戦記エロゲーの最強悪役貴族に転生したので暴虐のかぎりを尽くそうと思ったのに、なぜかヒロインたちに激重感情を抱かれるようになった 作:佐間野 隆紀
まるでこの瞬間を待ち焦がれていたかのように、勢いよくエルザの舌が口の中に滑り込んでくる。
無理やりこちらの舌を絡め取っていくその強引さに呆れながらも、俺はしばしその甘やかな感触に没頭する。
「んむ、れる、れぇぅ……♡」
先ほどまでの威勢は何処へやら、キスだけで蕩けてしまったエルザは早くも恍惚とした面持ちでその尻尾をパタパタと振り回していた。
けっきょく俺も流されてしまっているような気はしたが、いちおう伝えるべきことは伝えたのでよしとするか。
「どうやら、まだまだ躾が必要のようだな」
「あはぁ……お主さまぁ……♡」
デスクが散らかるのも気にせず、俺はエルザの体を抱え上げてその上に横たえさせる。
軍服のスカートを捲って下着越しに秘部に触れると、そこはすでに替えが必要なのではないかと思うほどぐっしょりと湿っていた。
「はぁぁ……♡ お主さま、どうかこのエルザにご慈悲を……♡」
エルザはデスクの上で自ら太腿を開き、潤んだ瞳でじっとこちらを見上げている。
さすがにこの二週間でいくらか慣れはしたが、普段の不遜な態度から一瞬でここまでトロトロになってしまうその落差には未だに脳を揺さぶられるような情欲を感じてしまう。
(くそっ……ゲームのエルザもエロかったけど、これはいくらなんでも反則すぎる……!)
頭の中で毒づきながら、俺はズボンを下ろしてすでに準備万端となっている剛直を解放してやった。
「ふぁっ……んんっ、はぁ……♡」
犬科の獣族ゆえに匂いに敏感なのか、エルザがその鼻をヒクヒクと蠢かせ、うっとりと甘い吐息を漏らす。
その仕草や表情がまた信じられないほど淫靡で、気づけば俺はいきりたったペニスをその潤った恥丘の谷間に当てがっていた。
——と、その瞬間。
「失礼します」
ノックと同時に執務室の扉が開かれ、硬直する。
基本的にこの城の者はイェルバウトへの畏怖もあって許可が出るまで扉を開けるような真似はしないが、例外的な存在がエルザを除いてもう一人だけいた。
ルナニアである。彼女もまたエルザと同様に無遠慮に部屋の中に上がり込んできて——そして、絶句していた。
「あ、あっ……」
両手で口許を覆い、顔を真っ赤に赤らめながらも、その瞳はしっかりとこちらの痴態を凝視している。
その装いはエルザの着ている女性士官用の軍服とよく似ていたが、ルナニアのそれは白ではなく黒を基調としたものだった。
部隊長であるエルザと小隊長に過ぎないルナニアでは、仮に個人の実力が拮抗していようともその立場に差があるためである。
「無粋な女め。まさか、この機を読んで現れたわけではあるまいな」
もっとも、あくまでそれは騎士団内においての話だ。
あからさまに剣呑な目つきで扉のほうを睨みつけるエルザだが、それに対するルナニアの顔つきもまた負けず劣らず険しいものだった。
「ち、違います! わたしはイェルバウトさまにご進言したいことがあっただけで……あ、あなたこそ、こんな日の高いうちからそのように公務の邪魔をして、どういうつもりですか!?」
声を荒げるルナニアだったが、対するエルザはとくに意に介した様子もなく首をすくめるばかりである。
「邪魔ではない。わたしもまた軍議のために主のもとへと参じただけだ」
「であれば、何故そのようなことになっているのです!?」
「うるさいヤツだな。見よ、貴様のせいで主の剛直がすっかり気勢を失ってしまったではないか」
うんざりとしたように告げるエルザの言葉どおり、つい先ほどまで天を貫くが如くいきり勃っていた剛直も今やすっかり萎びてしまっていた。
これが本来のイェルバウトであればルナニアの唐突な闖入も気にせずエルザの体を貪っていたところなのだろうが、あいにくと俺にそのような胆力はない。
というか、そもそもこのような状況になること自体があまりにも想定外すぎて、俺の頭はほとんど真っ白になっていた。
(ど、どうなってんだ……!?)
