変態一級魔法使い 作:性癖を開示する魔法
本業の多忙と別の執筆に追われ、しかも今回は1万4千文字ィ!?
そりゃ遅くなりますわ申し訳ない。
ゼンゼちゃんH回の〆です。次回は別のキャラにスポットが当たります。
夕暮れが近付く頃、二人は都市の中心部にあるレストランで食事を共にしていた。
「その……今日は楽しかった。ありがとう」
ゼンゼは今日の半日間、何かとぼやきながらも真摯に付き合ってくれたヴィクサーへと感謝を告げる。
不思議なことにヴィクサーに対して積み重なっていた不満や、忌避の類いは一緒に街を歩くだけで解消された。
まあ散々振り回してスカッとしたとも言う。
お陰で気怠げな目つきの中に柔らかい雰囲気を醸しだすくらいにはゼンゼの機嫌も良くなった。
「うん? ……ああ、俺も楽しかったよ」
珍しく棘のない暖かな表情。
ゼンゼの様子に少しだけヴィクサーも目を丸くする。
彼の中では『疲れた』の一言でしか表せなかったのが今日の出来事だ。正直、
しかしそれを口にしてはデリカシーが無いと理解はしている。
故に当たり障りのない返事でゼンゼの気持ちを慮った。
ゼンゼは「そうか」と短く返したのみだが機嫌が良くなっているのは明らか。
彼から見ても分かりやすかった。
なので調子に乗ったヴィクサーが失言するのもまた道理。
「でも最後の店くらい俺に選ばせてくれてもよかったんじゃねえか?」
「それはない」
「いやいや俺の「ヴィクサーは趣味が悪い」」
「えぇ……」
一転してジト目で睨むようになる。
なんでさと言いたげなヴィクサーに対し、ゼンゼはムッとした様子で反論した。
「他の女に酌をされるような店で食事する趣味は私には無いぞ」
「女連れてそこ行くほど俺も阿呆じゃねぇぞ!?」
暗に自分の趣味を揶揄する言葉へ流石の彼も絶句する。
このお嬢様は金銭感覚どころか常識も麻痺しているのかと。普通にひとりで行くし、もし誰かとともに行くとしても同性同士で行くだろう。
そう伝えたがゼンゼの気分は寧ろ悪化した。
流石に理不尽ではないか。
女の心ってわかんねぇな……と、精神魔法に長けているはずの男の嘆き。
「もう飲むしかねえ……」
こういう時は
ゼンゼが選ぶだけあって高級志向のレストラン。当然酒の類も品質の高いモノが揃っていた。
味に拘るタチではないが、舌触りも滑らかで美味い。ストレスが洗い流されていく。
その為、段々と本数が増えていき……。
「またか、それで何本目なんだ」
「数えてないな」
十本から先は覚えてない。
ヴィクサーは飲める量は底なしだが酒には弱かった。表面上は素面に見えるが目元が赤くなってきており、瞬きも長い。
「飲み過ぎだ……酒場じゃないんだから控えた方がいい」
「おまえはおれの師匠かよぉ」
ほらもう呂律が怪しい。
ゼンゼから見てもこの男は酒に呑まれ掛けている。
実際聞く耳持たないし、自分が払うんだからいいだろうと言わんばかりに堂々と飲む。
つーか夕食でデザート食べまくっているキミに言われたくないねとヴィクサーが言えばゼンゼには返す言葉が咄嗟に出ない。
「もう……」
仕方が無いのでゼンゼは食事を切り上げることにした。
多分放置したら無限に飲むので。
僅かに足並みの悪いヴィクサーを引っ張るように店を出て、外を見渡せば既に夕暮れ過ぎ。
「あれぇ? もう夜じゃん」
ヴィクサーは覚束無い様子で空を見上げている。
結局支払いの時はヴィクサーがしっかり対応したので、今日のゼンゼは本当に彼を財布と召使い扱いしたようなものだった。
ちょっとやり過ぎた気持ちもある。
特に骨董品を買わせた件については今振り返れば申し訳なさしか浮かばない。流石に高過ぎた。
なのに、当の本人は酔いで気が抜けてぼんやりとしている。
もう終わったと思っているのか、この手を離せばそのまま夜の街に繰り出しそうな雰囲気すらある。
本当に珍しく……"この先"の誘いの様子すらないのだ。
何故か、握る指先に力が入る。
(…………)
ちょっとだけ、ゼンゼは考え込んだ。
「……酔っていて危ないだろう。家まで送る」
「ふつう逆だろ」
「いいから」
だから、建前を盾にして彼女はヴィクサーの家へと共に向かうことを選択する。
