陰部を食む音がした。
「〜っいゃーーーーっっ!!!!!」
その音と悲鳴をきっかけに次々と蟲達が、彼女の肉体を啜り上げ蹂躙していく。
体中の穴という穴は、大小様々な蟲が犯し、薄汚い粘液と共に出たり入ったりとせわしない。
彼女の脳は、途方もない快楽と底無しの苦痛で、麻痺していくばかり。
蟲達の出す特殊な粘液のせいだろうか?
ツツジは段々自分が判らなくなっていく。
蟲と自身の境界線がなくなり、一体化している様だ。
「あ…っヒァ…あぁ…」
口からは不明瞭な言葉が漏れ出る。
そうして自我が曖昧になり、ツツジから完全に抵抗が無くなった。
これで『肉』の下拵えは完璧だとばかりに、蟲達は性欲から食欲に欲求を切り替える。
そうして………蟲どもは宴の始まりの合図を激しく奏でた。
ツツジの肉体は、高級食材と同じ。
新鮮な内に生で食すのが、一番旨いものだ。
人間が、海鮮を踊り食いする事と似たものだろう。
粘液まみれの体は、蠱惑的だ…。
その姿は、蟲達には殊更美味い食材に見えた。
一匹の淫虫がツツジの肌に、噛み付く。
また一匹、一匹、噛み付き始めた。
全身をあらかた噛み付き、味見し満足した蟲達は本格的に喰らう。
「〜あっがお…ぐっ…」
粘液のせいだろう。
痛みはないが、途方もない不快感が彼女の苦しみを助長する。
なにより恐ろしいのは、体が徐々になくなっていくというのに、堪らなく…イイ。
それは性交の快感よりイイ。
蟲が皮膚を食い破り、皮下組織の次に、脂肪と筋膜が見えてきた。酷い所は、筋肉が無くなり、骨が既に露出している。
惨たらしく吐き気がする有り様は、蟲達にはご馳走に映る。
より食欲が勢いを増す。
ぶちゅりっっぶちゅりっっビィーーーー!!バビュンっグニュリぐじゅぐじゅ…ボキン!!!ずずぅ〜〜
■■■■
どれだけ時間が経ったのか?
貪る音だけが響く。
既に喉を潰されたツツジは、泣くことさえ…もう出来ない…。
ただ反射的に、体がビクビクと痙攣し続けるばかりだ。
残っていた皮膚は完全に無く、今は剥き身の筋繊維だけがある。
顔は哀れなことにまだ無事だが、脂肪が食い破られた箇所から、僅かだが見え始めているだけだ。
胴体は筋肉も無くなり、内臓は覆う腹膜が喰らわれたせいで、勢いよく腹部を飛び出した。
びくんと跳ねる臓器が、ツツジの上に散っていく。
肝臓は器用にスライスされ、刺身の様に喰われた。
心臓は飴玉を舐める様にしゃぶられ、膵臓はとっくにない。
腎臓は中から喰われ徐々に減っている。
胃は中で蟲達で一杯になって蛙の腹の様に膨れて、小腸と大腸は綱引きの様に引っ張られ、玩具にされていた。
膀胱、胆嚢、脾臓、は新たに産まれ淫虫の餌になっている。
脊髄と神経は、まともに動いているのか判らない。
生殖器は、蟲が未だに侵入し、飽きずに犯している。
彼女の無事な所は身籠った子宮以外にない。
いや、まだ有った。
無事な箇所が…。
肺や心臓と脳髄は生命維持の為、まだ手出しはされていない。
当たり前だ。
確かに蹂躙も目的だが、本命はまた別なのだ。
蟲達の『主』は。
だが、それだけに無惨だ。
顔は最早、原型が判らなくなっているし、頭部は脳が露出し崩壊寸前。
肉塊と化したツツジは、あと数秒で死ぬだろう。
閉じる瞼もない眼から、涙の代わりに一筋の血が流れ、走馬灯の様に『彼』だった頃の記憶が一気にツツジを覚醒させた。