「咎人を連れてきた。」
「いや、女……?何したのコイツ。」
「資産家の老婦人の情報を漏らして闇バイトに襲わせ、殺害させた。」
「ガチの犯罪者じゃん。」
「なんでボーっとしてるの?」
「暗示や催眠でもかけているのだろう。」
「催眠って……いや、なんで『出来て当然だが?』みたいな顔してんだよ!」
「その女、本当に犯罪者なわけ?」
「なら聞いてみようよ、君は罪を犯したの?」
「……頷いたな。」
「お前、金が欲しかったのか?」
「また頷いたね。」
「あなたは犯罪に加担したのか?」
「頷いた。これ、尋問の仕方……あってるのか?」
「咎人には罰を与える。」
「罰……?なんで殺さないの?」
「……何か隠し事してねえか?」
「どうせ殺すなら何やってもいいか。」
「ボク、あれやりたい。あの比べるやつ。」
「あんなのAVでしかやらねえだろ。」
「AVで見るプレイ、一通りやる?」
「もしもし、ボクのこと分かる?」
「……神父様……悪魔が……悪魔たちが甘言を囁きあっています……神父様……どうか、迷える仔羊をお導きください……。」
「私達は悪魔か……。」
「合ってるだろ。」
「神は見ている。」
神父様の姿が見え隠れする。
あたりは暗闇が広がっていて、何も見えない。
怖い。
助けてください……神父様。
「ねえ、今咥えているのは誰のか分かる?」
悪魔の囁きが聞こえる。
「神父様……?」
「コイツ……俺たちの区別、ついてんのか?」
「神は仔羊に悪魔を視る目を授けた。」
目に温かな体温が触れる。
神父様の手……?
暗闇の中から、栗毛の悪魔、金髪の悪魔、角の悪魔、黒髪の悪魔が姿を現した。
悪魔達は淫靡な風体をしている。
……恐ろしい。
荒い息遣いと心音が重なって聞こえ、頭に響く。
「誰のモノを咥えているか?」
モノ……?
悪魔達はそれぞれ聖者を犯し貫きくための槍を持っている。
私は角の悪魔の槍を口で受け止めている。
「ちゅ……ちの……ちゅのにょ……」
「何?血の?」
「血……?黎明の眼の色なら合ってるな。」
「じゃあ次。次は誰の指?」
指……?
いつのまにか黒髪の悪魔が指を秘部に入れている。
私は、悪魔に屈しない。
「黒髪の悪魔め……私は汚されない。」
「あ、合ってる。」
「誰にク◯ニされてる?」
ク◯ニ?
何?
金髪の悪魔が秘部を舐めている。
それでも、私の心は清らかなまま。
「金髪の悪魔……。私は……清い。」
「清いらしいぞ。」
「今、どこを舐められてる?」
舐め……。
悪魔達が身体を四肢を、いたる場所を舐めている。
悍ましい。
「神父様……お助けください……。私は……。」
「懺悔した。」
しました。
私は罪を犯した。
その日、銀行のATMでお金を下ろそうと前の高齢女性が取引を終えるのを待っていた。
高齢女性はメモと通帳を照らし合わせているので、振り込め詐欺かと心配になった。
「ねえ、振込額合っているかしら?」
高齢女性が振り返って、記帳した通帳とメモを眼前に突き出す。
いちじゅうひゃくせん……ん十億!?
よ、世の中にはすごい金持ちもいたもんだ。
メモを見ると一万円と少しの金額で、記帳された数字と合っていたので目を白黒させながら「合ってます」と答えた。
「よかったわ。あたし目が悪いから。」
それよりも他者にん十億の預貯金がある通帳を見せないほうが……。
そう言おうと視線を戻すと、高齢女性は既にATMから立ち去っていた。
危なっかしい人だ。
尋ねた人間が私でなかったら、襲われてお金を取られていただろう。
数週間後、テレビのニュース番組で「闇バイトに自宅を襲撃された80代女性が亡くなった」と報道された。
『最近、闇バイトによる強盗殺人が増えてますからね。続いては、またやってくれましたあの選手』
チラッと映った被害女性の写真。
……あの日の高齢女性に見えた。
一瞬の出来事で顔も覚えていなかったが、きっとそうだ。
私が、私が……私が危ないって、通帳見せないほうがいいって、言わなかったから……わ、私が私が間接的にあの高齢女性を殺したんだ。
そうだ、私が、あの人だ。あの人は亡くなった。
私が言わなかったから。私が殺した。
食事が喉を通らなくなり、会社を体調不良として仮病を使って休んだ。
私は人を殺したから。私が生きていてはいけない。
自首しよう、私が殺したって。
警察署に行って「私が殺した」と自首したのに、お巡りさんは逮捕してくれず、心療内科を案内した。
警察はなにもわかっていない。
殺人犯を家に送り返すなんて。
……彼らは警察だったのか?
