戦記エロゲーの最強悪役貴族に転生したので暴虐のかぎりを尽くそうと思ったのに、なぜかヒロインたちに激重感情を抱かれるようになった 作:佐間野 隆紀
当初はイェルバウトが行う凌辱行為を彼の視点からただ鑑賞するだけだと思っていたので単純に楽しみにしていたが、今は少し——というか、だいぶ状況が異なる。
そもそもエルザの両手を再拘束してしまっている時点で本来のイベント進行とは異なる展開なのだが、だからといって戦闘で組み伏せるなんて真似もできなければ、言葉だけで説得できるほど話術に長けた人間でもない。
それに、イェルバウトは好色なキャラもある。だからこそ、ただの敵役ではなく『悪役』なのだ。
眼の前にいる美貌を前になにもせず放っておくなど、そんな真似をしてしまってはそれはもうイェルバウトとは言えない。
そもそもすでに人払いを命じてしまっている手前、これでなにもせずに解放なんてしてしまえば、今度は臣下の者たちに「なにかあったのでは?」と不審がられることだろう。
やるしかない。いや、ヤるしかない。
(でも、ど、どうやって……!?)
とはいえ、思考はますます混迷を極めていた。
俺はいわゆる素人童貞で、自分から女性をエッチに誘ったことなどこれまでの人生で一度もないのだ。
もちろん、仮に恋愛経験が豊富な者であっても、眼の前で殺意を滾らせている女性を性交渉に持ち込んだ経験はさすがにないと思うが……。
(とりあえず、暴れられたら面倒だから……)
イェルバウトの執務室は外敵の侵入を防ぐ目的もあって窓に鉄製の格子が備えつけられている。
俺は拘束具から伸びるロープを無理やり引っ張ってその格子にくくりつけると、抵抗はしないながらも殺意のこもった視線でこちらを睨みつけてくるエルザに向き直る。
「わたしを慰みものにしようというのか? ふん! やれるものならやってみよ! 人間ごときの粗末なモノで、我が身を貫けると思うなよ!」
(あ、この台詞……)
グルルと犬のように喉を鳴らしながら喚くエルザに、不思議と俺は恐怖するよりもある種のときめきのようや気持ちを感じてしまった。
何故なら、その台詞はこれまでに何度となく実際のゲームプレイ時に目にしていたものだからである。
もともと『ルノバルゼオ戦乱記』はボイスなしのゲームだったので、声ありで聞けたことにちょっとした感動すら覚えてしまったほどだ。
そして、同時にそれが俺のスケベ心にも火を着けてしまった。
イェルバウトのように凌辱することはできずとも、男としてエルザという美しい女の体を骨の髄まで味わいたい。そう思ってしまったのだ。
「気性の荒い女は嫌いじゃない。そういう女ほど、最後は甘い声で啼くものだからな」
「下郎が……!」
敢えてイェルバウトが言いそうな台詞を吐きながら近づこうとする俺に、エルザが再び鋭い蹴りをお見舞いしてくる。
しかし、俺は咄嗟の判断でその太腿を抱え込むように受けとめると、そのまま彼女の体に肉薄して身にまとっていたレオタード風の装衣に手をかけた。
そして、そのまま腕力に任せて思い切り引き千切る。
「くっ……!」
薄い布地の下で窮屈そうにしていた豊満な乳房がブルンとこぼれ落ち、エルザの褐色の頬が羞恥の色に染まる。
すぐにでも触れたい衝動に駆られるが、しかし、俺はそれよりも先にするべきことを知っていた。
「なかなか美しい体をしているじゃないか」
身動きが取れないように太腿を抱え込んだまま体を寄せ、耳許に囁きかけながらそっとその背に腕を伸ばす。
「あっ……くっ……!」
掌で優しく背中をなぞると、エルザは身を強張らせながらも明らかにそれまでとは異なる吐息を漏らした。
そのまま臀部のほうへとゆっくり掌を滑らせ、尾骶骨のあたりから生えている白銀の尾のつけ根をそっと撫でる。
「くぁっ……や、やめろ、そこは……!」
エルザが声を上擦らせながらその身を震わせ、両脚をバタつかせて藻掻いてくるが、その力は明らかに先ほどまでより弱まっていた。
そう、俺は最初から彼女の弱点を知っていたのだ。
本来はイェルバウトがエルザの体を思うがままに凌辱していく中で気づき、そこから快楽堕ちさせていくことで彼女を屈服させるという流れになるはずだった。
