「ボロさん、ボク達以外の男の人と会ってないよね?」
会っているに決まっているだろう。
「私はジョイキッチンで働いている。以上だ。」
そう答えると真経津は飾り棚にある真経津製の毛玉をニギニギと握っていた。
「店員さん仲間で仲良い人とかいる?」
……。
あまり話さないが、皆親切。
特にプライベートな話を根掘り葉掘り聞き出すような人たちではない。
「特にはいない。」
ただ、牙頭オーナーは店頭に顔を見せる度ギャンブラーだった者として心身に対する心配の弁を述べてくれる。
「……今ウソついたでしょ。」
……。
まだ始まった。
「嘘などついていない。嘘だと思うなら職場を尋ねろ。」
真経津は毛玉を置いて布団に潜り込んできた。
そしてスエットのズボンとショーツを下げ、同じ事を繰り返す。
「ボロさんはその人のことを好きかもしれないけど、その人はボロさんのことなんとも思ってないよ。」
……。
分かっているが。
「はぁ……あっ……で、……もう……うっ」
会話が成立しないのなら、しようと努める意味もないのかもしれない。
、、、
「獅子神さんなら村雨さんと出かけましたよ。」
そう家政夫さんから告げられ、帰ることにした。
……。
なぜ?
私は獅子神に会いに来ていたわけではない。
ただ、彼の家で食事や客室で寝泊まりを……。
……。
よくよく考えてみればおかしな話だ。
彼らは獅子神の家の合鍵を持っていて、定期的に集まっているようだから。
……だからなんだ。
なぜ恋人がいる成人男性の家に訪ねていく必要があるのか。
今更になって頭を抱える。
間違っている。何もかも。
その足でカラス銀行により、賭博場で人を探してウロウロしていると雪村に声をかけられた。
「もしかして土屋田を探してる?残念だけど別部署のところに行ってるよ。」
彼はよくジョイキッチンに手伝いにくるので、同僚といえばそうなる。
「ワンヘッドにはまだ成れないのか?」
雪村は苦笑いを浮かべて首を傾げた。
「行員として現状の状態を説明できない。ま、君への説明はこれでいいかな?」
少なくとも停滞していないであろうことが理解できた。
「ああ、助かる。」
立ち去ろうとすると腕を引かれた。
「ボロさん、同僚としての話。いいかな。」
振り向くと距離を詰められた。
近い。
雪村の顔は美しいな。
「君はワンヘッドクラスに成れないし、成るべきじゃない。君に必要なのは、自分に自信を持つことだけだ。」
……。
「そうか、行員としてはどうだ?」
腕を強く握られる。
痛いな。
「……さあね。」
雪村と別れて賭博場を後にすると、銀行の近くで愛美ちゃんと御手洗が親しげに話している姿を見かけた。
早くに動かねばならない。
「よろしくお願いします。漆原先生。」
漆原弁護士は鉛筆で額をトントンと叩いて鉛筆を机に転がした。
「……うん、いいよ。引き受ける。」
……。
よかった。
「ありがとうございます。このご恩、一生涯……死んでも忘れません。」
深々と頭を下げると、漆原弁護士は席を立ちコーヒーを入れてくれた。
「今人手が足りなくてさ、本当なら男女二人きりは不適切なんだけど……。」
そう言って目の前にことりとコーヒーカップを置いた。
「いえ……。」
……。
これで懸念事項がある程度解消された。
肩の荷が降りた気分だ。
「ねえボロちゃん、ボロちゃんって映画が好きなんだよね。オススメ映画について教えてほしいな。」
突然の雑談に固まってしまうが、何とか頭から絞り出す。
「評価はしているが、嫌いな映画なら答えられます。」
漆原弁護士は興味深そうにコーヒーを啜った。
「jニ人の怒れる男……。あれは最悪だ。」
コーヒーを口元に運ぶ手が止まった。
「どうしてだい?理由が知りたいな。」
