常識改変プロデューサーとアイドル 作:湯けむり桶
「……うう、やっぱり千枝、こういうの苦手です……。何が入っているかわからない箱の中に手を入れるなんて、考えただけでも足が震えちゃいます……」
事務所の片隅にある防音仕様のレッスンルーム。佐々木千枝は、机の上に広げられたバラエティー番組の企画書を前に、泣き出しそうな顔で眉を下げていた。近々、彼女に出演依頼が届いているのは、往年の人気番組のリバイバル企画。
そこには「箱の中身は何だろな?」という、バラエティーの洗礼とも言える定番コーナーが含まれていた。怖がりで慎重、そして何より純粋な千枝にとって、未知の触感に自分から触れに行くという行為は、暗闇の迷宮に放り出されるのと同義のプレッシャーだった。
「大丈夫だ、千枝。本番でパニックになって固まってしまわないように、今から俺とマンツーマンで特訓しよう。知識と経験があれば、恐怖は好奇心に変わるはずだ」
俺は努めて平静な教官のような声で言い、千枝に厚手の目隠しを装着させた。もちろん、ここでも俺の「常識改変能力」は十全に発動させている。
この部屋の防音壁の向こう側や、偶然通りかかったスタッフの目には、俺が若手アイドルの演技指導や度胸試しを真面目に行っている光景として映るよう、認識を強制的に書き換えてある。
「いいか、千枝。視覚を遮断することで、眠っている他の五感を限界まで研ぎ澄ますんだ。指先の感覚、鼻を抜ける匂い、そして空気の振動……。すべてがヒントになる。まずは……小手調べにこれだ」
俺は特訓の導入として、スーパーの特売で購入していた「蒟蒻(こんにゃく)」を彼女の目の前に差し出した。冷気と独特の保存水の匂いが、微かに彼女の鼻を掠める。
「あ……えっと……。ひんやりしてて……少し、ぬるぬるします。指が沈むくらい柔らかいけど、弾力があって……ええと、なにかの生き物……ですか? お魚とか……?」
千枝はおっかなびっくり、壊れ物に触れるような手つきで指先を蒟蒻に突っついている。その慎重すぎる動作は微笑ましくもあるが、バラエティーとしては少し地味だ。
「いえ、やっぱり分かりません……降参です。答えは何ですか……?」
「答えは肝試しでもお馴染みの蒟蒻だ。ふむ、これくらいの質感で迷っていては修行が足りないな。よし、じゃあ次は少し難易度を跳ね上げるぞ。今度は『温かさ』と『脈動』がヒントだ」
俺は蒟蒻を手早く片付けると、スラックスのジッパーを下げ、俺自身の「モノ」を露わにして千枝の鼻先へと突き出した。能力の調整により、彼女の感覚にはそれが「未知の、しかし生命力に溢れた有機物」の匂いとして認識されるようになっている。
「……? なんだか、さっきのよりずっと温かいです。それに、少し……甘酸っぱいような、独特な匂いがします。体温があるみたい……」
千枝は引き寄せられるように顔を近づけ、小動物のようにくんくんと鼻を鳴らして匂いを嗅いだ。訝しげな表情を浮かべながらも、俺の教えを忠実に守り、目隠しの下で「未知の正体」を解き明かそうと必死になっている。
「よく分からないので、触ってみますね……。失礼します……」
千枝の小さく、柔らかな掌が、俺の熱を帯びた「モノ」を包み込んだ。
最初は熱さに驚いたのか、熱いヤカンに触れた時のように指先を引いたが、すぐに覚悟を決めたように再び手を伸ばし、その形状を確認するように徐々に力を強めていった。
「……柔らかいのに、中に一本、硬い芯があるみたいです。あ……今、少しピクって動きました……! 生き物……ですよね? なにかの、とても元気な動物の子供……でしょうか」
