ビルドファイターズ・レイヴン 作:コウサカさんちのコーヒー
「すっごい」
試合会場で南米から来た刺客達を見て、フミナが言った。
「たしかに」カオルコも同意した。
「世界は凄いですわ」「ワールドサイズですわ」
取り巻きのマヒルとケイコも大きく頷く。
女子中学生達(と一部観客)の目線の先は、試合中の南米チームの超大型二脚機体。ではなくチームの背後で応援しているコスプレ女性。ミーア・キャンベルの衣装がぱっつんぱっつんだった。なんだあの乳と尻。すっげー。
女子中学生達が大真面目にあれこれ話している傍ら、エリはコスプレ女性を眺めながら素朴な顔付きでスミオに問う。
「スー君はああいうフルボリュームな女性に興味あります?」
「無いとは言わないよ。ぼくは煩悩に塗れた普通の人間だからね。とうか、あのフルボリュームを前にして目線が移らない男がいたら、そりゃもう完全なゲイか病質性の詐欺師だよ。人間として信用できない」
正直に言葉を編むカレシ。
エリはクスクスと笑い、太縁眼鏡の奥で双眸を悪戯っぽく細めた。
「あのおっぱいやお尻に見とれちゃうスー君をツネるの、楽しそうです」
「焼きもちするエリは可愛いからアリだな」
「大会から帰ったら」エリはスミオに小声で囁く。「コスプレでえっちしませんか?」
「エリ……」スミオは難しい顔で「コスのリクエストは受け付けて貰えるのかい?」
バカップルが公衆の面前で甘ったるいやりとりを交わしている間に、超大型二脚機体は少しばかり損害を受けつつも、東東京の古豪清炎学園を圧殺完了。大勢の予想通り、南米チームはベスト8に勝ち上がった。
予想通りと言えば、私立ガンプラ学園もまた東東京の強豪陣風学園を危なげなく下し、ベスト8へ駒を進める。
バトルが終わった直後、大迫力なコスプレ女性がチームリーダーらしき日系青年へ抱きつき、人目もはばからず勝利を祝福する熱いキスをプレゼント。
「カオルコ様、チューしてますわ! チュー!」「熱烈ですわ! 情熱的ですわ!」
鼻息を荒くするマヒルとケイコ。
「はしゃがないの!」と2人を宥めるカオルコ自身もほんのり顔が赤い。
「外国の人って本当に人前でもキスするんだなぁ」と妙に落ち着いて感心するフミナ。学校の部室でチューし合う先輩達を見たことあるし。なんなら昨晩は気疲れすることもあったし。
「懐かしいですね」とエリが微笑む。「次の試合に勝ったら、私達もします?」
小学5年生の時、スミオがショップのミニ大会で優勝した際、感極まったエリが勢いでスミオに抱き着いてキスし、店内がちょっとした騒ぎになった。
「ぼくらがやったら怒られるよ、絶対」
肩を竦めて微苦笑するスミオ。
小学生の時は『微笑ましい』と大目に見られたけれど、聖鳳学園の制服を着ている今、こんな大きな大会で公然とキスなんぞしたら『けしからぬ』と学校に苦情が寄せられ、生徒指導室に呼ばれかねない。
「しかし……だいぶタネが割れたな」
スミオは控室へ去っていく南米チームを遠巻きに窺い、呟く。
南米の巨大二脚兵器ディバステイターガンダムは東東京の古豪清炎学園を蹴散らした。が、清炎学園はただやられたわけではない。あの怪物の情報をいくらか暴いている。
「まずあのデカブツは歩けるだけ、フルブーストで跳躍できるだけだ。運動性能は皆無に等しい。実質的にあの足は砲座のようなものだな。それだけに頑丈だが」
ディバステイターガンダムは大魔神である。しかし、サイコガンダムやデビルガンダムのように、巨体でありながらそれなりの機動力を有した大型機体とは違う。どちらかといえばビグザムに近い。足は二足歩行移動・運動が主目的ではなく、砲撃を支えるための砲座であり、射角や射界を迅速に変えるための装置に過ぎない。
エリは首肯し、自身の見解を紡ぐ。
「背部の巨大ミサイルポッドとビーム砲を内蔵する腕部は必ずしも重装甲じゃありませんでしたね」
清炎学園のガンダムエックスが放ったサテライトキャノンは、怪物の正面装甲を抜けなかったものの、指先から大火力のビームを放つ腕部を撃ち抜いた。どうやら排熱と冷却の関係から装甲や造りの弱い部分があるらしい。
またガンダムダブルオークアンタムのGNバスターソードによるカミカゼ突撃を受けた巨大ミサイルポッドは装甲をぶち抜かれ、誘爆。大爆発していた(それでも本体にダメージが至らない辺り、ダメコンが計算されているようだが)。
