※この作品はR-18です。

ONE PIECE ―紫電の副船長(レイル・ロード)   作:烏丸レン

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東の海の狂犬と、麦わらの少年

1. 享楽の宴と「狂犬」の静寂

東の海の果て、海軍の監視網をあざ笑うかのように繁栄する無法の島「リバティ・ハブ」。その中心にある高級酒場『ルージュの吐息』は、今夜も暴力と欲情の熱気に包まれていた。

 

酒場の最奥、一段高い特等席には、周囲の喧騒とは隔絶された空気を持つ一人の男が座っている。アルフォンス・D・レオン。銀色の髪を無造作に流し、不敵な笑みを浮かべるその姿は、見る者を惹きつけずにはいられない危うい色気を放っていた。

 

彼の両脇には、この島でも評判の美女が二人。レオンは片手で高級なワインを弄び、もう片方の手は隣に座る赤髪の女の腰を執拗に撫で回している。

 

「レオン様、今日は一段と冷たい目をしてらっしゃるのね……」

 

赤髪の女が熱っぽい吐息を漏らし、彼の胸元に指を滑り込ませる。レオンはタバコの煙をくゆらせ、その女の顎を強引に引き寄せた。

 

「冷たいか? ……だが、お前たちの熱で溶かされるのも、悪くねぇ」

 

低く、耳元に響くような声。レオンが女の唇を強引に奪うと、女は抗う術を失ったかのようにその首に腕を回した。舌が絡み合い、官能的な音が周囲の雑音をかき消していく。レオンの手は既に女のドレスの奥へと潜り込み、彼女の柔肌を蹂躙していた。

 

「あぁ……っ、レオン様、そんなに急いじゃ……っ」

 

「黙っていろ。お前は俺に可愛がられていればいいんだ」

 

傲慢な言葉とは裏腹に、その指先は驚くほど繊細に女の快楽を突き、翻弄していく。レオンにとって、女は渇きを癒やす水であり、同時に自分の支配下にあることを確認するための道具に過ぎない。しかし、その圧倒的な「天才感」と強引なまでの男らしさに、抱かれる女たちは皆、自ら隷属を望むようになる。

 

2. 嵐を呼ぶ麦わらの少年

その甘美な時間を切り裂いたのは、酒場の重厚な扉が吹き飛ぶ音だった。

 

「ひゃははは! 面白そうな店だな!」

 

土足で飛び込んできたのは、一人の少年だった。麦わら帽子を背負い、天真爛漫な笑みを浮かべるその少年の背後には、顔を真っ青にした海兵たちが十数人、武器を構えて追いかけてきている。

 

「待て! 麦わらのルフィ! 海軍大佐の娘さんを勝手に連れ回して、タダで済むと思うなよ!」

 

「ん? だってあいつ、外が見たいって言ったんだぞ! 飯もうまかったし!」

 

ルフィと呼ばれた少年は、追手の海兵など視界に入っていないかのように、レオンのいる特等席へと真っ直ぐ歩いてきた。そして、レオンが抱いている女には目もくれず、テーブルに置かれた特大の肉の塊をひったくると、そのまま口に放り込んだ。

 

「おい、お前! この肉、うめぇな!」

 

レオンは女の体から手を離し、不快そうに目を細めた。

「……おい、ガキ。俺の女との時間を邪魔した自覚はあるか?」

 

「ん? 誰だ、お前。銀髪でかっけぇな! 俺はルフィ! 海賊王になる男だ!」

 

ルフィは肉を咀嚼しながら、屈託のない笑顔を向ける。その真っ直ぐな瞳に、レオンは一瞬だけ言葉を失った。これまで出会ってきたどんな凶悪な海賊とも、冷酷な海兵とも違う。この少年には、世界を飲み込むような圧倒的な「器」の予感があった。

 

3. 瞬きの間の蹂躙

「貴様ら! そこで何をしている! 麦わらも、その銀髪も、まとめて捕らえろ!」

 

