それからのことはあまり覚えていない。
土砂降りの中、何も考えずに夜道を二人で駆け抜けた。髪も服もびっしょりと濡れていた。それでも立ち止まらなかったのは、さっきまでの鬱屈とした気分を少しでも晴らしたかったから。
不意に彼は古いアパートの軒下で立ち止まった。鞄をあさって目の前のドアに鍵を差し込む。その慣れた手つきを見て、私はようやくここが彼の家なのだと理解した。
「先輩、どうぞ」
「お、お邪魔します……」
ドアを開けると覚えのある匂いが鼻をついて、一層緊張感に拍車をかけた。
パッと灯がつくと、狭い廊下と扉の奥にあるワンルーム。築年数的に家賃も安そうで、いかにも学生向けの物件という感じだ。
「……意外と綺麗なんだね」
「意外は余計じゃないですか」
朋也くんはそう言いながらも、どこか照れたみたいにカーテンを引いた。
雨音が少し遠くなる。
「もっと散らかってると思ってた?」
「うん。正直」
私が言うと、彼は苦笑した。
「実家がうるさかったんですよ、そういうの。だから癖みたいなものです」
「そうなんだ」
部屋を見回しながら、ふと思ったことをそのまま口に出す。
「……普段から、こうやって女の子連れ込んでるの?」
冗談半分のつもりだったけれど、言ってから少しだけ後悔した。踏み込みすぎたかもしれない。
朋也くんは、少しだけ目を見開いたあと、すぐに視線を逸らした。
「いや、ないっすよ」
「ほんとに?」
「本当に。ていうか、誰かを連れ込んだのは今日が初めてです」
「……そうなんだ」
「そんなに意外ですか」
即答するからには本当なのだろう。確かに、誰かとの思い出とか、そういう形跡は見受けられない。誰とでも距離が近そうなのに。
「もっと慣れてる人だと思ってた」
「褒められてる気がしないんだけど」
「褒めてないもん」
彼はそう言いながら、少しだけ笑った。
「はっくしゅんっ!」
ぶるりと全身が震える。
雨の中を傘も差さずに走ってきた。二人ともすっかり濡れ鼠だ。
心が落ち着くと体の冷えを自覚した。
「先輩、シャワー使ってください」
「えっ」
確かにありがたい提案だった。けれど、私の脳内は困惑が勝っている。
「タオルは洗面所にあるのを適当に使ってください。服はネットに詰めて、洗濯機の中にぶち込んどいてもらえれば回しておきますんで」
「でも、着替えとかないし……」
「……俺のでも良ければ」
顔を真っ赤にして彼は視線を逸らす。その言葉がどういう意味を指すのかくらい、私でも知っている。
「いいから! このままだと風邪引きますよ。洗濯物があったらネットに入れてぶち込んでおいてください。タオルは適当に使っていいですから」
「あっ、ちょっと!」
彼は勢いそのままに、私を洗面所に押し込んだ。
言われた通りに、濡れたブラウスとパンツを下着ごとネットに突っ込んで、洗濯機の中に入れる。
お湯に当たると、体の緊張が解れていく。
と同時に、思考は冷静になっていった。この状況はあれだ。葵が言ってたモノに近い。持ち帰られたというか連れ込まれたというか。ただ、その手順にしてはあまり下心を感じなかった。止まない雨の中で路頭に迷う私を心配する姿勢は、かなり嬉しかった。
これから起きることを想像する。今まで使い道のなかったこの肢体が日の目を見るのだろうか。そう思うたびに心臓が早くなる。
私は慌てて多めにボディソープを取り、腕、肩、背中、胸と、いつもより念入りに洗った。綺麗にしておかなきゃいけない気がしたのは、気のせいだと思いたい。
今はただ、熱った顔を彼に見られないことだけが救いだった。
「朋也くん、シャワーありがとう」
「いえいえ」
「あと、これも……」
私が纏っているのはグレーのスウェット。いつの間にか洗面台に置かれていた。
「ぶかぶかっすね」
「しょうがないよ。体格差考えて」
「我慢してください。それしかないので」
多分、いつも朋也くんが使っているモノなのだろう。洗濯されているものの、彼の匂いが染みついて、まるで抱かれているような気分にさせられる。正直、心臓によろしくない。
その後、私と入れ替わる形で彼もシャワーを浴びた。「適当に過ごしてくれ」と言われても、何もすることが起きなかった。気を紛らわそうとテレビをつけてみても、滅多に見ない深夜番組に心踊ることもなく、すぐに消してしまった。
部屋にあるのはベッドとデスク、あとは衣装棚くらい。
ベッドに腰掛けると、ベッドは小気味良いスプリングが音を立てて弾んだ。
ダメだと分かっているのに、私の顔は彼の布団に不時着した。その途端、今まで以上に彼の香りが直接脳に吸い込まれた。
これはダメだ。戻れなくなる。ドクン、ドクンと心臓が早鐘を打つ。顔が熱い。熱くてたまらないのに、頭を冷やすという判断すらつかない。
