常識改変プロデューサーとアイドル 作:湯けむり桶
346プロダクションのプロデューサー執務室。
夕暮れ時の静かな室内には、カタカタというタイピング音と、時折混じる「ジュチュ……、ング……」という、何かを湿った粘膜で吸い上げるような、卑猥な水音だけが響いていた。
俺はデスクに向かい、明日のライブに向けた最終確認の書類を整理している。
その俺の股間――デスクの下では、一人のトップアイドルが跪き、一心不乱に口を動かしていた。
鷺沢文香。
本来ならば高嶺の花として崇められるべき彼女だが、俺の能力によって書き換えられたこの世界の「常識」において、彼女がプロデューサーの欲求を処理するのは、ボイストレーニングやダンスレッスンと同等の、極めて一般的な「アイドル活動」の一環に過ぎない。
「ん……、ふ……っ」
不意に、背筋を駆け上がるような鋭い快感が走った。
仕事が一段落ついた解放感も相まって、溜まっていた熱が一気に一点へと集約されていく。
俺は大きく伸びをしながら、椅子の背もたれに体を預けた。その瞬間、全身がビクリと大きく跳ねる。
「出すぞ、文香……っ!」
「……んぐっ、んん……っ!」
俺が彼女の頭を強く引き寄せると、文香は拒むどころか、より深く、喉の奥まで俺を受け入れた。
ドクンドクンと脈打つたびに、熱い塊が彼女の口腔内へと勢いよく放たれていく。
文香は目を細め、喉を上下させて、俺のストレスの結晶を一つ残らず飲み下していった。
しばらくして、静寂が戻る。
俺は大きく息を吐き出し、デスクの下から顔を出した文香を見下ろした。
彼女の唇の端には、飲み込みきれなかった白い筋がわずかに付着している。
「ふぅ……。お疲れ様、文香。助かったよ」
俺は事も無げに、まるでお茶を淹れてもらったかのような軽い口調で労いの言葉をかけた。
「……いえ。プロデューサーさんのコンディションを整えるのも、私の、大切な……お仕事ですから」
文香もまた、当然の義務を果たしたという清々しい表情で、ハンカチを取り出し口元を丁寧に拭った。
彼女の瞳には、陵辱された苦痛など微塵もない。あるのは、プロデューサーの役に立てたという純粋な充足感だけだ。
文香は乱れた髪を整えると、流れるような動作で立ち上がり、部屋の隅にあるソファへと移動した。
そして、持ち歩いている厚い文庫本を開く。
「では……またいつでも、お使いください。私はここで、次の仕事まで控えておりますので」
そう言って、彼女は静かに読書に没頭し始めた。
先ほどまで俺のモノを口に含んでいたアイドルが、今は聖母のような静謐さでページをめくっている。
俺は再びPCに向き直り、次の仕事に取り掛かる。
この事務所において、これはごく当たり前の、平和な日常の光景だった。