貴族転生で俺は好きにする(予定) 作:ノープ
国指定の難病を患い、闘病も虚しくポックリ逝ってしまった俺は転生していた。
それも貴族である、貴族。
その上、侯爵だそうな。
公爵の一個下だが、それでもとんでもない権力を誇る名門の家柄。
そこの長男坊が俺というわけだ。
前世では病室のベッドで天井のシミを数えるだけの日々だったというのに、目が覚めたら天蓋付きの寝台で羽毛の布団に包まれている。
人生というのは分からないものだ。
「坊っちゃま、おはようございます。お目覚めのお時間でございます」
カーテンを開けて朝日と共に現れたのは、この屋敷のメイド長──アイリスだ。
三十代の美人で、仕事は完璧、所作は優雅、おまけに声まで良い。
まだ熟女と呼ぶには遠いが、年相応の落ち着きと色気が同居した、なんというか──男の理想を煮詰めたような女だ。
聞けばアイリスの家系は代々この侯爵家に仕えてきた由緒正しいメイドの血筋だそうな。
代々仕えるなんて日本人だった俺には別世界の話だったが、今はもう慣れたもんだ。
というか何なら慣れ過ぎた。
「んー……おはよ、アイリス」
「はい、おはようございます。本日も良いお天気で──」
「よいしょ」
俺はベッドから身を起こすと同時に、手慣れた動きでアイリスのメイド服の襟元に指を掛け、ずるっと引き下げにかかった。
「──坊っちゃま」
アイリスは眉ひとつ動かさず、しかし苦言を呈する声色で俺の名を呼ぶ。
「おやめくださいませ。朝からそのようなことは、はしたのうございます」
「えー、だって見たいもん」
「困りました。お気持ちは光栄でございますが、女性の乳房というものは主であっても気軽に引きずり出してよいものではございません」
「気軽じゃないよ、真剣に見たいんだよ」
「真剣であれば尚のこと、然るべき場と時を設けていただきたく存じます」
淡々と諭してくるアイリスの口調は完璧な敬語だ。
けれども抵抗するかと言えばそうでもない。
俺の指を払い除けもしなければ、身を引くでもないのだ。
ただ建前の正論を並べながら、されるがままに襟元をずり下げられている。
「それ以上引き下げられますと、私めの胸がまろび出てしまいますが」
「まろび出ちゃえよ」
「左様でございますか。……では、仕方ございませんね」
仕方ない、とアイリスは言った。
自分からボタンをひとつ外して、布地の抵抗を緩める。
ばるんっ♡
白い柔肌が朝日に照らされて零れ落ちた。
想像通りの豊かな双丘が、メイド服の隙間から惜しげもなく顔を出す。
「…………おぉ♡」
「お気が済みましたか? 本日の朝食は焼きたてのパンにスモークサーモン、季節の果物を添えてございます」
乳房を曝け出したまま、何事もなかったかのように朝食の献立を読み上げるアイリス。
その落差に思わず笑ってしまう。
「アイリスさ、恥ずかしくないの?」
「私が恥ずかしいかどうかは、坊っちゃまがお気になさることではございません。ご主人様が見たいとおっしゃるのであれば、お見せするのがメイドの務めでございますから」
「でもなんか乳首勃ってるよね?」
「……朝の冷気のせいでございます」
「聞いてないけど」
「念のためでございます」
こういう女だ、アイリスは。
どこまでも淡々と、どこまでも従順で、どこまでも自分の本心を見せない。
仕方ないと言いながら自分からボタンを外し、恥ずかしいかは関係ないと言いながら乳首の言い訳をする。
代々仕える家系というのは、こういう女を育てるのだろうか。
だとしたら貴族というのは──なかなか悪くない。
「とりあえず仕舞えよ」
「先にお見せしろとおっしゃったのは坊っちゃまでございますが」
「うん、堪能した。ありがとう」
「……どういたしまして。次からはせめて朝食の後にしていただけると、段取りが崩れず助かります」
アイリスは乳房を仕舞い、ボタンを留め直した。
「はーい。っていうか朝勃ちして辛いよー」
俺は布団をばさりとめくり、わざとらしくズボン越しにテントを張ったモノを見せつけた。