枕を手繰り寄せて顔を沈める。こんなことは許されない。こんな姿を彼が見たら、気持ちの悪い先輩だと幻滅されてもう話しかけてもらえないかもしれない。それでもやめられないのは、私の脳が完全に焼き切れている証拠だった。
やがて、その熱は徐々に私の体を蝕む。下着は既に洗濯機の中。つまり、私はスウェットの下に何も着けていない。
彼の服が大事な部分を擦るたび、熱に浮かされた体は正常な動きを放棄した。
最近、忙しかったのもあって溜まっていたのかもしれない。頻度は多くないけど、週に何度かは自分を慰めることもあった。
性欲のバラメーターを確かめるため、スウェットを汚さないように慎重に指で触れた。
「……っはぁ」
急いで口を塞ぐ。恋人でもない男子の部屋で、出してはいけない声が出てしまった。私は性欲ではなく、羞恥で顔を染めた。
今までにないほど、そこは濡れていた。いつも、痛くならないよう濡らすために触れていたそこは、準備運動なんか必要ないほどに洪水を起こしている。
「嘘……」
指を引き抜いて、透明な粘液で濡れた指先を見る。こんな状況で発情している自分に愕然とした。朋也くんは終電を逃して困っていた私を助けてくれたのに、自分は後輩の家でオナニーしようとしていた。ありえない。死んでしまいたいほどに恥ずかしい。
「はぁ……」
深い溜息を吐いて、火照った体をどうにかして冷まそうとしたその時だった。
「どうしたんですか、でっかい溜息なんかついて」
シャワーから出てきた彼の一言で、私は現実に戻された。さっと濡れた指を隠して、何もないよう取り繕った。
「い、いつの間に上がったの?」
「ええ。てか、別にベットに寝ても良かったのに」
「いやいや、流石に先に寝ることはできないよ」
彼は濡れた髪をタオルで拭いている。
いつも通りの調子で彼と会話しているうちに、ようやく冷静さを取り戻した。と同時に、私は無性に彼の体の至る所に目がいった。
風呂上がりだからか、やはりいつもと様子が違う。寝巻きのシャツから伸びる腕は意外と華奢で、普段バイトで何個ものグラスを持ち運んでいるとは思えない。普段の肌が白いから、シャワーの熱で少し赤くなっている。
案外がっしりしていて、男子なんだなと実感した。
「先輩……?」
「あっ、ごめん。ジロジロ見ちゃって」
「い、いえ……」
気まずさを誤魔化すみたいに、二人で視線を逸らす。
でも、その沈黙が、さっきまでとは少し違っていた。
「先輩」
「……な、なに?」
「さっきの話なんですけど」
彼は少しだけ姿勢を崩してテーブルに肘をついた。
そこにいつもの軽さはない。
「友達に彼氏できたとかでで先輩が焦るの、正直、俺にはよく分かんないです」
「え……?」
思っていたよりも、はっきり言われた。
「だって、それってその人のタイミングの話でしょ」
「……でも」
「いや、分かりますよ。気になるのは」
すぐにフォローが入る。
否定されている訳じゃないことにホッとした。
「でも、先輩の言い方だと、経験ある方が上みたいな話になってませんか?」
ぎくりとした。
言い返したかったけど、うまく言葉が出てこない。
「先輩、もう卒業出来そうなんですよね」
「う、うん……」
「バイトも学校もちゃんとしてるのに、その一点だけで遅れてるって思うのは、ちょっと勿体無いなって」
「それってどういう意味」と聞き返すのは野暮に思えて言葉を飲み込んだ。
「それに俺、そういうのはよく分からなくて」
「え?」
「さっき言った通り、何もないんで」
さらっと言われて、言葉に詰まる。
「だから、そもそも比べる基準が無いんです」
私だけじゃない。
その事実は思ったよりも大きかった。
「……じゃあ、なんでそんな偉そうなの」
「偉そうじゃないですって」
彼は肩をすくめて苦笑する。ただ困らせたかった私は、いつもと逆な立場に吹き出した。
焦燥感とか罪悪感が吹っ切れた雰囲気に、ようやく肩の力が抜けた。
「いい時間ですし、寝ましょうか」
「うん、そうだね……」
「先輩、そっちで寝てください。俺は床で大丈夫なんで」
「いやいや! 私が床で寝るよ。流石に申し訳ないもん」
「女の人を床でなんか寝かせられないですよ。ここは甘えてくださいよ」
遠慮の押し付け合いが続く。互いに一歩も引かないのは、不思議と性格が似ているからだろうか。
応酬の末に、彼に対して沸々と不満のような感情が湧き出していた。
確かにこれまで使い道のない肢体だったけど、そんなにも魅力がないだろうか。確かに今まで出会ってきた女友達は、プロポーションや性格では私よりも優っている人ばかりだった。でも、数値的にはそこまで劣っているつもりもなかった。