「あとは大方の予想通り、装甲の無い砲口と推力系、吸排気系が弱点だね。被弾しても致命傷にならないよう計算されているようだけど、ダメージが通る事実は大きい。要は奥まで浸透させられるかだ」
スミオは南米チームの試合内容を振り返り、呟く。
「ただ……随伴機が厄介だな」
「あの”へんなの”ですね」と頷きつつ、エリは思い返す。
なんといえば良いだろう。
初代ガンダムに登場する連邦軍の球体型棺桶ボールとジオン軍の円筒型棺桶オッゴを足したような、大きな丸目玉のボディの左右端から、ガンダムTR1ヘイズル・ウルスラのギガンティックアームみたいな巨腕を生やしていた。その大きな両腕で地面を駆け回ったり、ディバステイターガンダムの巨体にしがみついたりして、胴体に装備した武装で接近を試みる敵機を迎撃していた。
見てくれはもはやガンプラなのか怪しい代物だったが、巨大なディバインスターガンダムの直掩機としては中々に脅威だった。事実、清炎学園はこの随伴機の妨害と牽制によってデカブツの攻略に専念できず、ダブルオークアンタムはカミカゼをやる羽目になっていたのだから。
「ホシノさんのレールガンでもあのデカブツの正面装甲はおそらく抜けない。ぼくのパイルバンカーでも無理だろう。けど、今述べた弱点なら十分に可能性がある。そのためにも、随伴機の早期撃破が最低条件だな。あれの始末に手間取ると、他のチーム同じく火力と物量に押し潰される」
スミオの提示したプランにエリは頷き、興味から別の問いを投げてみた。
「あの関西三人娘さん達が相手だったら?」
「スドウさんを倒したところか。あそこも強いね」
エリの投じた問題を解くべく思考し、スミオは確認した試合映像の内容を振り返りながら、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「相手の連携を乱し、崩す。まずはそこからだな。サザキさんやスドウさんとやり合った映像を見た限りでは、付け入る隙がないわけでもない。ただ、あの地味な外装の機体。あれを操るファイターは注意が要るね」
「強いですか?」
「うん。強い」スミオは端的に即答し「サカシタさんとヤス君を倒した時の動き、スドウさんの背後を取った際の位置取りと立ち回り。彼女があのチームのエースだ。三人の連携もよく見れば、彼女が中心になっていることが分かる」
一度言葉を切り、スミオは狩人のような目つきで呟く。
「あの地味な娘を早い段階で仕留められれば……」
〇
ベスト16で大会敗退となった宮里学院の面々が悔し涙をこぼしていた。スドウ・シュンスケは涙目のサカシタ・ヨミとヤス・メグタを慰め、励まし、褒めた。そして、トイレに行くと言って控室を離れる。会場施設外へ出てベンチに腰掛ける。
スドウは両手で額を押さえて大きく、大きく息を吐いた。寒気に触れた吐息が白く煙る。
敗北の苦みと悔しさが込み上がる。力不足を痛感する。
アリサワ・スミオ率いる聖鳳学園が、全国大会で自分達を完封した我梅学院に完勝した事実にも、敗北感と悔しさを覚えていた。
何より、焦燥と危機感が生まれていた。
アリサワはファイターとして、シノダ嬢はビルダーとして、大きく成長している。チームメンバーのホシノ嬢も立派な戦力に育っている。
―――このままでは、来年の全国大会地区予選で勝てない。
来年、自分は高校三年生。高校最後の公式大会となる。なんとしても全国に行きたい。全国で勝って一回戦負けした悔しさを雪ぎたい。日本一の頂に立ちたい。
だが――――
「今のままでは、無理だ」
心情が口から溢れた。白く煙る言葉が冷たい大気に溶けていく。
後輩のサカシタもヤスも見どころある良いファイター、良いビルダーだ。しかし、いまだ多くの面で不足が否めない。もっと成長してもらわねば、もっともっと強くなってもらわねばならない。もちろん自分自身も更なる成長と実力向上が不可欠だ。
自分と仲間達がファイターとビルダー、両方で実力を高めることが理想だが……今のままで、分業して専門的に実力を伸ばしているアリサワとシノダ嬢を追い越せるか。2人だけではないホシノ嬢の成長も著しい。もはや聖鳳学園は西東京屈指の実力者だ。おそらく今戦えば、勝てない。
来年と言えば長く聞こえるが、来年の全国大会地区予選まで残された時間は6か月と少し。間に合うのか? 間に合わせられるのか?