少年の体とは思えない立派な膨らみである。
この体、前世の俺とは比べ物にならないくらい恵まれているのだ。
貴族の血というのは股間にも宿るものらしい。
アイリスの視線は、一瞬だけそこに落ちた。
しかし表情筋はぴくりとも動かない。
「また私めに朝の性処理をしてほしい、ということでございましょうか。いつもお世話をさせていただいておりましたが……私ごときが坊っちゃまの大切なモノのお相手を務めさせていただいて、本当によろしいのでしょうか」
「だってアイリスおっぱいデカいし!」
「……なるほど、乳房の寸法が奉仕の理由でございますか。左様でございますか」
淡々と頷きつつ、アイリスは小さく息を吐く。
納得したのか呆れたのか、その吐息からは読み取れない。
「では本日も、手で坊っちゃまのおちんぽを扱かせていただきます。お射精の前には必ずお声掛けを。メイド服と寝具に掛からぬよう、位置を調整する必要がございますので」
言い方が慣れていることからも毎朝の業務フローとして完成してしまっている。
アイリスの細く白い指が、俺のズボンのベルトに掛かる。
慣れた仕草でカチャリと金具を外し、ズボンを引き下ろそうとしたところで──
「あ、やっぱりいいや! お腹すいたし!」
俺は満面の笑みでそう言った。
これはからかいだ。
完全な意地悪、最低の部類に入る所業だろう。
しかし貴族というのはこういう狡い生き物なのだ、と俺はこの世界に来て学んだ。
使用人を困らせて楽しむのも、主の特権のうちに含まれているらしい。
アイリスはベルトから手を離し、乱れた布地を丁寧に整え直した。
「……畏まりました」
表情は変わらないが──
「とはいえ。朝からいつも私めの顔面に射精なさっていた坊っちゃまが、本日は随分と我慢強くあらせられるのですね。少々珍しい気もいたします」
自分でやっておいて言うのも何だが、前世の俺が聞いたら卒倒するような毎朝である。
「そうかな?」
「そうでございます。昨日などは二度お射精なさって、私めの手が乾く間もございませんでしたので。本日はお腹の具合が優先とのこと、成長の兆しと受け止めさせていただきます」
「成長かぁ。──あ、そうだ。今度パイズリしてよ」
「……パイズリ、でございますか」
「うん。アイリスのおっぱいデカいんだから、絶対気持ちいいって」
「畏まりました。では今度、私めの乳房をしっかりとお使いいただけるようお世話させていただきます。坊っちゃまのペニスを胸でお挟みして──」
「おちんぽね」
「……っ」
ほんの一瞬、アイリスの唇が止まった。
「……失礼いたしました。その言い方は、女性にとりましては中々に申し上げにくいものがございまして──」
「言い訳しないで」
「──申し訳ございません」
アイリスは一度目を伏せ、小さく息を整えた。
そして、いつも通りの完璧な敬語でこう言い直す。
「今度はしっかりと、坊っちゃまのおちんぽを私めの乳房でお挟みして、気持ちよくイかせて差し上げます。たっぷり搾り出して差し上げますので、どうぞ存分に私めのおっぱいをお使いくださいませ」
「お、言えたじゃん。偉い偉い」
「……恐れ入ります。精進いたします」
淡々とした声色は崩していないが、完璧なメイド長が「おちんぽ」と口にするのは中々エロい。
しかし命じられれば言い直す。
言い訳をするなと言われれば、言い訳を引っ込めて従う。
この女、本当にどこまでも従順だ。
「へー。とりあえずご飯食べ行こ、アイリス」
「畏まりました」
それ以上は何も言わず、アイリスは手際よく俺の着替えを済ませていく。
寝間着を脱がせ、下着を整え、シャツのボタンを下から順に留めていく指先は、先ほど俺の腰紐に掛かっていたのと同じ指だ。
そんなことを考えている俺に気付いているのかいないのか、アイリスは一切の無駄なく身支度を仕上げた。
貴族、最高だ。
朝からおっぱいは拝めるし、頼めば処理もしてくれるし、着替えまで全部やってくれる。
前世で天井のシミを数えていた日々が嘘のようである。