※この作品はR-18です。

変態一級魔法使い   作:性癖を開示する魔法

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いつも感想及び評価、誤字報告ありがとうございます!
節制を紛らわすために書いてたので、宇宙とは何かと考えていたら更新が止まっていました。
頭の中では五十話くらい続く予定、引き続き宜しくお願いします。

今回はあっさり目です。
えっち描写少ない!?


お仕置きと埋め合わせ(ゼンゼ)

 

 

 七崩賢、断頭台のアウラの討伐。

 

 大陸魔法協会を通して出された一報は各地へ瞬く間に広がった。

 

 魔王直下の大魔族。嘗て勇者ヒンメルにより魔王が討たれた後も人類へ多大な被害を齎してきた構成員の1人だ。

 

 またひとつ人類の脅威が消え去ったことに人々は喜びに湧いた。

 特に過去……半世紀程前にアウラによって多くの犠牲者を出していたグラナト領の領主からは直々に感謝状が送られた程。

 

 偉業を成した男の名も……まぁ、数十年くらいは語り継がれるであろう──

 

 

「七崩賢の発見、並びに迅速な討伐。御苦労だった」

 

 玉座の間。

 大魔法使いゼーリエは大魔族を単身斃した弟子を……"形式上"は労わった。

 よくよく見ればうっすらと額に青筋が浮かんでいるかもしれないし、微かに口元がヒクついていたかもしれない。

 しかし馬鹿弟子(ヴィクサー)は大袈裟に傅いたまま頭を下げていたので、真相は闇の中だ。

 

「長い歴史上……大魔族と呼ばれる域の魔族を単身討伐した人間はお前を含めても片手で数えられる程度だろう」

 

「この成果は一ヶ月の任務放棄を秤に掛けてもお釣りが来る程のモノだ」

 

「誇れよヴィクサー。お前は確かな偉業を成し遂げた」

 

 いっそ褒め殺しではないかと羅列される言葉の数々。

 ヴィクサーも帰って来てからあからさまな程に周囲の見る目が変わっていたことで……この言葉が(まこと)の事だと実感していた。

 頑なに頭を下げているのは抑えきれない笑いを隠すためである。

 

 

(遂に、俺の時代が来た……ッ)

 

 思えば、長かった。

 魔法使いとして己を高めるほど、周りから女の気配が遠ざかっていったかつての拠点。

 心機一転、魔法を改善してオイサーストへ移り住み一級魔法使いとなったが……試験中に理性が蒸発。

 

 気付けば名家の女(ゼンゼ)を手篭めにした挙句、目の前の師匠二号(ゼーリエ)に記憶操作をバラされて面倒臭い関係になってしまった。

 何時でも抱ける人間の女は貴重だ。

 しかし受付嬢を口説けば腹をブチ抜かれ、任務から他の女が遠ざけられ、更に風俗街も出禁にされるのは納得がいかない。(九割九分自業自得)

 

 同じゼーリエの弟子となった以上、更なる精神操作はバレた時のリスクが高いため素で攻略していく他ない始末。

 ゼーリエも相変わらず現実ではガードが固く、夢の中でちまちまと快感を蓄積させているところだ。

 

 無論愉しんではいたが、余りにも任務が怠い為、帝国あたりに高飛びするかとヴィクサーは考えていた。

 そこに七崩賢との遭遇だ。

 ただでさえ希少な大魔族をペットに出来た上、都市に戻れば英雄扱い。

 何とかという伯爵からと直筆の感謝状まで受け取った。

 

 そして風俗街の出禁も解除された。

 大事なことなので二度言うが、ヴィクサーは出禁を解除されたのだ。

 

 彼の中ではもう帝国へさよならする想定は完全に消え去り……如何に降って湧いた甘い蜜(名声)を啜るかで一杯だった。

 

 具体的には祝勝会と称して馴染みだったガールズバーで可愛い娘に囲まれて呑みながら、お気に入りの子を持ち帰りたい……。

 慣れた感じの娘をアブノーマルな行為に引きずり込み、正気が溶けるくらいに貪ったあとは精神操作でリカバリー。

 飽きるまでその繰り返しだ。

 

