戦記エロゲーの最強悪役貴族に転生したので暴虐のかぎりを尽くそうと思ったのに、なぜかヒロインたちに激重感情を抱かれるようになった 作:佐間野 隆紀
「んッ、はぁ……! だめですっ、そんなに激しくしたらっ……!」
薄暗いテントの中、押し殺したルナニアの喘ぎ声が響き渡る。
粗末な造りながらも広々とした野営地のテントには簀子の上に寝具を敷いただけの簡易ベッドが設えられ、俺たちは今まさにその上で互いの体を貪り合っていた。
「おまえのここは、そうは言っていないようだが?」
根本まで剛直を咥え込み、とめどなく蜜を滴らせる秘唇を見せつけるようにその腰を抱え上げながら告げると、ルナニアは口許を手で覆い隠しながら羞恥にその顔を染める。
「だって……はぁぅっ……! こ、声が外に漏れちゃうっ……!」
「ならば、そのうるさい口を塞いでやるとしよう」
俺は口許を覆うルナニアの手を掴んで無理やりどけると、敢えてゆっくりと顔を寄せていった。
「あっ、ま、まってくださ……んんぅっ!」
唇同士が触れ合った瞬間、その体がビクンと弾む。
焦らすように舌先で唇をくすぐっていると、やがてルナニアのほうから痺れを切らしたように俺の口腔にぬるりと舌を差し込んできた。
「んむぅ……♡ れろ、ちゅぱ、れろぇろ、ぁむ、ちゅるる……♡」
そのままねっとりと俺の舌を絡め取り、唾液ごと吸い上げるように自身の口の中へと引きずり込んでいく。
小さな歯や上顎に舌先が触れるたびに電流でも走ったのかと思うほど激しくその体が震え、鼻から漏れ出る吐息は甘さを増していく。
「はむ、れろ、ちゅ、ちゅる……♡ れるれる、れろ、れぅ……♡」
いつしかルナニアの腕は強く俺の首に巻きつき、気づいたときには頭の位置を完全に固定されてしまった。
こうなったらもう満足するまで解放してくれないだろう。
その細い体に似合わず、ルナニアの膂力は相当なものだ。弱点を責めたつもりが、まさかのやぶ蛇になってしまった。
「らめれすぅ……♡ そんなにペロペロされたら、わたしぃ……♡」
やがて、その口許を唾液まみれにさせたルナニアが甘い吐息を漏らしながら蕩けきった顔でじっと俺の顔を見つめてくる。
すでに蜜壺は射精のときを待ちわびるかの如くうねるような蠕動をはじめていて、絶頂が近いことを窺わせた。
俺はルナニアの体を抱きしめると、そのまま腰を躍動させる。
「あっ、あっ♡ らめっ♡ いくっ、いっちゃうっ♡」
先ほどまで我慢していたのはなんだったのかと思うくらい嬌声を張り上げながら、ルナニアが俺の体にしがみついてくる。
密着した体の間で乳房が押し潰され、ツンと勃起した乳首が俺の胸を擦っていく感触に俺もまた狂おしいほど興奮を昂らせていく。
「はむっ♡ ちゅっ♡ れぅ、れるっ♡ れろぉ、んんぅっ♡」
またしてもルナニアが唇を重ねてきて、俺たちはほとんど息をするのも忘れて互いの唇を貪りあった。
本来であればイェルバウトはいっさいキスをしないキャラだったはずなのに、そこに関してだけは俺もまったく自重できていない。
だって、キスだけでもめっちゃ気持ちいいじゃん……。
「んぁっ♡ あっ♡ どうかイェルバウトさまっ、このままぁっ♡」
膣内でペニスの脈動を感じ取ったのか、ルナニアがより強く俺の体を抱きしめながら耳許に囁きかけてくる。
俺がルナニアの絶頂を悟ったように、彼女もまた俺の限界を悟ることができるだろう。気づけばそれほどまでに、俺たちは互いを理解しつつあった。
「いいだろう、受け取れ」
「あっ、はぁぅぅぅっ……♡」
ことさらに強くその細い体を抱きしめ、耳許に囁き返す。
ルナニアは甘い吐息を漏らしながらも強烈に蜜壺を収縮させ、俺はその甘やかな締めつけに酔いしれながら子宮口に向けて思うさま精を解き放った。
「あっ、あっ、キたっ♡ イェルバウトさまの子種がっ♡ らめっ♡ わたしもいくっ♡ イきますっ♡ んぁぁぁぁ――――ッ♡」
蜜壺の中でペニスを脈動させ、鈴口から精子を迸らせるほどにルナニアの体がビクンッビクンッと震え上がる。
油断していると本当に何処かへ飛んでいってしまいそうで、俺はことさらに強くその身を抱きしめながら、未だ脈動のおさまらぬ亀頭を子宮口に擦りつけていく。
「んぅっ……♡ すごいっ……♡ まだでてるぅ……♡」