本当は犯罪組織が警察のフリをしているのかもしれない。
家で待機しろ、福祉の人が来るからと言われた。
怖い。
家を出て、彷徨った。
途方もない時間、歩き続けた気がする。
河原で朝焼けの朝日に照らされる女神様と出会った。
この世のものとは思えないくらい美しかった。
「女神様……私は人を殺しました。」
「懺悔しなさい。」
こちらを見た。女神様は神父様?
神父さんの格好をしている女神様?
後光が眩くて直視できない。
「懺悔室へ。」
神父様の後をついていく。
私は神様を信じていなかった。
でも、私の罪と向き合ってくれる神父様が現れた。
私は裁かれる。
「私は人を殺しました。」
「いつ?」
「1週間くらい前……」
「誰を?」
「高齢女性を……」
「殺害場所は?」
「高齢女性の自宅……」
「どのようにして殺した?」
「闇バイトを使って……」
「なぜ?」
「お金が欲しかったから……」
「神の前だ。偽り無く告解し、懺悔しているか?」
「はい……私が……私が殺しました。」
「奪った金はどうした?」
「金……?金……。金……。……分かりません。」
「わからない?」
「分かりません……。」
「身分証を出しなさい。」
「はい……神父様。」
「……しばらく外で待ちなさい。」
「はい……神父様。」
神父様は小一時間ほどで戻ってきて下さった。
「偽証である。」
神父様も私を嘘つきというの?
「私は確かに、高齢女性を殺しました。私が危険を知らせなかったから、ATMで、そう、ATMで私は高齢女性を殺しました。通帳をみたから。高額の預貯金通帳をみたから、その場で殺しました、通帳をみせられたので殺しました、私が殺しました、私は罪を犯しました、私は、罪人です、私は裁かれます、警察は私をPTSDだと……私を保護しようとします、私は裁かれなければなりません。私を殺してください。私は死ぬべきだ。私は死ななければならない。」
「神は罪人に罰を与える。」
「よかった……神父様……迷える仔羊をお導きください。罪を犯した仔羊は火炙りにして処刑されるしかありません。」
神父様は私の手を引いた。
私は神父様の説法を聞きながら、暗い闇に歩みを進めた。
「淫魔の檻にいれる。悪魔達から純潔を守れ。それが神が下した救済の試練である。」
気づくと、暗闇の中にいた。
「神父様……私はどのようにして淫魔……悪魔達から身を守ればよいのですか?」
「聖者を犯し貫きくための槍で貫かれれば、淫魔に屈したことになる。淫魔には真実を話せ。」
神父様は暗闇の外側にいらっしゃる。
それだけでも心強い。
「なあ、誰のチン◯が一番いい?」
槍を構えた悪魔達から問の意図がわからない質問をされる。
「いい?……」
「たぶん、答えが思いつかないことは答えられないんじゃない?」
「あー……じゃあ、誰のが一番デカい?」
「それを聞くのか……。」
「AVじゃ定番だろ。」
「答えろ。チン……槍の大きさはどの悪魔が一番大きいか。」
槍の大きさ?
わからない……皆同じような形をしていて、細かな差異など。
「……角?……?……金髪の悪魔……。」
「複雑な気分……。」
「最初から聞くんじゃねーよ。」
「汚されない、清らかだ。と言っていたが処女か?」
処女?
恋人はいたが、性交渉の前に別れた。
「……はい。」
「なんだか、可哀想になってきた。」
「でも始めたもんは仕方がないし、輪わすしかないだろ。」
「誰に処女を捧げたい?」
また処女?
先ほどから純潔の話ばかり。
いかがわしい淫魔どもは姦通しか頭にないようだ。
「神父様……。」
「おー……。神父様だってよ。」
「抱いてやれよ。」
「神にも抱く女を選ぶ権利はある。」
「じゃあ輪姦はじめていい?」
「待て。」
「うん、待つよ。」
「今から痴態を淫魔に見せる。罪人は羞恥を噛み締め、辱めを罰として受けよ。」
また瞼に温かい体温を感じる。
神父様の手……。
「目を開け。」
恐る恐る目を開けると、目の前には私を後ろから抱きしめる神父様の姿と、その傍らに悪魔達が槍を剥き出してこちらを見ている。
「し……神父様……なにが始まる」
神父様の手が私のシャツのボタンを一つ一つゆっくりと淫魔達に見せるように外していく。
「神父様……恐ろしいです……怖いです」
「罰を受けよ。」
ボタンが全て外され、ゆっくりとゆっくりと布が剥がされていく。
淫魔達の息遣いが荒くなる。
猛獣の檻に入れられたようだ。
スカートを捲り上げられて、私の下着姿がハッキリと映し出される。
「自分で慰めなさい。」
慰める?何を?