弁護士をしている彼に法についての論を述べるのは恥ずべきことだが、あえて解釈を話した。
「たった一人の男の曖昧な感情論によって、有罪の可能性が限りなく近しい少年が無罪の方向に進む。これを正義とするからです。」
そう述べると、応接室は静寂に包まれた。
「ボロちゃん、このあと時間ある?仕事終わりにドライブデートしない?」
、、、
困惑しながら勝手に帰るわけにも行かず応接室で待っていると、本当にドライブデートとやらに付き合うことになった。
「じゃあ行こうか、ボロちゃん。」
助手席は居心地が悪く、ただ下を向いていた。
漆原弁護士も話題を振ってくることもせず、ただ都内の夜景を背景にしてクラッシックが車内に流れている。
しばらく経って東京湾近くの桟橋まで着くと、駐車場に車を停めた。
「ボロちゃんって工場とか好きそうかなって。」
好きだ。
「はい……!ラーメン構造の架筐に貫流ボイラーの排気ダクト……。」
ライトに照らされた工場群を生で見るのは初めてで興奮してしまった。
「……好きな映画が出来たら教えてね。」
……。
ああ、そうか。
嫌いな物を語るより、ポジティブな物を語れという。
「aンドリューNDR114ですかね……。」
あの映画は好きで、嫌いだ。
「なかなか渋いね。……どこが嫌いなの?」
……見透かされたか。
「彼が人間として認められるのはいいです。……ただ、彼女と肉体的に繋がったことを『天にも昇る気持ち』と言わせたのが蛇足だと。物理的な満足を人間性とするのは不愉快なので。」
性交渉で多幸感を抱き、それが是であり人間らしさと説くのは過ちだ。
……しまった、成人男性に性的な話を持ち出してしまった。
引かれたか。
「でも、彼は本当にそう思ったのかもしれないよ。彼の気持ちを決めつけて『違う』というのは傲りじゃないかな。」
潮風に髪を揺らされながら漆原弁護士はこちらを見た。
「……確かに。」
……。
……なんてことだ、私は愚かな考えを抱いてしまった。
「今、漆原弁護士に抱きついて全てを曝け出したい」
そう思ってしまった。
……きっと彼らと交わるうちに頭がおかしくなってしまったのだ。
「ボロちゃん、夜風が思ったより冷たいから今日は切り上げよう。またドライブデートに付き合ってくれるかな。」
弁護士という仕事は職業柄「好意を抱かれやすい」のだったな。
「はい、私なんかでよければ。」
漆原弁護士はそのまま何も言わずに自室まで送り届けてくれた。
、、、
「ボロ、ちょっといいか。顔貸せ。」
珍しく牙頭オーナーがジョイキッチンの閉店時間に訪れた。
……解雇通知か、それとも……。
応接室の扉は30cmほど開いたままで、ドスッと牙頭オーナーが腰を下ろした。
「座れ。」
……。
どうしよう、怖い。
なぜだか分からないが、怖くて動けない。
「……従業員を取って喰いはしねぇ。」
それは理解しているが、足が震えて座ることができない。
牙頭オーナーは立ち上がって私をお姫様だっこのように抱えてソファに下ろし、向かいのソファに座り直した。
「……お前は立派な大人だ。大人の下した決断、やることに一々ケチをつけたりしねぇ。」
……漆原弁護士……牙頭オーナーに話したな。
「勘違いするな。伊月が漏らしたんじゃねぇ。オレが無理やり口を割らせたんだ。」
……。
そんなわけがない。
「そうですか……。」
なんと答えればいい?
相談内容について何を言われる?
私の計画に牙頭オーナーもジョイキッチンも関係がない。
「お前なぁ……お前はギャンブラーである以前に、うちの従業員だぞ?」
それは、そうなんだが。
「はい……そうですね。」
牙頭オーナーは深くため息をつき、腕を組んだ。
「よし、お前の好きな映画を語れ。」
……。
なぜ?
