◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
三姉妹が連れて行かれたのは、内装がレンガ造りの地下施設だった。
「へへへ。絶景だぜ。お嬢さん達ぃ♪」
だが迫力は全く感じない。何せ彼女達は今、殆ど裸の様な状態。怖さなど微塵も感じられない。ただエロいだけ。
不敵な笑みを浮かべるコモノンは小瓶に入った媚薬水を、手に垂らす。「ほれほれ♡」媚薬によって濡れた手で、彼はセレストの体に触れる。
「殺す……ッ‼ お前は絶対に殺す‼」
恥ずかしがって顔を赤くする素振りも見せず、悪意の込められた瞳を僕に向ける。
何ともまぁ嫌われたものだね。正直興奮する……。
何て考えつつ、僕は彼女の胸を見る。チュニックと下着を縦に引き裂かれ、豊満な胸を晒しているセレスト。乳房の全体に媚薬水を塗り付け、「さぁこれを飲んで。飲まないとアリシアとフローラの歯を一本抜くからね」と僕は小瓶を彼女の口元に寄せた。
「殺す…………ッ。ん…………」
殺意を零していたが、それでも瓶を傾けるとゴクゴクと素直に媚薬水を飲み干すセレストは、姉妹想いの良い子らしい。
「次はお前だ」
懐から新しい小瓶を取り出し、蓋を床に捨てた。
「貴方は一体、何が目的なんですか? 媚薬の開発が成功したなんて事例はないはず。まさか効果のない詐欺商品に引っ掛かってるなんて、間抜けな話じゃ……、くッ!」
明らかにセレストの時より、いやらしい手つきで体を触れられビクッと体を震わせるフローラ。別に性的に感じた訳じゃなく、怖気が走っただけの様子。
「これは俺達が独自に開発した媚薬だ。効果は保証されてる。というか世間に発表した所で意味はない。こんな危険な代物、法で禁じられるに決まってる」
そう言いながら、僕はフローラに口を開けさせ小瓶を傾けた。顔を顰めながら媚薬を飲み干して、「…………危険?」と怪訝な瞳で僕を見る。
「この媚薬の効果は、一生残り続ける。治療は不可能。お前等は一生、発情に苦しめられるのさ」
「「――――ッ」」
ヘラヘラと笑いながら僕が告げると、セレストとフローラは青ざめて表情が固まる。
「はっはっは。安心しな。効果自体は大した事ねぇ。精々、男子学生程度の性欲止まりだから、気が狂う程に苦しい思いはしねぇよ。十分に我慢できるレベルだ」
笑いながら新しい小瓶を開ける。そして僕はアリシアに近づき、胸や尻を重点的に揉みながら媚薬水を塗りたくった。
「…………。貴方の、いや貴方達の目的って一体……」
フローラが怪訝な様子で口にする。僕は黙って小瓶をアリシアに口に寄せて傾けた。「…………ッ」小柄な体を震わせ、涙を流しながら媚薬水を飲み干すアリシア。
「…………」
「――モンスター化の実験だ」
疑問の答えを黙って待つフローラに、僕は肩を落として素っ気なく返事した。
「「――――ッ」」
三姉妹は同時に驚愕と恐怖に表情を染める。
「モンスター化は知ってるだろう? 魔石を食らうと、体が段々モンスターに変貌してしまうって現象。あれをお前等に行う」
思い浮かべるのは、失敗作の
非道な実験だよね……。その多くが注射器を見た途端に震えあがり、泣き叫ぶ。中には覚悟がガンギマリな子もいたけど……。そういうのはホントに一部。やっぱり皆怖いよ。
まぁ僕は魔石が体に悪いとか知らず、ガリガリ食ってたんだけど……。『うめぇ。冷たくてガリッガリ君みたいだ! 懐かし――っ!』とか言って……。
我ながら能天気だったなぁ。でもなぁ、わりと美味しんだよな、魔石。ガリガリでシャリシャリで、甘くて爽やかな後味で……。
「…………ッ! や、やだ……。やめてよ……」
「私は良い……! 二人には何もするな……!」
「何の為に、そんな非道な実験を……!」
当然の反応だろう。アリシア、セレスト、フローラは震えあがっていた。
うん。まぁこれが普通の反応だよね。僕や
「だったら優秀な子供を産む事だな。子供を俺達に献上すれば、実験せず俺達の仲間に入れてやるぜ。ただし、呪印を体に刻み、裏切れば死ぬ体になって貰うんだが、ははは」
「「…………ッ」」
コモノンが甘言を口にすると、三人は反応を示す。
だが男嫌いな彼女達からすれば強姦に等しい。自分達も母親と同じ目に遭い、子供を産む事になるのか。そう思うと命が懸かっている状況とはいえ、簡単に返事は出来なかった。
「少し待ってろ」
