※この作品はR-18です。

悪癖   作:ummt

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Bare Crow【!】

 

「なあボロ、こぶつさんに渡すクリスマスプレゼント買いに付き合ってくれるか?こぶつさん海外出張してたから会えてないんだ。」

 

 凄い胆力だ。

 つい先日、凄惨な陵辱を加えた女に対する会話ではない。

 ……本当に「恋人は恋人、友人は友人、私は捌け口として使う用途」と使い分けているらしい。

「……いかない。」

 どの面さげて彼氏と寝た女が彼女のプレゼントを買うんだよ。

「そう拗ねるなって。少しハメを外したからって……。」

 ……ああ、寝たにカウントされていないのか。

 ハメを外した、友人たちとの遊びであって。

 ああ、ライオンか。

 ライオンとして縄張り……プライドと本命のメスを守るが、他の縄張りを荒らて別のメスを犯すことに矛盾はないということか。

「ボロさん、そういうの不機嫌ハラスメントっていうんだよ!フキハラ!」

 ……。

「余興ではなく、本当に獅子神に愛されたい……という意図ならば」

「……獅子神と買い物に行ってくる。」

 二人きりになりたくない。

 

「サンキュー。」

 

、、、

 

「こぶつさんが心配してたぞ。」

 

 ……どう反応するべきか躊躇してしまった。

「……悪いな。」

 全て私が悪い。

 こぶつさんは、私が獅子神と寝……

 遊んだことを知ったら……。

「なあボロ!このスカーフとかどうだ?」

 獅子神が選んだのはブランドロゴが一面にあるモノトーンな柄だった。

「……こぶつさんは普段からシンプルめのファッションをしているだろ?だからあえて大柄の極彩色を選んで差し色にするべきだと思うが。」

 そう答えてビジュー柄の派手なスカーフを手に取り、止まった。

 ……私が選んだものだと……分かってしまったら。

 こぶつさんを傷つけることになる。

「おー……いいかもな。」

 獅子神がスカーフを手に取り、慌てて否定する。

「さっきの話は一般論だ。こぶつさんに似合うのは獅子神が選んだモノトーンの方。」

 獅子神はモノトーンと派手な方を選んで会計に立った。

 

「なら二つ共贈ればいいだろ。」

 

、、、

 

「そうだ、海外旅行行かねえ?」

 

 勝手に行ってこいよ。

「ボロ大先生、パスポートを取得しにいくぞ。」

 ……。

「私はパートがあるんだよ!!」

 思い切り怒鳴ってしまった。

「そうキレるなよ……牙頭には連絡してあるから。」

 ……は?

「だからなんだ……シフトがめちゃくちゃになるだろうが!!」

 息が苦しい。 

 

「別にお前一人が抜けたくらいでどうこうするもんじゃねえだろ。お前が居なくても仕事は回るもんだ。」

 


 

 ……来てしまった。

 

「空港は広いからな……迷子にならないように……手を繋げと言いたいんだが……全員バラバラに動きそうだからな……オレと手を繋ぐか?」

 獅子神に手を握られて慌てて手を叩いた。

「……なんで叩いた?」

 当たり前だろうが、なんで彼女持ちの男と手を繋がなければならないんだ。

「ボクと手を繋ぎたいからだよ!」

 そう真経津が手に纏わりついた。

 

「……あっそ。」

 

、、、

 

 人混みは苦手だ。

 目線が怖い。

 ……私は「普通」に見えているだろうか。

 顔のツギハギを……ジロジロと見られている気がする。

 クスクスと嗤われている気がする。

 私は「マトモ」に見えるだろうか。

 

「ボロ、座席はオレの隣な。」

 獅子神に肩を叩かれて飛行機に乗り込む。

 怖い……。

 私は窓側にしてもらった。

 そういえば、獅子神と二人っきりで、かつ近い距離で過ごすことがなかったな。

 ……共通の話題が彼女の「こぶつさん」か、愛美ちゃんしかない。

 寝たフリをするか。

 

「なあボロ、どうしてオレが貧乏だったって思ったんだ?」

 ……昔した話を、根に持っていたのか。

「人に接する態度と……凝り性からだ。」

 正直に「自分も貧乏だったからシンパシーを感じた」と言ったらキレられるかもしれない。

「……お前の家はどれくらい貧乏だった?」

 ……なんだよ、最初からそう言ってくれ。

「クソ農家で、男尊女卑で、長男教で、親が拝み屋で、それを憎む祖父母は私に鬱憤を晴らすため暴力セクハラなんでもありだった。私は新品のものを買い与えられなかった。飯は卵と米。以上だ。」

 獅子神は窓の外を見た。

「今、地上から飛び立ったな。」

「おー……雲の上だ。」

 

、、、

 

「だからギャンブラーになったのか?」

 

 また話の続きか?