 最近人間の女(ゼンゼ)で愉しんでいたヴィクサーは……魔族に留まらず人間相手にも食指を伸ばそうとしていた。

 アフターケア(証拠隠滅)を忘れないあたり理性は働いていた。

 性根が腐りきっているだけで。

 

(暫くは七崩賢(アウラ)で遊べて退屈もしない。嗚呼楽しみだ……)

 

 ヴィクサーは正に人生の絶頂期にいた。

 

 

「───だが、」

 

 冷え切ったゼーリエの声を聞くまでは。

 

「再三の私からの制止を無視する命令違反」

 

「相棒であるゼンゼを行動不能にした協調性の軽視」

 

「報告内容の一部詐称」

 

「都市内への魔族の侵入。その幇助」

 

「そして……」

 

 指を折りながらひとつひとつ事実を述べられるたびに、ヴィクサーの額に冷や汗が浮かぶ。

 身に覚えのある話しかない。

 何となく許されたかなぁと勝手に思っていた甘い認識が今、牙を剥いていた。

 

「アハハ……俺もう帰っていいですかね……?」

 

 と冗談のつもりで言ってみれば膝と手が床にめり込み、ガクンと膝が折れる。

 指先に至るまで全身が鉛のように重くなったヴィクサーは一時的に身動きが取れなくなった。

 

「──っとォ!?」

 

「……巫山戯ているのか?」

 

 と言うかヴィクサーで無ければ死んでいるのではないかと思われる出力だ。

 戦士として働けるレベルの肉体が悲鳴を上げている。

 

「私は言ったよな?」

 

 ゼーリエは本気だった。

 この阿呆に灸を据える為、知りながらも敢えて見逃していた部分まで突き付けた。

 玉座から立ち上がった彼女は這い蹲るヴィクサーの背に腰を下ろし、踵で彼の鳩尾を蹴りながら話す。

 座り心地が良い、癖になるかもしれない。

 

「ちょ、痛い、痛いです」

 

「最初から本気を出せば、言うことはないと」

 

 ゼーリエの見立てでは初見殺しの鬼札を多く抱えるヴィクサー。

 彼が初手からその全てを出し惜しみしなければ、大魔族相手といえどなんの障害にもならなかっただろう。

 特に相手がアウラならば尚更。

 

 しかしこの馬鹿弟子は、決まりきった勝ち戦を一度ドブに捨てたらしい……ゼーリエには見えている。

 

「だが、なんだこの体たらくは。ヴィクサー、お前……喰らっているな?」

 

「あ……」

 

 今は情けなく地についている彼の、その肉体に張り巡らされた服従の術式が。

 受けた時点で負けに等しい類の魔法だ。

 ヴィクサーが如何なる手段でここから逆転に持ち込んだかは知る由もないが……ゼーリエの忠告があったにも関わらず危ない綱渡りでもしたのだろう。

 

「お前の趣味は知っている。アウラも殺してはいないだろう」

 

 更に生け捕りをした上、都市の中へ連れ込んでいる。

 服従させる魔法(アゼリューゼ)を受けたのは不本意だったのだろう。

 この状況で黙秘権を行使しようとしている意地汚さからも明らかだった。

 

(反省する気は……無しか? いや、反省しているが行動を改める気が出ないといったところか……)

 

 しかしゼーリエはその程度のことは見越している。

 だから……事前に手は打っていた。

 

「ところでヴィクサー。随分と人気者になったようじゃないか」

 

「……?」

 

「"七崩賢討伐の立役者"、"天秤殺しの英雄"……この都市からお前の名は着実に広がっているようだな。一級魔法使いとして(・・・・・・・・・)

 

(……ん、あれ? いや、まさか)

 

「師匠としても喜ばしい事だ。──それが全て事実なら」

 

 ゼーリエは細やかな指先でヴィクサーの頬を撫でながらくつくつと笑った。

 いつも自分本位で無敵の精神に生きる弟子がこうも焦っているのが、可愛くてしょうがなかった。

 この男はいじめがいがある。

 

 反面、ヴィクサーは笑えない。

 まったく笑い事では無い。

 

 少し……不自然だとは思っていたのだ。

 ヴィクサーが帰った時には既に(・・)アウラ討伐の一報は広がっていた。

 討伐者であるヴィクサーの名前と似顔絵付きで。

 

 何故?

