「痛ってぇ……あたた……俺コツソショウショウだから脱臼したかも……。」
品性に乏しい男と肩がぶつかると、肩を擦りながらこちらを向いてパフォーマンスをして見せた。
彼女は好んで人通りの少ない道を歩きたがるので、このような好ましくない事態になる。
「……あなたは脱臼など」
説明をしてやろうとすると、彼女が私の腕に縋り付いた。
「ご、ごめんなさい……彼も病弱で……私も手持ちが……ごめんなさいっごめんなさいっ」
またいつもの悪癖が始まったようだ。
「彼女さんなら俺の辛さはわかるよな?……治療費の支払いは後でもいいからさぁ……医療費って馬鹿にならないから。」
彼女は何度も頭を垂れた。
「はい……高騰してて……つらいですよね……怒らせちゃったら……どうしようって……お兄さん、怖い人に見えて……優しくてよかったです。」
彼女は挙動不審を扮い、指を唇に当てて噛むような仕草をし、目を伏せた。
「大丈夫大丈夫、誠意を見せてくれたら俺は素人さんには優しいからさ、こう見えても義理人情にはアツいから。」
男は乗せられたようで、彼女の肩を何度も叩いた。
「素人さん……お兄さん、やっぱり……怖い人……?ヤのつく自由業の人……?」
彼女の腕を握る力が強くなり、体を密着させた。
柔らかいな。
「ああ、俺さ……王罰組なんだよね……だから怖いお兄さんには気をつけて話しな?で、連絡先は?」
男は自殺宣言をすると彼女にスマホを出すように指示をした。
彼女はスマホを取り出すと連絡帳を呼び出して電話をし始めた。
「……突然のご連絡申し訳ございません。王罰組の事務所の方ですか?今そちらの構成員と名乗る方から連絡先を教えるように言われまして……構成員名簿を参照していただけませんでしょうか。暴対法的に問題かと心配になりまして……。」
男は絶句して固まった。
「えーと、お兄さん……お名前、フルネーム教えてください。」
そうスマホを男に向けると男は顔を真っ赤にして彼女をぶった。
「テメエ!ふ、ふざけんなよ、冗談も大概にしろ!」
ぶたれた彼女は地面に倒れると、頬を擦りながら地面に寝転びながら通話を続けた。
「痛い……叩かれました……。」
仕方なく私が警察を呼ぶと男は逃げていった。
「ボロ大先生、あなたは本当にマヌケだな……。」
手を差し伸べると、無視して通話を続けた。
「おたく、あんまりふざけたことをするなよ。こちらも遊びに付き合う暇はないんでね。」
連絡帳に組の連絡先を入れているとは、やはり病的だ。
「はい、申し訳ありません。電話番号から私を探し出しますか?」
組員の論を聞きながら地べたに座り、あぐらを描きながら淡々と会話を続ける。
「あのなあ……おたく、どこに連絡してるか理解してる?」
彼女は地面の小石を指慰みにしながら逃げた男の方の道を見ていた。
「実は以前、そちらの方が後援していた被災地の炊き出しに感銘を受けまして、お礼を兼ねてお電話した次第です。あの時は大変お世話になりました。」
電話の向こうの態度が変わった。
「……録音してるんですね、わかりました。」
「はい、ありがとうございました。」
、、、
「ボロ大先生、電話番号を変えたほうがいい。変えに行こう。」
到着した警察に「またか」という顔をされて事情を説明し終わると彼女は真っ直ぐに帰路に着こうとするので、腕を引いて引き留めた。
「その必要はない、家など既に割れている。携帯の電話番号を変えることのほうがよほどリスクがある。新しい電話番号の割り振りが新番号帯でなく他者が使用した番号である場合、その『番号を変えざるおえなかった』状態を引き継ぐことになるからな。前の使用者が借金取りやストーカー被害に遭っていた場合は……」
彼女は極端過ぎる。
……それが彼女らしいとも言えるが。
「そうか。ならば帰ろう。……先ほどの炊き出しというくだりは虚偽だな。」