「いや、……迷惑をかけずに死ぬため、ギャンブラーになった。」

 獅子神と座高が違いすぎて表情を確認しようとすると顔を上げなければならない。

 ……顔を見たくないな。

「……お前って、キレやすいよな。」

 ……やっぱり根に持っているんじゃないか。

「ああ、よく祖父に鼻血が出るほどタコ殴りにされて蔵にぶち込まれたからな。……暴力性の汚い血が入ってる。」

 私が生きている価値がないという理由の一つだ。

「よく我慢してるな。オレ達に暴力を振るったこと、一度もないだろ。」

 ……喧嘩を売ってるのか?

「暴力を振るってはいけないからだ。」

 ……あ……獅子神には強姦魔を殺そうとした場面を見られているんだった。

「偉いな。」

 ……どういうニュアンスだ?

 視線はこちらを向いている。

 顔を見たくない。

 ……見られたくない。

「双極……だっけか。」

 ……医者の奴ペラペラと……まあいい。

 私を初見で双極と断定したのは、医者と……。

 眞鍋先生だけだ。

「……さあ……海がこんなに遠いとは……。」

 早くこの空間から逃げ出したい。

 

「そうだな。」

 


 

 飛行機から降りると熱風が顔にかかった。

 

「ボロ!ボーッとするな!置いてくぞ!」

 彼らは長身で脚が長い、私はチビで脚が短い。

「歩幅が違うんだよ!!待ってくれ!!」

 

、、、

 

 空港から出ると、彼らは街なかを歩き始めた。

 

「ボロさん、何か欲しいものある?」

 そう言われても海外語はさっぱりなんだ。

「分からないから要らない。」

 医者がフッと馬鹿にしたように笑った。

「ボロ大先生にも分からない事があるとは。……驚いた。」

 しばきたい、その澄まし顔。

「私は日本語とエスペラント語、機械語しか分からない。」

 英語はなんとなくニュアンスで……。

 なんとなくでは駄目だ。

 コミュニケーションなんだから。

 

 歩いていると、衣料品店に立ち寄った。

「ブスババアは胸がデカいからな……こういう服とか。」

 海外ドラマの尻軽が着るような服を渡すな。

「私はシャツでいい。」

 実は柄シャツに憧れていたのだ。

 念能力で風呂敷を使ったりするとカッコいいからな。

「Sweetie, look at this dress! You’ve got a killer body, so you should flaunt it. Don't be shy, use what your mama gave you!」

 ……え、え?

 なんて?

 女性店員が胸元が開いたブラウスを突き出してくる。

 女物を買えってこと?

「Shut it. Don't give her any ridiculous ideas.」

 いや、医者がなんて言ってるのか分からないが、多分馬鹿にしたニュアンスを含んでいるのが分かる。

 人をナチュラルに貶すな。

「あはは!ボロさんはおデブさんだって!」

 客商売で初手侮辱とか、あるのか?

「Mind your own business. She doesn't need to flirt.」

 ……叶のニュアンスも棘があるやつでは?

 本当に馬鹿にされたのかな。

 

 結局水着と柄シャツと彼らが選んだ服を買ってもらってしまった。

 後でレシートを貰って返さないと。

 ……絶対に借りは作りたくない。

 

 天堂と真経津がジャンケンで負け、荷物持ちとして宿泊するホテルに買ったものを運びに行った。

 

、、、

 

「海だ!!」

 販促用のカレンダーでしか見たことがない青い海。

「オレたちは着替えて来るから、ここで待ってろ。」

 砂でお城って作れるのかな。

 ヤドカリがいる。

「ボロ大先生も当然水着を着る義務があるのを忘れるな。」

 そう言うだろうと思ったよ。

「この柄シャツの下に水着を既に着ている。」

 シャツの下の水着を見せると叶に顎を掴まれた。

「お前……わざとオレ達を煽って公共の場で公開レ◯プさせようとしてるだろ……。」

 何を言っているんだ。

「本当に頭おかしいな……お前……。」

 

 砂浜でヒトデを拾って夢中で城を作っていると大きな波が来て城が崩壊してしまった。

「ああ……ボロ城が……。」

 それにしても着替えに時間がかかりすぎていないか?