今のヴィクサーなら小柄なゼンゼでも容易に牽引できた。それでも手だけで引くのは重かったので、
「ぐ、ちょ!? おま、首」
魔法で操る髪によって、手脚と首を縛る。
女の髪で雁字搦めにされて歩かされる男の姿は、かなり目立っていた。
⬛︎
徒歩数十分。
本格的に夕日に翳りが出てきた頃にゼンゼはヴィクサーの家に到着した。
手持ちの鍵で錠を開ける。
「ええ〜? なんで鍵持ってる」
「何を言ってるんだ。君がくれたんだろうに」
相変わらず酔いと覚めていないヴィクサーは不思議そうに言うが、彼が忘れているだけでゼンゼはこの家の鍵を受け取っていた。
実態はサボり癖が付いてきたヴィクサーを依頼に引っ張り出すため、半ば強奪したようなものだが。
「相変わらず扉が重い。ほら入れ」
「んぎ、おい押すな潰れる」
開いた戸の隙間へ押し込むようにヴィクサーを入れる。
ぐいぐいとねじ込まれて痛そうに顔を顰める彼を放り込んだ後、ゼンゼも勝手知ったる風に家の中へと入った。
寝室……は自分から行くのは怖いので、居間のソファへヴィクサーを座らせる。
とりあえず酔いが酷そうなので台所から水瓶を拝借し、中身を満たしてからコップと一緒に机の上に持ってくる。
──その、つもりだったのだが。
「あ、何処行ってたんだ」
部屋に戻れば溌剌とした状態でソファから振り返るヴィクサーが。
完全に素面のまま、とても先程まで泥酔していたとは思えない姿だ。
「酔いが覚めたのか?」
「気持ち悪くなってきたからな。魔法で酒を飛ばした」
「そうか……」
(そんなこともできたのか)
例の穢れを落とす魔法で身体の中から酒精を消したのだという。
てっきり身体を綺麗にするだけのものと思っていたが、この魔法はゼンゼの想像より高度なものらしい。
「で、なんで此処に?」
しかし酔いが覚めるまでの記憶は無かった。
とりあえずゼンゼはヴィクサーが酔っていたので家まで送ったことと、ついでに気分が悪そうだったので水を持ってきたことを告げる。
ただ、
「あっ」
「喉乾いてたから丁度よかったわ」
助かったと言いながらヴィクサーはゼンゼの腰に手を回して一緒に座らせる。
後ろから腕を回され、大きな手で肩を引き寄せられればまるで置物のように身体が硬直した。
急に距離が密着し、ゼンゼの心音が早まる。
(ち、近い……)
さっきまでは全然そんな雰囲気じゃなかったのに。
肩に触れていた手がするりと下へ降り、自身の内腿を撫でられたことで理解した。
更に根元まで這い上がり、下着越しに秘裂周りを擦られる。
「んっ……」
すりすりと擽られるように弄ばれるだけで、ゼンゼも段々と準備が整い出しているのを自覚していた。
黙してされるがままになっていたところ、ぷは、と水を飲み終えたヴィクサーが耳元へと声を掛ける。
「もしかして、抱かれる為に来た?」
「っ!?」
びくりと肩が震える。
聞かれずともゼンゼは"ソレ"を期待して来ているが……改めて聞いてくることで忘れていた羞恥心が顔を上げた。
なし崩しではなくはっきりと言わせようと誘導してくるいじわるな男に、ゼンゼは下から睨みつけた。
「本当に趣味が悪い男だな君は」
「へぇ、あ〜そんな事言うのか。そうか」
僅かな怒りを向けても堪えた様子はなく、もう片方の手でゼンゼの首元から股下までをするりと撫で下ろして来る。
指先から迸る魔法がゼンゼの全身を巡り──
「なら俺が勝手に判断するからな?」
「なっ!? いきなりっ」
途端に纏っていた衣服が消え、生まれたままの姿にされたゼンゼが動揺した。
急な全裸に慌て秘部を隠そうとする前に、ヴィクサーの手が占有する。
そのまま折り曲げられた中指が秘裂の入口を味見するように撫で上げた。
「やっ、待て、離せ……っ」
くちゅ……と浅い所へ侵入を開始した指先。
反射的に剥がそうとしたゼンゼが手で抵抗するも、陰部へ食い込んだ手は固く微動だにしない。
それどころかもうひとつの腕でゼンゼを抱え上げ、膝の上に乗せられてしまう。
一瞬離れた手で左右に膝を開かれ、両脚を絡め取られる。
間髪入れずに首と足首に魔法で編まれた枷が括られる。両手は後ろに組み回され、完全に拘束された。