神父様の手が私の手を包み込み、胸と秘部に移動させた。
「慰め……?神父様……」
「自慰行為だ。」
「オナニーしろっていってんの。」
神父様の顔が見えなくなる。
怖い。
「神父様……いらっしゃいますか?神父様がいらっしゃっらないと怖いです。」
「神は見ています。」
神父様は後ろにいらっしゃっる。
顔は伺えないが、確かに神父様の体温を背中に感じる。
自慰行為……。
指でブラジャーをなぞったり、下着をなぞったりしてみる。
「……っ……う……ふ……ん」
いやらしい声が聞こえる。
誰の声?私の声じゃない。
「下着の中に指を入れてみて。」
言われた通りに指を下着の中に入れて動かす。
「……ん……んう……ふぅ……ふ」
知らない声が大きくなる。
息が荒くなる。息が苦しい。
「もう下着脱げよ。」
恥ずかしい。嫌だ。
でもこれは罰だから。脱ぐしか……。
下着を脱ごうとしても、しゃがむと神父様にぶつかるから、太ももまでしか下ろせない。
「脱がせようか。」
「余計なことをするな。」
「今から、神が直接慰める。罪人はそれを受け入れよ。」
神父様の逞しい指が脱ぎかけの下着とスカートを足首まで落としてブラジャーのホックを外した。
目の前には生まれたままの姿になった私と、後に神父と、傍らに淫魔達が……。
淫魔達の槍から涙が流れている。
「身体にかけていい?」
「だからまだだっつってんだろ。」
神父様の太い指が乳首を撫でるたびに知らない声が叫びだす。
「あっあん……はぅ……つ……つぅ……あん……」
息が苦しい。
キュムッと乳首をつままれて腰が抜けて膝が崩れそうになるのを抱きかかえられる。
「ああん……」
神父様にお尻を突き出した姿勢のまま、膣内をバラバラと掻き回されて知らない声が悲鳴をあげた。
「あああっ……くる……なにかくるぅ……」
私の下半身は汗でビショビショになっていた。
こんなに……汗……かいて。
暑い……たしかに、身体が熱い。
クラクラする。
熱中症かもしれない。
「イったな。」
「早くない?」
「大好きな神父様に弄られて嬉しかったんだろ。」
「今朝会ったばかりです。」
「ハァ?……えげつねえ……。」
神父様はゆっくりと私を座らせて、神父様の脚の間にすっぽりとおさまる形になった。
「脚を乗せなさい。」
脚を乗せ……?
神父様の脚に?
脚を乗せたら……秘部が淫魔達に丸見えになってしまう。
嫌だ……。でも、神父様が……。
「早く乗せて。」
太ももを持ち上げて神父様の脚に乗せると、目の前には初めてみる自分の秘部の中身があった。
「や……やだ……恥ずかしい」
羞恥の罰……でも、つらい。怖い。
神父様の指が入っていくのが見える。
「あっあんっあんあっあん……やだ……やだ……怖い……」
指がグチュグチュと音を立てて中を擦っている。
怖いのに、目が離せない。
「暴かれる様を見よ。」
「ああああああっああああああっやだぁ……やだぁ……」
無我夢中で暴れて逃げようとしても、体勢と肩をガッシリと抱きかかえられているせいでジタバタするだけ。
まな板の上の鯉。
もう、処刑からは逃れられない。
「神の慈悲を受け入れなさい。」
悪魔達が更に近づく。
神父様が膝立ちになり、そのまま四つん這いの体勢にさせられる。
熱くて硬いモノが膣の入口をこじ開けようとしている。
犯される。
……誰に?
神父様。
……神父様って……誰?
目を閉じ、再び開けると鏡には見知らぬ長髪の男性に後背位から犯されようとしている私の姿と、鏡の周りを取り囲み性器を露出している男性達の姿があった。
私は……強姦されて輪わされる?
なぜ……?
罪を犯したから……。
……罪?
私……。
「嫌ぁ!!助けて……誰か助けて……嫌……嫌……強姦される……助けて……」
必死に足掻こうとしても首を押さえつけられて動けない。
「あれ?暗示解けちゃったみたい。」
「やめとく?」
「今さらやめられるかよ。」
「神はあなたを愛しましょう。」
「嫌ぁ嫌……誰か誰か助けて……誰か……私……何もしてない」
そうだ、私は何も……。
「したろ?」
バチュッという水音と下半身に衝撃が走った。
鏡には股から血を流し、涙でグチャグチャになった女の顔が映っている。
この女の人、誰だろう。
「懺悔した、咎人だ。」
咎人……罪人か……だから泣いてるんだ。
「この女の人……悪い人?」
「あー……たぶんそう。」
悪いことをしたら罰が下るのに。
……。
「ねえ、このあとの話を聞かせてあげなよ。」
「蛇足になるだろ。」
「話してやれよ。」
「混乱しているようだ。配慮してやれ。」
「神を信じなさい。」
「神父様、おはようございます。紅茶をお入れしました。」
「おはようございます。シスター。今日も善き一日を。」