ルナニアの蜜壺はうねるように蠕動を繰り返し、陰茎の中に残った精液を余すことなく搾り取っていく。
これだけ毎度のように膣内射精《なかだし》していてはそのうちのっぴきならないことになりそうだが、立場上、世継ぎは多いに越したことはないだろうし、今は深く考えないことにするか。
「ぁむ、ちゅ……はむ、れぅ……♡ イェルバウトさまぁ……♡」
飽きもせず再び唇を重ねてくるルナニアの好きにさせながら、俺はしばし体を包み込む心地よい倦怠感に溺れていく。
※
「なんだか嘘のようです。これからかつての故郷に刃を向けようとしているのに、こんなにも落ち着いた気持ちでいられるなんて」
狭い簡易ベッドの上で折り重なるように抱き合いながら事後の余韻に浸っていると、まるでなにかを思い出したかのようにポツリとルナニアがそうこぼした。
思えば彼女がこのテントを訪れたのは、胸の奥で燻る故郷への想いを完全に断ち切るためだったのかもしれない。
ここに来たときのルナニアはいつにも増して表情が固く、傍目から見ても緊張している様子なのは明らかだった。
そして、きっとそれは俺も同様だったのだろう。
初めての戦の前に緊張を隠せない俺と、故郷に刃を向けることに迷いを捨てきれないルナニア——戦地を目前にしながらも熱く互いを求めてしまったのは、そういった俺たちの葛藤が重なり合った結果でもあったのではないかと思う。
「此度の戦、ともすればかつての知己と敵同士としてまみえることもあるかもしれん。そのとき、はたしておまえは剣を振るうことができるのか、せいぜい楽しみにさせてもらうとしよう」
風を受けて波打つテントの天井を見つめながら、なんとはなしに言った。
ルナニアが本当に迷いを断ち切れたのかどうか、実際のところは分からない。
ただ、仮に断ち切れていなかったとしても、それならそれでかまわないという思いに変わりはなかった。
彼女が故郷やかつての友を捨てきれないというのなら、ここでのことなど忘れて再びシスティナとして生きればいいだけの話だ。
まあ、知らぬ間にご懐妊とかしてしまっていたら、ちょっとややこしい話にはなってしまうかもしれないが……。
「まさか、わたしを試すために今回の同道を許可してくださったのですか?」
一方、そんな俺の考えを見抜いたかのように、ルナニアがその瞳をギロリと光らせる。
もともと妙に察しのいい彼女のことだから、ひょっとしたら今回だって俺の胸のうちなどお見通しだったりするのかもしれない。
「さて、どう受け取るかはおまえの自由だ」
「意地悪なおかた……」
ルナニアは呆れたように嘆息すると、そのまま上体を起こしてじっと俺の顔を覗き込んできた。
「確かに、ハイネ伯爵はかつての主君でした。ですが、わたしは父の代わりとして召し上げられただけ。忠臣であったはずの我が父が没落していく様を間近で見聞きしておきながら手を差し伸べるでもなく、おかげでわたしはその父にすら裏切られることとなりました。あの地には、本当の意味でわたしに寄り添ってくれる者はいなかった」
「まるで今はそういった者がいるような物言いだな」
なんだかあまりにもまっすぐに見つめてくるものだから、ついつい水を差すようなことを言ってしまう。
しかし、ルナニアは怒るでも照れるでもなく、ただすべてを悟ったように優しく微笑むばかりだ。
「意地悪なことばかり仰るのですね、イェルバウトさま。あなたがあの夜に囁いた言葉が、わたしを救ってくれたのですよ」
「愚かな。あの程度で絆されるとは、おまえも安い女よ」
「そうです。わたしは愚かで、そして安い女です。ですが、その剣があなたを護ります。たとえこの命に代えてでも」
静かにそう告げると、ルナニアは両手で俺の顔を包み込むようにしながらそっと唇を重ねてくる。
俺が腹の底でなにを考えているかなんて、どうやら最初からすべて見透かされてしまっているらしい。
(くそっ……そんなこと言われたら、こっちのほうが惚れてまうやろがい……)
甘く柔らかな唇の感触とあまりにも一直線に告げられた言葉に脳を焼かれながら、俺は底なし沼のようなルナニアの温もりにただただ飲み込まれていくことしかできなかった。
こんな調子で、本当に戦なんてできんのかな……。