「聞くまでもないだろ。」
「ねぇ、ボロさんって真経津さんのこと……好きでしょ。」
今日は珍しく彼らが居ない自室だというのに。
「いや……。」
愛美ちゃんは宿題そっちのけで食い気味にテーブル向かいに上半身を乗せた。
「私内緒に出来るよ!口は重いから!恋バナしよっ!」
おそらく、山吹刑事との間に何か進展があり、それを言うための口実が欲しいのだろう。
「好きではない。」
そう答えると、テーブルから立ち上がって隣に座って腕を組んできた。
「内緒にするから!」
……。
確定事項になっているのだな。
「好きではない。愛美ちゃん、山吹刑事とはどうなっている?」
愛美ちゃんは頬をぷくっと膨らませて私の腕をブンブンと振った。
「はぐらかさないで!……真経津さんってボロさんに気があるのかもしれないよ?女の勘ってやつ!」
天気予報より当てにならないやつが来たな。
「そうか……。」
としか言えない。
真経津は私を所有物として見ている。
それを気があると定義するなら、そうなんだろう。
「付き合ったたら年下彼氏になるね!大型犬みたいなワンコ系彼氏!今もボロさんボロさんって甘えてて可愛いくない?」
……確かに大型犬ではある。
狩猟用の。
「それでさ、ハロウィンパーティーってする?お菓子作って行ってもいい?私、最近お菓子作り始めて……も、もちろんお金は借金取りさんに怒られない程度しか使ってないよ!」
お菓子作り……山吹刑事にあげる目的か、達成済みか未達成か。
それにしてもハロウィンパーティーか……。
しよう。
「パーティーする。仮装は無理にしてこなくてもいい。」
パアッと表情が明るくなった。
「うん!」
、、、
「ボロ大先生、背中と脇腹に赤らみがある。床擦れか寝具が合っていないのだろう。新しいマットレスを買いに行こう。」
彼女の身体は脆く繊細だ。
ツギハギで硬くなった皮膚と元々の柔肌を指の腹でなぞる度に違う質感が感じ取れる。
「……医者、お前は私を怒らせたいのか?」
彼女は快感に悶えるのを必死に隠しながら私の腕にしがみついた。
「……どうした?」
指を性感帯に滑らせると彼女は身震いを抑えられずに腰を小刻みに動かしながら顔と胸部を腕に押しつけた。
「あぁん……く……奥さんに……奥さんに申し訳ぇっ」
快楽に喘ぎながら誠意を示そうと必死になる姿は、いじらしく、そして堪らなく愛らしい。
「妻に嫉妬したのか?」
妻という単語に反応してどうにか身体を離そうとしている様子だったが、結局は腕を抱きしめたまま離れられず、唸りながら藻掻いていた。
「お前ぇ、お前っ……私以外の誰かっ……誰がに刺されるからなぁっ……あっあっああっだめぇ……」
陰核を擦ると腕を強く抱きしめて絶頂した。
膣からは愛液が止め処なく流れていて、容易に掬い取ることができ、粘度を指で確認する。
「あなたと妻以外に女などいない。」
「じゃじゃーん!見てみて、魔女さん!」
獅子神さんの家でのハロウィンパーティーは飾り付けまでしっかりしていて一般家庭じゃないみたいだった。
「かわいい魔女さんだなぁ、愛美ちゃんは可愛いなぁ。」
ボロさんは何故かウェディングドレスを着ていた。
「ボロさん!結婚する前にウェディングドレスを着ると結婚が遅れちゃうよ!」
「ボロさんは結婚できないよ!」
カボチャの帽子をかぶった真経津さんがまた意地悪を言った。
……ボロさんにかまってほしいんだろうな。
「もう!また意地悪して!小学生の男子みたいだからやめなよ!」
獅子神さんは軍服なのかな?カッコいい。
「愛美ちゃん、テストの結果はどうだった?」
……そうだった。
期末試験の結果報告を兼ねてたんだ。
「……実はね……」
学生カバンからテスト用紙を取り出す。
「じゃじゃーん!学年順位10位以内になりました!」
ドベだったのに、すごいでしょ!
