エリスの指が、俺のシャツのボタンを外し終えた。剥き出しになった胸に、彼女の手のひらが触れる。剣を握る硬い手が、今は熱を帯びて俺の肌の上を這う。
「私が、上」
短く言って、エリスは俺の腰の上で体勢を整えた。太腿で俺の腰を挟み込み、剣士として鍛え上げた脚力でがっちりと固定する。逃がさないという意思が、筋肉の締め付けから伝わってきた。
彼女は片手を後ろに回し、俺のものを掴んだ。指先がわずかに震えている。位置を確かめるように数回擦り、それからゆっくりと腰を落とし始めた。
「っ……」
エリスの喉から、押し殺した声が漏れた。中は熱く、狹い。彼女が腰を下ろすたびに、奥へと押し広げられていく感触がした。まだ半分も入っていない。それなのに、彼女の内壁はきつく絡みついてくる。
「痛いか」
「痛く……ない。大丈夫」
強がりだった。眉を寄せ、唇を噛みしめている。それでも彼女は止まらなかった。自分のペースで、少しずつ腰を沈めていく。息を吐き、吸い、また少し沈める。そのたびに中がひくつき、俺を包み込む圧力が増した。
ようやく根元まで入ったとき、エリスは大きく息を吐いた。額に汗が浮かんでいる。赤い髪が肩に張り付き、暗がりの中でも彼女の肌が上気しているのが分かった。
「全部、入った」
「ああ」
「動くわよ」
宣言して、エリスは腰を上げ始めた。引き抜かれる感触に、彼女の中が締め付けを強める。完全に抜ける寸前で止め、またゆっくりと腰を落とす。彼女のペースだった。俺に主導権を渡さない。自分で確かめるように、繰り返し腰を上下させる。
「ん……っ、は……っ」
動きが徐々に速くなる。水音が混ざり始め、結合部からは溢れた蜜が太腿を伝って落ちていた。彼女の腹筋が波打ち、胸が揺れる。小ぶりだが形の良い乳房の先端は、硬く尖ったままだ。
「エリス」
名前を呼ぶと、彼女が俺の顔を見た。赤い瞳が潤み、唇が半開きになっている。さっきまでの強気な表情は薄れ、今はただ夢中な顔をしていた。
俺は上体を起こし、彼女の後頭部に手を回した。そのまま引き寄せて、唇を重ねる。舌を入れ、彼女の舌を絡め取った。エリスは驚いたように一瞬息を詰めたが、すぐに応えてきた。腰の動きを止めずに、キスに夢中になる。彼女の舌が俺の舌を追いかけ、吸い上げ、唾液を交換する。
「ふ……んむ……っ」
鼻にかかった声が漏れる。キスをしながら腰を動かすたびに、結合部からくちゅくちゅと音がした。彼女の中がさらに締まり、俺を離すまいと絡みつく。
唇を離すと、銀の糸が引いた。エリスは荒い息のまま、俺の肩に手を置いて支えにする。腰の動きがさらに速くなり、彼女自身が追い上げるように腰を打ちつけ始めた。
「もっと……動くから」
「好きにしろ」
「あんたも……動いて」
その言葉に、俺は下から突き上げた。エリスの口から短い悲鳴が上がる。彼女の動きに合わせて、俺も腰を打ちつける。互いのリズムが合わさり、より深く、より強く繋がる。
「あ……っ、それ、いい……っ」
エリスが俺の首に腕を回した。密着した胸から、彼女の心臓の鼓動が伝わってくる。速く、激しく、そして必死だった。剣を振るう時の彼女とは違う。今はただ、目の前の相手にしがみついている。
俺はもう一度キスをした。彼女がそれに応え、舌を絡ませ合いながら腰を動かし続ける。お互いの呼吸が混ざり合い、汗が混ざり合い、境界が暧昧になっていく。
「も、も……っ」
エリスの声が切羽詰まったものに変わる。中が痙攣するように収縮を繰り返し、俺を奥へ奥へと誘い込む。彼女の爪が俺の背中に食い込んだ。痛みとともに、彼女が達したことが伝わってくる。
俺もそれに引きずられるように、彼女の中で果てた。熱いものが彼女の奥を満たしていく感触があった。エリスは小さく震え、俺の肩に顔を埋めたまま動かなくなった。
しばらくして、エリスが顔を上げた。汗で濡れた前髪が額に張り付いている。潤んだ目で俺を見つめ、それからふいと視線を逸らした。
「まだ……守るとは言ってないから」
「知ってる」
「本当に分かってる?」
「分かってる」
エリスはしばらく黙っていたが、それから小さな声で言った。