これまでにも俺が望むと望まざるとに関わらずエルザやルナニアが夜伽と称して迫ってくることはあったし、それ自体はゲーム上で描かれることのなかったイェルバウトの日常の一幕なのだろうとあまり深く考えずに受け入れてきた。
だが、さすがにこんなハーレムラブコメのようなシチュエーションとなれば話は別だ。
確かに彼は好色ではあったが、どちらかというと次から次へと新しい女を取っ替え引っ替えしていくタイプだった。
実際のゲーム上でもイェルバウトが複数回にわたって関係を持っているのはエルザのみであり、それ以外の者に対してはその場で凌辱のかぎりを尽くしたあとはすぐに興味を失くしてしまっていた。
つまり、そもそも複数の女性から同時に求められるということ自体が本来のイェルバウトであれば起こり得ない現象なのだ。
迂闊だった。ルナニアの存在がなにかしら予期せぬ展開を引き起こす可能性については常に想定していたつもりだったが、まさかこんな形で遭遇することになるなんて——。
「興が削がれた……などと言ってくれるなよ?」
すっかり言葉を失う俺に対して、不意にエルザが不安げな面持ちでそんなことを言ってくる。
そのままデスクから降りて俺の前にしゃがみ込んでくると、あろうことか萎びてうなだれている愚息を手に取り、その先端をそっと舌先で舐めあげてきた。
「はむ、れろ……ちゅ、れろぇろれろ……」
生暖かく柔らかなその感触に思わず下半身が震え上がり、体中の血液が一気に股間へと集結してくるような感覚を覚える。
つい二週間前までは男を知らなかったエルザも、今や自らペニスを咥えるほどまでに淫らな雌へと変じてしまっていた。
「んっ、んっ……あぁ、なんと芳しい……れろ、れるぅ……♡」
うっとりとした様子で甘い吐息を漏らしながら、エルザはルナニアの到来などなかったかのように夢中になって肉茎をしゃぶり続ける。
彼女の感情の昂りを示すように銀色の毛に覆われた耳がパタパタと上下に揺れ、俺もいつしか股間から伝わってくる快楽の波になにも考えられなくなってくる。
「ま、待ちなさい!」
しかし、そんな俺たち二人の世界を裂くようにルナニアの怒声が響き渡った。
憤怒とも羞恥ともつかない色に染め上げた彼女は、そのまま床板を踏み抜くかの如くドスドスと大股でこちらに歩み寄ってくると――。
「イェルバウトさま……んむぅっ……!」
「——っ!?」
なにを思ったのか、無理やり俺の唇を奪い取ってきた。
「れぅ……卑しい女め、わたしと主の姿を見て発情でもしたか」
「ぁむ、ちゅ……発情してるのはあなたでしょ? んぅ、イェルバウトさま……どうか、わたしにもご寵愛を……」
そのまま俺の首にすがりつくように腕を回してくると、あとはもう貪るように唇に吸いついてくる。
強引に差し込まれてきた舌先はまるで空腹に耐えかねた子どものような貪欲さで、唾液が溢れ出るのもかまわずこちらの舌を自身の口腔へと無理やり引き摺り出していった。
ルナニアは自ら求めてくることこそエルザに比べて少なかったが、その分だけスイッチが入ったときの乱れっぷりは強烈だ。
イェルバウトの体はやはり女を狂わせるフェロモンかなにかを放っているようで、その上でうっかりラブラブな初体験を経てしまったばかりに今やルナニアはその清楚な見た目に反してすっかりエッチな女の子になってしまっていた。
(まてまてまてまて……!)
いずれにせよ、エルザにペニスをしゃぶられ、ルナニアに唇を貪られる中、俺はただただ混乱の渦中にあった。
ここまで『イェルバウトならどうするか』という基本方針のもとに行動してきたが、こんなどう考えても本来のイェルバウトであれば起こり得ないシチュエーションに対してはその前提も通用しない。
またしてもアドリブ力を試されるときがきてしまった。
果たして俺は、このような状況下であってもイェルバウトの仮面を被り続けていられるだろうか。
「ぁむ、れろれろ……ふむ、そろそろよさそうだな」
不意にエルザが顔を上げ、その場にゆっくりと立ち上がる。
そして、傍らに立つルナニアを押し除けるように自分の場所を確保すると、デスクの縁に腰を乗せて太腿を開きながらぐっしょりと湿った下着を露わにしてみせた。
「さぁ、先ほどの続きと参りましょう、お主さま……♡」
蠱惑的な笑みを浮かべながら下着をずらし、秘部を晒しながらそう囁くエルザの妖艶な姿にゴリゴリと理性が削られていくのを感じる。
今すぐエルザの体に溺れたい。そう思う一方で、すぐ横に控えるルナニアの反応がどうしても気になってしまう。
「イェルバウトさま……」
そんな俺の胸の内を慮ってか、ルナリアがそっと俺の体に身を寄せながら囁いてきた。
「エルザのあとは、わたしのこともちゃんと愛してくださいませね……」
甘く切なげなその言葉に、緩み切っていた理性の箍たがはあっさりとその役割を放棄した。
気づいたときには俺はエルザの細い腰を抱きよせ、ぐしょぐしょに濡れそぼった秘唇に思うさま剛直を突き立てていた。