彼は私に対して邪な感情を向けてきたことは一度もない。揶揄い甲斐のあるバイトの先輩としか見ていないのではないか。勝手な想像だけれど、理不尽にもそんな怒りが湧いて出てしまった。
だから、性格が悪いことは百も承知で、彼を試した。
「ねえ……」
「はい」
彼は少し構えたままこちらを見ている。今しかないと思いながら、私はアクセルを踏んだ。
「さっき、遅れてる訳じゃないって言ってくれたでしょ。なら、今日でもいいのかなって」
言った。言ってしまった。
直接口にするのはまだ無理。もし、私の言葉を理解してくれなかったらそのまま寝てしまおうとも思っていた。
「先輩……」
おそるおそる彼の表情を見ると、目を逸らしながら頬を赤く染めている。
これは確実に伝わった。彼もどこか決めかねている。
ならば、と更に言葉を連ねた。
「無理にとかじゃないよ。勢いもあるけど、そういうのに興味がないわけじゃない。でも……やってみたい、かなって……」
彼も経験がないのなら、初めて同士どうにかなりそうな気がしていた。楽観的といえばそれまでだし、傍から見れば自分を安売りしているように見える。
でも、それでも彼がいいと自信を持って言える。
「ねえ、こっちきて」
気が付けば、先ほど冷めてしまった熱が再び息を吹き返していた。
彼が私の横に座る。ベッドに置いた右手が重ねられて、彼の鼓動が肌を刺激する。それさえもシンクロするかのように。
どちらともなく息遣いが感じられる距離まで迫り、やがてその隙間が埋まった。
おっかなびっくり、彼の唇が重ねられる。初めてのキスはよく分からなかった。ただ、互いの熱を交換し合う。それだけなのに帰ってこれなくなるような快感が体を走り抜けた。
「はぁ……」
どれだけそうしていただろうか。やがて唇が離れると、上気した彼の肌が視界に入る。
今までずっとサックスを吹いてきた唇。ケアも欠かしてこなかった私の自慢の一部分を彼に捧げている現実が不思議に思えて仕方がない。
「……しちゃったね」
「……しちゃいましたね」
「もう少し、いい?」
返事を聞く間も惜しく、今度は私から彼の唇を求めた。
舌を彼の口に差し込む。驚いた様子を見せつつも、彼も私に合わせている。もうそれだけでセックスをしているのではないかと思えてしまうほどに倒錯的だった。
時間も我も忘れて、ただこれだけのために生きているかのような浮遊感。繋がりながら、私たちは布団に倒れ込んだ。
「あっ、んっ」
彼の手が私の胸に触れる。誰かに触られるのも当然初めてだ。それなのに、感じたこともないほどの快感が襲ってきた。
「ううん………」
骨張った手がスウェットの裾をたくし上げる。胸まで来ると、彼が伺うように私を見る。スウェットの下はノーパンノーブラだ。でも、それで良かった。今日はそんなに、可愛い下着じゃなかったから。それに、下着は洋服と一緒に今頃水流に揉まれている。
「……いいよ」
ゴーサインがあってから、彼は一思いに首元までたくし上げた。
「すっごい綺麗ですよ」
「……やめて、恥ずかしい」
「意外と大きいですよね、先輩」
「そうかな?」
「あと、乳首も綺麗です」
「……やめてよっ。やっ……ちょっと」
またいつものように揶揄うと見せかけて、露わになった双丘に指を這わせた。誰かに揉まれるのはもちろん、触られるのも初めてのことで、こんなの何が良いのだろうと嫌に冷静な自分がいた。
けれど、執拗なフェザータッチによって私の感度も上がってきた。様子を見ていた彼は、大きな手で乳頭をこねくり回しながら揉む力を強めてきた。
「……だめっ、そこばっかり!」
「可愛いっすよ。もっと声聞かせてください」
「いやっ、あっあっ……!」
生意気と思いつつも、次々に襲ってくるオーガズムに身を委ねていた。自分でいじってもここまでの快感に至ったことは無い。
やがて甘く軽く舌全体を胸に這わせ、乳輪を中心に舐め上げる。次第に、視界がチカチカと明滅してきた。何か大きいものがくる。言葉にならない快感が、胸の奥から迫り上がってくる。息を吸うことも吐くことも、どちらも間に合わなくて、私はただ目を閉じる。
「ううっ......んんっ……ああっ!」
ふっと、腰の力が抜けて、身体が浮いたみたいに感じた。
「はぁ……はぁ……」
「先輩、イったんですか?」
声を出すのも億劫で、首を縦に振った。その様子を見た彼がふっと笑みを溢したのを見逃さなかった。
「先輩……こっち、すごいことになってるんですけど……」
「え?」
彼が指差した部分を見てみると、股の部分が完全に変色したスウェットが目に入った。胸の愛撫だけでショーツを穿いていなかった陰部から大量の愛液が溢れ、ズボンを汚していた。
「いやぁ……」
「いっぱい感じてましたもんね」
「もー、信じらんない……ごめんね汚しちゃって」
