無法都市の最高級遊郭『雪狐楼』。
ヒョロとジャガは偽チケットでつまみ出されたが、僕は何故かVIPルームに通された。
「こちらでお待ちください」
「うん」
外から見て想像は付いていたけど、中も純和風な遊郭なんだな。
ベッドだけは和風と言うより中華っぽいけど。
「お待たせ致しました」
「あれ、君は……」
確かユキメの横にいつも控えていた秘書っぽい獣人の子だ。
「ナツと申します。ユキメ様は湯浴みしてから来られると言うことで、それまでは私がお相手させていただきます」
「あ、そうなんだ」
遊郭に来たのに知り合いとお茶飲むだけなのか。
いや、それも遊郭の一つの楽しみ方なのか?
無料のVIPルームだし、脱童貞まで望むのは野暮ってもんだな。
僕は椅子に座ってお茶菓子を摘まむ。
「うん、美味い……何してるの?」
「んちゅ……ちゅ……」
獣人の子はひざまずいて僕のズボンとパンツを下げ、息子を舐めていた。
……めっちゃ気持ち良いな……じゃなくて。これってフェラチオだよな?
「んちゅ……んん……れろれろ……ちゅ……ちゅ……んふ……」
大きくなった僕の息子を、唾液を絡ませながら頭を動かしてピストンしている。
「うっ……出るっ!」
「んん——……」
一分もせずに見事に大量射精してしまった。
この子のフェラ、童貞には刺激が強すぎる……というか、転生してから始めて射精したな。
ずっと魔力鍛錬しかしてこなかったから、今世ではオナニーすらしたことがなかったのだ。
「ん……シャドウ様の精子……美味しいです……お掃除しますね……んちゅ……」
「おっ……」
精液を吸い出すようなフェラ。
情けないと思うが、お掃除フェラの最中に五回も射精してしまった。
魔力でガードすれば射精せずに済むだろうが、それでは『陰の実力者』とはいえない。
生身でも全てを跳ね返せる実力があるからこそ『陰の実力者』が輝くのだ。こんなところで魔力を使って快感に抗うようでは失格——おう!?
「んん……んぐ、んぐ……ジュルルルル……ちゅ♡」
「す、すごいな……これが、プロの……」
「私などユキメ様の足下にも及びません。本当はこの逞しい竿と美味なる精液を中に欲しかったのですが、ユキメ様が——」
「そこまででありんす」
ナツが下がると、妙に色っぽい和服に身を包んだユキメが姿を見せた。
「後はわっちがシャドウはんの相手を致しんす。ナツは下がりなんし」
「はっ」
獣人の子が下がると、雪のような白い肌を覗かせたユキメが艶然と微笑む。
「久しぶりでありんすな、シャドウはん」
「あ、ああ、久しぶり……」
なんとか返事を返したが、僕は射精のし過ぎで少しぼーっとしていた。
「ずいぶんとあの子に絞られたみたいでありんすな」
「ふっ……単なる前座に過ぎない……」
ちょっと腰がガクガクしてるけど。
「ようやく……ようやくシャドウはんと一つに……」
ユキメは色っぽく舌を出すと、僕の股間に顔を近づけて息子をペロッと舐める。
「うぐっ!?」
一舐めで大量射精してしまった。大賢者タイム中なのに……。
「ふふ……元気でよろしいありんすなぁ。とても濃くて、とても美味しい、極上の精でありんす……ぺろ……」
舌を出して精液を味わう姿は、それだけで全身にぶっかけてしまう程に扇情的だった。
「これからでありんすよ」
艶めかしい色っぽい仕草で和服をスルッと脱ぐと、雪のように透き通った肌が露わになり、甘い匂いが漂ってくる。
「うっ!?」
その姿を見ただけでまた射精してしまった。
……くそ、どうなってるんだ、これは!?
