低い声が鼓膜を震わせる。解放された顔面に冷たい空気が触れ、酸素を求めて喘いでいる俺を見下ろす壌竜の瞳には、照れや躊躇いの類は微塵もない。
彼女は俺の精液で汚れた自分の手を無造作にシーツへ拭うと、跨った体勢のまま腰をわずかに浮かせた。石質の装甲の隙間から露わになった秘所は、すでに濡れて熱を帯びているのが見て取れた。先ほどの手コキの最中、俺の苦悶する姿を見て興奮していたのか。それとも単に、生き物の生理現象としてそうなったのか。答えは彼女の沈黙の中にしかない。
壌竜は迷いなく手を伸ばし、力なく横たわる俺のペニスを掴み上げた。白濁液と先走りの液でぬるぬるになったそれを、自身の秘裂へと導く。
「おい……待て……」
抗議の声は、喉の奥で押し潰された。
亀頭が熱い肉壁に押し当てられる。濡れた粘膜が先端を包み込み、食い込むように蠢く。
「っ……!」
圧迫感。そして、逃げ場のない熱。
腰を落とす彼女の動作に合わせて、肉棒が根本まで呑み込まれていく。きつい。熱い。そして、重い。大地のような圧倒的な質量が、俺の上に乗っかっているという実感。対面座位という体位が、彼女の体重をダイレクトに伝えてくる。
壌竜は俺の肩に手を置き、体勢を安定させた。その指には力が込められており、逃げ場を塞ぐ拘束具のように感じられる。
そして、ゆっくりと腰を振り始めた。
「ん……くっ……」
彼女の口からも微かな吐息が漏れる。無表情な顔がわずかに歪み、眉間に皺が寄る。それが快楽によるものなのか、それとも単に体を動かすことへの反応なのか、読み取ることはできない。
ただ確かなのは、彼女の膣内が俺のペニスを容赦なく締め付けているという事実だ。内壁が吸い付くように収縮し、亀頭を擦り上げるたびに、背筋に電流が走るような快感が奔る。
「はぁ……あ……」
俺の口からも声が漏れる。手コキで放出したばかりだというのに、再び快感が頭をもたげてくる。彼女の体重と動きに翻弄され、ただ身を任せるしかない無力さ。反逆心が焼き切れ、本能的な屈服へと書き換えられていく。
壌竜は俺の顔を見つめたまま、腰を打ち付ける速度を上げていった。
ちゅぷっ、ちゅぷっ、と結合部から卑猥な水音が響く。彼女の銀髪が揺れ、角が天井を向く。背中の翼がわずかに震え、褐色の肌に汗が滲む。
「……いい動きだ」
不意に彼女が口を開いた。俺の腰の動きを評価しているのか、それとも自身の動きに対して言っているのか。意味を問う余裕はなかった。ただ、彼女の膣内がさらにきつく締め付けられ、思考が白濁していく。
「くっ……そ……もう……」
限界が近いことを告げる声は、情けないほど掠れていた。彼女は止まらない。むしろ、その言葉を合図にしたかのように、さらに激しく腰を振る。
ドスッ、ドスッ、と肉と肉がぶつかる重い音が響く。八雷神の一柱が乗っかっているという事実。大地を揺るがす力を持つ彼女が、今は俺を犯しているという状況。それだけで、理性のタガが外れていく。
「出す……!」
短く告げると同時に、俺は彼女の奥へと叩きつけるように腰を突き上げた。
ビュルルッ!
二度目の射精。子宮口目掛けて注ぎ込まれる精液の熱に、意識が遠のきかけた。彼女の膣内が痙攣するように収縮し、一滴残さず搾り取ろうとする。
「んっ……!」
壌竜が短く息を呑み、体を強張らせた。体内に注がれる精液の熱を受け入れているのか。彼女は目を閉じ、肩で息をする俺を見下ろした。
静寂が戻る。結合したまま、互いの体温と荒い呼吸だけが響く部屋で、俺はただ天井を見上げていた。支配されることへの反発はどこかへ消え、ただ圧倒的な存在感に飲み込まれていく感覚だけが残っていた。