「はい……では、A.I.を……。あれは……。憐れな少年型アンドロイドという付加価値がついたことで最後に救われたように見える映画です。……価値は、他者評価で決まる。」
私が語り終わる前に牙頭オーナーは立ち上がり、引き出しからラベルシールを取り出して「ボロ」と書いて私の額に貼った。
「そうだ。お前にはボロという評価がついている。」
……そうだ。その通りだ。
「値打ちのないものです。廃棄物。」
そう答えると「接客」と書いてバツ印をつけたラベルシールを頬に貼った。
「お前は自分が可愛いから自分の欠点がよく見える。」
……。
また「皿洗い」と書いたラベルシールを鼻に貼った。
「だが、お前にラベリングをするのはお前じゃねえ、オレ達みたいな他人だ。」
そして「努力家」と書いて唇に貼った。
「他者の評価を変えることはできねぇ。ただ、追加の評価のキッカケを渡すことはできる。これは「頑張っていれば努力が報われる」なんてあまっちょろいもんじゃねえ、「他者にこれだけ頑張ったんだ、評価してくれ!」とアピールする事が出来なきゃいけねぇ。受け手に回るままじゃ一生ラベリングは一つのままだ。」
……シール、剥がしてもいいのだろうか。
「もふまふりは」
牙頭オーナーが唇のラベルシールを剥がしてくれた。
「そうですね。他力本願では……いけませんね。」
そういうと両肩をバチッと叩かれた。
「お前は俺の店の従業員だ。……勝手は許さねぇからな。」
……。
「……はい。」
まただ、また……浅はかな考えを。
「今、牙頭オーナーの胸に飛び込んで泣きわめきたい」
そんなことをしても、幻滅されるだけなのに。
「……プライベートなことでもいい。何かあったら話せ。」
「ボロさんって……どんな女性ですか。」
今日は礼二さんが銀行に行っていて、黎明と天堂さんがリビングのソファでゲームをして過ごしていた。
「何?焼きもち焼いてんの?可乃ちゃん可愛いな。」
頭をトントンと叩かれる。
……私が情報を得るには黎明や天堂さんから聞き出すしか方法がない。
礼二さんがシャワーを浴びている隙にスマホのロックを外そうとしたとき、変なアプリが起動して「ジェラート+1」の通知があったあと画面が固まってしまい……"分からせ"られたので……またやってもいいのだけれど。
「村雨先生しか治せない……そんなに重篤な患者には見えませんでした……。」
……患者だから、優しくしてくれるお医者様に横恋慕しているのは分かる。
「あー……ボロはただのブスババア。可乃ちゃんの方がよっぽど可愛いから安心しろよ。」
安心できるわけない。
相手は年齢や見かけはどうであれ……女性、どんな卑怯な手段を使ってくるか分からない。
「……黎明、もし村雨先生に何かあったら教えて下さい。」
黎明の手が止まり、テレビモニターがポーズ画面になった。
「……報酬は?セックス一回?」
そんな報酬……できるわけ……。
「報酬については後で相談しませんか?……まずは約束してください。先生に何かあったら私に直ぐに教えるって。」
小指を差し出すと、黎明は小指を絡ませてきた。
「指切りげんまん、嘘ついたら寝取って捨てるからな。」
、、、
「敬一さん、ボロさん……大丈夫そう?」
腕枕されながら尋ねてみる。
「あー……アイツ抱え込むタチだからな……オレの友達を気にかけてくれて……こぶつさんは優しいな……オレにも優しくして。」
獅子神さんの唇がシャツのボタンを器用に外していく。
「あの……昨日さんざん」
目つきが変わった。
「さんざんしたから何?」
ザラザラとした舌がブラジャーの隙間に入り込んで乳首をグニグニと捏ねくり回す。
「あっ、あっ……なっ何もっ何もっあっ」
こうなってしまったら、私は彼を止められない。
、、、
「村雨さん、ボロさんと獅子神さんって喧嘩とかした?」
獅子神さんの家で勉強中に二人っきりになれたので、思い切って聞いてみた。
なんか最近、ボロさんと獅子神さん……距離があるように感じるんだよね。
女の勘……天才ギャンブラーとしての第六感が働いてるから間違いないはず。
「知らん。」
……うーん、村雨さんは天然だから本当に知らない可能性があるから困る。
「よそよそしくない?……ボロさんって厨二病で誤解されやすいところがあるからさ!……私がひと肌脱ごうかなって!」
腕まくりしてみせると、ぴしゃりと突き放された。
「小娘の出る幕はない。」
「おい、進捗は?」
低い声にビクッとして振り向くと叶黎明が堅く施錠されていた扉を背にして立っていた。
「しっ……進捗はっ……今、DEMO版の……半分くらいで……。」