 魔法で手紙を送った訳ではない。

 ヴィクサーがやったのは例の夢の魔法によるゼーリエへの事後報告のみだ。

 

 そう──ゼーリエしか知らないはずなのだ。

 彼の頭の中で点と点が線で繋がった。

 

「おいおい……マジかよゼーリエ様」

 

「前々からお前の態度は矯正すべきだと思っていた……一度広がった名声は、裏返せば失望もより深いぞ?」

 

 ──この女、脅迫してやがる!?

 

 ヴィクサーは絶句した。

 

「事情は知っている。別に趣味をやめろとまでは言わん。だが人の言うことはちゃんと聞け。私はお前の師匠だぞ」

 

 ほら敬えとげしげし蹴りつけてくるゼーリエ。

 だから痛い。

 普段ならヴィクサーの興奮を煽るような珍しく子供っぽいゼーリエの態度も、現実に迫る脅威の前には恐るべき引き金にしか見えなかった。

 

 ゼーリエは一度ヴィクサーの名声を高めた上で、致命的となる事実を伏せておくという……実に危ういながらも彼の急所を突く手札を切った。

 

 もしヴィクサーが一級魔法使いを辞めて他国へ高飛びしようものならば、隠された醜態を全て開示するとこのエルフは言っているのだ。

 そうなれば彼の世間体は地に落ちる。

 またゼーリエの手で一級魔法使いをクビにされても結末は同じだろう。

 

 ああ、なんということだろうか。

 

 ヴィクサーは逆ギレした。

 

「ハッ……ゼーリエ様。()此処(・・)で! 嫌とは言いませんよねェ!?」

 

 ()場所(・・)を選べば、彼はゼーリエに挑む許可を与えられている。

 全てを有耶無耶にするべくヴィクサーは本気で戦うつもりだった。

 のしかかる魔法の重力に素の力で抗い、立ち上がる。

 彼の周囲に蛸足のような輪郭が浮かんだ。

 

「ふっ、血の気の多い男だ。だが悪くはない」

 

 ふわりと避けたゼーリエが側面から這い寄る魔の手を遮る。

 ハニカム状の防御魔法と半透明の触手が軋みながら拮抗、否、侵食されている。

 初見の術式が組まれた触手、隠していた手をまた切ったか……。

 セクハラ抜きの魔法戦の予感にゼーリエの胸も自然と高鳴った。

 

「終わったらその魔法(服従)は解いてやろう。私を楽しませることが出来ればな」

 

「大魔法使いの余裕ってやつかァ……じゃあゼーリエ様、胸をお借りしますよ」

 

 ──時差を操る魔法(フルスグローサー)

 

 狭い空間に結界が張り巡らされる。

 両者の魔力が激突した──

 

 

 ……

 

 …………

 

 ………………

 

 

「──久々に楽しめたよ」

 

 良き戦いだった。

 二百三十四回殺したところで今日はお開きになった。

 決まり手は権威(脅し)

 脳裏に醜態がチラつき欲望を解放しきれないヴィクサーは精彩が欠けた。

 保身のために戦う彼は弱い。

 

 しかし不死身の如きタフネスはゼーリエの全力を受け止めてもなお壊れず、彼女は久しく解放した魔力でヴィクサーを滅多打ちにした。

 

 ゼーリエも無事ではない。

 何度か精神防御を抜かれる危うい場面はあった。魔力を大きく削られ、服も少しはだけている。

 最後まで気の抜けない、危機感の消えなかった闘争。

 それ故に愉しめたとご満悦。

 

「……疲れた」

 

 当の本人(ヴィクサー)はもう一歩も動きたくない様子で床にうつ伏せていた。

 一日の死亡回数最高記録を更新した彼は脱力して五体投地している。

 

 圧殺、焼死、溺死、窒息死、落下死、感電死、消滅。

 

 およそ人間の死因にあたる殆どの現象を体感したのだ。彼は大魔法使いの叡智をその身体に叩き込まれた。

 いくら身体がただの肉の器に過ぎないとの価値観があるとはいえ、単純に怠い。

 

 そもそも此方は殺す気はないのに、向こうは遠慮なく殺しに来るのはどうなのかとヴィクサーは思った。

 正気の彼は女にも弱い。

 

 珍しく服を直しきれておらず、上半身の服がボロボロなのが彼の疲労を表していた。

 