首輪と手足の枷はどちらも鎖で繋がれ、ゼンゼの身動きを制限している。
秘部を無防備に晒す卑猥な姿勢。
息を呑んだゼンゼは、更に目の前に広がる光景へ釘付けにされた。
正面には大きな姿見の鏡が置かれていた。
いつの間にやら拵えられた魔法の鏡。
「ぁ……だめ、こんな」
「ほら目を逸らすなって」
いやらしい女にぴったりの姿だろうと頬を掴まれて直視させられた己の姿。
ヴィクサーは黒いコートを着込んだまま、ゼンゼだけが真っ裸で脚を大きく開かされた屈辱的な姿を映されている。
白い肌、硬く尖った蕾、蜜を溢れさせ始めている秘裂、異質に映える無骨な首枷──全てを容赦なく見せつけられる。
自分だけが裸のまま。その上で拘束されている。
これから好きなように弄ばれる。
性奴隷というのがあるのなら、まるで今の自分の姿が当て嵌るのではないか。
想像する度ゼンゼの背筋にゾクゾクと背徳感が上り詰めていく。
「興奮してるのか?」
違う……と否定できない。
たらりと、一筋の蜜が零れ落ちた。
「や、やりすぎだ。酷いじゃないか……」
「そうか? ここはそうは言ってないみたいだけどな〜」
滅茶苦茶にされる。されたい。
内なる欲望を誤魔化すかのような抗議の言葉も流される。
そのままゼンゼが見ている前で、ヴィクサーの左手がゆっくりと太腿を伝い、濡れた秘部へ差し込んだ。
中指が秘裂を優しく割り、溢れる蜜を掬いながら陰核に円を描くように擦り始める。
くちゅ……くちゅ……
「んぁ……ふっ、んんん……っ」
「ほら、こんなに欲しいって言ってるけど」
ぐちゅぐちゅぐちゅっ
「んお゛っ」
鳴かされる。
最初は緩やかだった指の動きが、次第に的確に強さを増していった。指が膣口を抉り、敏感な蕾を押し潰せば抵抗など無意味に雌声が奏でられた。
「胸も忘れないようにねぇ」
「んひぃっ!?」
硬くなった胸先の粒も摘まれる。
摘み、撫でて、転がされる。
びくびくと腰が跳ね、甘い喘ぎが止まらなくなってゆく。鎖で繋がれているため足を伸ばして快楽を逃がすこともできない。
ジャラジャラと鎖の擦れる音が虚しく広がるのみ。
そのまま手淫で長時間仕込まれる。
泣いても笑っても。自由を奪った時のヴィクサーは容赦という言葉を忘れているかのようにゼンゼを蹂躙する。
もう何度も達し、受け入れる準備は出来ているのに、手が止まらない。
解される。満足するまで延々と下拵えされる……。
「もう……限、界っ、だ。ヴィクサー……」
鏡に映る痴態と快楽から逃れたくて、ゼンゼは無意識に背中を丸め、身体を前に屈めようとした。
しかし首輪と繋がった鎖に阻まれ叶わない。
だが些細な"抵抗"に目を付けられる。
「おい」
ヴィクサーは右手で細い顎を掴み、強引にゼンゼを上向かせた。
「ふぁ……」
「逃げんなって。嫌がったらその分長引くだけだぞ?」
諭すように嗤うと同時、ヴィクサーはゼンゼの唇を奪った。
「んんっ……! んふぅ……っ!!」
深く貪るような接吻。舌が強引に侵入し、口腔を掻き回しながら吸い上げた。
長い舌がゼンゼの舌ごと味わうように絡めとり、余すことなく舐め上げられる。
ちぅううう……と魂まで呑まれそうな感覚で次第に目が蕩け、屈めようとした背中は逆に仰け反った。
じゅるりと舌を抜き、互いの唾液が糸を引く。
満足気に『美味しかった』と囁かれれば、身体はびくんと大きく震えて応えた。
上からも下からも快楽を注がれ、臨界寸前で炙られながらゼンゼの肢体が熱く染まる。
左手で弄られる秘裂はどろどろに出来上がっており、何時でも食べてくださいと言わんばかりの仕上がりだった。
肝心のゼンゼが失神しかけていなければ。
「お〜い?」
「あっ……ぁ……」
ぴくぴくと震えたまま反応しない。
「いつもより激しくしたけど、思ったより弱かったなぁ」
どうやら"飛んで"しまっているらしいと察した。それなりに大事に遊んだが、やはり魔族の強度を基準に弄るのは宜しくないかと。
少しだけ自省した。
しかしそれはそれとして、ちゃんと受け答えのしないゼンゼには"躾け"が要るなと目を光らせる。