 ……置いていかれた?

 彼らならやりかねない。

 更衣室、何処だったっけ……。

 砂浜は足がもつれて普段以上に歩くことが困難だ。

 

「Whoa, easy there! You look a bit unsteady on your feet. Need a hand? We can take you to the station if you want. Are you here alone?」

 見知らぬ男性に腕を組まれた。

「わ、わっつ?」

 男性は苦笑いを浮かべて他の男性たちに目配せをした。

 腕を引っ張られる。

 ……連れて行かれる?

「She is with me. Take your hands off her, now.」

 医者……なんかドヤ顔で言っているが……。

 近くに居たのかよ……。

「ブスババアでも需要があるんだな。」

 本当にそのニュアンスだったか?

 

「ボロ!!海……冷たくて気持ちいいぞ!!」

 


 

オリジナルデスギャンブル『裸のカラス』

 

『Bare Crow』

 

『カラス』

プレイヤーはカラスとなり得点をより多く持ったものが勝ちとなる

初期羽根はブラック7枚

ガラス玉(卵)を7つ所持、7つ無くなると敗北

 

『鳥』

①フラミンゴ:ピンク

②ニジキジ:レインボー、パープル

③ミノバト:レインボー、イエロー

④エボシドリ:グリーン

⑤ゴシキノジコ:レインボー、グリーン、オレンジ、イエロー、ブルー

⑥ムラサキバン:パープル

⑦カワセミ:ブルー、オレンジ

⑧ハチドリ:レインボー、シアン、グリーン

⑨クジャク:レインボー、ブラック、ブルー、グリーン

⑩コンゴウインコ:レインボー、クジャク(特別)、レッド、イエロー、ブルー

⑪オオバタン:ホワイト

⑫ブッポウソウ:レインボー、ブルー、パープル、グリーン

⑬フウキンチョウ:レッド

⑭インコ:イエロー、シアン、ピンク、オレンジ、グリーン

⑮カササギ:ブラック、ブルー、ホワイト

 

『羽の色』

①レインボー、②ピンク、③パープル、④イエロー

⑤グリーン、⑥ブルー、⑦オレンジ、⑧シアン

⑨ホワイト、⑩ブラック、⑪クジャク(特別)

レインボーとブラック、ホワイト、クジャク(特別)以外の7色(②〜⑧)は別色種類が揃うたびに+2点、減ると種類毎に-2P

 

ブラックは得点にならない、ブラック以外の羽根は+1P

ホワイトはブラックに絵の具の色無しで1枚変えられる

ホワイトは『染色』によって色を7色(②〜⑧)のうちいずれかに『その色の絵の具』を所持していたら絵の具1個につき1枚染められる

レインボーは何枚所持しても増減無しの7P固定、0枚なったらレインボーは0枚になり-7Pになる

レインボー1枚につき7色(②〜⑧)の任意の『その色の絵の具』と交換できる

クジャクは1枚につき+7P

 

【ターンの流れ】

①『抜き取り』

 伏せてある鳥から1枚羽根を抜き取る

 複数色ある場合はランダムで色が渡される

 →加点

②『毛づくろい』

 以下のいずれかを行う

 A.レインボーの羽根1枚で絵の具によりホワイトの羽根を染色

 B.ブラックの羽根1枚で7色(②〜⑧)の羽根どれか一つの色を次の『強奪』から守る

 このときに羽根がブラック以外何もなければ『裸の王様』となり、次の『強奪』が自分はスキップして逆に相手プレイヤーの羽根を色を伏せた状態で3枚奪う

 羽根が1枚もなければガラス玉を1つ失う(廃棄)