「……お前も暫くは休むといい」

 

 弟子の背中で胡座を掻き、息を吐く。

 殺しても死なない相手というのは良い。

 それに随分と面白い魔法(時差結界)を使っていたようだ。

 数十時間は戦っていた気がするのに……結界の外ではさほど時間が過ぎていないとは。

 この魔法があれば鍛錬の効率も違うだろうに。

 

 まあ、ゼーリエにとっても良い気晴らしになった。

 

 これでこの男も少しは態度を改めるであろうと……考えていた魔法の鍛錬について思い返していた時。

 

「──ゼーリエ様?」

 

 聞き慣れた声が自分を呼ぶ。

 ゼーリエはヴィクサーに腰掛けたまま扉へと振り返った。

 

 入口には、弟子のひとりがこちらの様子を窺っていた。

 ライトブラウンの長い髪が足元まで伸びた少女、ヴィクサーの相方。

 

「ゼンゼか。どうした」

 

「なにを、されているのですか?」

 

「うん……?」

 

 戸惑うような、少し不機嫌を顕にした珍しい弟子の表情に困惑する。

 振り返ってゼーリエは自身の状況を見た。

 

 長い戦いで汗ばんだ肌。

 乱れた髪、はだけた衣装。

 見るものによれば──そう、あられのない姿と言われても反論しにくい状態で、同じくほぼ上半身裸の弟子の上に腰掛けている。

 

「……違う」

 

「……」

 

「違うぞ、ゼンゼ」

 

これ(ヴィクサー)、預かりますね」

 

「………………うん」

 

 結界を貼って戦っていたと言っても信じてくれる雰囲気ではなかった。

 

 結局……ゼーリエはヴィクサーを引き摺るゼンゼの姿を見送るだけに留まった。

 決して彼女の放つ妙な圧に屈したわけではないと言っておく。

 ただ少し思ったのは。

 

「あれで付き合ってないのか……?」

 

 女の嫉妬は怖い。

 少々呆れながら……さっきまで高揚していた気分が、微かに傾いた。

 

 

 

 

 

⬛︎

 

 

 

 

 

 口元が濡れたような感覚で我に返る。

 

 ……起きたら知ってる天井(私室)だった件。

 

「目覚めたか」

 

 気が付けばヴィクサーは柔らかい膝の上に頭を預けていた。

 甘い柑橘系の香りに包まれ、上から眠たげな目の少女が此方を覗く。

 白いネグリジェを着たゼンゼに彼は膝枕をされていた。

 

「早く起きろ」

 

 長い栗色の髪にまとわりつかれ、むにむにと頬を掴まれて遊ばれている。

 目を瞬かせながら頭の中を整理する。

 

 たしか──ゼーリエに呼び出されて、それで。とても酷い目にあった気が。

 

「……なんだこれ」

 

 つーか起きれねーよ髪退けろ。

 人の顔で遊ぶな。

 

「ゼーリエ様にお仕置きされたんだろう」

 

 いい気味だ、と睨まれながら解放される。

 その言葉で思い出す。

 確か無策で挑んでリスキルされたなと。

 何回殺された? 容赦ねぇなあの女……

 準備が出来たら覚悟しておけと誓う。

 

 瞬く間に着替える魔法(ルルトネーフェン)

 

 身体を綺麗に繕う魔法(ライニーゲン)

 

 傷を完全に治す魔法(ヴントハイルング)

 

 上裸に襤褸のコートを羽織る。

 上からつま先までを綺麗に整える。

 傷──衣服の損傷を直す。

 

 これ三つで万全に早戻りだ。

 

「助かったわゼンゼ」

 

 じゃあまた──とこの場を後にしようとしたところで、手足と首が締め付けられる。

 

「待て」

 

「ぐぇ──マジで毎回言うが人を縛るのを止めろ。言葉があるだろ言葉が」

 

 なんで縛ってから言う。

 様式美(またコレ)かよと窒息しかけながらベッドの上へ引き戻される。

 何か用があっただろうか? 特に任務は言い渡されていない。暫くは休みだろうが……。

 

 ゼンゼがむっとした表情でヴィクサーに詰め寄る。

 

「君のせいで私は大分迷惑を(こうむ)ったぞ」

 

「……あ〜それはスマン」

 

「手綱を握れていないとゼーリエ様からチクチク言われた」

 

「ごめん」

 

「……だから、埋め合わせをしてもらう」

 

 挑発するように擦り寄る姿にぴんと来た。

 あぁ──そういうこと?