「どうかな。先入観を捨てて、もっとよく観察してみてくれ。指の腹でなぞったり、握ってみたりして、その『輪郭』を捉えるんだ」
千枝は、小さな手を時に激しく上下させ、時に慈しむように包み込んで俺を弄ぶ。だが、清廉潔白な彼女の脳内ライブラリに、この形状の正体は登録されていない。千枝は小首を傾げ、吐息を漏らしながら困ったような声を上げた。
「うう……触れば触るほど、分からなくなってきます……。……あの、プロデューサーさん。お行儀悪いですし、はしたないかもしれませんけど……『味』を見てみてもいいですか? その方が、きっと正解に近い気がして……」
「……ああ、構わない。徹底的に調べてくれ。五感すべてを使うのが、この特訓の本質だからな」
千枝は「失礼します」と一礼するように小さく断ると、目隠しをしたまま、探り当てるように顔を寄せた。
まずはフッと熱い吐息を吹きかけ、反応をうかがう。それから恐る恐る、桃色の舌先を突き出し、先端の割れ目から滲み出た雫を、慈しむように舐めとった。
「……ん、少ししょっぱいです。でも、なんだか癖になるというか……。……あむ…っ」
彼女はそのまま、自分の顔の半分ほどもありそうな俺のモノを、小さな口いっぱいに咥え込んだ。幼く熱い舌が表面の筋を丁寧になぞり、ぬるりとした口腔の粘膜が全体を隙間なく包み込む。千枝は一生懸命に小さな顎を動かし、頬を窄めては、喉の奥まで含んで確認するように激しく上下させた。
「んむ……んぐ……。じゅるぅ、ちゅぷっ……。もっと激しく、喉の奥まで使ったら、正体が分かるかもしれません……っ。千枝、頑張ります……っ」
千枝は特訓を完遂しようとする義務感からか、さらにピッチを上げた。小さな喉が限界まで押し広げられ、俺の先端を容赦なく責め上げる。無垢な少女ゆえの加減を知らない奉仕が、俺の理性を一瞬にして灰にした。
「っ、千枝……! 出る、出るぞ……!」
「んぅ!? んぐ、んんっ!!」
突然の脈動と膨張に、千枝は驚きで目を見開いたが、口を離すことはしなかった。教えられた「修行」を最後までやり遂げようと、溢れ出す熱い奔流を必死に喉を鳴らして飲み込もうとする。
しかし、溢れ出た白濁液の勢いは彼女の許容量を遥かに超え、飲み込みきれなかった分が彼女の整った顔立ちを白く汚しながら、勢いよく飛散した。
「ふぁ……っ、あ……。……ふぅ」
俺が自分のモノを仕舞い、千枝の目隠しを外すと、そこには顔中に白い筋を幾本も作り、呆然としながらもどこか充足感の漂う表情の千枝がいた。
彼女は頬を伝うぬめりとしたモノを指ですくい、確かめるようにぺろりと舐めとると、恥ずかしそうに頬を染めながら、同時に晴れやかな笑顔を向けた。
「……えへへ。やっぱり、千枝、よく分からないです。でも……なんだか、とっても元気が出る味がしました。これが……『プロデューサーさんの熱意』なんですね」
そのあまりにも純粋で無垢な笑顔に、俺は罪悪感を覚える暇もなく、彼女をさらなる「正解」へと導くための次なる特訓メニューを、頭の中で構築し始めていた。
激しい特訓を終え、千枝はどこか悔しそうに、そして名残惜しそうに唇の端を指先でなぞった。真っ白に汚れた顔を拭いながらも、その瞳には挫折の色はなく、むしろ未知の難問に挑む学者のような、静かな情熱の炎が灯っている。
「……やっぱり、目隠しと味覚だけじゃ、まだこの『正体』に辿り着くには足りないみたいです」
正解を導き出せなかったことが、彼女の真面目すぎる性格と、プロデューサーへの深い信頼感に火をつけてしまったようだ。