えっへん!と胸を張っているとテスト用紙をドラキュラの格好をした村雨さんに取られた。
「……この内容で満点を取れないとは……私と獅子神が指導したというのに……お粗末すぎるぞ小娘。」
……な、学年順位10位以内だよ!?
「うーん……次はもう少し頑張れるか?」
酷い!普通はもっと褒めるでしょ!!
「愛美ちゃんは努力家だね、普通はここまで急に成績が伸びたりしないから。」
ボロさんがニコッと笑って褒めてくれる。
「そうだよね!?私頑張ったんだよ!ギャンブラーとしてやっていくにしても最低限の教養がないといけないし。」
……目つきが変わった?
「……トリックオアトリート、愛美ちゃん。」
手がお菓子を要求してる。
「……あ!うん!ボロさん、友チョコ作ったの!」
慌ててカバンからラッピングしたチョコレートを渡す。
「わぁ、かわいい、ありがとう……嬉しい……平成女児チョコだぁ……はぁ……はぁ食べていい?」
じょじ?なに?
「うん!いいよ!」
そう言うとボロさんはラッピングを解いて、結んでいたリボンを指に巻き付けてからチョコを食べた。
「美味し……あぁ……愛美ちゃんのチョコ……嬉しいなぁ……はあ……」
なんともいえない顔をしてチョコをパクパクと食べて4つあったチョコをあっという間に食べてしまった。
「ボロさん、甘い物食べられないのに。」
……え?
「あ、嘘だよ嘘、私は甘い物が大好きだ……愛美ちゃん、大好きだよ。」
するといきなり真経津さんが割って入ってきた。
「どうして嘘をつくの?」
「嘘などついていない……。」
急に重力かかり空間が曲がったような感覚になる。
「え、えっと……。ごめんボロさん。甘い物が苦手ならそう言ってくれればよかったのに……。」
空気が急激に冷えた。
暖房は入ってるはずなのに、冷たい。
「真経津の言うことは気にしないでいいからね。私は好きだよ。」
「トリックオアトリート。」
また突然村雨さんか手でお菓子を要求する仕草をした。
「え……お菓子……。」
どうしよう、あのチョコを4人に渡す予定だったから手持ちのお菓子がもうない。
キョロキョロしているとボロさんが腰の後ろに隠していた大きい棒付きキャンディを私に渡してくれた。
「……はい!村雨さん、お菓子だよ!」
「それ、人からもらったやつだよね。」
真経津さんがキャンディを奪うとラッピングを外して舐め始めた。
「……では、ボロ大先生。トリックオアトリート。」
ボロさんは立ち上がってキッチンの食料庫を開け始めた。
「そうなると思って菓子は用意してあ……。」
食料庫の扉を閉めると冷蔵庫を開けて、部屋から出ていってドタバタと走り回る音が聞こえる。
「な……なんで菓子がないんだよ!!隠したな……出せ!!返せ!!」
顔を真っ赤にして村雨さんの吸血鬼衣装の襟を引っ張る。
「……ボロ大先生は菓子がないのだな?……トリックだ。後で客室に来い。」
そう言って手を振りほどいて、ソファに座ってテストで間違えた箇所にメモ書きを始めた。
「もう!村雨さんまでボロさんをいじめないの!」
村雨さんの手元を覗き込むと正解となぜミスをしたかの分析結果をビッシリと書いていた。
「ところで愛美ちゃん、学校は楽しい?嫌なことはない?山吹とはどんな感じ?」
ボロさんは冷静さを取り戻したようで、ニコニコしながらおしゃべりを始めた。
「学校は……実はね……私、女子たちからイジメられてたんだ。」
「その子の名前は?」
また厨二病が始まったみたい。
「過保護だなー!もうイジメられてないよ!……勇気を出して直接話したら……一気に仲良しになっちゃった!」
「山吹とは」
もう!