今まで女性の裸を見ても特に思うところはなかった。
アルファ達とは一緒に何度もお風呂に入ったが、軽く勃起はしてもギンギンに勃起することはなかったし、射精することなんて当然一度もなかった。
しかし今はタガが外れたように、ユキメの仕草一つ一つで射精してしまう。
これでは童貞と言うより単なる早漏男。童貞の中でも底辺と言えるレベルだ。陰の実力者たるこの僕が……。
「安心なんし。わっちのこれは欲情させる手管でありんす。これで殿方が昂りもせず、果てもせえへんかったら、わっちの人生の全否定でありんす」
「はうっ!?」
首筋をそっと撫でられてまた全力射精。
「それにしても、これだけ注いでもまだ濃さが変わらぬとは、シャドウはんは精力も化け物でありんすねぇ……んちゅ……」
「ぐうッ!?」
息子を咥えられてまたまた全力射精。
「夜は始まったばかりでありんす。シャドウはんの技術と精力、存分に味あわせてもらいんす」
「ちょ、うおッ!?」
対面座位で挿入させられて無事に脱童貞を果たしたが、その結果は挿入途中で果てるという惨めなものだった。
「ああん……すっごく熱いでありんす、シャドウはんの精は。女を孕ませる極上の代物でありんす♡」
「うっ、また出る!!」
「んっ、子宮に直接♡ ふふ……やっと一つになれたでありんす。今夜は逃がしんせんよ♡」
「う、動かないでくれ、ぐうっ!?」
「無敵のシャドウはんがわっちの中で情けなく悶える……心地よいでありんす……昂りんすなぁ♡」
室内には僕の呻き声とユキメの喘ぎ声が響き、腰を打ち付ける音は翌朝まで鳴り続けるのだった。
***
「ありがとうございました〜」
翌朝。
僕はふらふらになって『雪狐楼』から出てきた。
何百、何千発射精したんだろうか……記憶がハッキリしない。
「くっ……この俺が、こんなところで……」
店の前で情けなく膝を突く。
その目の前ではヒョロとジャガが欠丸出しで地面とキッスしていた。
昨晩、店を追い出されてからずっとこの状態で気を失っていたらしい。
お尻が真っ赤に腫れてたっぷりと精液がかかっている。
……うん、ヒョロとジャガも無事に『卒業』できたようで何よりである。
仲間だと思われるのは嫌だし、さっさと帰るとしよう。
僕は魔力で身体を動かし、素早くその場を後にした。
***
自宅には帰らず、今日はミツゴシホテルに泊まることにした。
檜風呂温泉や泡風呂、マッサージでリフレッシュしたいと考えたからだ。
ここはVIP専用らしいけど、僕は顔パスな上に無期限のツケ払いが出来るようなので遠慮なく利用させてもらってる。
「ふ〜〜〜……」
檜風呂にゆったり浸かり、大きく息を吐く。
……それにしても参った。
陰の実力者プレイの質を高めるために、軽い気持ちで脱童貞しようとしたはずなのに、ユキメというネームドキャラで脱童貞するとは思わなかった。
しかも足腰が立たなくなるまで一方的に搾り取られて終わるとは……想定外にも程がある。
本当は相手女性とベッドで座りながら、ワイン片手に「こんな朝も悪くない……」とポーズを決める予定だったのに、枯れ木のようになって退出するなんて陰の実力者失格だ。
「……鍛え直すか」
圧倒的強者の『陰の実力者』は戦闘力だけあってもダメなのだ。
戦闘で無双するミステリな存在であると同時に、夜の生活においても無双でなければならない。
戦場でどれだけ華やかに活躍しようと、その裏で枯れ木状態では『陰の実力者』とは言えない。
「うーむ……」
問題は誰を相手にして修行するかということだが……。
ぱっと思いつくのは七陰のみんな。
僕の言うことになんだかんだ言って従ってくれるし、陰の実力者プレイにも長年付き合ってくれてる、軽い本音をぶつけられる唯一の存在だ。
ただ……彼女たちだと勃起しないのが大きな問題だ。
僕は自分がインポなんじゃないかと心配していたが、ユキメたちのお陰でその疑念は払拭された。エロければ勃起するし、気持ちよければ射精もする。
しかし、七陰の裸は何度も見てるが勃起したことがない。
ベータとかイプシロンがお風呂でやたら胸を押し付けてくるけど、半勃起はしてもフル勃起はしない。
息子を剥かれて洗われたこともあるけど、生理現象で半勃起しただけでエロくは思わなかった。
「困った……」
あとの知り合いの女性と言えば……アレクシアか?
却下。
ローズ先輩は……保留。
姉さんはあり得ない。
シェリーは……どうでもいいいな。
あとは……ニーナ先輩、ベアトリクスさん、クリスティーナさん……ララノアぐらいか?