俺は彼女のその健気な熱意に応えるべく、さらなる「一計」を案じることにした。
「よし、千枝。それなら今度は『比較』の特訓だ。人間は単一の刺激には慣れてしまうが、異なる性質のものを交互に試すことで、感覚の解像度は飛躍的に高まる。冷たさと熱さ、硬さと柔らかさ……その差を学ぶんだ」
「はい! よろしくお願いします、プロデューサーさん! 私、もっと感覚を研ぎ澄ませてみせます!」
再び厚手の目隠しを装着し、千枝は姿勢を正した。俺はまず、事務所の小さな冷凍庫から取り出したばかりの、凍った「アイスバー」を彼女の唇に近づけた。
「……あ。冷たいです。目隠しをしていても、頬のあたりにひんやりした空気が伝わってきます……」
千枝は微かな冷気だけでその正体を察したのか、恐る恐る、しかし先ほど学んだ通りに舌を伸ばした。シャリッとした氷の結晶が弾ける感触と、鼻腔をくすぐる人工的なバニラの甘い香り。それが彼女の麻痺しかけていた感覚を、冷酷なまでに鋭く刺激していく。
「……これは、千枝、もうわかったかもしれません。さっきのものとは、全然違いますから」
一度成功の糸口を掴むと、彼女の行動は大胆になった。積極的にアイスバーに挑戦し始め、表面を丁寧に舌で絡めとったかと思えば、小さな口で根本まで深く咥え込み、チュパチュパと幼い音を立てながら、氷の棒を上下に吸い上げていく。
「ん……んむ、ん、れろ……。じゅる……ふふ、わかりました。この硬さと甘さ、それに凍りつくような温度……。答えは『アイスキャンディー』ですね!」
「正解だ。よくやったな、千枝。感覚のスイッチが切り替わった証拠だ」
一つ目の正解を得て、千枝は目隠しの下で嬉しそうに口角を上げた。この調子なら、次こそはあの「熱い正体」を見破れるかもしれない――そんな無垢な期待が、彼女の表情を明るく彩る。
「さあ、次は本番だ。感覚を忘れないうちに、さっきの『わからないもの』をもう一度出すぞ。アイスとの違いを、その身で刻み込め」
俺は再び、自身のモノを千枝の鼻先に近づけた。アイスの冷気の余韻が残る中、対照的に立ち上る濃密な体温と、生命力に満ちた匂い。
千枝は小さく鼻を動かし、「あ、さっきの……お熱いのです……」と呟いた。
「今度は絶対に、正解してみせます! プロデューサーさんの期待に応えたいですから!」
意気込む彼女は、まず形状のディテールを確認するために、両手でしっかりと包み込んだ。アイスバーの無機質な硬さとは異なる、熱を帯び、脈打ち、内側から張り裂けんばかりの硬度を増した俺の肉体。
千枝はその違いに驚きつつも、指先で脈動を数え、強弱をつけて丁寧にしごき上げることで、その複雑な輪郭を指紋にまで記憶させていく。
「んっ……熱い……ふうっ……」
続いて、彼女は自ら進んで再び口に含み、味覚と口腔内の粘膜で確かめる作業に入った。冷たいアイスで冷えた舌が、熱いモノに触れて一瞬で融解するような感覚。吐息と共に舌が絡み、吸い付くような動き。
「あむ……ちゅぶっ、……ん、むむ……ふぅっ、……ぢゅるっ……んぐぅっ……」
しかし、ひとしきり舐めたり喉の奥まで吸い込んだりしてみても、やはり彼女の純粋な知識の範疇には、この「熱すぎる正解」は存在しないようだった。
「うう……やっぱり、お口と手だけじゃよくわかりません……。表面の感じは覚えたのに、何だか……もっと奥の方から、大切な何かが伝わってくる気がして……」
千枝は少し考え込み、潤んだ瞳のまま目隠しの下で思い切ったような、決死の表情で提案してきた。
「あの……もっと広いところ、一番敏感なところで確かめてみます。……えいっ」
