魔将軍様のお仕事~魔王城に築き上げたツガイハーレムで世界を救う〜 作:Grand.D
世界の守護を司る「運命の女神リンデラ」は驚きを隠せないでいた。
彼女には未来視の能力があって、それで人々を導くことで世界の維持を行っていた。
――もちろん未来視といっても何でも見えるわけではない。歴史の分岐点を見抜いて、破滅を回避する方向へと進めるのが彼女の役割だったのだ。
だからこそ、このような事態は想定していなかった。
それゆえに、救い手である「勇者」に力と使命を与えて、そしてその彼が最初に世界に名を轟かせる始まりの戦いを待った。
――その時は確かに来て……、
魔族王朝における、第一の尖兵にして最強クラスの力を持ちながらも、傲慢さと油断で勇者に敗北する運命を持っていた「獄鬼将軍ガイザード」。
確かに「勇者」が勝利する未来を見ていたはずが、――それが目前で覆ったのだ。
「くははははははは!!」
ガイザードが悪辣な嘲笑でその勇者の首を天に掲げる。
その様子を――、未来において彼の正妻となるはずだった人類国家三強国・ガランド連邦王国の王女・姫騎士アンジェリナが絶望に満ちた表情で見ている。
――人類国家の皆が一様に絶望に堕ちつつあった。
押されていた戦況を「勇者」が覆して、その反撃開始の決め手になる戦で――、
――「勇者」は死んだ。
「運命の女神リンデラ」は明らかな異変を感じる。
そもそもこの人類国家と魔族王朝の争い自体が、おかしな意図を感じさせるもので――、そして、その「勇者」の死が確定した時点で彼女は世界の滅びを幻視していた。
――このままではマズイ。――何とかしなければならない。
世界を維持することが「運命の女神リンデラ」の使命。
――そして、彼女は救いへと続く可能性の「運命の紐」をひたすら探り続ける。
そのなかで唯一、――悪あがきとも言える最悪回避の未来へ継る「運命の紐」を見つけた。
「……?! ガイザード?」
それはこともあろうに今運命を覆した「獄鬼将軍ガイザード」。
――いや、よく考えるとこの男は「運命の女神リンデラ」の示す未来を覆していた。
もしかして――、この男は何かを知っている?
「運命の女神リンデラ」はそして決断した。
このまま「獄鬼将軍ガイザード」に未来を託しても上手くはいかない。
――まさしく悪あがきにしかならない。
――ならば……、
――その思考回路を変えればよい。
「運命の女神リンデラ」は意識を集中して「魂のるつぼ」に漂う、――干渉可能な死者の魂を探る。
その中に、異世界人ではあるが、善良で平凡で――、完全な悪に染まることの出来ない魂を見つけて、そして――、それを一旦引き上げた「勇者の力」とともに「獄鬼将軍ガイザード」の中へと送り込んだ。――そして、その魂は確かに上書きされて……。
「……アレが何処まで知っていたのか、こんな強引な手段でどれだけ記憶が残るかはわからないけど……」
――お願い……、異世界のヒト。
――
貴方が「勇者」となってこの世界を救って……。
――かくして、現実世界で死んだ「
本来は「勇者」が至るはずであった運命。
――人類国家の象徴たる四人の女性……、
――魔族王朝の象徴たる八人の女性……、
……それらを全員妻に迎えて――、人魔を統合した統一国家を生み出して「真の世界の脅威」に立ち向かう事。
人類側だけではなく、同族である魔族からすら嫌悪の目を向けられていた「獄鬼将軍ガイザード」――、
――正しくは「異世界転移者ヒロト」の、マイナスからの「絆」構築の物語が始まる。
◆◇◆
◆登場予定人物:
<魔族勢力>
『ガイザード(=ヒロト)』
悪辣、邪悪、乱暴、という困った性格である魔王直下七将軍である男。
下手に最強クラスの力を持っていることが彼の悪性に拍車をかけて、自身の使用人には暴力を振るい、仲間の魔族からも嫌われきっていた。
実際、魔王は彼の性質を理解しており、暴力装置としてしか見ずに、魔族王朝への反撃を開始しつつあった「勇者」への尖兵として送った。
この時、魔王はハッキリと迂闊な彼では勝てないであろうと考えており、明確に切り捨てられた形であった。――が、
なぜか色々覆して「勇者」を倒す偉業をなした。さらに、それ以降性格が信じられないほどに丸く善良になったために、次第に周りからも信頼されるようになっていく。
