常識改変プロデューサーとアイドル 作:湯けむり桶
五月の柔らかな陽光が、346プロダクションの事務所内に差し込んでいた。世間はゴールデンウィークの真っ只中だが、アイドル業界に大型連休などという概念は希薄だ。
プロデューサーである俺は、デスクで膨大な資料と格闘していた。肩は岩のように凝り固まり、目の奥には熱い痛みが走っている。
「……プロデューサーさん、聞いていますか?」
不機嫌そうな、しかしどこか幼さの残る声が鼓膜を叩く。声の主は橘ありす。弱冠12歳ながら、大人びた言動と理知的な思考を持つ少女だ。
「ああ、聞いてるよ。水着撮影の仕事、お疲れ様」
「本当ですよ。『瑞々しいイチゴのような少女の煌めき』……大人はどうしてこう、安直で、情緒に欠ける表現ばかり好むのでしょうか。それに、あんな面積の少ない水着を……。教育上、よろしくないと思いませんか?これだから大人は、デリカシーというものが欠如しているんです」
ありすはソファに深く腰掛け、ミネラルウォーターを口にしながら、くどくどと不満を並べ立てる。
「まあ、それもありすに期待しているからこその仕事だよ。ファンも喜んでくれるはずだ」
「それはそれ、これはこれです。はい、論破。……とにかく、私は少しここで休みます。まだ、苺スイーツの補給が足りていませんから」
「苺パスタの新作を食べさせてくれるという約束、忘れていませんよね?」
「分かってる。次のオフに予約してあるから」
「……なら、いいですけど」
彼女はフンと鼻を鳴らして、手元のタブレットに視線を落とした。
俺はそんな彼女を尻目に、再びスケジュールチェックの作業に戻る。
数分後。
背後でソファから立ち上がる気配がした。
「プロデューサーさん」
呼びかけに応じ、俺が振り返った瞬間、目の前の光景に思わず息を呑んだ。
「……ありす? どうしたんだ、その格好、何か変なものでも食べたか?」
つい先ほどまで私服だったはずのありすが、冷えた苺を乗せた皿を持ち、眩いばかりの黄金のビキニに身を包んでいた。
面積の極めて小さい、金属的な光沢を放つ金色の布地が、彼女のまだ発育途上の白い肌を際立たせている。
そのあまりに不釣り合いで、暴力的なまでに扇情的な姿に、俺は困惑を装った。
「どうしたもこうしたもありません。プロデューサー、少しお疲れのようですね」
「いや、そうだけど……大丈夫か? 病院に行くか?」
「失礼な。私は至って正常です。悪いのは、この事務所の冷房設定ですよ。私の体がこんなに熱いのは、きっとそのせいです。」
「むしろ、今の状況においてこれ以上に『正しい』判断はありません」
ありすは黄金のブラを自ら持ち上げ、位置を整えながら、堂々と俺のデスクへと歩み寄ってきた。
「今は黄金週間、ゴールデンウィークです。そしてプロデューサーは私のために身を削って働いている。ならば、担当アイドルである私、橘ありすの最も重要な役目なのは、火を見るより明らかです。『黄金の姿』であなたを癒やす……これは論理的帰結です」
ありすの瞳には微塵の迷いもない。彼女の中では、この破廉恥な格好で上司に奉仕することが、アイドルとしての「常識」に書き換わっているのだ。
「プロデューサーさんは、私のことが大好きですよね?」
「……ああ、もちろん大切に思ってるよ」
「はい、論破。ならば、私が今からすることを拒む理由はありません。プロデューサーさんの疲れは、私が責任を持って取り除きます」
ありすは俺のデスクに苺の乗った皿を置くと、デスクに手をつき身を乗り出した。金色の紐が肩から滑り落ちそうになる。
「さあ、椅子に深く座ってください。キーボードを打つ手は止めて……私のことだけを見て、癒やされてください。これは『お仕事』ではなく、私の『意志』ですから」
彼女の小さな手が、俺の頬を優しく撫でる。
常識が書き換えられた彼女の献身は、甘く、そして抗いがたい。
俺は書類の山を隅へ追いやり、黄金に輝く少女の「サービス」を受け入れることにした。
次の打ち合わせまでの一時間。
俺の、そしてありすだけの、特別なゴールデンウィークが始まった。
デスクの椅子に深く沈み込む俺の体に、ありすは迷いなく手をかけた。
金色のビキニが放つ眩い光が、薄暗い事務所の壁に不規則な模様を描いている。
「……プロデューサーさん、逃がしませんよ」