本人の知らぬ間に一番避けたかった状況にゼンゼは陥っていた。
自らヴィクサーと致すことを望むほど快楽を刻まれている彼女だが、それでも幾つか恐れている内容がある。
そのうちの一つが"躾け"
ヴィクサーが度々下拵えと呼んでいる挿れる前の前戯。それに強く抵抗、或いは意識を手放した場合……より酷い目に遭うのだ。
ゼンゼの両手足が文字通り"何処かへ消える"。擬似的な四肢切断状態に晒された彼女を横抱きに左腕の中へ収め、右手の指をゼンゼの耳元で擦り合わせた。
指の間に産まれた、柔軟性と粘り気のある異形。ぬちょりぬちょりと聞き覚えのあるであろう音を流し込めば……
「……ん……ぁっ……? ───ひっ!?」
微睡みから醒めたゼンゼが、突き付けられたトラウマを直視して顔を引き攣らせた。
「ほら起きろって。休憩していいなんて言ってないだろ?」
大好きな
細長いだけの触手一本に、栄えある一級魔法使いがただの小娘のように怯え、竦む。
「違う! 好きじゃないっ! それ嫌ぁ!!」
「嘘はいけない。あんなに悦んでたのに」
「っ、頼む。それだけは、もう……」
「俺が聞きたい言葉じゃないなあ」
過去に
ゼンゼは無意識に激しく拒絶を示し、手足の自由が奪われていることで無意味を悟り涙を浮かべた。
身を捩り、歯の奥を震わせながら懇願するが、全く受け止められない。
自分から食われに来て何をいまさらと、ヴィクサーはゆっくり見せつけるように触肢の先を秘裂へと這い寄らせる。
彼は
だが、
「ひぎっ!? ん、んっ!? ふぁぁぁああっ!!」
ゼンゼの
ひたりと尿道へ添えられ、ぬる……ぬる……とうねりながら奥へ奥へと侵入する触手。
ガクガクと異物を排除するために痙攣する中を優しくこじ開け、遡るように極細の触肢が這い回る。
微細な突起が敏感な粘膜を刺激しながらちゅるちゅると中の液体を啜り始める。
触手が入り切り、末端が楔を打つよう陰核を挟みこんで固定した。
「あ゛っ!? そこ……吸わないっ……で、くれ……! おかしくなる……っ、お゛ぉ?!」
「あぁ、良い顔だなァ。こうして見るとゼンゼちゃんは本当に可愛い。ほら、もっと見せてくれよ」
喘ぎに紛れた願いも、彼の興奮を増すためのスパイスになるだけ。
もはやゼンゼの意志は考慮されていない。
懇願も、拒絶も、諦めも。言葉は聞かず、心から発せられる信号よりも、今は美味しそうに熟れていく矮躯の仕上がりだけを観察されている。
ヒトではなく愛玩道具を見るような眼差しに、いつもは強く忌避しているその仕草に、夜だけはどうしようもなく蕩けてしまうのだ。
じゅちゅるちゅるるぅ……っ
「あ゛っ、だめ……っ、でる! まって!」
尿道全体が熱く痺れ上がる。
普段は決して触れられない場所を触手にぴったりと嵌め込まれた状態で、容赦なく内部を啜られる。
快楽が膀胱の奥から一気に込み上げ、潮を吹きたいという強烈な衝動がゼンゼを襲う。
「でるっ───んぇ……?」
しかし──出ない。
触手が尿道を完全に塞いでいるため、勢いよく噴き出そうとする潮が内部でせき止められる。分泌液も嬉しそうに蠢く触手に舐め取られた。
そのまま啜られてカラになる。
ただ虚しく波打つだけだった。
しかし快感が無くなったわけではない。
寧ろ強制的に啜られる影響で、鋭く小刻みな絶頂を何度も何度も齎してくる。
陰核を裏から削ぎ落とすように捻られ、分泌液を滲み出す。そして啜られる。
出口のない潮吹きの反応をしては脳裏にぱちぱちと火花が散った。
「外して……これを外してくれ……っ!!」
ねっとりと吸い続けられて根を上げる。
これ以上は本当に女として壊れてしまうと、泣きながらヴィクサーへ目で訴える。
「その顔も唆るなァ……このままヤるか」
だというのに──この男はいきり立った男根を晒して、今の状態で愉しもうなどとのたまう。
支部の私室でこっそりと交わる時より大きい──嗜虐性をありありと示す象徴に、胎の奥が熱くなるのを実感した。
「と、その前に……」
瓶から水を口に含んだヴィクサーは、再びゼンゼと唇を合わせた。
下から体液を啜られて乾きつつあったゼンゼの口腔へ、冷たい水と……甘い異物が溶け込む。
……甘い?