そう言うと、千枝は自らスカートをたくし上げ、下着をずらして、俺のモノに自身の秘部を直接押し当ててきた。熱く柔らかな粘膜の感触と、先ほどの特訓の余韻で滲み出た滑り気が、ダイレクトに俺の感覚を突き刺す。
「……? やっぱり、よくわかりません。……でも、ここなら、もっとたくさんのことが伝わってくる気がします。中に……中に入れてみれば、もっと詳しく、この熱さの理由がわかるかも……。プロデューサーさん、失礼ですけど、お願いしてもいいですか?」
「……ああ、特訓だからな。すべては君の成長のためだ。やってみよう」
俺は千枝の細い腰を抱き上げ、彼女のまだ幼い蕾へと、ゆっくりと、しかし確実に自身のモノを沈めていった。
「……ひぎぃっ!?……ぁ、ふぁ……っ、あ゛ぁあ……っ!!」
視界を遮断されている分、その衝撃は彼女の全身を貫く雷鳴のようだった。内側から溢れんばかりに広がる圧倒的な熱量と、自分の一部が奪い去られるような、あるいは完全に満たされるような未体験の感覚。
千枝は一瞬、あまりの感覚の密度に声も出せず、目隠しの下で瞳を潤ませて震えていた。
「……ぁ、あ。……すごいです、これ……。でも……あともう少し、あともう少しで、答えに手が届きそうなんです。プロデューサーさん、動いて……もっと、たくさん教えてください……」
その健気で、どこか執着すら感じさせる頼みに応え、俺はゆっくりと、そして次第に激しく腰を動かし始めた。
千枝の内部はアイスバーとは正反対の、沸騰せんばかりの熱を持って俺をきつく締め付ける。感覚の解像度が極限まで高まり、彼女の呼吸は荒く、しがみつく細い腕には爪が食い込むほどの力がこもる。
「ん、あ……っ、ふ、あぁ……っ! すごいです、これ……中が、あつくて、とけちゃいそうで……! プロデューサーさん、ち、千枝……っ!」
激しく肉がぶつかり合う音と、千枝の震える艶めかしい声が、無人のレッスンルームを支配する。彼女は俺に必死にしがみつき、その奥深くに刻まれる、律動する「正体」のすべてを、魂に刻み込もうと必死に足掻いていた。
「もう……もう少しで、正解が……っ、あ、あ゛ぁぁーーっ!!」
やがて、千枝は極限まで高まった快感の波に呑み込まれ、大きな声を上げて絶頂へと駆け上った。目隠しの下で世界が白く弾ける。彼女の限界に呼応するように、俺もまた彼女の最奥へと、熱く濃密な「熱意」を勢いよく解き放った。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ……ふぅ」
しばらくの間、湿った音と二人の荒い吐息だけが、静まり返った部屋に重く響く。
やがて意識を現世へと戻した千枝は、目隠しを自らの手でゆっくりと外し、上気した顔で俺を見上げると、ふにゃりと、心からの安心を湛えた可愛らしい微笑みを浮かべた。
「……えへへ。やっぱり、よく分かりませんでした。……でも、とっても幸せな気持ちになりました。正解よりも、もっと大切なことが分かった気がします」
彼女は満足げに俺の胸に顔を埋め、上目遣いで甘えるように、しかし次の戦いを見据えた目で見つめてきた。
「また明日も……いいえ、今夜も。特訓、お願いしますね? プロデューサーさん。千枝……正解するまで、諦められませんから」
純粋な向上心の皮を被りながら、その実、プロデューサーの熱い中身に完全に魅了されてしまった少女。
俺は彼女の柔らかな髪を撫でながら、この終わりのない「五感トレーニング」が、これからも長く、そしてさらに深く続いていくことを確信していた。