エンデヴァーに転生したならエッチしまくるしかない。 作:れとろ
冷と結婚してから、五年という歳月が過ぎた。
夫婦から家族と言えるようになったと思う。まず冷と二人で一年程暮らしたマンションから引っ越した。
新居は庭付きの二階建て日本家屋で、ちょっとした板張りの道場まである。
庭には冷の好きな花をコレでもかと花壇に植えてあって、滅茶苦茶広いけれど。我が家は毎日本当に騒がしい。
なんせ今は子供が二人もいるんだ。
長男の燈矢と、長女の冬美。
二人とも本当に可愛くてしょうがない。
名前は冷に付けてもらった。
一目見て炎熱系個性だと思ったから、本当は「一」と書いてエースとでも名付けようかと思ったけど、
冷なら原作の名前を付けてくれるんじゃないか……と思ってやめた。
そもそも名前を正確に覚えていなかったし、確かめようもなかった。
……もしかして焦凍君じゃないよね? まぁいいか。
とにかく、俺に顔が似ないで本当に良かったと心から思う。
二歳差の兄妹で、五歳の燈矢は俺と同じ赤い髪。
冬美は冷に似た白髪だけど、メッシュのように赤い毛も混じっている。
二人とも本当に可愛い。子供が産まれてからの夜の生活は……あれだけ性欲が煮えたぎっていた俺だったのに、
燈矢が生まれてからは徐々に減っていき、冬美が生まれてからは、肉欲よりも父性が勝っている気がする。
その代わり、というか、冷の肉欲は年々上がっている気がしてならない。
毎晩求められるけど、正直勘弁してほしいと思う今日この頃だ。
そんな俺は今、一つ悩みを抱えている。
それは、長男・燈矢のことだ。
俺のヒーローとしての活躍をテレビで見たり、冷から聞いたりして、
ある日突然こう言ってくれた。
「お父さんみたいなヒーローになりたい」
滅茶苦茶嬉しかったな。
俺は欲に塗れた不純な動機でヒーローになったけど、
燈矢なら志の高い、本物のヒーローになれると思った。
ごっこ遊びの延長で軽く稽古をつけてやったところ、
燈矢は天才だった。
個性が発現したばかりなのに、俺が同じ歳の頃よりも遥かに高火力な炎を出していた。
嬉しくて嬉しくて、つい煽てに煽て上げて本格的な鍛錬を始めた矢先のことだった。
「っあちっ……」
鍛錬中にそんな声を上げた燈矢に近づいて見てみると、
小さな手に火傷ができていた。
あり得ないことだった。
本来、炎熱系の個性を持っていれば、炎の温度に耐え得る肉体もセットで備わっているはずだ。
俺は最初、幼い燈矢の身体がまだ個性の出力に追いついていないだけだと思っていた。
けれど、燈矢は炎を出すたびに頻繁に火傷をするようになった。
心配した俺と冷は、燈矢を検査のために病院へ連れて行った。
****
診察室で冷と並んで座っていると、医者が気まずそうな顔で検査結果の紙を眺めながら話し始めた。
「珍しい例ですね。炎の個性因子はより色濃く引き継がれているのですが、肉体はお母さんの方を強く引き継いでしまっていますね」
「と言うと?」
「つまり、炎への耐性よりも氷結や寒さに適性のある身体なんです。まぁ……デザインじみた事はね、この個性時代、禁忌なんでやめといた方がいいかと……」
「っ! 燈矢は、うちの子は禁忌なんかじゃありません‼︎
デザインだなんて……ただ自然の営みの中で……!」
医者の「デザイナーベビー」発言に冷が激昂した。
俺は慌てて冷の肩に手を置き、声を抑えた。
「まぁまぁ、落ちつけ冷」
医者の言葉に腹は立つが、致し方ない部分もある。
面と向かって言われると、さすがに胸がざわつく。
でも、俺は子供を選別するために冷と結婚したんじゃない。
エッチなことがしたくて、冷を抱きたくて結婚したんだ…………最低かもしれないが、個性婚よりはマシだろう。
「失礼しました……ともかく、燈矢くんにはなるべく個性を使わせないでください。最悪、自分の炎に焼かれて大ケガをしてしまいます」
医者のその言葉を最後に、俺たちは病院を出て家に帰った。
それからというもの、俺は燈矢の将来のことを常に考えている。
冬美にご飯を食べさせているときも、仕事中も、
冷に搾られている最中ですら、頭の片隅に燈矢のことが浮かぶ。
今日も朝、仕事に出かける前に、燈矢に言われた。
「ねぇどうしてさ! 帰ったら、個性訓練付き合ってよ! 何で急にダメとか言うんだよ!」
俺はできるだけ優しい声で答えた。
「ダメな訳じゃない……父さんもお前のことを考えているから。少し時間をくれ」
燈矢は不満そうな顔をしながらも、
「わかった……」と小さく頷いてくれた。
****
事務所から帰宅し、自室で今日も燈矢の事をどうするか考えていた。
医者はあまり個性を使わせるなと言ったが、燈矢は無理に辞めろと言って素直に聞くタチじゃない。
それに、ある種の確信めいた事も感じている。
あまり知らない原作で焦凍くんがヒーローになる理由だ。
恐らく焦凍くんはDVばかりのエンデヴァーでは無く兄でありヒーローの燈矢に憧れてヒーローを目指していたのでは?