予想だにしていなかった失態に羞恥心でおかしくなりそうだった。意識をすれば、濡れてしまった部分がひんやりとして気持ちが悪い。自分でシていてもこんなに濡れた経験はない。にわかには信じられない光景に顔を覆うしかなかった。
もうおっぱいは見せてしまったし、下を脱ぐのも時間の問題だ。ただ、彼も初めてなのでそこはちゃんと訊いてくる。
「先輩、良いですか?」
「……いいよ。でも、あんまり見ないで」
という、ひどく脆い約束の末に、彼の手が汚れてしまったスウェットをするりするりと脱がせていく。陰部が外気に触れた瞬間、私は無意識に足をよじって股を閉じた。
「いや……恥ずかしい。汚いし」
「先輩に汚いとこなんかないですよ」
朋也くんの声は低く掠れていて、いつもの軽い調子が完全に消えていた。彼の指が私の太ももをゆっくりと撫で上げ、濡れて重くなったスウェットの残りを完全に脱がせていく。部屋の空気が直接肌に触れて、ぞくりと寒気が走った。
私は両手で股間を隠したまま、枕に顔を半分埋めた。息が荒い。心臓の音が耳の奥でうるさく響いている。
「見ないで……本当に、恥ずかしいから……」
「先輩、ここ、ずっと溢れてる。触っても?」
私は小さく頷いた。言葉が出せない。指先が震えている。彼の中指が、そっと私の秘裂に触れた。熱くてぬるぬるした感触が、すぐに愛液と混じり合う。くちゅ……という小さな水音が、静かな部屋に響いた。
「んっ……はぁ……」
指が花弁を優しく左右に開き、敏感な肉芽をそっと撫でる。電気が走ったような甘い痺れが、下腹部から背骨を駆け上がった。私は無意識に腰を引こうとしたけれど、朋也くんの手が太ももを押さえて離さない。
「熱い……先輩、すごいトロトロだ」
指の動きが少しずつ大胆になる。クリトリスが円を描くように刺激され、愛液がさらに溢れて指を濡らす。くちゅくちゅ……ぬちゅ……という音が、次第に大きくなっていく。私は枕を強く握り、声を殺そうとした。
「あっ……んんっ……そこ、優しく……はぁ……」
朋也くんは不器用だけど、真剣な目で私の反応を一つ一つ確かめながら指を動かし続けた。やがて彼は体をずらし、私の脚の間に顔を埋めた。
「えっ……朋也くん、待って……そんな……」
「先輩……味見したいんですけど……いいですか?」
返事をする間もなく、熱い吐息が私の最も敏感な部分にかかった。次の瞬間、柔らかい舌がクリトリスを優しく舐め上げた。
「ひゃあっ……! あっ、ああっ……!」
舌先がゆっくり円を描き、時折ちゅっ、ちゅるっ……と吸い付く。愛液が溢れる音が、れろれろ……くちゅくちゅ……と淫らに響き渡る。私は腰を浮かせそうになるのを必死に堪え、シーツを両手で掴んだ。頭の中が熱くなって、息が上手くできない。
「ん……はぁ……先輩、すごく甘い……」
「やっ……言わないで……あんっ! あっあっ……! はぁんっ!」
クンニが続くうちに、初めての快感が波のように何度も押し寄せてきた。体がびくびくと痙攣し、視界がチカチカと明滅する。私は小さく達してしまい、腰が勝手に震えた。
朋也くんが顔を上げると、唇と顎が私の愛液でてらてらと濡れ光っていた。彼は息を荒げながら、私の目を見つめた。
「……先輩、今度は俺の番、していい?」
私はまだ余韻で体が熱いまま、頷いた。手を伸ばして彼のスウェットパンツに触れる。布越しに感じるそれは、すでに岩のように硬く、熱を帯びていた。
パンツを下ろすと、勢いよく飛び出した肉棒が目の前に現れる。太くて長く、血管が浮き出て、先端からは透明な液が糸を引いて垂れていた。
「すご……大きい……これが、朋也くんの……」
「大きいかどうかは、比べたことがないので分からないっすけど……」
私は恐る恐る手を包み、ゆっくりと上下に動かした。
熱くて硬い感触が掌に伝わり、彼の息がすぐに乱れる。
「先輩、上手……」
勇気を出して顔を近づけ、舌先で亀頭をぺろりと舐めた。少ししょっぱい味がした。
朋也くんが小さく呻くので、もっと深く咥えてみた。口の中が彼の熱でいっぱいになる。
「はっ……」
朋也くんが小さく呻くので、私はもっと勇気を出して、亀頭全体を唇で包み込んだ。
口の中に熱い肉の塊が入ってくる。想像以上に太くて、舌が圧迫される。初めての感触に戸惑いながらも、私はゆっくりと頭を前後に動かし始めた。
ちゅぽっ……じゅるっ……れろれろ……。
顎が疲れてくるのにやめられない。この熱の塊は私を狂わせる。
舌を絡めながら、しゃぶるように吸ってみる。唾液がすぐに混じり、ぬるぬるとした音が自分の口から響いてくる。恥ずかしくて顔が熱くなるのに、朋也くんの反応が気になって止まらない。
「ひもひいい?」
「咥えながら喋らないで」
無意識に引かれる腰に合わせながら、吸い上げる力を強めていく。