「ん……っ! んむ!?」
熱を孕んでいた胎の奥が、煮えたぎるようにドロドロに火が付いた。
既に出来上がった身体にダメ押しの媚毒。燃え上がる炎へガソリンを撒くようなトドメの一撃。
ぐるりと、目が回る。瞳孔が霞み、正気が蒸発してゆく。
鬼畜な尿道責めで悶えていたゼンゼの目は、完全に反り立つ肉棒だけに釘付けになっていた。
(あ♡……これ、これが欲しいのか♡♡)
本能でわかる。どうすればいいのか。
簡単だ。ヴィクサーと深く繋がればいいんだと。
手足を取られているのがもどかしい。
もし動けるなら、直ぐにでも跨ったのに。
「水分補給はしっかりとしなきゃなあ」
「んんっ────!」
くたくたに発情漬けにされたゼンゼ。
そんな彼女へヴィクサーは水を飲ませるという名目で何度も何度も愛を注ぐ。
舌が絡み合うたび、胎の奥が別の生き物のようにうねる。
ゼンゼの方からも情けを希うようにちうちうと唇をついばむ。
自らをダメにしてしまう媚毒を悦んで飲み下した。
白濁した愛液は待ちきれないとばかりに溢れ、決壊寸前に満ちている。
「ぷぁっ……ヴィクサーっ♡ はやく、はやくくれ♡ ください♡♡」
「いい感じに爛れてきたな、じゃあ
「はやくっ、はやくして……♡」
拷問のように感じていた尿道を啜る触手すら、今のゼンゼには胎の熱を紛らわせる一因に過ぎない。
直ぐに寝室のベッドへ横たえられ、同時に手足が戻ってきたのを実感する。
へたり込むゼンゼが挿入を懇願する前に、眼前に脈打つ肉棒が突き付けられた。
何も言われずとも彼女は奉仕に出る。
挿れて貰うための最善に向かって無心で身体が動く。
「んっ……」
ゼンゼは硬く反り上がった陰茎の根元に細い指を添え、ゆっくりと上下に扱き始めた。
指の腹で裏筋を優しく擦りながら、もう片方の手で玉袋を柔らかく揉みしだく。
指先が鈴口から流れる液を絡め、亀頭を撫で回すと熱い吐息を吹きかける。
そして舌を伸ばし、根元からゆっくりと舐め上げていく。
躊躇いは微塵もない。
れろ……れろれろ……
熱く湿った舌が、裏筋をねっとりと這い上がり、亀頭の
特に、煮えたぎった情欲は先端の鈴口に集中した。
「あむっ……」
小さな唇を鈴口にぴったりと吸い付き、ちゅる……ちゅるる……と音を立てて吸う。
舌先を尖らせて尿道口を軽く抉るように突き入れ、溢れてくる先走りを啜り取る。
ねっとりと吸い付きながら、唇全体で鈴口を包み込むようにじゅるるっ……と強く吸い上げた。
「んふ……れろっ、ちゅぅ……っ」
指は休むことなく肉棒をしごき続け、親指で亀頭の裏側を円を描くように刺激しながら舌と唇で鈴口を執拗に愛撫する。
吸い付くたびに新たな透明な液が溢れ、ゼンゼの舌の上に広がっていく。
だが、まだ足りない。
瞳を上目遣いにヴィクサーを見つめると、鈴口に唇を押し付けたまま小さく頭を前後に動かした。
ちゅぽっ、ちゅぽっ……と卑猥な水音が響き、舌先で尿道の入り口を優しくほじるように舐め続ける。
「はむ……っ、んちゅるる……もっと、もっと……出せ♡」
指が根元を強く締め、舌が鈴口に吸い付いたまま離れない。
熱く硬い肉棒を、指と舌と唇を使って丁寧にご奉仕し、鈴口を特に執拗に愛撫し続けた。
もっと、欲しいのは薄い味じゃない。特別に濃いモノが欲しいと。
「もういいぞ」
このままじゃ離れないな──
ぴたりと吸い付いて離れないゼンゼに苦笑しながら、ヴィクサーの手が彼女の頭を優しく掴んだ。
「ん……ぁっ……おわりか……?」
唇が肉棒の先端からゆっくりと引き剥がされる。鈴口から糸を引いて離れ、ゼンゼは名残惜しそうに、半開きになった唇を舌でゆっくりと舐め回した。
「いいや、これからだろ──じゃあ」
もういいぞ、と。
ヴィクサーは仰向けに寝転び、ゼンゼの細い身体を跨らせる体位に移った。
腰のくびれに両手を添え、彼女が腰を下ろせば何時でも入るように固定する。
「ほら、おいで」
いわゆる騎乗位の体勢になったゼンゼは、口奉仕で更に凶悪さをました男根の先端に、ぴたりと秘裂を押し当てられる。
「はぁ……ん……や、とんとんするの待って……」
「へぇ、頑張るね」
待ち望んだモノとの接触に、ゼンゼは小さく喉を鳴らす。
早く腰を下ろせと彼の指がゼンゼの腰を軽く叩き続け、釣られるようにつぷりと飲み込み始めている。
しかし……ゼンゼは今更になって怖気付いていた。それがかろうじて決壊を留めている。
魔法の媚毒を大量に摂取した上で"躊躇う"事が出来る。その時点で大したものだとヴィクサーは嗤った。
これを飲めば性の芽生えが薄いエルフや、人を見下している魔族でさえも矜恃や理性をかなぐり捨て、悦んで咥え込むというのに。
ゼンゼが耐えられている理由はそう大したものではない──本当に怖気付いただけなのだ。
思えばヴィクサーから捩じ込まれる体験は多かったが、自分自身でコレを迎え入れるというのは今日が初めてではないか。
心の隅では無理やりされているからという言い訳がいつもあった。だから付き合ってもいない、婚前の身でも仕方がないと。
無意識に誘っていた以上破綻した建前だが、か細い正気の糸で自分を騙していた。
だが自ら迎え入れてはゼンゼは自分の心にその嘘を付けなくなる。
秘めている感情を言葉にしてしまう。
そうなれば今以上の関係を求めるようになるだろう、抑え切れる自信がない。
その先が怖い。