そうで無ければヒーローを目指す理由がない。
メタ的な考えだが、原作で燈矢がヒーローになっていると言う事は、この状況を解決する方法もあるって事だろう。
優秀な脳味噌で考えろ。中身がタダの変態でも此処まで来れたのはエンデヴァーの肉体のお陰だ。
ソフトがポンコツでもハードの性能で何とかやってこれた。考えろ、何か方法を。
襖が開く音がして視線を向けると、夜食を持った冷が立っていた。
「貴方、夜食をもってきたわ」
「ありがとう」
夜食を乗せたお盆を俺の前の畳に置くと、冷が隣に座り身を寄せてくる。
「悩んでいるのね」
「あぁ……何とかしてやりたくてな。出来たばかりのあいつの夢を否定したくはない」
「そうね、でも母としては余りあの子に怪我をして欲しくないの」
「それは俺も同じさ…どうすっかなぁ」
「貴方もあまり無理はしないでね」
冷が心配そうに見つめて来るが、その手はさっきから俺のイチモツをズボン越しに摩っているんですが。
「………冷、すまないが今はそうな気分じゃ…」
「そう?でも段々、硬くなって来てるけど」
「生理現象だ。なぁ、冷…最近、性欲が強くなってないか?」
そう言うと冷はニコりと笑う。
「貴方のせいよ。結婚してから毎日、私に色んな事をしてくれたじゃない。私を変えた責任は取って貰わないと」
「いや、でも子供達も」
「バレない様に隠れてスるのも興奮するわよね」
………ダメだ、この淫獣を早く何とかしないと。
俺の責任なのは重々承知してるが、こんな立派な変態になるとは予想外だったよ。
家族の記録用に買ったカメラもハメ撮り用だと嬉しそうに勘違いしてたし。
実際、冷に強請られて用途の半分はハメ撮りになってしまっている。
冷もノリノリで、良く行ってエロい、下品な下着を着て。色んなポーズを取ってくれたよ、自発的にな。
燈矢がまだ一歳の頃。布団で眠る燈矢に冷が全裸で跨り。笑顔でダブルピースをする写真は金庫の中に厳重に閉まってあります。そんな写真ばっかだな。
そんな事を考えている内に冷が両腕を俺の首に回ししな垂れかかってきた。
「ねぇ♡ 貴方……いいでしょ? 気持ちいい事しましょう♡ ……嗅いでよ…私のアナル…癖になっちゃったの」
……すまん燈矢…お前の事は父さん、本当に考えているからな‼︎
****
顔面騎乗で散々に顔にアナルを擦り付けられ、チングリ返しで足を抱えられ、冷が満足するまで犯された俺は、同じ布団の隣で眠る冷に腕枕をしながら、搾りに搾られて賢者タイムを迎えた、冴えた頭で考える。
それは燈矢の事でもあり、この世界の個性と呼ばれる超常の力の事だ。
世界総人口の八割が何かしらの個性を持ち、それらは主に三種類に大別されている——発動型・変形型・異形型の三種に、それらの特徴を合わせ持つ複合型だが。
この世界で生きて26年になるが、この割り振りは結構いい加減なものに見える。
まず異形型と呼ばれる人達でも、その異形である姿と能力としての個性が合っていない人達がいる。
外見と能力的な繋がりが無いんだ。
何故、その能力でその外見である必要があるのか。
俺が思うに、個性は原則として一人に一つだが、大多数の人間が潜在的に複数の個性を保有しているのでは?