「山吹さんとは連絡たまにするよ!……18歳になったらデートするんだ!」
軽くなったと思った重力がまた重くなって膝をつきそうになる。
「よかったね……。」
……え、なんか……ボロさん、怒ってる?
「ボロさん、トリックオアトリート!」
真経津さんがボロさんに抱きついても、微動だにしない。
「愛美ちゃんの花嫁姿みたいなぁ……楽しみだね。」
ボロさん目を細めて笑った。
「なんなら今からチョコ作りするか。製菓用のチョコが金庫にあるから。」
金庫にあるなら出してあげればよかったのに。
獅子神さんも意外と天然なところがあるみたい。
「うん!みんなでかわいいチョコつくろー!」
、、、
「では菓子作りも終わったな、小娘、帰れ。」
せっかくチョコを食べておしゃべりしてたのに。
時計を見ると18時に近くなっていた。
「オレと真経津で愛美ちゃんを送るから。」
獅子神さんは普段着に戻っていて、お土産に作ったチョコを袋に入れてくれた。
「えー……もう遅くなる時間だし仕方ないか。ありがとう!楽しかった!」
「ああ、これからは大人の時間だ。」
『シーツの中の幽霊』
『the haunted in the sheets』
敗者は死亡する可能性がある。4スロット〜ハーフライフ相当。
ペナルティは白煙(窒息死)。
【ゲーム概要】
プレイヤーは暗闇に座り、背後に「Ghost(自分の分身)」として白いシーツが立つ。
猫はプレイヤーの使い魔であり「kiss/bite/lick」のいずれかを毎ターン選択する。
ターン後に先攻後攻入れ替える。
プレイヤーの敗北条件
・red/blue/green(それぞれ3つ)の9ライトがすべて点灯
→白光になりがGhost消滅し敗北する
・プレイヤーの9ソウルが尽き、猫が消滅し敗北する
先攻は Ghost、後攻は猫。
【ターン構造】
① Ghost(先攻)
Ghostは毎ターン「トリック」か「トリート」を選ぶ。
そのうえで、猫が選んだ行動(kiss/bite/lick)に応じて次の効果が発動する
Ghost:トリック(TRICK)
・猫がkiss
相手(猫側)が指定したライトの色をGhostが点灯または消灯する
・猫がbite
Ghost側が、猫が選んだ色のライトを点灯または消灯する
・猫がlick
猫のソウルを1つ奪う
Ghost:トリート(TREAT)
・猫がkiss
Ghostが自分のソウルを1つ差し出す(猫に渡る)
・猫が bite
猫が選んだ色のライトを、Ghost側ではなく猫側に点灯or 消灯させる(譲渡扱い)
・猫がlick
次のターン、合成色(yellow/cyan/magenta)を新規に作れない
② 猫(後攻)
猫は以下を行う
次にGhostが使う「魂の色」を6色の中から予想する
当たり:Ghostからソウルを1つ奪う
外れ:Ghostの決めていた色の効果が発動
【色効果(Ghostが使用する魂の色)】
red
猫のソウルをGhostに1つ与える
blue
次の猫ターンで選べる色がred/blue/greenのみに制限される
green
次のGhostターンで「猫のソウルを奪う効果」が無効化される
yellow(red+green)
次のターン、自分と相手の選ぶ色がランダムに変化する
magenta(red+blue)
次ターン、Ghostは強制的に「トリート」になる
cyan(blue+green)
次ターン、Ghostは強制的に「トリック」になる
「ボロ大先生、『シーツの中の幽霊』のルールは覚えているな?」
どうして……。
「医者、やりたくない。」
ベッドの上で向かい合った医者の目には迷いが無かった。
「なぜだ?……あなたは菓子を渡さなかった。それに対する罰だ。」
……違うだろ?