「やぁ、こんなところで一人反省会かい?」
声を掛けられ、スドウが顔を上げてみれば、私立ガンプラ学園の制服を着た長身の若者が立っていた。いわゆる『陽キャ』チックな社交的で明るい雰囲気が伝わってくる。
「隣、いいかい?」
「かまわない」
スドウの同意を得て、ガンプラ学園の青年は拳二つ分、距離を取ってベンチへ腰かけた。
「ガンプラ学園のスガ・アキラ。よろしく」
「宮里学院のスドウ・シュンスケだ」
簡単で明快な自己紹介を交わした後、スガはポケットから缶コーヒーを取り出してスドウへ差し出し、人懐っこい笑みを浮かべた。
「飲みなよ。こんな寒空の下で考え事するなら、温かいもんをお供にした方が良い」
「……ありがたく戴こう」
スドウは缶コーヒーを受け取る。ブラックだった。プルタブを引いて口へ運ぶ。熱々とまではいかないが、温かくて美味い。
「おたくの試合見たよ。残念だったな」とスガがさらりと言った。そこには嘲りも同情もなく、ただ事実を告げる軽やかさがあった。
その言葉の軽さに釣られたのか、スドウの重たい口が開く。
「……向こうが一枚も二枚も上手だった。力負けしたよ」
「まぁ、そうだな」スガはスドウの吐露を認め「あの娘達、良い腕だった。個々の操縦技術は高いし、チームの連携練度も抜群。それにあの個性的な機体は相当な完成度だ。間違いなくこの大会の最上位層チームだろうさ」
スガは缶コーヒーを呷り、眉間に深い縦皺を刻むスドウを横目にしてから、言った。
「手加減抜きで言わせてもらうが、おたくのチームであの娘達の相手は厳しかったよ。ファイターとしてもビルダーとしても、実力に差があった」
容赦のない指摘。スドウはぐうの音も出せない。ただただ眉間の皺が深くなる。
「でも、あんたの最後の突撃。あれには驚かされた。いや、シビレたよ」
「……どういう意味だ?」予期せぬ称賛の言葉にスドウが訝る。
「俺はあの突撃が返り討ちに遭うと思った。あんたとあの娘達の実力差を考えれば、成功するはずがないってな。ところがあんたは倒せはしなかったものの、あの娘達の機体を大きく損傷させた。驚いたよ」
スガはスドウを讃えるように笑う。
「良いもん見せてもらった。その缶コーヒーをおひねりみたいなもんさ」
「あそこで彼女達を倒せていたら……俺にもっと実力があれば……」
悔恨の滲む言葉と共に、スドウの手の中で缶がべこりと悲鳴を上げる。
スガはそんなスドウを一瞥し、
「これは部外者の無責任な意見として聞いてくれよ? スドウ。試合を見た限り、あんたは良いリーダーだ。仲間をしっかり鼓舞し、指揮してる。ただ……陣頭に立って戦うには、いろいろと足りてない。相手を圧倒する操縦技術、機体性能で優る制作技術、そして多分……その両方を高めるための環境が不十分だ」
「……」スドウは反論の言葉を見つけられない。
「ウチみたいなガンプラバトルに特化した学校でも、操縦と制作の両方を成長させることは難しい。一般校じゃあ尚更だろう。勝つために分業制を選択することは、俺はアリだと思うぜ」
あくまで無責任な一意見だけどな、と最後に念押しして腰を上げた。
「気を悪くしたら謝る。ただ、あんたは実力以上の力を発揮してた。そういうことができるファイターは多くないからさ。まぁ、野暮を承知で言わせてもらったのよ」
「褒められた、と受け取るべきかな」
口端を微かに和らげたスドウへ、スガはからからと笑った。
「じゃあな。缶コーヒーの分くらい応援してくれ」
「ああ。健闘を祈る」スドウは簡素な激励を送り。
既に背を向けたスガは振り返らずにひらひらと手を振り、会場施設へ向かって去っていった。
