※この作品はR-18です。

悪癖   作:ummt

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結 ミルククラウン環状線

 

「……アナタは誰?」

 

 ノックもせずに婦女子の病室に入ってくるなんて失礼な方ね。

「あ?お前、オレのリアコだろ?」

 不気味なカラーコンタクトをした大柄な男は苛立ったようでベッドに腰掛けて顎を掴んで覗き込んでくる。

「アナタ、無礼にもほどがあるわ!!」

 そうピシャリと手を叩くと陰気な眼鏡の男性と顔を見合わせた。

「……あなた、もう一度名を名乗れ。」

「アナタ方から先に名乗りなさいよ。」

 場がしんと静まり返ったあと、松本と名乗った男性が失神してその場に倒れた。

「……礼二くん、これってオカルト?」

「くだらん……。だが、個別に聴取をする必要があるのは間違いない。」

 眼鏡の男性と大柄な男性が松本という男性を担ぐとガララッと再び扉が開いた。

「黎明、そろそろいいか?」

 髪を上げた男性と初老の男性が部屋に入るなり松本を担ぎ上げた。

「天塚さん、あなたにも文書偽造について後ほどお話を伺いに来ますよ。」

 文書偽造……?

「なんのことかしら。アタシは清廉潔白よ。何のやましいこともないわ。」

 彼らは一体何を言っているのかしら。

「あなたは身分を専門学生と偽って賭場にギャンブラーとして登録しただろう。」

 眼鏡の男性がしかめっ面をしたが、そんな事をするはずが無い。

「ギャンブラー?アタシは華の女子高校生。賭場なんてとんでもないわ。」

 すると彼等は顔を見合わせて変な空気になった。

「お前、時雨とハーフライフ戦して腹にミミズ腫れが残ったって聞いたけど。」

 大柄な男性が服をめくりあげようとするので手を叩いた。

「破廉恥な!!失礼よ!!ミミズ腫れ……?」

 布団に潜って腹部を確認するがミミズ腫れなんてどこにもない。

「ミミズ腫れなどないわよ?……アナタたち、何が目的なの?パパの財産目的に狂言でもしているのだったら出直してきなさいな。」

 場に沈黙が流れたあと、いきなり陰気な男性が服をめくって腹部を確認し始めた。

「跡が無い……あれは跡が残るもので外科治療をした様子もない。」

 思い切り男性の頬を叩いた。

「このスケベ!!」

「勘違いするな。私は医者で医療行為だ。」

 男性達は気まずい空気になって、名を名乗り始めた。

「私は村雨礼二、外科医だ。」

「オレは叶黎明。」

「私は宇佐美班の渋谷、彼は伊藤班の昼間と申します。」

 

「アタシは[[rb:天塚 燐子 > あまつか りんね]]。リンネさんと呼んで頂戴。」

 


 

オリジナルデスギャンブル『MILK CROWN Circular Line』

 

 プレイヤーはミルククラウン環状線の乗客となり相手プレイヤー先に下車すれば勝利する。

 

 先攻後攻をターン毎に交代する。

 

【時計盤】

『環状線』

 ミルククラウン環状線の枠。

 時計回りに1〜12時が配置され、12と1は接続している。

 枠はゲームによりランダムであるが、基本の番は以下。

 

 1時:相手の行動ポイントを-1Pまたは自分の行動ポイント+1P

 2時:次のターン相手の移動を+2Pまたは自分の移動を+2P

 3時:行動ポイント+1

 4時:次のターン『回数券』を1セット内で再使用可能

 5時:次のターン相手の移動を-2Pまたは自分の移動を-2P

    (マイナス値に振れるときは加算に変換)

 6時:行動ポイント+1

 7時:次のターン相手の『プラスマイナス券』を使用させない

 8時:次のターン相手または自分が同じ手札を出す

 9時:行動ポイント+1

 10時:相手の行動ポイントを-3P

 11時:相手の行動ポイントを-1または自分の行動ポイント+1

 12時:行動ポイント+2

 

【プレイヤー】

 プレイヤーは『数字券』と『プラスマイナス券』『リバース券』を持つ。

 

『数字券』

 0〜3の4つの数字が記載されている札が4枚。繰り返し利用する。

『プラスマイナス券』

 プラス、マイナスの札が2枚。繰り返し利用する。

『リバース券』

 Rと書かれた札が6枚。消費する。

 

 進行向き=リバースはリバース券でしか変更できない。

 

 プレイヤーは『マッチ』を持っている。

『マッチ』

 4本を1箱とする。1本使用につき-3P。

 擦る本数は自由だが消費し終るまで同じものは使用できない。

 1本目:暖房 次の1セット相手の進行を-2にする(マイナス値に触れるときは加算に変換する)

 2本目:食事 相手または自分を次のターン移動させない

 3本目:賄賂 『青ひげ』の自分への効果を1セットの間無効化する

 4本目:過去 『回送』を1セット→2セットにする

 

 また、相手プレイヤーがマッチを擦った時刻に『鍵』が出現するが、新しく相手プレイヤーがマッチを擦るとその時刻に上書きされる。

 ※ 相手が3時に擦り、また3時に擦れば3時に出現する

 

『鍵』

 4本を一束とする。1本使用につき-6P。

 使用する本数は自由だが消費し終るまで同じものは使用できない。

 消えた鍵は消費したものとする。

 1本目:崩れる街 『相手に指定した下車番号』以外の番号を指定して1セットの間相手プレイヤーが停止できないようにする

 2本目:影法師 『車庫』にいるとき、一度だけ見逃される

 3本目:秘密トンネル 相手に1セットの間『ベル』を押させない

 4本目:臨界点 新しい『マッチ』(4本箱)を取得できる

 

