戦記エロゲーの最強悪役貴族に転生したので暴虐のかぎりを尽くそうと思ったのに、なぜかヒロインたちに激重感情を抱かれるようになった 作:佐間野 隆紀
メリッサが一歩こちらに向かって踏み出し、そのまま俺の胸のうちに身を預けてくる。
(おいおい、こんなことって……)
俺はカランと鉄剣をその場に落とし、すっかり混乱した頭でその場に立ちつくすことしかできなかった。
まさかこんな展開になるなんて、誰が想像しようか。
もはや彼女は俺の知っているメリッサではない。いや、そもそも現状ではどの女性も俺の知る本来のキャラクター像とはかけ離れてしまっているのだが、それにしたって彼女の場合は少し次元が違う。
なにせ、もともとのゲーム上では名前と立ち絵が存在するだけのサブキャラクターでしかないのだ。
エロシーンだって存在しないし、敵側のユニットとして戦略ステージに出てくるようなこともなかったから、戦闘用のグラフィックすら用意されているかどうか怪しいレベルだった。
(や、ヤッちゃっていいのか……!? 余計にヤバいことになったりしない……!?)
小さく震えるメリッサの体をそっと抱き寄せながらも、俺の脳内は完全にパニックを引き起こしていた。
そもそも本来のイェルバウトの人物像がメリッサの言うとおりなのだとしたら、俺はかなり初期から対応を間違っていたことになる。
エルザにせよルナニアにせよ、夜ごとに求められては深く考えもせずに応じていたし、そのたびになんだかんだで俺自身も心ゆくまで楽しんでしまっていた。
メリッサが違和感を抱くのも無理からぬ話である。
イェルバウトは衝動に対してそれを我慢するということをしなかっただけで、どうやらそこまでスケベというほどでもなかったらしい。
スケベは俺のほうだった。
(でも、どうせ今さら取り返しはつかないんだし……)
そして、またしてもそんな俺のスケベ心が邪な発想を抱かせてくる。
腕の中で小さくなっているメリッサからは汗の匂いに混じってほのかに花のような甘い香りがして、すでに俺の理性はデッドラインを割り込もうとしていた。
ほんの少しばかり腕に力を込めると、彼女はまるでなにかを訴えかけるように俺の顔を覗き込んでくる。
「閣下……」
じっとこちらを見上げるその潤んだ瞳と震える唇がなにを求めているかなんて、今さら誰に言われずも分かっていた。
メリッサが瞳を伏せながら顔を寄せてきて、俺もまた彼女の体をことさらに強く抱き寄せる。
「んっ……」
そうして互いの距離が完全にゼロになり、俺たちはしばし互いの唇の感触に酔いしれた。
「……これが、キスですか……」
ほうっと甘い吐息を漏らしながらそう告げるメリッサは、もはや完全に女の顔をしていた。
「まるで初めてのように言うじゃないか」
「初めてなのですよ。イェルバウト閣下は、こういったことはされませんでしたから」
もはや完全に俺とイェルバウトを別人として認識しているような調子でそう告げると、そのまま爪先立ちになって再び唇を重ねてくる。
舌を絡めることもない、啄むような可愛らしいキスだ。だというのに、メリッサは夢中になって何度も何度も俺の唇を食んでくる。
「ん、んンっ……はぁ……癖になってしまいそうですね……」
「もうなっているのではないか?」
「そうかもしれません……んぅっ……!?」
我慢できずに俺のほうから舌を入れると、メリッサの体が弾けたようにビクンと震えた。
足腰からカクンと力が抜けて、しっかりと抱き寄せていなければそのまま崩れ落ちてしまいそうだった。
「はむ、ちゅ……れぅ、れろ……」
メリッサは呼吸することすら忘れてしまったかのように夢中になって舌を絡め合わせてくる。
