IF版 進化したら人外系お姉さんになる雑魚モンスの俺、飼い主♀の性癖を破壊する 作:霧夢龍人
「私、メルのことが好き」
一瞬、時間が止まったように感じた。
夕焼けも、風も、揺れる焔も。
何を言われたのか理解できずに全部が背景に溶けて、目の前のアグニだけが残る。
……今、俺のこと好きって言った?
い、いやまぁ。何となく俺のことが好きなのは分かってたが、まさか恋愛的に好きだとは思わなかった。
にしてもどうすればいいんだ。俺はご主人様一途だから、気持ちには答えられないんだが。
「……あ、困った顔、してるね」
「う、うきゅ」
「うーん、ごめ、んね。困らせたいわけじゃ、ない。だってメルは──」
一瞬だけ言葉を探すように視線を伏せて、それからアグニは、はっきりと言った。
「もう私のだもん」
「……きゅ?」
え?なんて呆けた声を零す俺を他所に、アグニはゆったりとした動作で近付いてくる。
逃げるわけでも、詰め寄るわけでもない。
ただ、当たり前みたいに距離を詰めてくるその姿に、逆に戸惑った。
「……きゅ、きゅう」
(いや、意味が分からないんだが)
「分からない?」
アグニは首を傾げる。
その仕草は無邪気で、けれどどこか確信に満ちていた。
「だってメル、私と一緒に戦って、一緒に祈って、一緒に帰ってきたし。それに私のお願い何でも聞いて、くれるんだよ、ね?」
「きゅ、きゅっ!?」
「んふ、動揺してるのかわいい、ね。でもごめ、んね。トモダチじゃ満足できない、んだ……だから、ね」
「きゅきゅきゅっ!!!」
(ちょっと待った!!!)
ハイライトが消えた目で俺を見つめてくるアグニの肩を持って、何とか宥めようとする。だが蠱惑的な笑みを浮かべたままアグニは止まらない。
肩を掴んでいた手を掴まれ、ぐいっと拘束されてしまった。
離れようとするが、逃げられない。しかも後ろには大木が生えているため、追い詰められてしまった。
──しかも力強っ!?
「ん、メルって……私より力ない、んだ。んふふ、良いこと知っちゃった」
そりゃあ特異個体かつ王種のアグニよりも力が強いスライムなんて、いる訳ないからな!
アグニの身長は160センチ程だが、高めのヒールを履いているために俺とほぼ変わらないくらいの身長差しかない。
大木に追いやられ、手を頭の上にクロスするように拘束されてしまうと、物の見事に逃げ場がなくなってしまうのだ。
しかもスライム形態に戻ろうとしても、アグニの位相か何かで妨害されているのか変身できない。
「んふ、知ってる?スライムって、どんな種族とも交配でき、るらしいよ」
「……んきゅ、きゅっきゅ?」
(……なん、だって?)
「案ずるより、も産むが易し……だよ。試して、みない?」
「きゅや!!」
(いやだ!!)
なんだよその情報初めて聞いたぞ!?
もしかして俺、今からヤられるの?
しかもこの感じじゃ、俺が受けって感じだよな!?
こんなに可愛い子になら襲われてもいいかな……ってなると思うなよ。
こちとらいい歳こいた元おっさんである。
例えどんなに世界が終わっていたとしても、受け側で「メ、メスになっちゃう〜〜♡」みたいな台詞を吐くつもりはない。
「ん、なんでも言う事聞いてくれ、るんじゃない、の?」
「きゅあきゅ!?」
(限度があるだろ!?)
「大丈夫。私、たぶんこういうコト得意、だよ。特異個体だけに」
「ふぁっきゅ」
神は死んだ。
確かにちょっとだけモンスター同士はどうやって増えるのか、みたいな好奇心はあるが、まかり間違っても自分が体験してみたいとは思わない。
むしろそういう描写をしっかりしてるゲームは完全に成人向けゲームの類だろう。
3Rはえっちなゲームだった……?俺はまた一つ賢くなった。
とはいえこのままでは非常に不味い。抵抗出来ない俺を見て、アグニが舌なめずりしてらっしゃる。
この子元少女ってマ?サキュバスかなんかだろ。
「じゃあ……挿れるね」
「きゅあっ!?」
その言葉と共に、服の中に手を入れられる。
最初は臍の辺り……スライムの紋様が刻まれている部分を、円を描くように優しく撫でられた。
ピリピリと素肌を刺激する指の感触を意識しないようにしてるのに、トントンッと指を叩きつけられる。
「……ん…きゅ」
「かわいい、ね。声我慢しなくても、いいのに」
「っ、んきゅあい!」
(っ、うるさい!)
