シャルティアになった私はモモンガ様とイチャラブエロする 作:カルマ値 中立
「……面を上げよ」
全員が面を上げると、絶望のオーラを出すモモンガ様が立っていた
「よく集まってくれた。感謝しよう」
「「ああ……」」
「感謝など勿体無い!我らモモンガ様にこの身を捧げた者達。モモンガ様達からすれば、取るに足らない者でしょう。しかしながら、我らの造物主たる至高の御方々に恥じぬ働きを誓います」
「「「「「「「誓います」」」」」」」
少し間をおいて
「素晴らしいぞ!守護者達よ!お前達ならば、失態なく事を運べると強く確信した!」
その言葉に歓喜する一同
「さて、現在ナザリック地下大墳墓は原因不明の事態に見舞われている。セバスに捜索させているのだが…」
モモンガさんが横を見るとセバスが戻って来て、そこに立っていた
「草原?」
「はい……かつてナザリック地下大墳墓があった沼地とは全く異なり、周囲一キロに人工建築物、人型生物およびモンスターの類は一切確認できませんでした」
「ご苦労だったセバス。ナザリックが何らかの理由で何処か不明の地へ転移してしまったのは間違いないようだな」
その報告を聞き終えると
「守護者統括のアルベド、ならびに防衛戦の責任者であるデミウルゴス」
「「ハッ」」
「両者の責任の元で、より完璧な情報共有システムを作り、警護を厚くせよ!」
「「「「「「「ハッ!」」」」」」」
本来ならここで、モモンガ様はマーレにナザリックの隠蔽は可能かと聞くが
「モモンガ様」
私が、静かに手を上げた
「……発言の許可を、いただけありんすか?」
場の視線が一斉に彼女へと集まる
「許可する。述べよ、シャルティア」
モモンガはわずかに顎を引いた
「はっ!」
恭しく頭を垂れた後、ゆっくりと顔を上げた
「アウラより伺いました。モモンガ様が闘技場にて、魔法の実験を行われたと」
「(ああ、あれか……)」
モモンガの脳裏に、先ほどの検証がよぎる。
「うむ。事実だ」
「それをお聞きし、僭越ながら思いましたでありんす」
シャルティアは一歩前へ進む。
「我ら守護者においても――同様の確認を行うべきではないかと」
空気がわずかに揺れる
「魔法、及びスキル。それらがこの世界において、どのように作用するのか」
彼女の声音は、どこまでも真剣だった
「……お言葉ですが」
静かに口を開いたのはアルベドである。その声音は穏やかでありながら、どこか慎重さを含んでいた。
「そのような実験……果たして必要でしょうか」
場の空気がわずかに張り詰める
「我らは至高の御方々に創造された存在。力において劣るなど、考える余地すらございません。現にナザリックは無敵であり、モモンガ様もまた絶対の御力をお持ちです」
彼女の瞳は主へと向けられている。そこにあるのは疑念ではない――むしろ過剰なまでの確信だった
「であれば、わざわざ危険を伴う検証を行う必要はないのではないかと……私は愚考いたします」
沈黙。
その言葉は、他の守護者たちの内心を代弁している部分もあった
デミウルゴスは腕を組みながら、わずかに目を細める。コキュートスは静かに佇み、アウラとマーレもまた判断を保留するように視線を落とした
「それは違うでありんす!」
はっきりとした声が響き、アルベドを真っ直ぐ見据えた
「アルベドのお考えは理解できるでありんす。いえ、むしろ当然のものと言えるでありんしょう」
丁寧な口調。しかし、その奥には鋭さがあった
「我らは至高の御方々に創造された存在。ゆえに、他者に劣るなどあり得ない――その認識は、ある意味では正しいでありんす」
一瞬の間。
「ですが」
その一言で空気が変わる
「――その当然こそが、最も危険なのではありんす!」
ざわり、と場が揺れ、アルベドの瞳がわずかに細められる。
「どういう意味でしょうか、シャルティア」
「そのままの意味でありんす」
私は静かに言葉を重ねる
「我らは確かに至高の御方々に創られました。しかし――ここはユグドラシルではありんせん!」
その言葉は重かった
「この世界における強さの基準、魔法の挙動、スキルの発動条件――それらすべてが未確認でありんす」
デミウルゴスの表情がわずかに引き締まる
「確かに……完全なデータは存在しておりませんな」
シャルティアは頷く
「はい。にもかかわらず、我らは強いはずだと信じてありんす」
「それは事実でしょう」
アルベドが即座に返す。しかし私は首を横に振った
「……事実である可能性”と確認された事実は別物にありんす」
その一言は鋭く突き刺さった
「もし……仮に」
私はゆっくりと言葉を選ぶ
「この世界において、我らの力が完全には再現されていなかった場合はどうなるでありんす?」
沈黙が落ちる
「あるいは、スキルの発動に制限があった場合。あるいは、未知の法則により弱体化していた場合」
誰も答えない
「それでもなお、我らは強いから大丈夫だと考えるのであれば――」
彼女は一瞬だけ目を伏せ、
「それは……傲慢ではないでしょうか」
その言葉は、静かに、しかし確実に場を揺らした
「……傲慢、ですって?」
アルベドの呼吸がわずかに乱れる
「そうでありんす」
ためらわないで言う
「至高の御方々に創られた存在であるがゆえに、他者に劣るはずがない――その潜在意識」
「それ自体が、思考停止を招く危険性を孕んでいると、私は考えるでありんす」
「……なるほど。確かに、それは否定できませんな」
デミウルゴスが目を閉じた
「……言われてみれば、ちゃんと試してないもんね」
アウラも小さく呟き、マーレも不安げに頷いた
「……油断は、死を招く」
コキュートスは低く言う
「我らが強いことに疑いはありません。しかし、確認せずに信じることと、確認した上で理解することは、まったく別でありんす」
そして、ゆっくりと玉座を見上げる
「もし、その傲慢が原因で――モモンガ様に危険が及ぶようなことがあれば」
その声には、ほんのわずかな怒気すら含まれていた
「それは、我ら守護者の失態でありんすわ」
完全な静寂。誰も言葉を発することができなかった
「……」
アルベドはゆっくりと目を閉じる。
「……まさか、貴方に言われるとはね……」
深く頭を垂れた
「至高の御方々の御威光に甘え、確認を怠ろうとした……その通り、傲慢であったかもしれません」
デミウルゴスもまた頭を下げる
「お恥ずかしい限りです。合理を重んじるべき私が、前提を疑うことを怠っておりました」
アウラとマーレも続く。
コキュートスは静かに膝をついた。
玉座の間に、反省の空気が広がっていく
「(シャルティア……そこまで考えてたのか……)」
モモンガは、内心では驚きと感心が渦巻いてながら静かにその光景を見下ろしていた
「(正直、そこまで深くは考えてなかった……でも、これは……)」
モモンガはゆっくりと口を開いた
「……よい」
その一言で、全員の動きが止まる
「過ちに気づけたのであれば、それでよい」
低く、重く、威厳に満ちた声
「シャルティアの指摘は正しい。ここはユグドラシルではない。ゆえに、すべてを疑い、すべてを確認せよ」
全員が頭を垂れる
「我らに許されるのは、慢心ではなく――確信だ」
その言葉は、強く響いた
「ゆえに、実験は予定通り行う」
シャルティアが恭しく頭を下げる
「はっ!」
「そして、その結果をもって――我らの力を“証明”せよ」
沈黙の中、守護者たちは深く頭を垂れた
「「「「はっ!」」」」
この出来事で守護者の中で何かが変わるきっかけになるのであった