……が、実はその魂自体が「ヒロト」に変わっており、運命の女神から新たな「勇者」となる使命を与えられている。
とても優しい性格で、人並みに勇気もある男。ガイザードの力を受け継ぐことで現実世界より男としての自信が増しているらしい。
しかし、基本スケベで女の子大好き、ハーレム大好き男。ただ、女の子が本気で嫌がることはしないエロ紳士でもある。
特殊能力『ツガイスキル付与能力(=Mate Skill Empowerment)』を持っている(これは元のガイザードは持っていなかった)。
世界を救う鍵である十二人の「運命の女性」との絆を得るべく奔走する。なお、ガイザードの記憶は断片的で不明瞭である。
『フレアリンデ』
七将軍の一人であるエルフ耳天才娘。
魔法使いでガイザードの同僚であり、ガイザードとの仲は互いに無関心といった感じだった。
研究室に籠もって常に研究している研究命という性格で、そのような頭脳を見込んで転移直後の『ヒロト』は彼女に協力を仰ぐことになる。
ガイザードの断片記憶においては「勇者の妻になる予定の、八人の魔族の一人」となっている。
『リンシア』
ガイザードの専属使用人でサンドバック扱いであった女魔族。
ヒロトに変わった後もひたすら怯えて謝っているオドオド少女。
しかし後に――、
『魔王ナインフェリア』
魔族王朝最高位の魔族で、のじゃロリババア。
自分のことを妾と呼び常に無表情で見下ろす感じの受け答えをする。
彼女が狼狽えた様子を見た人はだれもおらず、常に冷静に物事を進める女魔族。
実際魔族勢力最強だが、ゆえあって前線に出ることは出来ないらしい。
後々、ヒロトが協力を仰いで後援者となってくれる人。
同時に「勇者の妻になる予定の、八人の魔族の一人」らしい。
『リネアレイン』
剣に生きる武人系女魔族。魔王直下七将軍。
過去に卑怯な手を使ったガイザードに敗北して、色々屈辱を受けた過去があって明確に嫌っている。
が、そもそも卑怯な手を許してしまった自身こそ悪い、と言う思考でひたすら鍛錬をしている。
性格が変わったガイザードに困惑している一人。
『ミラ&リア』
常に二人一緒の双子魔女系魔族。魔王直下七将軍。
かつてのガイザードに目をつけられており「ケダモノ」と呼んで逃げ回っていた。
後に色々あって仲良くなったあとも呼び方は「ケダモノさん」である(『さん』がついたね! やった!!)。
『クリム&アーシャ』
少年魔族双剣士クリムと暗殺姫アーシャという幼馴染コンビ。魔王直下七将軍。
恋人同士であり、何処から見ても美少女にしか見えないクリムのせいで「百合カップル」と間違われてしまう。
過去のガイザードにアーシャが嫌がらせされた事があって、ヒロトになった後も距離を置いている。
ただ、このアーシャの方は「勇者の妻になる予定の、八人の魔族の一人」であるらしく、恋人がいる女の子を奪うなんて……と、流石のヒロトも困惑している。
<人類勢力>
『勇者』
人類国家に生まれて運命の女神の導きで「十二の鍵」である女性を妻として『人魔統一国家』を生み出す運命だった男。
故人であり、彼の死が世界の破滅への道を作ってしまった。
『アンジェリナ』
人類国家三強国・ガランド連邦王国の王女。姫騎士にして勇者の伴侶になる運命であった女性。
当然、勇者を殺害したガイザード、――今はヒロトを仇と定めている復讐者。
果たして彼女との絆は?
『ミネアリア』
人類国家三強国・カーネット聖王国の女王。
その国教の教主でもあり、かつてその国を襲ったことのあるガイザード(ヒロトでない方)によって夫を殺害されて自身もレイプされた過去を持つ。
それ以来男性を寄せ付けずに、なにより強行に魔族勢力との戦い継続を叫び続けている。
実は「勇者の妻になる予定の、四人の女性の一人」であり、世界を救うためには彼女との関係修復は必須である。
『マリアベラ』
人類国家三強国・アルガード星樹国の大巫女。世界樹と呼ばれる女神の機能中枢を守護する守護者たちの国家。
運命の女神からの天啓を受けられるだけに、事情を知っている可能性は高いが、現在まったく動く気配はない。
当然「勇者の妻になる予定の、四人の女性の一人」。
『天啓の魔女』
謎の旅の美少女魔法使い。人間族だが魔族であるフレアリンデを超える魔力と叡智を持つ。
たまに姿をあらわしては意味深な言葉を残すが? 果たして敵か味方か?