※この作品はR-18です。

寄生虫に転生したけどどうしろってんだ   作:正体不明の筆者A

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2〜俺の能力が色々と都合が良すぎる

 

「(おぉ遂にか……っ)」

 

 いよいよ俺が付いている切り身が誰かの箸に捕まれた。何とか視界を使ってその人物を見やると、それはまさかの娘さんだった。彼女は切り身をそのまま口に運んで、少しの咀嚼で切り身を飲み込みやすい大きさにする。

 俺は何とかかみ砕かれるのを回避できた。彼女はあんまり咀嚼しないで飲み込むタイプなのか、俺はそのまま切り身諸共食道に落ちていく。さぁここが最大の難所だ。大丈夫、すでに対策は考えてるからな。

 

「(うんしょ……せいやっ)」

 

 俺は切り身から決死の勢いで脱出した。そのまま食道の壁に張り付く事に成功する。これで胃酸にひも無しバンジーする危険性は完全に排除することが出来た。だがここからの行動も大事だ。

 俺は能力の把握をするまで人間にバレてはいけない。アニサキス等の寄生虫がバレる原因は、それによって引き起こされる体調不良が大半だろう。つまり、俺はここから宿主になる娘さんに一切の負担をかけず、かつ安定して定住できる場所を探さなければならないのだ。

 胃腸の内膜からの侵入は論外だろう。それは確実に宿主に痛みを与える可能性がある。となると消化器官のいずれかで安全な場所を見つけなくてはならないわけで。

 

「(ん〜……とりあえず胃酸に触れない場所でかつ食材に巻き込まれない胃の中に潜伏するか)」

 

 俺は管状の身体をしならせて移動を開始する。この身体だと胃の中まで辿り着くのにかなりの時間がかかってしまうな……。その間にも食道には色んな食べ物が落ちてくるわけで。気分は岩を避けながらクライミングする登山家の気分だ。

 なんとか食道を脱出して広大な空間の壁に到達する。ここが恐らく胃なのだろう。教科書でしか見たことがないからものすっごい新鮮な気分だ。空間の下部には何やら液体らしきものが貯まっているのが見える。アレが俗に言う胃酸というものだろう。

 酸性度は噂じゃあの塩酸と同じくらいだって言うし、こんなタンパク質の塊が飛び込んだら一発だろう。俺はその液体が触れないように細心の注意を払いながら腸へ繋がる出口へと進んでいく。

 

 ここから先は小腸や大腸と呼ばれる部分になる。そしてどうやら俺の身体は酸や消化液に対する耐性を持っているようだ。他の同胞が同じなのかは正直わからん。

 そしてこの段階で、俺は定住場所をどこにするかを決定した。小腸は論外だ。人間は確か小腸から栄養を体内に取り込んでいると言う話を聞いたことがある。その栄養を俺が横取りする様だと宿主に長生きして貰う事が出来なくなってしまう。

 それは寄生虫としても困るし、こんな美少女が俺の手で死んだなんて気分が悪いからな。じゃあどこにするか?難しい話じゃ無い。小腸を抜けた先、大腸との境目くらいで待機すれば良いのだ。

 

 ここのメリットはまずエネルギーへと変換できる排泄物を効率的に摂取することが出来る点。もうここまで来たらう○こだろうが何だろうが食わなきゃやってられないからな。ほら、世の中の重度の変態は、美少女からでた排泄物なら食えるって言うし、俺はすでに人間じゃ無いんだから何の問題もないわけだ。

 そして何より、ここの腸内細菌達は俺に敵対しないらしい。よって事実上天敵やライバルに当たる存在がいないのだ。最後に言えるのは、やろうと思えばお尻の穴から外部へ脱出できる点だ。正直やる意味は薄いが、人体って上に上るより下った方が効率的に脱出出来るんだな。万が一宿主が致命的な事態になった場合や、俺が罪悪感で死にたくなった場合は、排泄物と一緒に外に出て身投げするつもりだ。