残されたスドウは寒空を見上げて大きく深呼吸し、珈琲を飲み干して立ち上がる。手に力こめてスチール製の固い缶を握り潰し、クズカゴヘ放り込む。
まずは肩を落としているだろうサカシタとヤスへしっかり言葉を掛け、顔を挙げさせる。それから来年の全国大会に向けて採るべき選択を考えよう。
スドウはしっかりと前を向き、歩き出した。
〇
ベスト8は再抽選され、組み合わせが発表された。
「う。当たっちゃいましたね」
「ええ。当たっちゃいましたね」
「うん。当たっちゃったな」
渋面を作るフミナと困り顔を作るエリ、鼻息をつくスミオ。
対戦相手は南米から来た刺客『サウスアメリカ・モデラーズクラブ・ユース』。超巨大二脚機体と”へんなの”からなる今大会の台風その2だ。
「ステージは……地上。コロニー落下地点9。ダブリンか」
機動戦士ZZガンダムの劇中において、ネオジオンがアイルランドのダブリンにコロニーを落とした。ただし、このコロニー落としは1ストや後付けのOVA『0083』シリーズで落とされたものより被害が小さいとされている。これは連邦政府に対する示威行為が目的だったため、らしい。
「シドニーよりコロニーの原形や周辺地形がしっかり残ってるステージですね。作戦はこれまで通り、電子戦の攪乱とロングレンジの狙撃、各個撃破で行きます?」
「あのデカブツの火力は多少の電子妨害では意味がないでしょうし、多分電子戦対抗手段も装備してるはず。だから、エリ先輩は高高度からの観測と空爆。私がアウトレンジからの超長距離狙撃でまずデカブツのミサイルポッドと両手を潰します。遠間からチクチクやれば、あのへんなのを釣り出せるはず。そこを部長が叩く。どうでしょう?」
エリの問いかけにリーダーとして応え、フミナはスミオとラルさんに問う。
「悪くないと思う。もう一工夫加えて、コロニーを利用してはどうかな」
ラルさんが言った。
「アジアカップでスミオ君が見せたように、コロニーの残骸や瓦礫は遮蔽物や掩体として効果的だからな」
「賛成です。コロニーの残骸はデカブツが進入できない鼠の穴として使いましょう」
スミオの同意を受け、フミナは面々へ言った。
「じゃあ、ラルさんの案を加えた修正案は、エリ先輩が高高度から空爆。私がコロニーの残骸から狙撃。部長が前衛で直掩のへんなのを釣り出して各個撃破。それからデカブツを皆で袋叩き。それで良いですか?」
スミオとエリは首肯し、試合に向けて愛機の兵装を手早く変更させていく。
エリは自衛用短距離ミサイルと長射程ミサイルを外し、スケールモデルから転用した2000ポンド級の自動識別誘導式滑空爆弾とサーモバリック爆弾を搭載。
スミオは右手に大型ビームライフル。左手にパイルバンカー。両肩にミサイル。
「先の試合を見た限り、あのへんなのを操るファイター2人の操縦技術は上の下程度だ。倒せない相手じゃない。デカブツのファイターはそこそこ腕が立つが、あの機体では出来ることが限られる。懐に潜り込み、パイルバンカーで”耕して”やろう」
狩人のような冷たく危険な微笑を浮かべる恋人を前にし、エリは密やかに、かつ強く思う。今のスー君にめちゃくちゃに犯されたい。
エリが澄まし顔の裏で淫魔染みた性衝動を悶えさせているなどと露ほども思わず、スミオは言った。
「そろそろ時間だ。行こう」
「「はい!」」
エリとフミナは愛機を手に頷き、ラルさんが三人へ発破をかける。
「相手の巨大さに呑まれないようにな。常に冷静さを保ち、勝機を掴み取るんだ」
「「「はいっ!」」」
聖鳳学園ガンプラバトル部の三人はスミオを先頭に控室を出て、係員の案内に従って通路を進んで会場に向かう。
ベスト8。優勝候補が絞られたこともあり、運営による選手インタビューが行われるらしい。後日配信されるという予選大会動画や本選開催時の動画用の素材集めといったところか。