なんて言いつつも、俺は余裕がなかった。
別に感じているわけではない。うん、本当だ。信じて欲しい。
ただ妙に身体が疼くというか、燻っているというか……感覚が冴えきっているというか。
よくわからない感覚が背筋に走るのだ。
……間違いない。これ、感覚倍増の効果だ。しかも進化したせいで、更なるデメリット位相である【五感超倍増】になってしまった。
欲求位相から目的位相への進化である。
全く嬉しくない。
一体なんの目的で進化したのか分からないこのクソ位相のせいで、俺は対〇忍レベルの超敏感肌になった。
お腹を優しく撫でられているだけでこれなのに、胸や相棒なき場所を触られてしまったら一体どうなってしまうんだろうか。
そんなことも今は考えられない。
アグニの綺麗な顔。お日様のようなポカポカした匂い。暖かくて意地悪な指の感触。そして興奮しているのを隠さない荒々しい吐息が、五感を刺激してくるのだ。
俺はご主人様一筋のはずなのに、身体が勝手に火照ってしまう。
「……ん、こっち、向いて」
「ふ、きゅ」
「逸らしちゃ、ダメ」
精一杯の抵抗で顔を逸らしていたのに、それすらも無駄な抵抗と化した。触手も粘液も出せず、変化も出来ない俺はアグニの目の前だと、哀れな被食者に過ぎない事を知らしめられる。
顔が、ゆっくりと近づく。
綺麗な赤い瞳と目が合って、お互いの鼻先が擦れる。
大木に押し付けられた俺の脚にアグニの柔らかな脚が絡まっていく。彼女の腰から生える長い尻尾は、いつの間にか俺の錨状の尾と絡まっていた。
尻尾を刺激されるという初めての感覚。
お互いの尾がクルクルと絡まっているせいで、逃げようとする度に変な感覚に声が出そうになる。
そんな俺を見て、アグニは満を持して顔を近付けてきた。
──口先が触れる。
だがそれだけで済むほど、アグニは優しくなかった。
「ん……ぇあ」
「……きゅ、んっ!?」
唇の隙間から、柔らかな舌先が忍び込んでくる。
拒否するのが間に合わず、互いの舌が触れ合った瞬間だった。
バチッ!!!
と、身体中に電撃が走る。
途端に力が入らなくなり、アグニに寄りかかるように縺れかかった。でも止めようとはしてくれない。
むしろ嬉しそうに微笑んで、更に舌を絡ませてきた。
「……んぁ……ふぅ……」
「きゅ……う……」
ご主人様一筋なのに、アグニの手が腰に回されるだけでゾクゾクする。抗いようのない快感と苦しさで、いつしか何も考えられなくなっていた。
風情も情緒もない。
野生動物が敵を貪るような、欲に濡れたソレに、身体が翻弄されていく。どれほどの間キスしていたのか分からないが、終わった頃には既に空が暗くなり始めていた。
───☆
なんでワタシのトモダチはこんなに可愛いんだろう。
「んきゅ、きゅきゅ」
永い永いキスを終えて顔を離せば、トロンとした顔付きで続きをして欲しがっているように自分から顔を近付けてくる。
太腿を撫でれば可愛らしい悲鳴をあげるし、耳を舐れば瞼を閉じて、唇を噛み締めながら我慢してる。
そんな姿に、ワタシは胸が高鳴るのを感じた。
強くて、優しくて、でもこんなにも可愛らしい。
お母さんもお父さんもビックリしてるかな。ワタシがこんなにワガママな子になっちゃったこと。
でもね、モンスターになって良かったと思うんだ。
だって弱肉強食で、強い個体が弱い個体を囲うのは当然の世界だから。生き物として自分の遺伝子を残すのは当然のことでしょ?
なのにヴェスっていうメルの飼い主は、中々繁殖しようとしない。
こんなに可愛い子なんて、すぐに他のオスが取っちゃうに決まってるのに。
だからあんまり好きじゃない。
でもメルを囲うならあの子が一番になるのは、普段のメルの態度で分かる。
だから、ね。
──ワタシがちゃんと、分からせないと。
「かわい、いね」
「っ……!」
ワタシが耳元で囁くと、顔を真っ赤にして首をフルフルと横に振るメル。
可愛すぎて、逆にイライラしてきた。
ここまで人を煽れるのは、一種の才能だと思う。誘い受け、って言うんだっけ?