そうノートパソコンの画面を指さすと、肩越しに覗き込まれる。
「差異が見えないのを進捗というんだな、悠丹ちゃん。」
手がガタガタと震えて、それを隠そうと太ももの下に入れようとすると手首を掴まれた。
「ちゃ、ちゃんと進捗あったから、内部で走る処理を最適化して……。」
禍々しい瞳と眼が合った。
蛇に睨まれた蛙のように動けない。
「オレが失望してファン辞めたらどうすんの?」
嫌だ、ころされたくない。
「わかった、わかったから、次は目で見て分かる進捗を出すから……あ……う」
私に与えられているのは三食の食事と部屋に備え付けのトイレとノートパソコンとワイヤレスマウス、そしてwebカメラと敷布団だけ。
服は叶黎明のパーカーを週替わりで着せられ、週に一度シャワーを浴びるために地上階に出ることができる。
……今日はその日、地上に上がれる日。
「今日はシャワー浴びたらセックスしような。」
嫌だ……叶黎明とのセックスは嫌だ。
叶黎明から与えられる快感を愛情と誤解して好きになってしまいそうで、快感に弱い馬鹿な自分が怖い、認めたくない。
シャワールームに入って叶黎明の身体をチラッと見ると、真新しいキスマークや噛み跡があった。
……私じゃない。
私以外の誰かがつけた痕。
……嫌だ嫌だ嫌だ、嫉妬なんかしたくない。
ファンシー野郎は私をレ◯プして監禁している犯罪者、違う、これはスト……何とか症候群で恋愛感情じゃない。
ドライヤーで雑に髪を乾かされたあと、ベッドルーム……ヤり部屋までの廊下を歩くと先の方から光が……日差しが漏れていた。
ここで叶黎明を突き飛ばして逃げれば、私は助かるかもしれない。
……でも、失敗したら"分からせ"られる。
「最近さぁ……反骨精神が無くなってない?あの日オレを魅せた作者さんじゃなくなってるのか?」
どうしよう、反抗し……反抗しないと。
「う……うるさい、……叶、叶黎明。」
駄目だ、これでは駄目だ。
叶黎明はため息をついたあと、何処かに電話をかけ始めた。
「もしもし、ボロ、今大丈夫か?」
「あ?ああ、何だ?」
電話の向こう側から聞こえた声は女性だった。
今「助けて」と叫べば、助けを呼んでくれるかもしれない。
……いやまて、叶黎明と連絡を取る女がマトモである可能性はどれだけ残されている?
「あの、犬が助かるのに逃げないやつ何だった?」
「犬……ああ、セリグマンの犬だろ。……で、用件はなんだ?」
……今しかない。
「た、助け」
叫びにならず小声になってしまったが、叶黎明に顎を掴まれて見下ろされる。
「……叶、強姦じゃないよな?強姦なら今からお前を殺しに行くが。」
「お気にとのSMプレイだから。……ボロ、お前本当にオレを殺せると思ってるのか?」
「ああ、無論だ。力では敵わなくとも殺人の方法は無数にあるからな。」
叶黎明はニコッと笑ってヤり部屋の扉を開けてベッドに私を投げた。
「なら証明するためにビデオ通話にする。ボロ、俺のテクをよく見とけよ。絶対にお前もイかせるから。」
「あっそう。」
……嘘でしょ、なんでビデオ通話を
「あ、こんにちは。お気にさん……たしかゲーム制作者さんで……悠丹……ユニさんでしたよね?ゲームプレイしてみましたけど、一点いいですか?」
スマホの画面越しの女は淡々と話しかけてくる。
今、私が……レ◯プされかけてるのに。
「もし強姦なら首を縦に振ってください。違うなら何もしないでください。叶、お前は手出しするな。」
……頷いたら……本当に助けてくれるの?
この状況で微動だにしない女が?
……この女もグルで、ハメ撮りを撮影するためのエキストラだったら?
「……あ、わかりました。叶、続けていいぞ。」
ま、待って
「ボロ、オレから目を離すなよ。」
「あー……うん、その前に手洗いに行ってくるから。」
「早くしろよ、待ってるから。」
、、、
「かのうれいめいきらい、だいきらい」
寝バックの体位でズン……ズンと突き上げられる。
「大好きの間違いだろ、乳首ビンビンにしてよく言うな。」
胸元にゴツゴツとした手が入り込んで乳首をギュウッとつねられて身体が反るのを背に当たる厚い胸板が阻んで、快感の逃げ場がなくよだれを垂らして絶頂してしまった。
「あひっびんびんじゃない、ちがあ……イくイくぅ」
シーツを握りしめても善がる事が出来ずにひたすら気持ち良くて苦しい。
「ボロ、見て?お気にのアヘ顔。」
「あー、アヘアヘしてるな。」
この女……叶黎明の何なんだよ……。
今抱かれてるのは私、私を見て、なんで叶黎明は私を見ないの?
