

 

マルは夢中になった。指先で乳首を転がすように弄ると、キルコの体がビクンと反応する。その反応が愛おしくてたまらなかった。

 

「キルコ、気持ちいい?」

 

「……バカ。聞くな……」

 

キルコは顔を背けたが、その声は甘く潤んでいた。そして、自らマルの手を押し付けるように胸を押し出した。

マルは片方の手でもう一方の乳首を捉え、今度は少し強く摘んでみた。

 

「んんッ!」

 

キルコの背筋が反り返る。腰が動いた。男である自分がこんな風に乳首を弄られて感じているという事実に、春希の理性が悲鳴を上げる。だが、キルコの肉体はもはやマルの愛撫を求めてやまなかった。

 

「もっと……触っていいよ」

 

キルコは自分でも驚くほど甘い声で言った。それは春希からの解放ではなく、マルという男に身を委ねるキルコとしての受容だった。

 

マルは瞳を輝かせ、再びキルコの乳首に唇を寄せた。今度は恐る恐るではなく、確かな愛情を持って。

チュッと優しく吸い上げると、キルコの体が弓なりに反った。

 

「あぁ……っ! マル……ッ」

甘い嬌声が夜の廃墟に響き渡る。焚き火がパチパチと爆ぜる音以外は聞こえない。

マルは飽くことなくキルコの胸にむしゃぶりついた。片方は口で、もう片方は指で。露敏が刻み付けた傷を上書きするように、丹念に、執拗に。

キルコはマルの頭をかき抱き、その髪に指を絡ませた。腰が物欲しげに揺れ始める。

焚き火の光が二人の影を大きく揺らめかせていた。言葉はもう不要だった。ただ、触れ合う肌と肌、重なり合う唇と唇が全てを語っていた。

マルの唇がキルコの乳首から離れると、そこは唾液で艶やかに濡れ光り、更に赤みを増していた。キルコは名残惜しそうに息を吐き、潤んだ瞳でマルを見上げる。その視線は「もっと」と求めていた。

 

マルの手が、震えるままにキルコのズボンのバックルにかけられた。カチャリと金属音が響き、緊張が走る。マルはごくりと唾を飲み込み、ゆっくりとそれを引き下ろした。

 

布が肌から離れ、最後の下着だけがキルコの恥部を覆っている。

マルはその下着の端に指をかけ、恐る恐るそれを剥ぎ取った。

 

「あ……」

 

夜気に晒された秘所。そこはすでに蜜でぐっしょりと濡れそぼり、焚き火の明かりを反射して妖しく光っていた。

男である春希の記憶にはない、女としての器官。自分の体なのに、他人の体のようにさえ思えるその場所を、キルコは羞恥と共にマルに晒した。

 

「すごい……濡れてる」

 

マルは素直な感嘆の声を漏らした。初めて見る女の割れ目。その生々しさと、自分に対してこんなにも反応してくれているという事実に、マルの股間は痛いほどに張り詰めた。

 

「見るなよ……恥ずかしい……」

 

キルコは膝を閉じようとしたが、マルの手がそれを優しく、しかし力強く開かせた。

 

「見たいよ。キルコの全部」

 

マルの指が、濡れた割れ目に触れた。

ジュワッという卑猥な音とともに、指が蜜の中に沈んでいく。

 

「ひゃうッ!」

 

キルコの体が跳ねた。露敏に弄られた時のような粗暴な痛みはない。ただ、熱い指が優しく内側を探る感覚。

マルは驚くほど素直に受け入れる膣内の感触に夢中になった。きつく締め付けられながらも、吸い付くように柔らかい肉壁。

 

「ここ、気持ちいいの?」

 

マルが前壁の少し奥を擦り上げると、キルコの腰がビクンと跳ね上がった。

 

「あッ! そこ……っ! あぁっ!」

 

男である自分が、指を入れられて感じている。その背徳的な倒錯感が、今はただ甘美な快感として押し寄せてくる。露敏の時は心が拒絶していた。でも今は、マルに触れられることが心地よい。自分が「女」として愛されているという安心感が、春希の抵抗を溶かしていく。