体は今すぐにでも咥え込みたいと小刻みに脈動している。理性が静止している。
(せめてヴィクサーから挿れてほしい……)
まだ曖昧な、ぬるま湯のような関係に浸っていたいと、限界際でゼンゼは踏ん張っていた。
踏ん張れていた筈だった。
じゅ、ずぷ……
「っ!? あ゛っ!」
入ってくる。
喉の奥から、獣のような低い鳴き声が漏れた。
強引に引き下ろされた訳でもない。
ヴィクサーはただ腰に手を添えているだけで、イタズラのように指で叩く以外に力を込めてはいなかった。
単純だ。
身体はもうとっくに堕ちていただけの話。
既にゼンゼの意思を離れている。
「く……ぅ……」
胎が芯から熱く溶けていく。
熱い先端が膣壁を押し広げながら
自分で挿入してしまったという背徳感に頬が真っ赤に染まる。
それでも腰は止まらず、寧ろ重力に引かれるように、ねっとりと肉棒を自ら咥えこんでいく。
太く長い剛直が、彼女の狭い膣内をゆっくりと掻き分けながら奥へ奥へと沈み込んでいく。
内壁が肉棒に吸い付くように締め付け、愛液が溢れて結合部を白く泡立たせた。
その時、思い出したかのように尿道を這う触手が動いた。
「んひぃ……っ! だ、だめいまは゛っ!? あ゛──っ!」
ゼンゼの身体を更に追い込むべく、陰核の裏側、根元を中から舐め上げたのだ。
堪らない快感が脳天まで突き抜けて脚の力が抜けた。
痺れに下半身を支配されてゼンゼの腰が抜け、一息で根元まで堕ちてしまう。
とちゅん、と。
(あ、え、入っ──)
「よく出来ました……で、これで終わりじゃないよな?」
自分で挿入してしまった事実に、羞恥と興奮が同時に爆発する。
悶えながら挿入し切ったゼンゼを愉しげに見ながらヴィクサーは言外に早く腰を振れと指図してきた。
まだ入れただけだろうと。
「ちょっと、待ってくれ……」
ゼンゼとて叶うならそうしたい。
今だって媚毒の影響で早く精を受けろと、胎の中が煮えくり返るほど昂っている。
動きたいのに腰が砕けて持ち上がらないのだ。
だがここまで来て休憩しようなんて甘えをこの男が受け入れる訳はなかった。
「はあ……なら
「え──」
右手がゼンゼの頬を撫でるように伸ばされる。
困惑した彼女はヴィクサーの言葉の意味も、この行動の目的も分からない。右手は頬を掠めた後、髪に沿って取り付けられた髪飾りを摘む。
しかしこれは魔法の産物である。嘗て一度はゼンゼへと返し、しかし彼女が耐えきれずに再び抽出した原記憶が込められている。
もう思い出したものだと勘違いしていた地獄の四日間。
ヴィクサーはその一部をゼンゼへ注ぎ直した。
「俺だって頑張ったんだからさ? 夜くらいは自分で働いてくれないと」
いつまでもお嬢様気分は困るよ──と、低い声で囁く。ゼンゼの脳裏に恥辱と幸福に満ちた経験が鮮明に蘇る。
「なんで、こんなの……あっ……!」
ゆっくりと腰が上下に動き始める。
もう無理、動かない、なんて言い訳は存在しない。
どうなっても奉仕できるように『仕込まれていた』んだったと"身体が思い出す"。
「そうだった……っ、そうだった……ぁあっ!」
最初はぎこちなかった動きが、記憶が蘇るにつれて次第に滑らかになっていく。
腰を円を描くように回し、肉棒を膣内でねっとりと擦り上げる。
子宮口を亀頭で突かれるたび、甘い電流が全身を駆け巡った。
ゼンゼは再び、ヴィクサー好みの奉仕人形に堕とされた。
以前との違いは本人が抱えている想いだけ。
急激な記憶の摩擦により、理性が丁寧に腑分けされ望むカタチへ並び変えられる。
どろりと表情が溶け、虚ろな眼差しで秘めていた本心を曝け出す。
過去の所業に淡い好意を砕かれるも、めくるめく快楽の網に掛かり爛れた感情を刻まれた。
褥で交わりながら表向きはただの同僚という関係にもずっと気を病んでいた。
普段の人となりや、戦いでの変わりようから……ただ人の身体をいいように貪るクズだと断言出来なかった。
ひとえに最悪とだけ切り捨てられればどれだけ楽だったろうか。
どれだけ当たりが強くても笑って流してくれる。
無茶振りをしても文句をいいながらこなす。
僅かなサインでも誘っていると察して喰いに来る。
もしかして此奴私の事が好きなんじゃ、と毎日顔を合わせる度に、身体を重ねる度に思った。
いや、人に手を出してくる以上は絶対に好きなはずだ。
なのにヴィクサーの口からは一言も「好きだ」と言われてない。
だから違和感が拭えず、確信を持てない。
そして、自分からそれらの想いを口に出す勇気がなかった。
なんだかんだ奇妙な形に落ち着いていた現状を掻き回す覚悟が抱けなかったのだ。
自分の感情にもまだ整理が付いてなかった。
だが先延ばしにしていた理性は壊れた。
「あぁ──好き、好きぃ! ヴィクサー……っ!! 責任……絶対責任を取れ……っ」
口にするだけで快感が波のように押し寄せてくる。
ゼンゼの動きは徐々に激しくなる。
腰を上下に振り、肉棒を深く飲み込んでは根元まで擦り上げる。
ぐじゅっ、ぐじゅるっ……と卑猥な水音が部屋に響き渡った。
「ああ──わかった。俺も好きだ」
「〜〜〜〜〜っ!♡♡」
表情は見えずともはっきりと声が聞こえる。
望んだ答えが。
思わず抱きつきたい衝動に駆られるが、ヴィクサーの両手がそれを許さない。
ゼンゼの動きを支えるようだった手つきは、いつの間にか奉仕を強制するようになっていた。
──まずこっちが先だろう?