だが、わざわざそこまでシナリオどおりに再現する必要はないだろう。
どうせ最終的に屈服させるなら、最初から快楽堕ちエッチでも大きな問題はないと思うのだ。
というか、単純に俺がそうしたい。そうさせてほしい。
幾分かイェルバウトらしさは薄れてしまうかもしれないが、どうせ夢だし、そこはどうかご容赦いただきたい。
「ほう、なかなかよい声を出すではないか」
「ち、ちがっ……んあぁっ!」
片方の手で尻尾のつけ根を撫でまわしながら、太腿を抱え込んでいたほうの手で尻肉をギュッと強く揉みしだく。
エルザの体が弓なりに仰け反り、その豊かな乳房が俺の眼前へと突きつけられた。
汗ばんだ褐色の双丘の上に、ピンク色の蕾が慎ましやかながらもハッキリと自己主張をはじめている。
俺もいよいよ我慢ができず本能のまま勃起した乳首にむしゃぶりつくと、コリコリにしこったそれに思うさま舌を這わせた。
「あっ、ひぁっ、だめっ、そこはぁっ!」
先ほどまでの気勢は何処へやら、エルザの口から溢れる声はもはや完全に愉悦に染まった雌のものとなっていた。
弾力のある尻肉の感触を楽しみながら乳首を吸い上げ、尻尾のつけ根を撫でていた手で今度は反対側の乳房を揉みしだく。
指先で優しく乳首を摘んでやると、まるで電流でも走ったみたいにエルザの全身が震えた。
「あくっ……んぅ、だめっ、もうやめっ……!」
口では拒絶の言葉を発しながらも、その吐息は熱く甘やかだ。
体のほうはもうすっかり抵抗をやめており、装衣を引き裂かれて露わになった股の間からは粘度を持った体液が滴り落ちている。
これまで風俗で女を抱いたことはあるが、それにしたってここまで簡単には濡れなかったし、感度がよくもなかった。
あるいはこれもイェルバウトだからこそなせる技だったりするのだろうか。
(くそ、ヤバいな……)
俺はここにきてさらなる難関を迎えつつあった。
頭の中ではイェルバウトらしく振る舞おうと思っているのだが、すっかり蕩けきった様子でなにかを求めるようにこちらを見つめるエルザの顔はあまりにも妖艶で、わずかばかりに残された俺の理性をゴリゴリと削り取っていく。
せめてラブラブ甘々エッチにはならないようにと心を奮い立たせていたつもりだが、もうそろそろ限界だ。
作中、イェルバウトは好色でありながらも女性に対して心を開くということはなく、それは全編を通して一度も女性とキスをしないという形で表現されていた。
――でも、ダメ。ごめん、イェルバウト。俺には無理そう。
「……んぅっ!?」
気づいたとき、俺はエルザの唇を奪ってしまっていた。
「んっ、んむぅっ……!」
戦いに明け暮れるばかりの女武将だというのに、その唇のなんと柔らかなことだろうか。
迂闊に舌を入れたら噛み切られそうで、とにかく啄むように甘やかな唇の感触だけをひたすら堪能し続ける。
「んむっ……んっ、ふぅ……んぅっ……ぁむ……」
そうしているうちに、エルザの漏らす吐息が少しずつ熱を帯びはじめていることに気づいた。
夢中になりすぎてまったく気づかなかったが、いつしかエルザのほうもしっかりと俺の唇を求めてきていたのだ。
気づけば俺たちは洋画のラストシーンみたいに互いの唇を啄み合いながら、ただその甘やかな感触に溺れていた。
「んっ……れぅ……れろ……」
やがて、痺れを切らしたようにエルザが舌先をこちらの唇に這わせてくる。
先に限界を迎えたのは彼女のほうだったらしい。もう表面同士の触れ合いだけでは満足できないと、そう告げているかのようだった。
「ふん。すっかり女の顔になったではないか」
なんとなくイェルバウトっぽいことが言いたくなってそう告げると、エルザは褐色な肌の上からでも分かるほど顔を真っ赤にしてその肩を震わせた。
「ち、違うっ! こ、これは、体が勝手に……!」
「ふん。御託はいい。舌を出せ」
「くっ……!」
エルザが口惜しそうに唇を噛む。
しかし、やがて意を決したように瞳を伏せると、こちらに向けて薄く唇を開きながらピンク色の舌先を差し出してきた。
「……れぇぅ」
いやまて、いくらなんでもエロすぎるだろ……。