空気を読まない海軍伍長の声と共に、十数人の海兵が一斉に襲いかかる。銃口が向けられ、剣が振り上げられた。

 

「チッ……興が削がれた。おい、女たち。少し下がっていろ」

 

レオンはゆっくりと立ち上がる。腰に差した愛刀には手をかけず、ただ右手を軽く前に出しただけだ。

 

「雷穿(らいせん)」

 

パチリ、と空気が弾ける音がした。レオンの指先から放たれた極細の電撃ビームが、正確に海兵たちの持つ銃の引き金と、剣の柄だけを焼き切る。

 

「な……!? 何が起きた!?」

 

パニックに陥る海兵たち。レオンは一歩も動かず、次は掌に青白い雷を収束させた。バリバリという不気味な音が、静まり返った酒場に響き渡る。

 

「雷牙(らいが)」

 

レオンが踏み込む。その速度は、常人の動体視力を遥かに超えていた。気づいた時には、伍長の目の前にレオンの不敵な笑みがあった。雷を纏った掌が伍長の胸元に叩き込まれる。

 

「ガアアアッ!」

 

凄まじい衝撃と高圧電流が海兵たちを襲う。連鎖するように雷が跳ね、十数人の海兵は一瞬にして炭化し、床に転がった。レオンは服の埃を払うように手を振り、再びルフィに向き直る。

 

「……面白い力だな! お前、すっげぇ強ぇ! 決めたぞ、俺の仲間になれ!」

 

ルフィは目を輝かせ、レオンの肩をバンバンと叩く。

 

「仲間だと? 俺は傲慢だぞ。誰の下にもつく気はねぇ。それに、俺の野望は強い奴をぶち殺し、いい女をすべて俺の所有物にすることだ。お前の仲良しごっこに付き合う暇はない」

 

レオンは挑発するように言い放ち、再び先ほどの赤髪の女を引き寄せた。女は恐怖と昂揚が入り混じった表情で、レオンの胸にしがみつく。

 

「いいじゃねぇか! 俺の船に乗れば、世界中の強い奴と戦えるぞ! それに……」ルフィは鼻をほじりながら続けた。「海賊王の船なら、世界中のいい女だってお前のところに来るんじゃねぇか?」

 

レオンの動きが止まる。

「……海賊王の、右腕か。フッ、悪くない響きだ」

 

レオンはタバコを床に捨て、踏み消した。

「いいだろう。ルフィ。お前がその器に見合わない男だと分かった瞬間、俺がお前を殺して船を乗っ取ってやる。それでもいいなら……ついていってやるよ」

 

「ししし! 決まりだ! よろしくな、レオン!」

 

4. 略奪の始まり

数日後、彼らは島を立つ準備をしていた。レオンの背後には、彼に心酔し、島からついていくことを決めた数人の美女たちが控えている。

 

「レオン様、本当に行ってしまわれるの?」

 

島に残る女たちが名残惜しそうに彼を囲む。レオンはその一人一人の頬を撫で、最後の一葉を味わうようにキスを贈る。

 

「泣くな。俺が世界を獲った時、また抱きに来てやる。それまでは他の男に指一本触れさせるなよ。もし裏切ったら……この雷でお前の体中を焼き焦がしてやるからな」

 

残酷な愛の告白に、女たちは恍惚とした表情で頷く。

 

小舟に乗り込んだルフィとレオン。二人だけの、しかし世界を揺るがす物語の第一歩。

 

 

レオンは銀髪を風になびかせ、水平線の先を見据える。その瞳には、これから始まる破壊と征服への欲望が、雷光のように鋭く光っていた。

 

「、出航だ。……ルフィ、お前を王にしてやる。その代わり、この海の果てにある全ては俺が蹂躙させてもらうぜ」

 

東の海に、かつてない凶悪な「副船長」が誕生した瞬間であった。

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