 

「(はぁ……にしてもやっぱ小腸って長いなぁ)」

 

 教科書に載ってた気がするが、人間の小腸を平たく伸ばして敷き詰めるとテニスコートくらいの広さになるらしい。つまりそれだけ小腸が長いって事になる。

 だがこれだけ長いからこそ栄養を取りこぼす事無く吸収することが出来るんだろう。ほんと人間の身体ってよく出来てるよな。こうして実際に見るとほんとに生物として整っていると思う。何美少女の身体に入り込んで感慨に浸ってるんだと言いたいが。

 

 

 

「(ふぅ……ようやく抜けたぞ)」

 

 小腸の中を進んでどれくらい経っただろうか。体感1時間は進んでいる気がする。小腸の蠕動運動のお陰で思ったより早く抜けられた気がする。この身体進む速度遅すぎて泣けてくるぜ。人間の身体に感謝感激だね。

 さて……そして大腸に辿り着いた瞬間気がついたことがある。目の前にあるのは恐らく排泄物と思われる物体の壁。なんだろう。過去の俺も悩んでたあれじゃねぇかこれ。

 

「(おいおい……この子かなりの便秘持ちじゃねぇか)」

 

 便秘って辛いんだよな。何日も出なくて俺なんて一時期ひどすぎて下剤飲んでたレベルだったし。お腹が重くなったりでかなり辛いんだよ。

 この子も例外なく便秘持ちっぽい。う〜む……便秘ってあんまり身体に良くないんだよな。人伝いで聞いた話だが、便秘って排泄物が詰まるだけじゃなくて、そこに有害物質が蓄積したりして肌荒れや腹痛、自律神経系の乱れなんかも引き起こしてしまうらしい。

 これから寄生させていただく身として、宿主には健康で居て貰いたいんだよな。そして俺の主食は宿主の排泄物。ここまで来たらもうやることは決まってるよな。

 

「(それじゃあそれっぽいテンションで……ひゃっは〜〜食べ放題じゃあ〜〜っ!!)」

 

 そうだね、実質ビュッフェだね。この量なら当分食っていかなくても十分生きられそうな位のエネルギーを得られると思う。俺の身体も嗅覚も存在しないから、排泄物に対する忌避感というのが全て消滅しているのもでかい。

 俺には消化器官に類するものが存在しないから、体内に入った排泄物はすぐさまエネルギーに変換される。マジでどういう原理してるか分からないけどそう言うことらしい。多分転生特典的な何かだと思うが、限りなく最悪な特典だろこれ。

 

「(おいおいかなり重症の便秘だねぇこれは。お兄さんが全部取り除いてあげるからねぇ)」

 

 心の声を心なしかキモくして見ればまさにそれっぽいシチュエーションだ。やってることはただの奉仕活動だけど。そもそもそれくらいしか出来る事無いし仕方ないね。

 後俺の身体はどれだけ汚れても即座にきれいさっぱりになることが出来るらしい。これも超能力的な何かだと思うが、流石に排泄物塗れは元人間として気分が悪いからな。エネルギーを消費して使用できる魔法みたいな何かだと思う。

 

「(これはもう徹底的にやらないとな。この子には健康になって貰わないと)」

 

 気分はペットの面倒を見る飼い主。いや飼われてるのは俺の方だけどね?