そう言って僕は牢屋を後にした。隣の牢屋に行き変身を解いて、囚人服に着替える。そして飾られた土人形をコモノンの姿に変え、僕は自ら首輪を嵌めた。
置かれた姿見を確認しながら黒い霧で体を覆い、可愛い系の気弱男子に変身する。
くっそぉ惜しいなぁ。体積を大きく変えたら元の姿に戻れなくなるから、今はこれが限界かぁ……。
身長は平均的で少し髪がボサッとしていて、如何にもモブっぽい少年が姿見に映っていた。凄く地味だけど、よく見ると顔立ちが整っていて可愛い気弱そうな感じ。
正直イケメンは好みじゃないけど、今回は逆レだもんね。可愛い系男子の方が良い感じでしょ。相手の罪悪感をそそれるし、わりと良い感じなんじゃないかな。
というかチャラ男やオッサンで逆レだと、ギャグになっちゃうしね……。
名前はそうだなぁ……。――ジュード。ジュードってのはどうだろ。凄く良い感じ。純朴そうな黒髪可愛い系男子に似合っている。
「早く来い!」
声を荒げるコモノンに連れられ、僕は苦しそうな顔をしながら震える体で歩く。隣の牢屋に目を向けた時、ビクッと体を震わせた。
「え……、あ、あの……! はだかの、女の人……! ちょ……、ど、どういう事ですか……⁉ 僕はそういう事できないって言いましたよね……⁉ 恋人が居るんです!」
僕は渾身の演技で「はわわわわ……」と顔を真っ赤に染めてる。勿論、目をギュッと閉じて顔を背けていた。我ながら惚れ惚れする演技力だった。
「くっそ。めんどくせぇなぁ。お前が上から預かった奴隷じゃなけりゃぶん殴ってでも言う事を聞かせるんだが……。クソッ……」
コモノンは僕を乱暴に引き摺り、部屋の隅にあった大きなベッドに無理やり固定した。首輪は外されたが、腕がガッシリとベッド上部の枷に嵌っており、魔力無しでは碌に身動きは取れない。
「良いじゃねぇか。あの美人三姉妹だぞ、美人三姉妹。お前も冒険者なんだし、知ってんだろ? ブスを抱けって言っている訳じゃないんだ」
「そ、そそそ、そういう問題じゃないですよ! 僕は結婚を約束した恋人が居るんで! 他の人と子作りなんて嫌ですよぉ! 不誠実な事できませんから!」
呆れて溜息を吐くコモノンに、僕は涙目で必死に反論する。
「見て分かる通り、ピュアな童貞君なんだ。子作りするんなら、優しくしてやってくれ。もしも、コイツが気に入らないってんなら、別の男を用意する」
絶句している三姉妹に、コモノンは懐を漁りながら近づく。「ただまぁ、女を肉便器としか思ってない乱暴な奴だったり、エロジジイしか残ってねぇから……、多分、コイツが一番マシだと思うぜ」取り出したのは、5枚の写真。
その写真に映っているのは、気持ちの悪い男達の顔だった。悪人面な者、スケベ面のブサイク、シワシワの爺さん、どいつもこいつも女の不快感を刺激する顔ぶれだった。
「「…………ッ」」
絶対こんな人達とやりたくないと、顔に書かれているようだった。表情を歪めて明らかに三人共、強烈な嫌悪感や不快感を示している。
だが――。
「…………ッ」
「………。私達が、強姦する側に…………。そんな事……、出来る訳……」
やはり抵抗があるらしい。無言でセレストは歯噛みして、思い悩み踏み止まるフローラ。
噂によると彼女達の母親は同じパーティの男性にレイプされたらしい。恐らくこの三姉妹は強姦で生まれた子達なんだろうな……。そりゃあ、嫌だよね。
それをしてしまったら、自分が今まで憎んでいた父親と同じになっちゃうもん。でも、どうするんだい?
僕を逆レイプしなきゃ、君達はモンスターになるしかない。もしくは小汚いオッサン達に凌辱されちゃうんだ。これは消去法的に、ピュアで誠実な僕を犯すしかなさそうだね。
「まぁ良い……。半日は猶予を与える。コイツを犯すのか、他の男達に犯されるか、お前等で選べ。半日経っても結論が出せないのなら、コイツを使うまでだ」
そう言ってコモノンは蒼い液体の入った注射器を見せた。
「…………。そ、そんなの……」
フローラとセレストが絶句する中、アリシアは僕に視線を向けてきた。その瞳には哀れみや恐怖だけではなく、罪悪感も含まれている気がする。
そして「嫌がる相手を、巻き込みたくない……、けど……。でも……」と、彼女は二人が言いにくい事を口にしようとしていた――。
【あとがき】
〈お気に入り〉してくれた人!
〈評価〉してくれた人!
感謝です! モチベ上がります!