先にインタビューを受けた南米チーム『サウスアメリカ・モデラーズクラブ・ユース』はチームリーダーの日系青年ダニエル・ナカソネがダイナマイトなスタイルのコスプレ娘を脇に侍らせつつ、得意顔でぺらぺらと話している。南米スパニッシュでも日本語でもなくアメリカ英語で。青年の背後でメスティソ青年2人がなぜか禅僧みたいな表情を浮かべていた。
スミオはその様子を観察し、微かに目を細めた。なるほど。チーム内の人間関係は良好に非ずか。使えるか? 使えるならどう利用するか。
人の悪いことを考えているうちにインタビュアーがスミオ達へマイクを向けた。
「次は聖鳳学園ガンプラバトル部の皆さんです! まずは自己紹介をお願いします!」
スミオはそつなく答え、エリはやや気後れ気味に応じ、フミナは緊張ありありで名乗る。
無難な受け答えでインタビューをやり過ごし、係員がバトルユニットの設定と準備を進めている中。
ダニエル・ナカソネがエリとフミナをじっくりねっとりと見回し、言った。
「そっちは選外だな」
「……は?」いきなり選外とか言われたエリは目を瞬かせ、次いでスミオも聞いたことがないほど低い声をこぼした。
そんなエリの反応を無視し、ダニエル・ナカソネはフミナへ問うた。
「君、”幼い”な。歳はいくつだ?」
「え? 14歳、ですけど……?」怪訝そうにフミナが答えれば。
「ふーむ……」ダニエル・ナカソネはフミナの胸元と腰回りをねっとりと見つめ「14。期待が持てそうだな」と呟き「将来、海外留学する気があるなら連絡してこい。俺が直々に手ほどきしてやろう」
「……は?」あまりにも不躾に粉を掛けられ、フミナは普段から想像も付かないほど低い声が出た。
「試合開始直前にトラッシュトークか? 品が無いな」
微かに青筋を浮かべたスミオが睨みつけるも、
「試合前だからこそだ。試合後では敗北に打ちひしがれて会話にならないだろう?」
ダニエル・ナカソネは心底『親切心からこのように振る舞った』と言いたげに微笑む。
「おい、何やってんだ!?」「試合前だぞ自重しろよ!」と仲間2人が慌てて割って入り、自分達のユニットブースへ引きずっていく。
「「「……」」」
聖鳳学園ガンプラバトル部の三人は互いの顔を見合わせた後、フミナが口を開く。
「……この試合、絶対に勝ちますよ」
「当然です」エリは照明を浴びた眼鏡を光らせながら答え。
「ああ。必ず勝つ」スミオは人食い鮫みたいな目つきで応じた。
かくしてベスト8の幕が上がる。
Tips
スドウ・シュンスケ
原作キャラ。シリーズ前半のボスキャラといって良いだろう。なぜか拙作では非常に高く評価されている。作者もどうしてこうなったのか、よく分からない。
スガ・アキラ
初代ガンダムに登場するスレッガー・ロウがモデルの原作キャラ。原作通りなら、来年、私立ガンプラ学園を離れて宮里学院に転校する。
ダニエル・ナカソネ
オリキャラ。南米のチーム『サウスアメリカン・モデラーズクラブ・ユース』のリーダーを務める日系ヒスパニックの青年。実家が裕福で、本人は性欲ツヨツヨで傲慢。
好みは爆乳とデカ尻。
へんなの。
オリ機体。元ネタはACVDに登場した特殊機体To-605。作中においてマギーが「へんなの」、ファットマンは『一つ目』と評している。
本作では連邦軍の球型棺桶ことボールに巨腕を引っ付けたようなオリジナル機体。
ダニエルの超巨大二脚機ディバステイターガンダムの直掩を担う。
エリが選外の理由。
乳も尻もダニエルの基準に満たない。選外。
フミナが選考に残った理由。
アニメでは作画によっては胸が大きくなったりするから