燈矢を見ていて、つくづく思う。
なにより髪の毛だ。自然に此処まで赤い髪の人間が産まれるものか?
それは冬美にも言える。白髪に所々に混じる赤い毛。
超常の発現以前の人類にはあり得ない特性だろ。
話を燈矢に戻そう。
医者は俺の炎の個性因子を色濃く引き継いでいるが、肉体は冷のものを強く引き継いでいる。と言っていた。
ようは冷の様に氷は生み出せないが、低温耐性が強いと。
そんなの個性じゃないか?
普通の人間は低温耐性なんて持っていない。
つまり燈矢は個性を二つ持っている。ただ食い合わせが悪いだけだ。
………燈矢の低温耐性が氷叢の特性を色濃く引き継いでいるなら…………
コレなら何とかなりそうだ。
****
数日して俺は燈矢を家の鍛錬場に呼び出した。
「どうしたのお父さん? 訓練つけてくれるの⁈」
「まぁ、座れ燈矢」
期待の顔をする燈矢を座らせ、俺もその前に座る。
「燈矢……お前、また個性を使ったな…火傷が増えているぞ」
「うぅ…だって、ヒーローになりたいんだもん…個性使わないとヒーローになれないじゃんか!」
「……お前のその個性はお前自身さえ焼いてしまう個性だ、いくら訓練を積んでも治しようがないものだ」
そう言うと燈矢は立ち上がって目に涙を溜めながら俺を睨みつけてくる。
「だったらなんなの?お父さんは僕にヒーローになるなって言うの?」
「そんなにヒーローになりたいか?……ヒーローになるなら個性を使わないと言う選択肢は取れない、自分の力を出し切って敵と戦う必要がある。その火傷とは一生の付き合いになるぞ? ヒーローになる以上は泣き言は無しだ。火傷が怖いから本気を出さないだと話にならないぞ?それでもなりたいか?」
俺が強く覚悟を問うたら燈矢は小さな拳を握りしめプルプルと震えながらも頷いた。
「……それでも、なりたいよ!」
………はぁ、此処まで言われたら俺も応えてやらないとな。
「分かった……なら、父さんが稽古を付けてやる」
「……へ? いいの?」
唖然とする燈矢に「ただし」と言い肩を掴み目を合わせる。
「お前がヒーローになったら、いつか必ず強敵とぶつかる時が来るかも知れない。今の自分の力では如何する事も出来ない敵と。だからその時までお前の限界を決して超えてくれるな。常に個性を抑えろ」
「…でもお父さん、火傷が怖くてヒーローは出来ないって」
「ああ、言った。だがそれでもだ。お前の火力は高過ぎる。……だから自分ルールだ!」
「自分ルール?」
ガイ先生……俺が此処まで努力して来れたのは冷への欲望と先生の名言集のお陰だ。だから次は俺の息子に先生の言葉を贈らせてくれ。
「お前が本気の高火力を出す時は。自分の大切なものを死んでも守り抜く時だけだ! このルールを守れないなら、お前をヒーローに育てる事はしない。いいな?」
「っ自分の大切なものを死んでも守り抜く時………わかった‼︎ 自分ルール、絶対に守るよ!」
決意を固めた燈矢にホッとしながら頭を撫でてやる。
「…なら訓練は一週間後だ‼︎」
「ええ⁈ 今からじゃないの⁈」
「まあ待て、今お前の為にいい物を作らせてるから」
「いい物って?」
「来てからのお楽しみだ」
そう言って不満気な燈矢を返し訓練の内容を考える。
燈矢に言ったいい物とはサポートアイテムだ。
炎熱系個性は俺も含めて熱が身体に溜まると能力が落ちる。それを解消する冷却装置は既にある。
が、俺は知り合いのサポートアイテム会社の社長に連絡して特注品を作らせている。通常の冷却装置の数倍は強力な奴だ並の人間が使えば低体温症になるレベルの。
だが燈矢は冷の低温耐性を受け継いでいる。充分に耐えられる筈だ。
熱いなら冷ます。ゴリ押しもいいとこだがシンプル・イズ・ベストだ
身体が火傷するほどの熱なら更に上から冷やしてやるよ。
燈矢、訓練は辛いと思うが、がんばれよ‼︎