ほら、今もワタシの太ももに尻尾絡みつけて来てるし。
口を一文字に結んで耐えてるように見せかけて、本当はワタシに襲って欲しいんじゃないかなって思っちゃう。
「んふ、誘ってる……の?」
「き、きゅあう!」
「ほんと?私の腰に手を回して、るのに?」
「ふきゅ……?」
へっ?と呆然とした顔を浮かべたメルが、ワタシの腰に回された自分自身の手を見て……あ、真っ赤になった。今もメルの尻尾が、ワタシの太腿に巻きついてるよって教えてあげたい。
でも気付いてないのも可愛いから、やっぱり辞めとこうかな。
それに股をすり合わせてモジモジしてるし、そろそろ限界なのかも。
じゃあ──。
「イッて、いい、よ?」
「〜〜〜〜〜いきゅッッッ!?」
尻尾を強めにギュッと掴んで、ワタシの脚をメルの太腿の間に挟せる。すると、トロッとした粘液のようなモノがメルのメスの部分から滴り落ちて来た。
んふ、可愛い。
初めてイったのかな?ビクビクしてて、ワタシに好き放題にされても反応しない。残念に思って尻尾を上下に優しく擦れば、ワタシに縋り付くように身体を絡みつけてくる。
服が煩わしい。
モンスターならモンスターらしく、服を脱いでエッチするべきだよね。
「動か、ないで」
快感に喘ぐメルの耳を優しく噛みながら、ワタシの炎で着ている服を燃やし尽くす。ついでに自分の服も跡形もなく消しされば、後は発情したメスのモンスター二匹が残る。
我慢しようって思ってた。
メルの初めてはあのメスにあげるべきかなって、王種らしくない考えをしてた。
でも、やっぱりヤダ。
「──ね、メル。挿れちゃダメ?」
ワタシの尻尾は感覚が繋がってる。だからこうしてメルの尻尾と絡みついてる間も、性感帯を直接擽られてるみたいな感覚が、ずっとずっと脳に焼き付いて止まない。
もしそんな尻尾をメルの“ナカ”に挿れたら……絶対気持ちいいよね。
それに、メルってば無防備なんだ。
ヴェスティって飼い主だけなのかなって思ってたけど、ワタシにもモウガンにも距離が近くて、いい匂いがして、えっちな顔で「きゅ」って鳴いてくるんだよ。
それでも我慢して襲わないようにしてたんだから、せめて今はもっとぐちゃぐちゃに絡み合いたい。もっと、お互いの体液で分からなくなるまでエッチしたい。
「いい、でしょ?」
「……っ、きゅあ!」
「だめな、の?」
なのにメルは嫌みたい。
もしかして、自分だけ入れられるのが怖いのかな?じゃあ、お互いの尻尾でシた方が良さそうかも。
ヴェスティちゃんは尻尾が生えてないから、もし今後あの子とエッチするとしてもこんな事出来ないし──ワタシとモウガンだけの特権だね。
「じゃあ、見てて、ね?」
「きゅ?……ッ!?あぅ♡」
ワタシの腰と尻尾に巻き付いてくるメルの黒くて長い尻尾を掴んで、先端を口に含む。意外とコリコリしてて、錨みたいな先っぽの真ん中を指で摘んで押し広げると、メルの反応が明らかに良くなった。
優しく舌で舐め取れば、身体をビクビク震わせて辛そうにしてる。
可愛い。
もっと意地悪して、ぐちゃぐちゃにしたい。
そんな思いを何とか抑えながら、舐めて綺麗にした尻尾をワタシの性器に近付ける。こうして見ると、自分で言うのも恥ずかしいくらいに濡れていて、メルの尻尾に愛液が滴り落ちていくのが分かる。
もう、我慢できない。
「……ふぁっ♡」
「んぁっ……きゅ♡」
ぐしょぐしょに濡れたワタシの中に、黒くてヌラヌラしている凶悪なメルのしっぽを──無理矢理入れ込んだ。
最初に感じた感覚は、若干の痛み。そして数秒後には、痛みを軽く上回る、脳がショートしそうな程の気持ちよさがワタシを襲って来た。
「〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
声が出ない。
メルに抱き着いて気持ちよさをかき消そうとしても、上から更なる快感がシキューを押し潰して来る。
痙攣が止まらない。
ワタシのナカが尻尾をオスだと勘違いして、何度も孕もうと纏わりついてる。相手はメスなのに、ワタシよりも圧倒的に弱いチビスラなのに、心の奥底が勝手に屈伏してしまっている。
あぁ、やっぱりこの子なんだ。
ワタシの運命の人は、この子しかいないんだ。
「きも、ち♡すごくきも、ちーよ♡」
「ふぁ♡……んっ♡んっ♡〜〜〜んっ♡」
パンッパンッ、というよりは、ぐちょぐちょと粘り気のある音が野外に響く。奥の気持ちいい所を掻き出すようにメルの尻尾が動けば、ワタシは媚びるように腰を振り続ける。
メルの大きな胸が揺れるのが可愛くて、自分の乳頭を指で弄りながら、片手で強めに先を摘んだ。
それだけなのに、ナカでビクビク震える尻尾が喜んでるのが分かる。
「んふ♡かわ、いいね──わたし、も。挿れて、いい?」
「……っ」
いいよ、とは言われなかった。
でもその代わりメルは脚を少し開いて、挿れやすいようメスの部分を指で広げ始めた。
顔も逸らして、頬も真っ赤。
だけどワタシの“ナカ”に居る尻尾がまるで、『いいから早く挿れろ♡』とせがむように大きく震え出す。
「んふ♡あとでご主人、様に……謝らな、いとね?」
ワタシがメルのハジメテを奪ってごめんねって。
でもあの子も悪いと思う。だって明らかに相思相愛なのに、手を出さずにチキンになってるんだもん。
だから、こんな悪い王種に好きな子取られちゃうんだよ?