ゼンゼにはそう聞こえた気がした。
だから止まれない。
溢れそうな絶頂を必死に堪えながら、狂いそうな快感の中で奉仕を続けさせられる。
「はぁ♡ あっイ、くぅ……♡ あっ……! 気持ち……よすぎて♡♡……おかしく……なる……」
瞳が上吊りになり、涎が唇の端から垂れる。
それでもゼンゼは健気に腰を振り続け、肉棒を子宮口まで何度も突き上げさせた。
身体はすでに完全に堕ちており、快楽に狂いながらも、ヴィクサーを気持ちよくするために懸命にご奉仕を続ける。
そして、熱い待ち望んだ脈動がきた。
「最高だゼンゼ……受け止めろよ」
「あ゛っ♡♡ 来る♡ 来て♡♡ いっぱい出せ……♡」
──どくっ! どぷっ! びゅるるっ!!
濃厚で熱い精液が子宮口に直接叩きつけられる。
一突きごとに大量の白濁が彼女の奥底に注ぎ込まれ、胎を満たしていく。
ゼンゼは喉を反らせて全身を激しく震わせながら、ヴィクサーの精を余すところなく受け止めていた。
精で満たされる感覚に頭の中が真っ白になる。快楽の頂点で身体が硬直し、小さな絶頂が何度も重なり合う。
「熱い……っ、中、熱い……いっぱい、出てる……」
(こんなの……絶対孕む……私、もう)
やがて、ゼンゼはぐったりとヴィクサーの胸に倒れ込む。
いつも直接注がれていたが、今回は別格だ。大量に吐かれ、胎の奥でねばりつくような感覚が……それだけで妊娠したかのような錯覚をゼンゼに与えていた。
ぼんなりと意識が薄れていく。
「せきにん……取らせるからな……」
うわ言のように囁きながら、ゼンゼの視界は真っ暗に染まって行った。
……
…………
………………
何か、良い夢を見ていた気がする。
揺れるような感覚の中でゼンゼは瞼を開いた。
「……ん、ん?」
意識がぼんやりと浮上した瞬間、ゼンゼは違和感に襲われた。
身体が激しく揺さぶられている。重い圧迫感と、奥深くを抉られるような強い衝撃が、下半身から連続して襲ってくる。
「何をして、んっ! ひぃ……っ、る!?」
目が覚めた途端、ゼンゼは息を呑んだ。
ヴィクサーが彼女の上に覆い被さり、正常位の体勢で深く繋がっていたのだから。
ゼンゼの細い脚は大きく左右に開かれ、男の腰に押し上げられるように固定されている。
既に根元まで完全に埋め込まれて、容赦ない腰使いが彼女の最奥を突き上げていた。
ずんっ……ずん……ッ! ぐじゅっ! たんっ、たんっ!
「あっ、あっ、あ゛っ!? まて、ヴィクサーまって……!」
「や、もうすぐだから辛抱しろ」
もう出る……と、どくんと注がれる精。
ヴィクサーはゼンゼの細い腰を両手で強く掴み、深く、重いストロークで子宮口を執拗に突き続けた。
愛液が激しく掻き回され、結合部から淫らな水音が絶え間なく響いている。
同時に覚醒してきた身体が膨大な快感を受け取り、ゼンゼも激しく絶頂する。
「や……っ、だめ……こんな、急に……あぁぁっ!」
抱き締めるように腕を回され、逃げられない悦びに全身を支配される。
急速に溶けていくゼンゼの耳元へヴィクサーが顔を寄せ、流し込むように呟いた。
「責任を取るって決めたからな……結婚して子供を沢山作ろう。それまでは毎日、毎時間、ずぅーっと──」
──この生活だ。
(ぅ、あ──
ゾクリと震える。
ああ、それはなんて────だろう。
ぬるりと全く萎えていない肉棒を引き抜かれ、呆然と蕩けているゼンゼの腹にヴィクサーは手を当てた。
「……うん、まだ孕んでないな」
なら続けよう、と。
再びの挿入。もはやゼンゼは拒むことも出来ない。
孕むまで終わらない、義務的ながらも狂おしいほど幸福で気持ちの良い時間。
消耗した体力も魔法で満たされる。
ゼンゼは羞恥と快楽に震えながら、正常位の激しい交わりの中に再び飲み込まれていった。
(ああ、すき、これすきぃ……)
急速に理性が溶ける。涙を浮かべながらも、腰が無意識に小さく動き、ヴィクサーの抽送を受け入れ始めてしまう。
爛れた夫婦の生活が始まる。
運命共同体になったが故に、ヴィクサーの桁外れの肉欲をゼンゼはひとりで受け入れなければならない。
否、受け入れられるようにヴィクサーの手で"変えられる"。
想いは伝わり、二人は結ばれた。
でも、この末路を望んでいたのだろうか?