「れいめい……ふぇらちおしたい……」
「お、珍しいな。自分からしたがるなんて。」
、、、
「れいめい……ふぇらちおきもちいい?」
私だけを見て?
「んー……そうだな、お前はゲーム制作だけしてればいい。」
……私、頑張るから。
オリジナルデスギャンブル『湖のドッペルゲンガー』
『Doppelganger in the Lake』
敗者は死亡する可能性がある。4スロット〜ハーフライフ相当。
ペナルティは泥水(水死)。
プレイヤーはエリザ(オデット/オディール)となり、ジークフリート王子から愛の告白をされたあとに3セット王子が心移りしなければ勝利となる。
または十一人の兄王子を11人白鳥状態から人間
相手プレイヤーのエリザはオディールとなる。
『プレイヤー』
朝、昼は『白鳥』になり、夜は『白鳥』『人間』のいずれかを選ぶ。
白鳥:
ジークフリート王子に気づかれない。
十一人の兄王子と接触出来る。
人間:
ジークフリート王子と接触出来る。
『NPC』
ジークフリート王子:
人間の姿で接触すると愛が+1P
32P貯まると『愛の告白』をされる(ファーストテイク)
以後4P貯まる度に『愛の告白』をされる。
32Pを下回ると『愛の告白』はされくなる(32Pを超えたら4P貯まる度に『愛の告白』)。
同時に『愛の告白』が発生する場合、十一人の兄王子が少ないプレイヤーに心移りする。
『朝』に白鳥狩りをする。
白鳥状態の十一人の兄王子たちがいる場合、『囮の白鳥』がいなければ1人殺害する。
白鳥状態の十一人の兄王子たちがいなければ『白鳥状態のプレイヤー(エリザ)』を殺害する(敗北)
十一人の兄王子:
11人いる。
『刺草の花冠』で白鳥状態から人間に戻る
白鳥状態だと『囮の白鳥』が居ない場合、『朝』に白鳥狩りをされ-1人
人間状態だと以下の効果が一度発動する
1人目:餌が+3P
2人目:刺草が+3P
3人目:囮の白鳥が+3P
4人目:ジークフリート王子の自分への愛が-3P
5人目:相手エリザの餌が-3P
6人目:相手エリザの刺草が-3P
7人目:相手エリザの囮の白鳥が-3P
8人目:ジークフリート王子の相手エリザへの愛が-3P
9人目:ジークフリート王子が1セット心移りしない
10人目:1人目〜9人目の効果いずれかを発動
11人目:プレイヤーは勝利する
『囮の白鳥』
初期値0。
-1Pで十一人の兄王子を狩りの対象から外す
『餌』がなくなると飛び立つ(-1P)
餌は囮の白鳥の数だけ必要となる
【ターンの流れ】
朝、昼、夜の3ターンを1セットとする。
最大53セットまで。
勝者が決まらなければ両者失格となる。
朝
A:刺草を5つ手に入れる
B:囮の白鳥を2羽獲得
C:餌を4つ獲得
D:愛をためる(1セット内で夜にジークフリート王子と会えば+2P)
E:恨みを込める(次の任意の夜に相手エリザの愛を-2P)
昼
A:刺草を5つ手に入れる
B:囮の白鳥を2羽獲得
C:餌を4つ獲得
D:愛をためる(1セット内で夜にジークフリート王子と会えば+2P)
E:恨みを込める(次の任意の夜に相手エリザの愛を-2P)
夜
白鳥
A:刺草を5つ手に入れる
B:囮の白鳥を2羽獲得
C:餌を4つ獲得
D:愛をためる(1セット内で夜にジークフリート王子と会えば+2P)
E:恨みを込める(次の任意の夜に相手エリザの愛を-2P)
人間
A:ジークフリート王子と会う(愛+1P)
B:刺草3つを消費して『刺草の花冠』を編む
C:白鳥状態の十一人の兄王子の一人に『刺草の花冠』を渡して人間に戻す
『刺草の花冠』
刺草3つで1つの『刺草の花冠』を編める。
効果
A:白鳥に投げると兄たちに戻る(1つにつき1回、消費)
B:ジークフリート王子の愛が+3P(1つ消費)
C:相手エリザの行動を選択したもの以外に制限(1つ消費)
D:相手エリザの兄王子を1人白鳥状態にする(2つ消費)
E:洪水を起こし、相手エリザの兄王子を1人殺害(3つ消費)
F:祈りにより死亡した兄王子を1人白鳥状態で復活(3つ消費)