③『強奪』

 相手プレイヤーの羽根を色を伏せた状態で1枚奪う

 相手の羽根がない時にはガラス玉を1つ奪う(ガラス玉+1)

④『偵察』

 以下のいずれかを行う

 A.ガラス玉1つを捧げてクジャクの羽根1枚と交換

 B.クジャクの羽根1枚を捧げてガラス玉1つと交換

 C.レインボーの羽根1枚で相手の『その色の絵の具』を任意で強奪(次回使用可能)

 D.次回の強奪で奪う羽を2枚に増やす

 E,ブラックの羽根1枚で次の抜き取りの『鳥』を3種類に絞る

 F.3種類以上の羽根を捧げてガラス玉1つと交換

 

※『裸の王様』が3回行われると行ったプレイヤー(カラス)は羞恥心で敗北する

※色(②〜⑧)の羽根を揃えて高得点を目指すルートがある

 

【17ターン目】

 『品評会』

 得点を競う、得点が高いものの勝利

 このときにブラックの羽根だけであれば1枚につき+3Pになる

 


 

「凄いな……リゾートみたいだ。」

 

 馬鹿みたいな感想を言ってしまった。

 実際に馬鹿だからな。

「ボロさんって旅行とか行かなかったんだね。……これからはボクたちとたくさん旅行に行こうね!」

 ……抜かせ。

 こうやって和やかな時間を過ごせていると……。

 彼らが無害な友人だと思い込まされてしまう。

 

 部屋に着くなり、甘い香りで吐きそうになる。

「オェェ……なんだその匂いは……。」

 天堂の手には何かの液体が入った瓶が握られている。

 なんて書いてあるのか分からない。

「そろそろバレンタインデーも近いですし……ね?」

 バレンタイン?

 それと何の関係が

 叶に後ろから抱きしめられてシャツを脱がされる。

「ふざけるなよ……海外にきてまでレ」

 天堂に顎を掴まれて口移しで液体を流し込まれる。

 甘い……チョコレートドリンク?

 違う……アルコールか?

「んっ何す……る」

 視界が歪む、クソ……クラクラする。

「ボロさん!バレンタインには好きな人にチョコを渡すんだよ?」

 それは……菓子メーカーの……

「チョコ……渡すわけ……ないだろ……」

 医者にお姫様抱っこされてベッドに下ろされる。

 コイツ……お姫様抱っこ……できるのか……。

「チョコレートが垂れてる。」

 獅子神に顎と首筋を舐められて感じてしまう。

 クソが……。

「ボロさん、『裸のカラス』って覚えてる?」

 ……ふざけるな。

「まあ、とりあえずオレとヤッてから新しい服を着せるから。水着を下に着るとか……誘うのが上手くなったな。」

 何を……。

 叶が馬乗りになって、水着の上から胸を揉みくちゃに揉みしだいた。

「あっ……やぁん、やめてぇ……あぁん」

 いつもより声が……変だ。

「あー……メス堕ちボロちゃん……」

 堕ち……?

「ああっ、やだぁっ乳首ペロペロしちゃらめぇっ」

 何を……言って……

「あーブスババアのクセして……エロい声出すとか……ご褒美な」

 叶は天堂から瓶を受け取り、液体を口に含んで口移しした。

「うぷ……んあっ……」

 身構える間もなく激しいピストン運動が始まった。

「あっあっあっあっあっあっイくっイく……」

 手を恋人繋ぎで握られて脚を閉じようとジタバタしては快感で絶頂してしまった。

 痙攣しているうちに、シャツを脱がされて胸元が開いた服を着させられる。

「イイね……メスの顔してる。」

 メスの顔って……なん

 

「次は私だ、ボロ大先生。」

 医者の指が秘部をまさぐるたびに身体が跳ねる。

「やだあっグチュグチュしないでぇ」

 頭が割れるように痛い。

 なんで……こんな

「胸元から乳房がこぼれているぞ。」

 どうしたら……

「見ないでぇっ恥ずかしいよぉ……」

 気持ち悪い

「可愛らしい、発情したあなたを見られるとは。……褒美をやろう。」

 まただ、医者が天堂から受け取った瓶から液体を口移しされる。

 甘くてクラクラする……茶色い液体……何

「なにこれぇ……甘いから嫌だよぉ……」

 私が甘いもので吐くのを……

 吐いていない……

 アルコールか?