微かな疑問が胸の内を過ぎり───
「────はぅ」
「やっと起きたか」
眩しい日の光に瞼を瞬かせながら、ゼンゼは目覚めた。
傍らにはヴィクサーが横になっている。
日が昇っている。
「おはよう?」
「実はもう昼なんだ。寝坊助さんだな」
「君も寝てるじゃないか」
「待ってたんだよ起きるまで」
何が楽しいのかけらけらとヴィクサーは笑う。
共に裸ではあるが特に交わった痕はない。
いや、こうして隣にいる以上夜の出来事は本物だという実感はある。
しかし、
(夢、だったのか……?)
まだはっきりと思い浮かべられる先程の状況。
寝ている間も犯され、起きてからも尚犯され、孕んだと分かるまで延々と繰り返される時間。
たぶん、孕んでも犯されるのでは……。
じゅく……と胎の奥から蜜が湧く。
まさかあれがこの先の未来なのかと、淫らな営みを期待する体。
誤魔化すようにゼンゼは顔まで毛布を寄せた。
ちなみに二人は同じ毛布に包まっており、ゼンゼが引けば当然……
「「あっ」」
二人の声が重なった。
ヴィクサーから毛布が剥ぎ取られ、その下半身が露になる。
ギンギンに聳えた剛直が。
「……えっち」
「んんん何も言い返せん……!」
ゼンゼは少しだけ頬を赤くして顔を背けた。
いまあれを見てしまうと夢の光景が鮮明に焼き付いてしまう。
というかヴィクサーは少しは隠せ。
「そういえばさァ」
「なんだ」
そのまま無言が続いて数秒……ふと、思い出したようにヴィクサーが声を上げた。
「"責任"って……そういうことでいいんだよな」
ビクンとゼンゼの肩が震えて固まった。
それは昨夜に絞り出した想いの丈であり、夢で辿った末路の原因でもあり……いま聞きながらゼンゼの身体へと手を回してきたヴィクサーに過剰反応した故。
「んっ……」
「責任取るって言っちゃったからなァ」
ごく自然に肌を撫で回し、胎の上へ手を合わせ、親指を臍の下へぐいぐいと埋め込んでくる。
手馴れた仕草に女の部分が叩き起されている。しかしゼンゼは今それどころではなかった。
(夢の通りに、なる……のか?)
形は違えどヴィクサーは誘いをゼンゼに仕掛けており、彼女の身体は少し弄られるだけで受け入れようとしている。
ヴィクサーは責任を取ると言った。
つまり
望んでいたはずだ。
ゼンゼはただ頭を縦に振ればいい。察しの良いヴィクサーならそれで理解してくれる。
「……な」
「な?」
「なんのことだ?」
「え゛」
何を言ってるんだという表情でヴィクサーが固まる。そんな顔も好きだ。
だがゼンゼは───情けない話だが再び保留することに決めた。
あんな爛れた生活。性欲一色に染まった未来はゼンゼのプライドが許さない。
(それに……"ああ"なったら壊れる……っ)
もっと本音を言うなら怖い。
あれでは夫婦というより肉欲の捌け口として消費される別の何かだ。
恐らく……女なら誰でもいいのだろう。
ヴィクサーの考えが少しだけ垣間見えたような気がする。はっきり言って最低だ。
絶対浮気するし、今でも何人かゼンゼのような女を囲っている気がしてならない。
だがゼンゼはこの最低な男に心も体も委ねきっている。もう離れようと言う気がしない。
故にガワではなく、ゼンゼ自身を見てから決めて欲しいと思ったのだ。
「ふふ、残念だったな」
「なんで俺が振られたみたいになってんの……?」
「全部ヴィクサーが悪い」
「何も反論出来ん……!」
だから、しばらくはこの曖昧な関係を続けようと。
変に落ち込むヴィクサーを弄りながら、ゼンゼは決意した。
・ゼンゼ
実は初対面がアレなせいで性奴隷√を渡り掛けている。
もうちょっと理性ある時のヴィクサーくんと会えてたら普通に交際してから情を交わす未来もあった。先に身体を許してしまったから何処かで示しをつけないとBADENDになるよ……
・ヴィクサー
隠しパラメータの方に好感度ゲージがあるタイプの男。
性欲の方だけ満たしてもあんまり意味ない。結婚してもベッドの上で抵抗できないと都合のいい女にしてくるので好感度を上げろ好感度を……!