誰もピンとこない。
女性関係の知り合いは多いけど、エロく見れない相手だったり、性格に難がありそうな知り合いばかりだ。
類は友を呼ぶと言うが、僕の場合は当てはまってないな。
もっとモブらしい女友達がいてもいいだろう。
「お疲れ様、シャドウ」
「ん? アルファか?」
湯気の向こうにアルファの身体のラインが見える。
「いいかしら?」
「うん、いいよ」
タオルで胸を隠したアルファの姿がゆっくり近づいてくる。
「……ん?」
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
息子がちょっとピクピクしてる。
これまでほぼ無反応だった息子がちょっと興奮気味だ。
「ふぅ……」
アルファはシャワーで軽く汗を流すと、僕の湯船に入ってくる。
「無法都市までユキメに会いに行ったらしいわね」
「まあ、友人に誘われてね」
「しかもユキメに抱かれてきたとか」
「なりゆきでね」
「酷いわね。ずっとあなたに尽くしてきた私たちではなく、ユキメを最初に抱くなくて」
「深い意味はないよ。さっきも言ったけどなりゆきだった」
「あなたには深い意図があってユキメを抱いたんでしょうけど……」
「ないよ」
「それでも……嫉妬してしまうのよ」
湯船の中でアルファがゆっくりと近づいてきて、その頭を僕の肩に預けてくる。
「私はシャドウのためならなんでもするわ。全てを敵に回しても、私はあなたのために動く」
「うん」
「だから……私も抱いて」
「うん…………え?」
アルファの手が僕の息子を優しくなで上げ、亀頭をくりくりする。
「……初めて大きくしてくれたわね。私を女として見てくれてるって事かしら?」
自分でもビックリだ。
これまで色々なことをされてきたけど、アルファでこんなに勃起したのは初めてだ。
ユキメに抱かれたせいで異性へのガードラインが変化したのか?
「これがシャドウの本気なのね……素敵……」
アルファは僕の息子に視線が釘付けだが、僕はアルファの豊満な胸に釘付けだった。
薄ピンク色の乳首が勃起し、ちょっとだけピクピク動いている。
綺麗だ——そう思ったら、自然とその胸に手が伸びていた。
「あっ……嬉しい……やっと……ん——」
自然と唇が重なった。
アルファの舌が僕の口の中をなめ回し、舌を愛撫してくる。
……気持ち良いな。ユキメやその部下とは違った優しさがある。
しばらくキスを味わってると、手でいじくり回されていた息子が白い液体を湯船に放出する。
「んちゅ……私で気持ちよくなってくれたね……ん……ペロ——」
湯船に漂う精液をすくい取ると、それを舐めとり、くいっと飲み干す。
「美味しいわ……凄く……想像していたより、ずっと……」
アルファは疼く身体をからく慰めると、湯船の縁に座って足を広げ、秘部を両手で広げる。
それ綺麗なピンク色をしており、愛液の光が反射してすごく美しかった。
「シャドウ……舐めて……私のここを……」
「ああ……」
吸い付けられるようにアルファの割れ目に舌を這わすと、べろっと舐める。
「ああんっ♡」
甘塩っぱくってすごく良い香りの愛液だった。
クリトリスを何度か舐めるとさらに愛液が溢れてくる。
「あ……んんっ……んくッ♡」
アルファの身体がビクつき、軽く潮を噴く。
「イッたのか……?」
「はぁ、はぁ……ええ、イッたわ。やっとこの日が来たと思ったら嬉しくて、嬉しくて……グス……」
アルファの涙を見たのは初めてだった。
いつも凜としていて気丈な彼女は、悔しい顔や怒った顔を見せることはあっても、泣き顔だけは決して見せることはなかった。
「……すまない。待たせてしまったようだ」
ここはカッコ良く、アルファの好きなシャドウモードで行こうと決める。
「……嬉しいわ。ユキメに先を越されてしまったのは悔しいけど、シャドウがこうして私を女としてみてくれるなら……どうでもいいわ……ちゅ……」
再び交わされる恋人のようなキス。
まるで青春漫画のワンシーンだ。お風呂で全裸ということを除けば。
「ん……ちゅ……ふう。本当は今すぐにでも抱いてほしい……」
「ダメなのか?」
俺はこのまま挿入する気満々だった。
ここまで気分を高めおいてお預けは生殺しだと思う。
「ここじゃ嫌なの。初めてはあの場所でって決めてるから」
「あの場所?」
「もしも私を本気で抱いてくれるなら……明日の夜、本拠地まで来て。そこであなたが来るのを待ってるわ。ずっと……」
「ああ、わかった。明日、必ず行こう。アルファと結ばれるために」
「シャドウ……愛してるわ」
抱きしめ、唇を重ねる。
なんか恋人オーラ全開だけど、これも気分を盛り上げるための演出なんだろうな。
まあ、アルファで勃起できるとわかった今、その演技には幾らでも付き合うさ。恋人でも新婚夫婦でも演じきってみせる。
陰の実力者プレイを、前世と合わせて三十年近くやって来た演技力は伊達じゃない。