しゃぶる音が部屋に響く。自分の作っている卑猥な音に耳が熱くなる。
でも、朋也くんのおち◯ちんが私の舌の上でびくびくと脈打つ感覚に興奮した。初めてなのに、こんなに硬くて熱くて、生きているみたいに動いている。
私は舌を裏筋に這わせ、亀頭のくびれを丁寧に舐め回した。
ちゅるっ、ちゅぱっ……と音を立てながら先端の小さな穴を舌先で突いてみると、彼の射精欲が迫り上がってきていた。
「うっ……先輩、そこ……やばい……」
切羽詰まった声を合図に、私は口を離す。
糸を引く唾液を拭いながら、恥ずかしそうに彼を見上げた。辿々しいフェラチオでも、彼に悶えるような快感を与えることができた達成感が気持ちを昂らせた。
朋也くんの肉棒は私の唾液でてらてらと光り、先端からは新たな透明な液が溢れ出している。
体の位置を入れ替えて、仰向けに寝転がる。
いざ見上げると、彼の男の子らしいがっしりとした躯体が目に入る。華奢に思っていたが、筋肉や骨格が白い肌に浮かんでいる。
いよいよ、この瞬間が訪れた。
「……ね、朋也くん……。入れてほしい」
自分で言っておきながら、昨日までの私では絶対に考えられない言葉が口をついて出てくる。
おねだりを聞いた朋也くんは、脚を優しく開いて体を重ねてきた。
熱く硬い先端が、私の濡れた入り口にぴたりと当たる。心臓が今にも爆発しそうだった。
「いきますね……ゆっくりしますけど、痛かったら言ってください」
「うん……」
彼は私の脚を優しく左右に開き、体を重ねてきた。熱く硬くなった肉棒が、私のまだ敏感に疼いている秘部にぴたりと当たる。その瞬間、下腹部がびくんと跳ねた。
──熱い。
先端が私の濡れた割れ目に触れただけで、じゅわっと愛液がさらに溢れ出すのが自分でも分かった。
「は……あっ……」
私は無意識に両手でシーツを強く握りしめた。心臓がうるさいくらい鳴っている。
頭の中ではいろんな思いが渦巻いていた。
本当に……今から入ってくるんだ。
朋也くんの、あの太くて熱いものが。
片手で自分の肉棒を支え、もう片方の手で私の太ももを優しく撫でながら、ゆっくりと腰を進めてきた。
先端が私の入り口を押し広げ始める。熱くて、硬い感触が、じわじわと内側に入ってくる。
「んっ……!」
──ずんっ。
最初はただの圧迫感だった。でも、奥へ奥へと入ってくるにつれ、鋭い痛みが下腹部全体に広がっていった。処女膜が引き伸ばされ、引き裂かれるような感覚。熱い肉棒が私の内壁を無理やりこじ開け、ゆっくりと沈み込んでくる。
「んっ……痛っ……! ううっ……」
私は歯を食いしばり、シーツを両手で強く握りしめた。息が浅くなる。痛い。痛いのに、どこかで「これが繋がるということなんだ」と実感が湧いてくる。朋也くんの熱が、私の最も奥まで到達しようとしている。
「ごめん……少しだけ、我慢して……」
彼の声も緊張で震えていた。腰をさらに押し進め、根元まで完全に埋め尽くす。ずんっ……ぬちゅっ……という音と共に、私の処女が失われた。
「あっ……はぁ……はぁ……」
完全に繋がった瞬間、息が止まった。痛みが強い。でも、それ以上に熱さと満ち足りた圧迫感が下腹部全体を支配している。
朋也くんの脈打つ肉棒が内壁をぴったりと埋め、子宮口に先端が軽く当たっているのが分かる。
「……入ってる……朋也くんが、私の中に……」
下腹部を軽く押し込むと、感じたことのない硬さで押し返される。ああ、確かに
やがて朋也くんが小さく腰を引いて、またゆっくり押し込む。
痛みが少しずつ薄れていく代わりに、じわじわと甘い疼きが広がってきた。
内側で彼を強く感じながら、初めての解放感に体を震わせた。
葵が話していた「持ち帰られた日」のことが頭をよぎる。これが、そういうことなんだ。私の体が、初めて誰かと一つになった。
「気持ちいい……?」
「はい……やばいです」
「ゆっくりなら、動いていいよ」
彼の腰がゆっくりと引かれていく。膣の中身が全部持っていかれるような感覚に襲われた。
まだ処女膜の裂け目が少し傷んでいる。
彼も我慢ができないのか、動きが少しずつ速くなる。その度に自然と声を上げていた。
結合部から愛液が溢れ、くちゅくちゅ、ずんずん……と淫らな水音が部屋に響く。
痛みが和らぐと、代わりに奥から甘い痺れが次々に湧き上がってくる。
「あっ……んっ……なんか……ちょっと気持ちいいかも……はぁんっ!」
朋也くんの息が荒くなり、動きがどんどん乱れてきた。
腰がぶつかるたび、ぱんっ、ぱんっ……という音が混じる。
「先輩……俺、もう……出そう……」
「いいよ、きて……! あんっ!」
次の瞬間、彼が深く突き入れて、熱い精液が私の奥に勢いよく噴き出した。
びゅるっ、びゅるるっ、どくっ、どくどくっ……!