「ああ甘いな。あなたは甘い物が受け付けないのだったな。」

 これは……なんだ

 

「こんなに甘いくて美味しいのに……チョコレート垂れてるよ?もったいない!」

 真経津に鎖骨を舐められて絶頂してしまう。

 これはチョコレートではない

「あっやだぁやめてぇっ、イったばっかりだからあっ」

 胸元が開いた服を脱がされて、チューブトップを着させられ、下半身はモノで塞がれて絶頂してしまう。

 

「じゃあお馴染みの誰に犯されてるかクイズしようか。」

 お馴染みじゃない

「やだ、みんなおかしい、こんなの」

 うつ伏せにさせられて、尻を突きだした体勢にされる。

「何もおかしくありません、バレンタインは恋人たちのイベントですから。」

 バチュンと突き上げられた。

「いやぁ、あっ……あん獅子神ぃ」

 そのまま体重がかけられて寝バックの体位になり、パチュ……パチュとゆっくりとピストン運動がモノの形を分からせるように焦らすような動きに変わった。

 

「ようやくオレを感じてくれたな……ボロ。」

 


 

「今誰に犯されてる?」

 

「あん……う、ぅあっ……天堂っ」

 バックから何度も犯されるうちに、パターンを学習してしまった。

「ああ?オレとあんなにセックスしたのに……オレを覚えろ。」

 激しいピストンに肘をベッドにつけて耐えるのが精一杯で、脳のリソースを割けない。

「やっぱりボロさんはお馬鹿さんだね。」

 お前ら同士でヤッてから言え。

「知性はベッドに上がる前に置いてきてしまったらしい。」

 ホモソーシャル間の結束を図るのなら、互いにしゃぶり合って掘り合ってろ。

「たすけ」

 ああ、一番言ってはいけないセリフを

「はい、助けて差し上げます。」

 天堂に口移しで液体を飲まされ、しつこい舌キスをされて全身が痙攣してしまう。

 苦しい。

「チョコレート垂れてる……甘いな……で、明日は何処に観光に行きたい?ボロ。」

 もう、何も

「獅子神さんが質問してるのに……。ボロさん無視なんて悪い子だね。」

 真経津が瓶の残りの液体を私の身体にかけて舐め始めた。

「最初から『自分の羽』だけを保持していたら勝てたかもしれませんね。」

 

「ボロは甘いな。」

 

、、、

 

 最悪な乱交のあとは、普通に観光旅行が行われた。

 

 ただ、……彼らに背後に立たれると濡れるようになってしまった。

 パブロフの犬のように。

 ……私は淫乱なビッチに成り果ててしまった。

 

「おや、私が近づくだけで濡れたな?発情期か?」

 違う……違うのに。

「流石にエレベーターじゃヤらないからな。狭いし、監視カメラに見られるぞ?」

 どうして……。 

「もう、ボロさんったら……観光に集中して?……そんなに期待してるんだ?後でホテルでゆっくりしよう?」

 私はこんなに淫売だったのか?

 

 初めての海外旅行は、地獄だった。

 

、、、

 

「……脈が速いな。」

 

 診察室に入るか迷っていると、医者に背後に立たれてしまった。

 ……最悪だ……濡れてしまった。

 舌を切って死にたい。

 医者の手がスカートの中に手を滑り込んで、下着の湿り具合をピタピタと確認する。

「おや……まだ何もしていないというのに、もうこんなに……あなたはは学習能力が高いな。ベルが鳴る前に餌を強請るとは。」

 ……。

「ちが、う……これは……条件反射で……あの液体は何だったんだよ……。」

 必死で唇を噛み締める。

「無理をするな。あなたの言葉で言えばいい。『村雨先生の匂いがしたから、欲しくてたまらなくなりました』……そうだろう?」

 ……悔しい。

「……ふざけたことを……抜かすな。」

 身体が勝手に医者に縋り付いてしまう。

「随分と素直になったな。」

 絶対に、許さない。

 

「今に……見ていろ……。」

 


 

「ボロさん、悪い子だね……また違う人の痕をつけてる……ボクのものなのに……。」

 

 どうすればコイツらに勝てる?