 

「マル……もう……我慢できない……」

 

キルコは自ら腰をくねらせ、マルの指を奥へと招き入れた。指一本、二本と増やされ、掻き回されるたびに、子宮の奥から疼きが這い上がってくる。

 

「キルコ……俺も……」

 

マルは指を抜くと、自身のズボンを下ろした。若く硬い男が猛り立っている。

マルはキルコの脚を開かせ、自分の腰をその間に割り込ませた。

 

「入れるよ……キルコ」

 

「うん……来いよ……」

 

マルは先端を濡れた入口に当てがい、ゆっくりと腰を進めた。

 

「んっ……くぅっ……!」

 

キルコの眉が寄る。初めて受け入れる少年の質量。指とは違う、熱く脈打つ異物が肉壁を押し広げて侵入してくる感覚。

しかし、そこには露敏の時のような恐怖はない。ただ、愛しい人が自分の中に入ってくるという、圧倒的な充足感があった。

 

「キルコ……凄い……すごいよ……」

 

マルもまた、初めて味わう膣内の感触に声を震わせた。きつく締め付けられながらも、どこまでも深く迎え入れられていく感覚。これが一つになるということか。

 

「あぁ……マル……! いいよ……動いて……」

 

キルコはマルの背中に腕を回し、強く抱きしめた。

マルは腰を引き抜き、再び突き入れた。

最初はぎこちなかったピストン運動も、次第に本能が教えるリズムを刻み始める。

 

パンッ! パンッ! パンッ!

 

肉と肉がぶつかる音と、濡れた結合部から立ち上がる水音が響く。

露敏に犯された時とは何もかも違う。

あの時は「侵食」だった。自分を壊され、塗り替えられる暴力。

でも今は「交わる」のだ。

自分の中に彼を受け入れ、彼と一つになる。互いの体温を分け合い、鼓動を共有する。

男としての春希と女としてのキルコ。分裂していた自分が、マルと繋がることで一つに統合されていくような感覚。

 

「あッ! あッ! そこっ! マルっ! 大好きっ!」

 

キルコは泣きそうな声で叫んだ。

快楽と歓喜。自分を必要としてくれる人がいる。自分を丸ごと受け入れてくれる人がいる。それがどれほど救いであるか。

 

「俺も! 俺もキルコが好きだ! 大好きだ!」

 

マルもまた叫びながら、激しく腰を振った。

二人は互いの名前を呼び合い、求め合った。

ただの性欲処理ではない。魂の救済。

傷ついた二人が、互いの傷口を舐め合い、血を分け合うような行為。

 

やがて、二人は同時に頂点へと駆け上がった。

 

「イクッ! マルッ! イクゥゥゥッ!!」

 

「キルコッ!!」

 

マルが最奥で果てると同時に、大量の熱を注ぎ込んだ。

キルコは子宮奥深くにその熱を受け止めながら、全身を痙攣させて絶頂した。

それは露敏に刻まれた屈辱的な絶頂とは違う、涙が出るほどに幸福なエクスタシーだった。

 

事後。

二人は汗ばむ肌を重ね合わせたまま、じっと抱き合っていた。

マルの精液がキルコの中から溢れ出し、シーツに染みを作っていく。

露敏に汚された体は、今、マルによって上書きされたわけではない。マルに愛されることで、その傷さえも自分の一部として受け入れられるような気がしていた。

 

「マル……」

 

「ん?」

 

「……ありがとう」

 

キルコはマルの胸に顔を埋め、小さく呟いた。

男でも女でもない自分。桐子でも春希でもない自分。

でも、この腕の中にいる時だけは、「キルコ」として生きていてもいいような気がした。

 

マルは何も言わず、ただキルコの髪を優しく撫でていた。

焚き火はもう消えかかっていたが、二人の間には確かな温もりがあった。世界は相変わらず壊れたままだ。明日からの旅も過酷だろう。

それでも、今夜だけはこの温もりの中で眠ろう。

互いの存在だけを信じて。

 

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