G:刺草を15つ手に入れる(1つ消費)
H:餌を10つ手に入れる(1つ消費)
I:悪魔の力により他選択肢の対象を反転して実行(1つ消費)
「神父様、解体作業を終えました。」
神父様はこちらに歩み寄り、頭を撫でてくださった。
「シスターは物覚えが早くて素晴らしい。」
温かく大きな手。
その手に導かれるようにベッドがある部屋に入り、ろうそくに火を灯す。
「神父様……愛してくださいませ……。」
ワンピースのボタンを外してベッドに横になる。
「はい、神は平等に愛を与えます。」
指先が乳輪をクルクルと撫で、その度に私の身体は火照りを増して神父様を求めた。
「神父様……早く……早く欲しいです。」
そう強請ると神父様は微笑まれ、太ももをなぞった指がグプグプと腟内を暴こうとする度に腰が浮いてカクカクと痙攣した。
「淫魔がまだ憑いているようだ。」
私は淫魔に屈してしまった。
あの日から私は淫魔を内に秘め、神父様の下で浄化を待ち奉仕をする責務を負った。
「はい……あぁん……神父様っ……神父様ぁ」
バラバラと腟内を掻き乱されて絶頂してしまう。
「シスター、私の伴侶になる女の名前は?」
神父様の伴侶になる女性は、ウェディングドレスを着た女性。
神の前で、神への永遠なる愛を誓った。
「んあっあっ、ボロさんですっ……ああっ」
指を引き抜かれ、太ももを掴まれる。
「はい、その通りです。シスターから見て彼女はどう見えますか?」
神父様の大きく雄々しいモノが私のなかに入ってくる。
「ああっ、聡明でぇっ……慈愛にあふれぇっ……おっ深いっ」
手を掴まれてバチュンバチュンという激しい動きに変わって、あまりの快感に天に召されてしまうような心地になる。
「ええ、彼女は私のうさぎです。」
、、、
「黎明……どうしてボロさんなの?」
礼二くんの彼女……可乃ちゃんは本気でボロを憎んでいるんだな、彼氏の不貞より女の方に怒りが向くのはよくあることだが、可乃ちゃんがそのタイプだとは思わなかった。
オレのキスに震えて唇を噛んだ姿は、てっきり礼二くんに殺意を向けるんだとばかり思っていたが、見ていて飽きないな。
だから礼二くんに選ばれたんだろう。
「アイツは丁度いいんだよ。ブスババアだから気を使う必要ないし、遊びに本気になることもない。」
そういうと突然立ち上がって怒鳴り声を上げた。
「あっちが本気になったらどうするの!!」
叫び慣れていないのか、ヒューヒュー言ってソファに倒れ込んだ。
「本気になったら捨てればいいだけだろ。」
グッタリしたまま、オレの袖を掴んだ。
「捨てる?女がどれだけ嫉妬深くて未練がましいか……分からないでしょ。」
瞳にはオレが映っている。
「……イイね。」
、、、
「今日の午後ローはmラヴィータか。」
今日も医者と二人きりだ。
そして耳掻きをさせられている。
このまま耳穴をぶち抜いて脳天を貫いてもいいが、奥さんが「耳掃除をさせた不倫相手によって夫が死んだ」という不名誉を負うため辞めておく。
「講釈はどうした、ボロ大先生。」
集中が途切れる。
「結局は運命と自分の気質からは逃げられないという話さ。」
あまり耳掃除をするのは良くないらしい。
最後の仕上げに息を吹きかけると医者が飛び起きた。
「な……あなた今、私を誘ったな?あなたから……あなたから誘うとは……」
何を言っているんだ。
「誘ってない。……はぁ、なあ……話は変わるがジークフリートはオディールに対して不義理ではないか?彼がオデットではなく彼女に愛を誓ったのに。」
医者は冷静さを取り戻し、フッ……と鼻を鳴らして脚を組んでソファに座り直した。
「それは『あなたの一番になりたい』という遠回しなアピールか?あなたも可愛いところがあるな。」
頭にきたので医者の眼鏡を外して掛けてみた。
「ドがキツい。だから視点が合っていないのだ。」
眼鏡を奪われて上に乗られた。
「合っている。」
「いいや、合っていない。」
湿った舌が首筋を這った。
「な?あっていないだろ。」