 いつものように客室のベッドに押し倒される。

「ボロさんはボクのものなのに、ボロさんの一番はボクじゃないの?」

 もういいだろ、その話は。

「よしよし、真経津はいい子だな。」

 どうご機嫌を取ればいいのか、正解が分からない。

「……ボクも男だよ。」

 それが分かっているから困るんだよ。

「……実はな、面白いレトロゲームを買ってな……なんとプレミアの奇ゲー……」

 本当にt脳を入手したのだ。

「話を逸らさないで。」

 ……おでこにキスをしてみた。

 ……どうだ?

「キスされた……。」

 今のうちにゲームを起動するか。

 ……できたな。aぷる製のPCなぞ使ったことがないが、

「ほら!ゲームが始まるぞ!プレイヤーは私にする?真経津にする?」

 真経津は私の膝に頭を乗せてこちらを見上げた。

「ボロさんでいいよ、ボクはボロさんを見てるから。」

 ……よかった。

 この方法は何度も使えないが、有効だな。

「よし、やるか。」

 

「うん、ボロさん。」

 

、、、

 

 また医者とと二人っきりか。

 

「昨日が何の日であったか理解しているか?」

 医者が手を差し出してきた。

「聖ウァレンティヌスが殉教した日。」

 無視をしてプライムでmの兄妹を再生する。

「恋心を持つ男性に女性がチョコレートを贈る日だ。」

 一度くらい殴っても……。

 ……殴れるわけないが。

「日本ではな。」

 医者が袖を引っ張ってくる。

「あるだろう?」

 あるわけ無いだろ。

「奥さんから貰ったか?」

 そう聞くと、フッと笑ってスマホを掲げて見せた。

「ああ、写真を撮った。」

 デッカイチョコレートケーキだな。

 可乃さん、意外と凝り性なんだな。

「凄いじゃないか。愛されてるな。」

 医者は得意気な顔をして脚を組み直した。

「では、お得意の解釈を言ってみたらどうだ。」

 ようやく本題に入れるな。 

「はじめちゃんが言ったセリフが全てだ。」

 医者は「何を言ってる?」という顔をしてこちらを見た。

 

「『お前は足が悪いんじゃなくて、頭が悪いんだよ』……以上だ。」

 

、、、

 

「叶さん……あの人との旅行に、あの女……いましたよね。」

 

 可乃ちゃんも必死だな。

「ああ。礼二くんがボロをナンパから助けた場面の写真、見たいか?」

 言い終わる前にずいっと身を寄せてきた。

「……見せてください。」

 眼がギラギラと光っている。

「分かった。……交換条件でセックス……忘れてないよな。」

 

、、、

 

「黎明っ黎明っ……私の……何が……何が足りないのっ」

 

 可乃ちゃんは華奢だな。

「あっイくっ……すごいっ……」

 軽いから身体が浮くから抱きかかえないと。

「強いて上げるなら、可愛げのなさ。可乃ちゃんはただ可愛いから。無愛想さが足りない。」

 可乃ちゃんは背中に手を回して爪を立てた。

「……ふっ……痛いでしょ?っ……黎明……」

 そういうところ。

「やっぱり、なんとなく似てる。」

 爪の力が強くなり、血が滴ったのが分かる。

「どこが?どこがあの女と似てるの?」

 本人はわからないもんなんだな。

 客観視出ないない。

 

「オレに抱かれてるところ。」

 

、、、

 

「お、今日は面白そうな映画見てるな!sボテンブラザーズ?」

 

「三人は嘘を現実に変えたんだ!正義の味方だ!!賞賛されるべきだ男たちだ……あはは……」

 村雨が心配そうな顔をしてボロをみて、オレに視線を送った。

「あなたにしては、いやに単純な解釈だな。」

 ボロは乾いた笑いを浮かべて画面を見ていた。

 やっぱり疲れてんだよな、ジョイキッチンのパートがキツいなら減らしてもらえよ。

 もうボロには蓄えがあるし、オレ達という友達もいる。

 これ以上、何を望むんだ?

「ボロ大先生、最近疲れていないか?まさか……私に愛想がつきたのか?」

 ボロは一瞬固まった後、また画面を見た。

 

「あなたには……嫌われたくはないからな。」

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