気づけばその腕は俺の頭を抱え込むようにぐるりと首にまわされていて、もはや彼女が満足するまで互いの唇が離れることはなさそうだった。
(ヤバい……メリッサってこんなに可愛いかったのか……)
溺れるようにキスを続けるその姿に、いつしか俺のほうもすっかり心を奪われはじめていた。
もともと眼鏡キャラにときめくタイプでもなかった上、地味でキツめなデザインも好みから外れていたこともあって、俺の中でのメリッサはディミトリよりも印象が薄かった。
しかし、その見た目や日々の言動に反して、必死に俺を求めてくるその姿のなんと愛らしいことだろう。これがギャップ萌えというヤツなのか……。
「ぷぁ……はぁ、はぁ……あなたは、なにか魔法でも使えるのですか……?」
ようやく唇を離したメリッサが、それでも首に巻きつけた腕は解かずに至近距離から訊いてくる。
なんのことを言っているのか見当もつかなかったが、あるいはイェルバウトのあらゆる女を虜にしてしまう不思議な体質のことを指しているのだろうか。
しかし、考えてみればイェルバウトは凌辱という鬼畜な手段を用いながらもしっかりと相手を快楽堕ちさせていた一方で、その心まで奪ってしまうことはなかったように思う。
実際、ゲーム本編でのシスティナなどは心を壊される最後の瞬間までアルトリウスのことを想っていたし、これから先に出てくるであろう陵辱対象のヒロインたちもそれは同様だ。
エルザとメリッサという例外もあるにはあるが、どちらも『より強いものに従う』という心情の持ち主だったと考えればいちおうの道理は通る。
ひょっとして、単にイェルバウトはめちゃくちゃセックスが上手いだけで、俺が思っているような特殊な体質は持ち合わせていないのか……?
「こんな気持ちを抱くのは、初めてのことです……まるで、深い沼に飲み込まれていくような……んぅ、ちゅ……」
そんな思索に耽っていると、呼吸を整えたメリッサが再び唇を重ねてきた。
あまりにも情熱的な口づけに、このままでは俺もいずれ脳を溶かされてしまいそうだ。
だが、押し切られるわけにはいかない。誰が見ているかも分からないこんな場所で行為に及ぶ以上、俺までデレデレになってしまうことだけは避けなければならなかった。
たとえ正体を見抜かれようと、俺は俺自身の矜持としてイェルバウトであり続けてみせる。
「……ひぁッ!?」
メリッサの体が跳ねた。
侍女服のスカートを捲り上げ、もはや下着の薄い布地では抑えきれないほどの愛蜜を滴らせていたその秘部に触れたのだ。
「すっかり準備ができているようだな」
「そんなつもりは……あっ、はぁぅっ……!」
耳許で囁きながら下着越しにそっと恥丘を撫でると、メリッサはガクガクと膝を震わせながら俺の体にしなだれかかってくる。
「だめっ……わたし、そんな優しい触られかた、しらないっ……!」
今すぐにもくずおれそうになるメリッサの体を抱き支えながら、下着をずらしてじかに媚肉に触れた。
そして、蜜にまみれた谷間をなぞり上げながら秘芽の位置を探り当てると、ぷっくりと膨らんだその小さな蕾を優しく指の腹で撫でる。
「ひぅぅっ……! だ、だめっ……そんな触れかた……!」
「激しくしてやってもかまわんが?」
「ま、まってください……おねがい、このまま……ふぁぁっ……!」
腕の中でメリッサが激しくその身を震わせ、いよいよ完全に腰が抜けてしまったのかその身を俺に預けてくる。
勢いよく陰唇から噴き出した潮が勢い余って俺の脚を濡らしたが、それでも気にせず俺はしばらく充血した秘核を指先でさすり続けた。
「あっ、あっ、だめですっ……もう、ゆるしてっ……!」
メリッサはガクガクと膝を震わせながら、悲鳴にも似た声を上げ続ける。
「服を脱いでそこに手をつけ」
俺のほうもそろそろ限界だった。