お前はセクハラの大義名分を得て、その大義の下で陵辱して私を辱めたいだけだろ?
「……このサドが。」
医者に顎を引かれる。
……怒りを通り越して涙しか出てこない。
「私は加虐趣味者ではない。童心に帰りハロウィンの余興を愉しみたいだけだ。」
ならば、ベッドの上から降りろ。
「……あくまでそう言い張るのか。」
医者は悔し泣きする私を無視し、ずいっと身を寄せて耳打ちした。
「……菓子をくれ。無いのだろう?……イタズラをしていいな?」
……。
「嫌だ、と言っている。」
そう言い終わる前に首筋に歯を立てられた。
「痛い痛い痛い……やめて、やめ」
そのまま押し倒されて吸血鬼のマントがひらりとシーツに落ちる。
「Biteだ。あなたの色はなんだ?」
……。
「Redだ……。……その前に……ウェディングドレスを脱がせてくれ……。汚したくない。一人で脱ぎ着できない。」
うつ伏せになると、背中の留め具が一つ一つ外され、その箇所一つ一つにキスをされる。
「……っう……お前はもうゴーストだろ……やめろ」
ゆっくりとドレスが脱がされて、もう私の背を隠すものは何もない。
「……そうだな。では……トリックだ。猫、どうする?」
太ももの裏側を指が這い回る。
「あっ……う、っ……」
Biteはつまり噛む……噛み跡は残せない。
残したら奥さんが……。
Kiss、Lick……。
「Kissだ……。」
うつぶせのまま肘をついている医者の右手にキスをした。
「……ライトが点灯していない。」
……は?
「ライト……つまり性的快感か不足している。それではKissをしたことにはならない。」
「ふざけ」
医者に上に乗られた、これではまるで……寝……後背位。
「指にKissしてみせろ。」
結婚指輪が光る左手を顎の下から出し、軽く振った。
……ふざけるな。
怒れ怒れ怒れ怒れ怒れ、怒りを燃やせ。
正気を失ったら私の負けだ。
薬指にキスをすると、指が口内に侵入してくる。
「んふぅ……キスしたろ……ん」
指が舌をつまみスリスリと撫でて口内を搔き回す。
「あっ……るぅ、キスしたぁ……」
思わずシーツを握ると、それに反応するように指の動きが激しくなる。
「あなたが絶頂してどうする。私の色はGreenだ。」
よだれが滴る指が私の肩を引くと仰向けになってしまう。
……。
なぜ裸で、吸血鬼の衣装を着た男性に乗られているのか。
「では……あなたはトリック、トリートどちらをくれる?」
イタズラ、菓子、どうしたら……。
「トリート……」
医者が下がった。
下がっ……
「ま、待って、待ってや、やめ」
湿った舌が割れ目をなぞるように上下する。
「ああっ、やめて、舐めないで、やだやだぁっ」
必死に抵抗しようと脚を閉じようとしても付け根を押さえられて上手くいかない。
早く、早くLickを終わらせて。
「もうリックはいい、終わり、終わりぃ、あっああだめ」
指が割れ目を開いて舌が腟内に侵入してくる。
「ああ……お願い、おねがい、おねがいします、やめぇ」
舌が膣壁を嫐り指が陰核を摘み、腰をガクガクと揺らしながら絶頂してしまった。
「潮吹きか……そんなによかったか?ならばもっと舐めてやろう。」
グポッグポッという下品な音がする度に目の奥に火花が散った。
「いぃ、イきたくないぃやだやだ、やめてやめてください」
ズズッと唇を秘部につけられて愛液を啜られてまた絶頂してしまう。
「やだぁ、やめてやめて医者ぁ、やらからぁイくのやぁ」
太ももに愛液が滴り伝わるのが分かって羞恥心と罪悪感で胸の奥が苦しい。
「……では、Redだ。次はあなたが猫になる番だ。トリート。」
Biteは噛んじゃうから、Kissはダメ、Lickで舐める。
「Lickぅ……」
舐め、舐める?どこを?