 

「素直じゃねえな」

 

「や──違っ」

 

 するりと体勢を変える。

 ゼンゼの細い腰に手を掛け、開いた股の間に座らせた。

 左腕を彼女の胸元へ回して押さえ、右手は腹回りへ。

 

 恒例の淫紋チェック。

 いち、に、ん?

 少し眉を顰める。

 二段階(・・・)で根を上げるとは珍しい。

 そこでふと親切心が浮かんだ。二枚目を剥がしても、満足しきれないだろうと。

 

「折角なら三つ揃えたいよなァ?」

 

 ひたりと淫紋の上へ指を乗せる。

 ネグリジェ越しに這う指にゼンゼは胎の中を思わず震わせる。

 

 ズグン……ッ

 

「あっ!? だから違うっ──んんんっ!」

 

 ゆっくりと魔力を注ぐ(・・)

 それだけで、解除はしない。やっているのは魔力に充てながら適当に指を這わせているだけだ。

 当然、淫紋解除としては失敗判定になる。ので……チカチカと桃色の燐光を零しながら、快感とともにゼンゼの淫紋は拡大していく。

 

 後ろから抱えられているため腰を逃がすことも出来ず、がっちりと固定されて左右に逸れるのも許されない。

 

 衣服越しに胸の蕾を転がして発情を促すのも忘れずに行われた。

 きゅっと摘めば甘い香料の中に彼が好む雌のフェロモンが混じり合う。

 何処をどう刺激すれば上り詰めるか。

 ゼンゼの身体はヴィクサーに知り尽くされている。

 

 故に単純作業のように拵えていく。

 

「───はっ、ひ♡」

 

 意図的な淫紋拡大の手法。

 途切れない快感の渦にゼンゼの視界が白んだ。

 

 違う、ちひゃう……とうわ言のように呟きながらも、顎を突き出して上を向く。

 ひくつく胎の奥と、口元から垂れる唾液が分かりやすく絶頂しているサインを伝えていた。

 

「そろそろか」

 

 ───キィィィイイイイイン

 

 手の中で歯車が噛み合うような感覚。

 呆気なくゼンゼの胎に第三段階、奴隷化一歩手前まで淫紋が刻まれた。

 

 ヴィクサーから施すのはここまでだ。

 他人の手で完全に解除できないように、後は自らの手でしか最後までは完成しないようになっている。

 

「ぁあ♡ ちひゃう♡♡ まっへ……」

 

 だから、これから一気に剥がしてぐずぐすになった膣内を撫でてあげるだけなのだが──本当に珍しく、ゼンゼは制止の声を上げていた。

 

「ん〜? どうしたの?」

 

 まだスイッチの入り切っていないヴィクサーも、彼女の首元から雌の匂いを吸いつつ話すのを待ってあげる。

 もしや余程の用件が別にあったのかと。

 やがて、喘ぎながらも何とかゼンゼは息を整えた。

 

「はあ♡ はあ……んぁ……のに、付き合ってもらう……っ」

 

「なんだって?」

 

「買い物にっ、付き合ってくれないか……」

 

 全て、ヴィクサーの自腹で。

 

「あぁ、いいよ」

 

 なるほど埋め合わせとはそういう話だったのかと得心しながら──ヴィクサーはゼンゼの胎を指先で揉んだ。

 何故か終わらない手淫にゼンゼが動揺する。

 

「──まてっ?!」

 

 どうしてと瞳を潤ませる表情にグッと来ながらも、落ち着けと頭を撫でながら囁いた。

 

「いまの状態じゃ買い物どころじゃないだろう?」

 

「んぅ……っ」

 

 一回スッキリしといた方がいいだろうと、笑い掛けながら。

 結局、ゼンゼはその後五回は達して解放された。

 

 

 

 




特に初お披露目の魔法もないため寂しい後書き欄。

権力に弱い男、脅しに屈する。
ゼーリエ様はヴィクサーくんの上に乗るのが好きですね。なんでやろ?

次回はゼンゼちゃんとデートです
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