ありすは器用に身を翻すと、俺の膝の上に跨がった。小さな体が俺の太ももに重なり、彼女の柔らかな体温がダイレクトに伝わってくる。
「あ、ありす、落ち着け……」
「落ち着くのは、あなたの煩悩だけで十分です」
彼女は俺の首に両手を回し、そのまま顔を近づけてきた。
触れ合ったのは、イチゴの香りがする唇。ありすは俺の口内を貪るように、熱く、執拗に舌を這わせてくる。
先ほどまでの「論理的」な態度はどこへやら、そのキスは本能に忠実で、俺を逃がさないという強い意思に満ちていた。
「ん……ふぅ……ッ……」
ありすは一度も唇を離そうとしない。それどころか、跨がったまま腰を揺らし、金色の布地越しに自分の秘部を俺の股間へと強く押し付けてきた。
改変された彼女の常識において、この密着は「アイドルの義務」であり「癒やしの極致」なのだ。
やがて、銀の糸を引きながら唇が離れる。ありすの頬は苺の様に真っ赤に染まり、吐息は熱く乱れていた。
彼女の視線は、俺のズボンの股間に注がれる。
「……あら。ここも、ずいぶんと窮屈そうですね。私のせいでこうなったのなら、最後まで責任を取るのがプロデューサーというものでしょう?」
ありすは震える手で、俺のズボンのチャックに指をかけた。
金属が擦れる音が静かな室内に響き、彼女は躊躇なく俺の「モノ」を外へと引きずり出す。
「……っ、ありす……!」
「声を出さないでください。……でも、担当アイドルにここまでされるなんて、あなたは本当に担当プロデューサーの鏡ですね。ふふっ、はい、論破」
ありすは鼻息を荒くしながら、引き出したそれを小さな手で包み込んだ。
黄金のビキニに縁取られた彼女の肢体が、俺の目の前で熱狂的に動き始める。
その瞳には、もう常識という名のブレーキは存在しなかった。
「さあ……もっと私で、癒やされてください……」
ありすは、自分の股間を覆っていた金色のビキニをわずかに横へとずらした。
露わになった彼女の柔らかく熱い肌が、俺の熱を帯びた一点と触れ合う。
「……覚悟してください。これが……あなたのストレスを解消する、最善の手段なんですよね?」
そう呟くと、ありすはゆっくりと、その身を沈めてきた。
「……んんっ、く……ッ!?」
小さな体が大きく震え、まだ慣れない異物感に目を見開く。ありすは俺の肩に爪を立て、異物感に耐えるように歯を食いしばりながら、たどたどしく腰を上下させ始めた。
「ど、う……ですか……。癒やされて、いますか……っ?」
必死に問いかけてくる彼女の額には、うっすらと汗が浮かんでいる。
ぎこちない、けれど一生懸命なその動き。俺は彼女の細い腰を支えると、彼女の負担を減らし、そして快楽を深めるために、自らも突き上げるように腰を動かし始めた。
「あっ、あ……っ! ぷろ、でゅーさ……ぁ……ッ!!」
俺の積極的な動きに、ありすの論理的な思考は完全に吹き飛んだ。
先ほどまで懸命に言葉を紡いでいた口は、今はただ甘い悲鳴を上げるためだけに開かれている。
黄金のビキニが激しく揺れ、事務所の空気が熱狂的にかき混ぜられていく。
やがて、限界は同時に訪れた。
ありすの体が激しく震えると、内側の壁が激しく俺を締め付ける。
俺は彼女の奥深くに、溜まっていたすべてのストレスと共に、熱い種を解き放った。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ……。……っ、ひどい、です……私……声も出せなくて……」
ぐったりと俺の胸に顔を埋めるありす。
俺はデスクの上にあった、彼女が持ってきた冷えた苺を一粒、そっと彼女の唇に寄せた。
ありすが反射的に口を開くと、甘酸っぱい果汁が彼女の口内に広がっていく。
「お疲れ様、ありす。最高の癒やしだったよ」
俺がそう言って頭を撫でると、ありすは苺を咀嚼しながら、少し不満げに頬を膨らませて俺を見上げた。自分はあんなに余裕をなくしたのに、俺が平然と労っているのが少し悔しいのだろう。
「……むぅ。大人は、これだから……。……でも、……ほんの少しでも、あなたが癒やされたのなら……橘ありすとして、これ以上の幸運はありません」
ありすは金色の衣装のまま、子供のように俺の体に強くしがみついた。
その温もりを感じながら、俺は次の仕事への活力が満たされていくのを感じていた。