あ、手の甲を舐め
「私が舐めた場所と同じ場所を舐めろ。」
……。
「や、やだ、私、やだぁ奥さんがぁっ、もうやりたくない」
「ゲームが終わるまで帰らない。」
医者がうつぶせになった。
「やだ、医者、やめよ?ねぇ、やめ」
手を引っ張られて顔を股間に押し付けられる。
「舐めろ。猫。」
……。
ここで舐めたら、もう後戻りできない。
私が自ら不貞を
「ボロ、舐めろ言っている。」
……。
ファスナーを下げ、勃起したモノを舐めると頭を撫でられた。
「……っ、上手いな、ボロ大先生……。」
「……遅かったですね。」
またあの人のところにいたんだ。
……そうすれば、私が嫉妬すると分かっているから。
「ああ。すまない。」
そんな事思ってもないくせに。
「……よかったですか?彼女……ボロさんは。気もないのに……ちょっかい出すのやめてあげてください。」
嫉妬に燃えるなんて礼二さんの思惑通り?
……そんな事知ったこっちゃない。
あの女が憎い。
私が礼二さんに見初めれて、私が内縁の妻に選ばれた。
愛されるのは私だけでいい。
「ああ。」
もう、いいかな。
「そうですよね、わかってます。礼二さんはそういう……」
抱き寄せられて舌と共にチョコレートをねじ込まれる。
「んっふぅ……あう」
チョコレートは舌と舌が絡み合ううちに溶けて喉を垂れた。
それを舐め取られてビクビクと身体が跳ね、その瞬間を見計らってしなやかな指がTシャツの下に入り込んでブラジャーをずりおろして乳首をギュッとつまんだ。
「ああっ、あう、礼二さんっ」
思わず腕を背中に回して抱きつくと、耳元で囁かれた。
「こんなに期待を膨らませて……あなたは実に愛らしい。」
爪で乳首をカリカリと引っ掻かれてしがみついて絶頂してしまった。
「ベッドまで待てないらしいな。」
そのまま壁に押し付けられて立ちバックで挿入される。
「せんせっ……私だけを見てっ……私だけぇ」
激しいピストン運動で頭がクラクラする。
「私の妻はあなただ、可乃。」
もっと、私の名前を呼んで。
「礼二さんっ、私っうぁっ、激しっ……あなた……愛してます、愛し」
グリグリと子宮口を攻められて壁に爪を立ててしまう。
……いつの間に、私はこの人をここまで愛してしまったんだろうか。
私だけの村雨先生。
私だけのあなた。
絶対に渡さない。
あの女にも、他の女にも、絶対に渡さない。
「愛してる、可乃。」
。。。
「医者、悪いが点滴を頼めるか?」
彼女が自ら医療行為を強請るとは珍しい。
「その前に血液を取らせてもらう。」
腕を採血台の上に乗せさせ、血管を探す。
「……あなたは本当に血管が出にくいタイプだな。妻とよく似ている。」
すると、彼女は中指を立てた。
「奥さんとはどうだ。」
……探りを入れるとは、可愛らしい。
「良好だ。」
彼女は自分の命を繋いだ私に恋慕の情がある。
「で……夫婦円満の秘訣は?」
血管に針を刺すと、瞼が微かに痙攣した。
「あなただ。」
、、、
「医者、あまり奥さんにジェラシーを抱かせるために匂い付けなどをするな。ザイオンス効果でミイラ取りがミイラになっても知らんぞ。」
それはあなたのひた隠しにしたつもりの欲求だろう。
ベッドに腰掛けて点滴の速度を調整していると袖を引かれた。
「……お前、寝てないな。目の下のクマが普段より濃い。」
……誘いか?