「……あっ、んああああっっっ!」
子宮口に直接叩きつけられる熱と圧力。大量の精液が私の奥を満たしていく。熱い液体が内壁に広がり、溢れ出そうになる感覚に、私は小さく達してしまった。体がびくびくと痙攣し、視界が白くなる。
「うっ……! はぁっ……あぁ……」
虚脱感に襲われ、胸越しに彼の体重を感じる。
朋也くんは射精が終わると、青ざめた顔で私を見下ろした。
「……ご、ごめんなさい! 中に……」
そういえば、コンドームの用意もなく勢いに任せてシてしまっていた。
とはいえ、周期的には当たらない日のはずだ。
まだ余韻で体が熱いまま、彼の頰に両手を伸ばして唇を重ねた。
舌を絡め、貪るようにキスをする。甘い痺れがまだ残っている。
「いいよ……安全日だから。もっとして……?」
その言葉で、彼の目が大きく変わった。リミッターが外れたみたいだった。
「先輩……!」
再び硬くなった彼が、私の膣内で激しく動き始める。
正常位のまま腰を振り、奥を何度も突かれる。
ずんっ、ずんっ、とリズムが速くなり、愛液と精液が混じり合って結合部から溢れ出す。
「あっ、ああっ! そんな、奥っ……ダメ、そこばっかり……! はぁんっ! あんっあんっ!」
快感が次々に積み重なり、私は何度も絶頂を迎えた。
体が勝手に腰を浮かせ、朋也くんを受け入れようとする。
彼は私の脚を肩に担ぎ、角度を変えてさらに深く突いてきた。子宮口を直接抉られるような感覚に声が裏返る。
「ひゃあっ! ああ、それっ深いいい……! あっあっ……イっちゃう……また……! イクっ!」
朋也くんが私の脚をさらに押し上げ、腰の角度を深くした瞬間、子宮口が何度も強く突かれた。
ずんっ、ずんっ、ずんずんっ、とリズムが速くなり、熱い肉棒が私の奥を容赦なく抉る。
愛液と先ほどの精液が混じり合い、結合部からぐちゅぐちゅ、ぬちゃぬちゃという激しい水音が止まらない。
「あっ……あぁっ……! 朋也くん……すごい……奥ばっかり……はぁんっ!」
頭の中が真っ白になる。痛みはもう完全に消え、代わりに甘く溶けるような快感だけが体を支配していた。
私は夢中で彼の首に両手を回し、息も絶え絶えに言葉を紡いだ。
「好き……好きだよ……朋也くん……」
声が掠れて、ほとんど息のような音になる。それでも私は繰り返した。
快感が強すぎて、言葉が勝手に零れ落ちる。
「はぁ……はぁっ……好き……大好き……あんっ!」
朋也くんが動きを一瞬止めて、私の目を見つめた。汗で濡れた額、荒い息遣い。それでも彼の瞳は熱く、私だけを見ていた。
「俺も……先輩が好きです」
低く掠れた声でそう言って、彼は再び腰を激しく動かし始めた。
──ずんっ! ずんずんっ!
深く、強く、子宮を直接叩くようなピストン。
肉棒が抜けそうになるまで引き、すぐに奥まで一気に突き入れる動きが繰り返される。
「あっあっ……! 好き……好きぃ……! 朋也くん……好き……はぁんっ!」
私は彼の背中に爪を立て、息も絶え絶えに「好き」を連呼した。
軽い絶頂が、次から次へと訪れる。体がびくびくと小さく痙攣し、愛液がさらに溢れ出す。
頭がぼうっとするのに、心だけははっきりしていた。
この気持ち、この熱さ、この繋がり──全部、朋也くんが好きだから。
朋也くんも息を荒げながら愛の言葉を何度も繰り返す。
腰の動きは止まらず、むしろ私の「好き」という言葉に煽られるように激しさを増していく。
ぱんっ、ぱんぱんっ……と肌がぶつかる音が部屋に響き、結合部からはぐちゅっ、ぬぷっ、じゅぷっという淫らな音が絶え間なく続いた。
「あんっ……好き……好きなの、朋也くん……! もっと……もっと突いて……はぁっ! イく……またイっちゃう……!」
軽い絶頂が何度も重なり、私は体を仰け反らせながら何度も達した。子宮が甘く痺れ、愛液が止まらない。朋也くんの肉棒が私の内壁を擦り、奥を抉るたび、新しい波が押し寄せてくる。
「すっごい膣内が締まる……俺も、もう……!」
互いの「好き」が絡み合い、息遣いが重なる。快楽と愛情が混じり合って、頭の中が溶けていくような感覚。私はただ夢中で彼を抱きしめ、喘ぎながら愛を繰り返した。
「好き……大好き……。朋也くん……好きぃ……!」
どくっ、どくっ、びゅるるるるるっ、びゅるっ!
