貴族転生で俺は好きにする(予定) 作:ノープ
あの後は結局、彼女がどうしても、どうしても、と懇願してきて、応接間でこっそりフェラまでしてもらう羽目になった。
ベロチューだけで終わらせる、という当初の取り決めはどこへやら。
潜り込むようにしてちんぽに吸い付いてきた彼女は、文字通り頬がへこむほどの真空圧で、めちゃくちゃにバキュームしてきたのだった。
「んじゅるるるっ……♡ ずぞぞぞ……♡ んぼっ、んぼぉ……♡」
吸引力が異常なまでに強くて、正直、痛いくらいだった。
ストロー何百本分の真空圧で吸い上げてくるような勢いに、亀頭の感覚が一周回ってくらくらしてきて、これはこのまま吸い殺されるんじゃないかとすら思った。
お父様の前では一言も口にしないと誓った単語の数々を、令嬢の口で実演する技術として完璧に体得しているのだから始末に負えない。
流石に最後の一線、射精まではしなかった──ここで彼女の口に出してしまったら、戻ってくる父親に絶対バレる気がして、ギリギリで踏みとどまった──のだが、我慢汁はだらだらと先端から滲んでいて、それを彼女がちろちろと舌先で丁寧に舐め取っていく光景の刺激の強さよ。
「あなた様の先走り、相変わらず濃くて美味しゅうございます……♡ とっても栄養がありそう……♡」
とか、令嬢が真面目な顔で評価してくるのもどうかと思う。
その後は身なりをきっちり整え直して、何食わぬ顔で今後のことなどを話し合っているうちに、時間はあっという間に過ぎていった。
もっと長い時間、二人きりで過ごしたいものだと毎度のように思う。
けれど、今はまだ大人たちの目がちょいと厳しい。
二人だけでどこかへお出かけしようとか、お忍びの旅行とか、そういうのは冷静に考えると割と危険なのだ。
護衛もつけずにふらふら出歩いて、もし何かあったら洒落にならない。
だから、こうして両家の親同伴の訪問の場で、応接間で短時間こっそり、というのが今の俺たちが許される範囲のスケベの限界なのである。
もどかしいが、致し方ない。
そして、屋敷の正面玄関前。
お別れの時間がやってきた。
馬車の準備が整い、父と公爵閣下が最後の挨拶を交わしている横で、俺と彼女もそれぞれ簡素な別れの言葉を交わす。
「じゃあ、また──来月くらいには、たぶん来ると思うよ。父上の予定次第だけど」
「はい、首を長くしてお待ち申し上げております」
相変わらず、外向きの彼女は完璧な公爵令嬢仕様で、しずしずと両手を前で揃えて、上品にお辞儀してくる。
先程まで俺のちんぽにバキューム吸引かましていたお口とは到底思えない清楚さである。
「ふむ──」
二人のやり取りを横目で眺めていた公爵閣下が、ぼそりと感嘆の声を漏らした。
「我が娘と、ずいぶん仲が良さそうだな」
「あ、はい、おかげさまで」
「ふっ──まあ、嬉しい誤算ではある」
厳格な公爵閣下の口元に、わずかに苦笑いが浮かぶ。
……うん、ごめんなさい公爵閣下。
仲が良いというか、なんというか、色々と俺の方からたぶらかしてしまった結果なんです。
あなたの清純無垢な大切なご令嬢を、こうして毎晩オナニーで4回イかせる変態に育て上げてしまったのは、本当に申し訳なく思っています。
いや、思ってないか。
むしろ感謝されたい気もする。
ともあれ、外面的には我が許嫁の好感度は公爵にも好評らしい。
良い義父息子関係を築けそうである。
馬車に乗り込もうとした、その時。
彼女がすっと一歩、距離を詰めてきた。
「あなた様」
「ん?」
彼女は少しだけ背伸びをして──ちゅっ、と。
俺の頬に、軽くキスをしてきた。
淑女らしい控えめな唇の感触。
けれど、確かな温もり。
長い銀髪がさらりと俺の頬を撫でて、ふんわりと甘い香水の匂いが鼻先をくすぐる。
完璧に「公爵令嬢としての別れの挨拶」の範疇に収まる、上品で短くも親密さの感じられる口づけ。
「ふっ──」
公爵閣下が、また小さく感嘆を漏らした。
「我が娘が、ここまで心を許すとは。他の者にはなかなか冷たい娘だと聞いていたのだがな」
「お、おかげさまで……精進いたします、はい」
「うむ。これからも、よろしく頼むぞ」
厳格な公爵閣下の口調に、わずかな温かさが混じっていた。
うちの娘を大切にしてやってくれ──そんなニュアンスを、俺は確かに受け取った。
はい、もちろんです。
心の底からたぶらかさせていただいてます。
そんなこんなで、俺は父と一緒に馬車に乗り込み、公爵家の屋敷を後にした。
車窓から見送る彼女の姿が、しずしずとお辞儀をしたまま、徐々に小さくなって、やがて見えなくなる。
ふぅ、と俺は息をついて、馬車のクッションに身を沈めた。
公爵令嬢として完璧に振る舞いきった許嫁の姿、最後の頬へのキスの感触、その余韻に浸りながら、ゆっくりと長い帰路の時間を楽しむ──予定だったのだが。
……いや、無理だ。
俺は今、絶賛、勃起に苦しんでいる。
ズボンの中で完全に元気になってしまった俺の息子を、向かいの席に座る父にバレないように必死で太ももを組んで隠している始末である。
というのも、だ。
あの最後のほっぺへのキスの瞬間。
彼女は背伸びをして俺の頬に唇を押し当てながら、誰にも聞こえないくらいの、けれど俺の耳元にだけは確実に届くしっとりとした蕩けた甘い吐息に乗せて、こう囁いてきたのだ。
『──次にお会いする時こそ、た〜っぷりエッチをいたしましょうね? 旦那様……♡』
完全に、不意打ちだった。
しかも、「あなた様」でも「あなた」でもなく、「旦那様」と呼んできた。
いや、まだ婚姻も交わしていない正式な許嫁の段階で、その呼称は早すぎる。
早すぎるけれど──最高に効く。
完璧な不意打ちだった。
しかもあの平静な顔で、公爵閣下の真横で、あんな品のない妄想の続編をしっかり予告してくるとは。
ちんぽに対する誘惑攻撃力が、もはや前世の現代日本にいた頃の俺の知るアダルトコンテンツの数倍は高い。
あの上品な顔と完璧な礼儀作法の下に、よくぞあそこまでの変態性を仕込んだものである。
半分は俺のせいだけれど、半分は元から備わっていた素質だと思う。
「……どうした、息子よ。妙に静かだが、何かあったのか?」
「い、いえ、別になんでもないですよ父上! ちょっと許嫁との別れが寂しくて、感傷に浸ってるだけで!」
「ほう、それは結構なことだ。良い関係を築けているようで、父も嬉しいぞ」
父が「ぬるっ」と笑う。
あぁ、絶対この人、何か全部分かっている。
父の鋭い目が、俺の太ももの組み方を見て、何を察したのかは敢えて聞かない。
帰路は、長そうである。