「私と寝たいのか?」
彼女は薄っすらと笑みを浮かべて私をベッドに倒して、……抱きしめた。
「ごちゃごちゃとうるさいな、医者、寝ろ。」
二人の上に架かる点滴のチューブは、まるで運命の……。
「医者は色々抱えているから倫理に欠けた振る舞いで愛する人の注目を集めようとする。奥さんからしたらたまったものではないぞ。……だから寝ろ。ぐっすりと寝てスッキリしたら弟みたいに戯れつくこともなくなるさ。」
……あなたのせいで、弟ではいられなくなってしまった。
私は医師として、男性として妻を、可乃を愛している。
そして、フランケンシュタイン博士として、
あなたを愛している。
。。。
「ねえ、ボロさん」
いつの間にか真経津がベッドの隣でこちらを覗いている。
「……なんだ。」
……次から次へと。
「村雨さんは挿入した?本番した?」
……。
していたらなんだと言うんだ。
「……していない。医者に直接聞いたらどうだ。」
真経津は下がって裸の私の秘部を見ている。
何が面白いんだか、さっぱり分からない。
「ボロさんって、村雨さんのこと好き?火遊びのつもりが本当に好きになっちゃった?奥さんから寝取りたいの?」
……。
コイツらの頭は行動原理の選択肢が性欲しかないのか?
「愚問だ。」
「ならどうして濡れてるの?」
……。
だから、生理現象として……。
……もう疲れたな。
「……分からない。何もかも、分からない。」
真経津が秘部を舐めている。
「可哀想なボロさん、村雨さんは遊びのつもりなのに……本気になっちゃったんだね。」
……。
馬鹿馬鹿しい。
「ああっ、違っ……う……はぁ、イったばかりだからやめろ」
太ももを持ち上げられて抱きかかえられる。
「もう濡れてるから挿れていいよね?」
確認を取る前に挿れてるだろ。
「あっあっあっあっあっああっあっ」
医者に噛まれた場所を噛まれながら腰を激しく打ちつけられる。
「ボクってそんなに魅力ないのかな?」
……。
お前は、所有物に愛されたいのか?
「おっ……おあっ、あ、イく、イくからぁ……」
、、、
「ボロさんって、エッチ大好きになっちゃった?淫乱なビッチになっちゃった?」
真経津は私の髪を手慰みにしながら答えを持った。
「さあな……。」
指が止まり、指は胸を撫で舌が捩じ込まれる。
「ボロさんはボクのものなのに、どうしてわからないの?」
……。
「んっ……どうしてだろうな。」
お前のものなら、なぜ所有権を主張しない?
『自分のものに手出しするな』
それで済む話だろ。
相手が医者で、私のメンテナンスを行う者だから遠慮しているというのは理由にならない。
最初から、お前はわざと差し出している。
玩具が壊れる瞬間をみるために。
「ボロさんは、誰が好きなの?」
……。
考えたこともなかったな。
牙頭オーナー、漆原弁護士。
ジョイキッチンのみんな。
情にもろい土屋田。
「甘い物が平気だなんて嘘までついて、愛美ちゃんにかまってほしいの?レズビアンなの?そんなに大切になっちゃった?」
愛美ちゃん。
「好きなの?」
うさぎ。
……瑚太郎さん。
「誰だろうな。見当もつかないよ。」
、、、
「今日の映画はホラーの方のdOLLSだ。」
今日は全員が集まっている。
「ホラーねぇ、知名度なくないか?」
「いいから観ろよ。」
「……どうしてこの少女と男だけ生きて返されたと思う?」
叶があくびをしながら答える。
「どうせ『純粋な心の持ち主だったから』とかだろ。」
他の者は退屈そうにして席を立ち、ゲームを始めている。
「いいや、ただの気まぐれで生かされたに過ぎない。」
そう、すべて力のある者の気まぐれで決まるのだ。