彼は再び膣奥深くで射精した。
熱い精液が注がれる感覚に、私は体を弓なりに反らして達した。
体位を変えられ、彼の両手が私の腰を強く掴む。
そのまま熱く硬くなった肉棒が、再び私の濡れそぼった入り口に押し当てられた。
ぬぷっ……じゅぷっ……。
一気に根元まで突き入れられる。
「あぁっ……!」
腰を高く持ち上げられ、激しい抽送が始まる。
ぱんぱんっ、ぱんぱんっ……という肉がぶつかる音が大きく響いている。
体勢を変えたことで愛液と精液が太ももを伝い、シーツをさらに汚していく。
「んんっ……あぁっ! これやばいっ……こんなに……はぁっ! 奥に当たってる……!」
後ろから入ってくる角度が、子宮をより直接的に、斜め下から抉るように突き上げる。
肉棒の先端が、正常位のときよりずっと奥深く、子宮口に強く当たる感覚がはっきりとした。
「ひゃうっ……! そこっ……そこダメ……! あっあっあっ……!」
新しい快感の波が一気に押し寄せてきて、私は体をびくびくと痙攣させた。愛液がさらに大量に溢れ、結合部から白く泡立った液体が太ももを汚していく。
腰を掴まれ、容赦なく突かれるたび、頭が真っ白になる。
快楽が痛みを完全に上書きし、私はただ喘ぎ続けるしかなかった。
さらに体位を変えられ、騎乗位になる。私は彼の上に跨がり、自分で腰を下ろした。熱い肉棒が再び奥まで飲み込まれ、子宮をぐりぐりと刺激する。
「これっ、気持ちいいとこ当たる……自分で動くの……恥ずかしいのに……あんっ!」
最初はぎこちなかったけれど、すぐに夢中になった。腰を前後に振り、円を描くように動かす。結合部からぐちゅぐちゅ、という激しい水音が立つ。朋也くんの手に胸を揉まれ、乳首を摘まれるたび、電流のような快感が走る。
「あっ、あっ……もっと、奥まで……ずんって……!」
彼は下から腰を何度も突き上げる。騎乗位のまま何度も膣内に出され、私は数えきれないほどの絶頂を繰り返した。体が汗と精液と愛液でぐちゃぐちゃになり、髪が頰に張り付く。 私は息を荒げながら、朋也くんの胸に両手を突いて上体を起こした。まだ繋がったまま、熱い肉棒が私の奥深くに収まっているのがはっきりと感じられる。ぐちゅ……と愛液と精液が混じり合った音が、下から聞こえてくる。
(こんなに射精してるのに……まだ硬い……)
何度も膣内射精をしているはずなのに、彼の肉棒は衰えるどころか、更に硬さを増している。
初めての夜だというのに、私の胸の奥から湧き上がってくるのは、ただの快楽だけではなかった。もっと知りたい、という強い好奇心だった。
どうすれば朋也くんがもっと気持ちよくなってくれるのか。
自分の体がどこをどう擦られると、こんなに頭が溶けるような快感になるのか。
私はそれを確かめたくてたまらなかった。
「……朋也くん、少し動かないで」
掠れた声でそう言うと、私はゆっくり腰を回し始めた。円を描くように、浅く前後に揺らし、角度を変えながら彼の肉棒を自分の内壁で味わう。ぐりっ、ぐちゅっ、ぬるぬる……と淫らな水音が大きく立つ。
「んっ……あぁ……ここ……当たってる……子宮の、少し上の方……」
自分から動くことで、初めて気づいた場所があった。少し前傾みになると、肉棒の先端が子宮口の少し手前を強く擦る。そこを重点的に刺激すると、甘い痺れが一気に強くなる。
「はぁ……はぁんっ! ここっ、いい……すごく、変な感じ……」
私は夢中になって腰の動きを細かく変え始めた。上下にピストンしたり、左右に小さく振ったり、ぐりぐりと円を描いたり。自分の体がどう反応するかを一つ一つ確かめながら、朋也くんの表情も盗み見る。彼の眉が寄り、唇を噛んでいるのがたまらなく嬉しかった。
「先輩……そんなに動かれたら……俺、すぐ……」
「待って……もう少し……試してみたいの……」
恥ずかしい言葉が自然と口から零れた。私は自分の探究心に驚きながらも、腰を止めることはなかった。初体験なのにこんなに貪欲になっている自分が不思議だった。でも、それが心地よかった。
私は腰を少し浮かせ、肉棒が半分ほど抜けかかったところで、再びゆっくり沈み込ませた。ぬぷっ……じゅぷっ……と粘着質な音が響き、結合部から白く濁った愛液と精液が溢れ出す。