 

 

 

「(ふぅ……)」

 

 いやぁ凄い量だった。汚れを取り除いてほっと一息。俺は一般人を知らないが、この子はきっと便秘になりやすい体質なんだろう。定期的にしっかりと除去しないとすぐにすさまじい量が貯まってしまうに違いないな。

 そしてそのついでに色々俺の能力についても分かってきた。まず大前提として、俺の粘液?らしきものは人間の宿主に悪影響をもたらさないらしい。噂じゃその辺も腹痛などの原因になるらしいって話だからな。

 そしてちゃんと視界共有できることができた。魚の視界より人間の視界の方が慣れてるから素直にありがたい。後やろうと思えば聴覚や嗅覚なども共有して貰うことが出来るようになった。宿主ちゃんは気づいてないから遠慮無く使わせて貰う事にしよう。

 

 そして何より驚いたのが、俺のエネルギーを彼女に分け与えることが出来るみたいなのだ。これはたまたま偶然なのだが、彼女が勉強しているのを目撃して、何となくでエネルギーを使って回答を考えたりしていたら、彼女の頭の回転が良くなったのか問題がより効率的に解けるようになったのだ。

 その分エネルギーを消費しているから頻繁に使えるモノじゃ無いが、間接的に俺は彼女に良い影響をもたらせるようになったらしい。まぁただ寄生するだけじゃヒモ寄生虫になっちゃうからな。ちゃんと得たエネルギーを宿主ちゃんに還元してあげないと。

 

 これで実質共生関係を築くことが出来た。実質ミトコンドリアとか腸内細菌と同じだね、知らんけど。今は一通りの考察が終わって暇つぶしで彼女の視界を見ているところだ。どうやら今は自室で勉強をしているらしい。勤勉でよろしい。

 

「(これで聴覚も使えば……)」

「う〜ん……これ難しいなぁ」

「(お、やっぱり上手く聞こえるね。今は国語の問題を解いてるのか)」

 

 あ〜あるよな作者の意図を答えろって。最近は小学生でもこう言う問題やらされるのか。大変だなぁ。どうせならちょっと脳に良いエネルギー与えて思考を活性化してあげようかな。ほれ、ちょちょいっと。

 

「ん〜……あっ分かったっ!」

 

 どうやら回答が脳内に浮かんで来たらしい。スラスラッっと綺麗な字で回答を書いていく。また俺は一つ善行をやってしまったな。これは次転生するとき良い種族に生まれ変われそうで助かる。え、寄生してる時点でアウト?それはほんとにそう。

 案外人の視点をのぞき見するのも悪くない。て言うかそうしないと暇で暇で死んじゃうんだよ。ゲームもSNSも出来ないし身体もうまく動かせないから娯楽が一切ないんだよな。気分は娘を見守る父親の気分?流石に言いすぎか。

 

「ん〜今日の勉強おしまいっ。お風呂はいってこよ〜」

 

 どうやら宿題は無事に終わったらしい。この子基本的に真面目っぽくて、両親に言われたことをしっかりこなせるタイプだ。こう言う子ほど反抗期が来たら怖いんだよな。特にお父さんは気が気じゃないだろう。

 宿主ちゃん……なんかこの呼び方嫌だな。そろそろちゃんとした名前で呼んであげようか。どうやらこの子はあずさちゃんと言うらしい。それじゃあ無難にあずさちゃんと呼ばせて貰う事にしよう。

 あずさちゃんはささっと着替えを持って脱衣所に直行する。洗濯カゴに着ていたものをパパッと入れて颯爽とお風呂場に入る。おっ……もう第二次性徴が来てるのか僅かに体型が女性っぽくなってきてるな。これは将来が有望そうな予感がする。まぁ俺は何も出来ないんですけどね。

 

「(何も出来ないのが悲しいが……将来出来る彼氏のために少しくらいお手伝いは出来るかな)」

 

 第二次性徴が来てるって事は、やろうと思えば子供が作れる頃合いになっているといえる。そうすると当然性行為をすることになるわけだが、その時に感度がいまいちだなんて事になったら雰囲気ぶち壊しだろう。過去の俺がそれに似た事があったからよく分かる。あの時の風俗嬢の顔は一生忘れない。

 幸いそれくらいの事なら俺でも手伝える。まぁ本音としては色々奉仕してるから見返りのひとつあってもいいでしょって感じだけど。俺は内心一つの決意を固めながらあずさちゃんの入浴シーンを堪能するのだった。

 

 

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