 自分が下車できる車両番号は相手プレイヤーに指定されている。

 プレイヤーはミルククラウン環状線を1〜12枠を時計回りで進む。

  

『行動ポイント』

 初期値:0、マイナスには触れずに0とする

 

『マイナス超過分』

 初期値:0、マイナスになる分の数字を加算する

 

【ターンの流れ】

 

 先攻後攻がお互いの下車できる車両番号を予め決める。

 はじまりは効果なしの12時スタート。 

 

 先攻『数字券』を伏せて出し、後攻は『数字券』と出すならば『プラスマイナス券』を出す。

 先攻はでた数字によって進む。

 ※例 先攻3、後攻マイナス3ならば0となりその場に留まる。

 ※例 プラスマイナス券が無ければ先攻の『数字券』の数字分だけ移動する。

 先攻は留まった枠の効果を得る。

 

 この時に相手に『リバース券』を発動する場合はその時刻を伏せて指定する。

 『リバース券』は一度指定したら相手がリバースするまで再指定出来ない。

 

 後攻も同じ動作をする。

 

 先攻後攻を交代する。

 この流れを1ターンとし、4ターンを1セットとする。

 

 『数字券』は1セット中に被りなく使用する。

 『プラスマイナス券』は1セット中にそれぞれ1枚ずつしか使用できないが、使用しなくてもよい。

 

『ベル』

 降車ベル:行動ポイント-6Pで一度押せる

      その枠が自分の下車できる車両番号なら下車(勝利)する

 非常ベル:行動ポイント-12Pで一度押せる

      相手プレイヤーが下車するのを一度妨害できる

      複数回使用可能

 発車ベル:行動ポイント-3Pで一度押せる

      『青ひげ車掌』を次3セット間出現させない

 緊急ベル:行動ポイント-9Pで一度押せる

      相手プレイヤーの『マイナス超過分』のポイントを自分の行動ポイントまたは次ターンの進行数に加算する

 

『青ひげ車掌』

 青ひげはキセルに厳しい。

 『リバース券』が双方合計6枚使用されると出現する。

 3時、6時、9時、12時の時刻に1セット毎に順に現れる。

 

 青ひげと同じ時刻に居るプレイヤーは『プラスマイナス券』『リバース券』を使用出来ない。

 

 また、青ひげが出現すると自分の直前に出した数字券を二乗した数字の下桁に『青ひげの秘宝』がそれぞれに出現する。

 下桁0は12とする。

 

『青ひげの秘宝』

 手持ちの行動ポイントを1以上全て支払い、自分の降車番号を知る事ができる。

 ※ 0ポイントは不可、1ポイントから可能だが必ず全て支払う

 

【回送】

 6セット目を経ると次の1セットが『直線』になる。

 

『直線』

 時計盤が1〜12の直線になり、1と12より先に移動するプレイヤーは折り返す。

 1セットが終わると『環状線』に戻る。

 

『車庫』

 直線が終わるターンに1または12にいる場合、プレイヤーは車庫に運ばれ強制的に敗北する。

 

 プレイヤー位置は回送で直接または環状線になるとき、現在地から移動しない。

 


 

「ここ、何処?」

 

 いつの間にか真っ白い空間に電車の座席と吊り革だけがあって、□□くんが一番前の車両にいた。

「□□くん!!あれ、電車通勤だったっけ?」

 □□くんはヘラッと困った顔をして座り直した。

「僕、間違えちゃったみたいです。」

 間違い?

 乗る電車を間違えちゃったんだ。

 □□くんはそそっかしいから。

「リンネさんの『相手の1分以内の行動を知ることができる』パルプ・ノンフィクションと僕の『相手の1分以内の認識を歪めることができる』パルプ・フィクションは対なんだと思っていました。……そう思い込みたかった。」

 リンネさんって誰?

 能力って、今期のアニメの話?

「あ……後ろから青い人が来てる。」

 昔の車掌さんのような出で立ちの青いヒゲの男性が近づいて来ている。

「僕は■■さんを守れませんでした。……ごめんなさい。」

 どうして泣いているの?

「□□くん、私はあなたに守ってもらう必要はないわ。」

 彼の涙をハンカチで拭った。

「一緒に帰りましょう。」

 □□くんの手を掴んで立たせようとしても鋼のように動かない。

「僕は一緒にいけません。回送に乗ります。切り替えが起こる前に早く走って、■■さんの下車番号は8番です。」

 そんな事言われても□□くんを置いていけないよ。

「ダメだよ、一緒に帰ろう。」

 必死に引っ張っても彼の身体は動かない。

「先輩……一言だけ言ってもいいですか?」

 それより早く行かないと、行かないとダメ。

 

「先輩の好きなものを奪ってしまってごめんなさい。」

 

、、、

 

「おはようリンネ……どうした?泣いているのか?」

 

 目を覚ますとパパが心配そうに病室のベッドの上に腰掛けていた。

「……夢をみていたの。」

 パパは掌をぎゅうっと握ってくれる。

「パパがカラス銀行と話をつけるから、何も心配しなくていい。松本とかいう不審者は処分されたから安心しなさい。」

 胸の奥が苦しい。

「アタシ……もう失いたくないわ……。」

 どうしてこんなに涙が出るのかしら。

 

「大丈夫、パパがいるから安心しなさい。■■。」 

 

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