「あっ……あぁっ! これ……奥まで飲み込むの……すごい……」
今度は逆に、深く沈み込んだ状態で小さく前後に揺すってみる。子宮口が直接肉棒の先端に押しつけられる感覚。圧迫感と甘い疼きが同時に襲ってきて、声が裏返った。
「ひゃうんっ! ここ……子宮が直接当たってる……好き……この感じ……」
朋也くんが下から私の腰を掴み、軽く突き上げてくる。私はその動きに合わせて腰を振りながら、ますます夢中になった。
「もっと……もっと深く……朋也くんの、全部感じたい……はぁんっ! あっあっ……ずんっ、ずんって……!」
私は自分のペースで腰を振り続け、角度や速度を変えながら、何が一番気持ちいいのかを探り続けた。騎乗位でこんなに積極的に動いている自分が、昨日の私とは思えなかった。でも、今は朋也くんの熱い肉棒が私の体をどう変えていくのか、愛液がどう溢れるのか、絶頂がどうやって来るのか──すべてを知りたくて、貪欲に腰を動かし続けた。
何度も軽い絶頂が訪れ、そのたびに内壁がきゅうっと収縮して朋也くんを締め付ける。彼の息が荒くなり、腰の動きが乱れてきた。
「先輩……もう……俺……っ」
「いいよ……そのまま、出して……また、膣内に……いっぱい……」
私は腰を激しく振りながら、最後のひと突きを求めた。ぐちゅぐちゅ、じゅぷじゅぷっ……という激しい音と共に、朋也くんが再び熱い精液を私の奥に注ぎ込んだ。びゅるるっ、どくっ、どくどくっ……!
「あぁっ……! 熱い……また、出てる……」
その瞬間、私も大きく達した。体がびくびくと痙攣し、視界が白く染まる。探究心と快楽が混じり合って、頭の中が完全に溶けていくような感覚だった。
一晩中、私たちは体位を変えながら何度も繋がった。
正常位で優しく、バックで激しく、騎乗位で貪るように。
私はただ受け身になるだけでなく、自分の体と朋也くんの反応を確かめながら、セックスという行為そのものを貪欲に探究し続けた。
何回戦したかも分からない。初体験なのに、体は貪欲に朋也くんを求め続け、精液を何度も奥に注がれた。
やがて体力の限界が訪れた。私たちは汗と体液にまみれたシーツの上で、互いに絡み合ったまま動けなくなった。
朋也くんの腕の中で、私は深い眠りに落ちていった。
◇◆◇
朝が来た。目を開けると、部屋はまだ薄暗かった。
ベッドは惨状を呈していた。シーツには大きな染みがいくつも広がり、白い部分がほとんど見えない。私の太ももは精液でベタベタと汚れ、股の間がまだ熱を持ち、疼いている。体全体が重く、甘い疲労感に包まれていた。
隣で寝息を立てている朋也くんの寝顔を見て、私は小さく微笑んだ。昨夜の記憶が、鮮やかに蘇る。痛みも、快感も、すべて。
「……おはよう、朋也くん」
彼が目を覚まし、私を抱き寄せてくれた。少し照れくさそうな顔で囁く。
「先輩、好きです……」
「うん、私もだよ」
私は彼の胸に顔を埋め、静かに言った。
「これから……俺、先輩の彼氏でいいですか?」
私は頷き、彼の体をぎゅっと抱きしめた。
「うん。私も、朋也くんの彼女になりたい」
こうして、私の初めての夜は、予想以上に濃密で、甘く淫らなものになった。そして、それは新しい関係の始まりでもあった。
今まで、私はずっと「いい子」であろうとしてきた。
ルールを守り、道徳に逆らわず、誰にも迷惑をかけないように、親や先生や周りの期待に応えるように生きてきた。
彼氏を作るのも、セックスをするのも、「卒業してから」「ちゃんと付き合ってから」「ちゃんとしたタイミングで」と、いつも先延ばしにしてきた。
でも、昨夜、私はそれを全部ぶち壊した。
後輩の部屋に連れ込まれ、初めてのキスをして、初めての愛撫を受けて、処女を失って、何度も中に出されて……。
道徳の線引きなんて、どこかに吹き飛んでしまった。
でも、不思議と後悔はなかった。
むしろ、胸の奥に小さな解放感と、強い前向きな気持ちが芽生えていた。
朋也くんがいるなら、私はもう少し大胆になれる気がする。
就活も終わったし、大学生活もあと少し。
残りの時間、ちゃんと自分の気持ちに正直に生きてみよう。
彼の胸に抱かれながら、窓から漏れる朝日にそう誓ってみた。