僕のファーストキスを奪った幼馴染が、超ドSだった件 作:微熱@
修学旅行最終日の朝。
僕は布団の中で、まるで処刑台に向かう死刑囚のように震えていた。
一睡もできなかった目はゾンビのように充血し、背中にはじっとりと嫌な汗がずっと張り付いている。原因は昨晩の出来事――ひまりちゃんの布団で起きてしまった不慮のキスと、それを至近距離で目撃した美優の、あの漆黒の殺意に満ちた瞳。
あの時の美優の目を思い出すだけで、全身の産毛が逆立つ。
猫がネズミをいたぶり殺す直前に見せる、あの瞳の色だった。
「堀田ぁーっ! 朝だぞーっ! 早く飯食いに行こうぜーっ!」
斉藤の能天気な叫び声で、僕はのろのろと布団から這い出した。今日も美優と、そしてひまりちゃんと一日一緒に班行動をしなきゃいけないのか……。
朝食会場の大広間。
長テーブルに並べられた旅館の和朝食――焼き鮭、味噌汁、温泉卵、漬物、海苔。どれもこれも、普段なら地味ながらも嬉しいメニューのはずだった。だが僕の味覚は完全に死んでいた。箸が震えて、白飯を少しずつ口に運ぶのが精一杯だ。
「おはよう、由紀人」
真向かいの席に、美優がトレーを置いた。
その声色は、いつもと何一つ変わらない。爽やかで、明るくて、周囲に見せつけるための『完璧な幼馴染』の仮面。しかし、彼女の唇の端がわずかに引き攣っているのを、僕だけは見逃さなかった。
「お、おはよう……美優……」
「ねぇ由紀人、よく眠れた?」
まるで世間話のように訊いてくる。が、テーブルの下では美優の足が、僕の脛を指の先でトントンと叩いている。モールス信号のようなそのリズムが、無言の圧力として僕の胃を鷲掴みにした。吐きそうだ……。
「あ、う、うん……まあまあ……」
「そう、よかった。あたしは、あんまり寝られなかったかな。ちょっとね、面白いもの見ちゃって」
面白いもの。その単語に込められた毒の濃度に、僕は箸を落としかけた。
「あ、堀田君! おはよう!」
斜め向かいの席に、ひまりちゃんが小走りでやってきた。ショートボブの髪が弾むように揺れ、彼女の頬はほんのりと赤く染まっている。昨夜の出来事を思い出しているのだろう、目が合った瞬間、はにかむように俯いてしまった。
「お、おはよう……ひまり、ちゃん……」
「えへへ……昨日はありがとうね」
ひまりちゃんが小声でそう呟いた瞬間、テーブルの下で僕の脛に、美優の足の甲がゴッと蹴り込まれた。
「い゛っ!」
「え? どうしたの、堀田君?」
「い、いや……なんでもない……足がつっちゃっただけ……」
「大丈夫? ちゃんとバナナ食べた方がいいよ、カリウム不足だとつりやすくなるんだって」
ひまりちゃんの純真な心配と、美優の憤怒の蹴りが同時に僕の脚を襲う。このコントラストだけで、僕は修学旅行中に胃潰瘍を発症しそうだった。
「ねぇ由紀人」
美優が味噌汁を啜りながら、何気ない口調で告げた。
「今日の自由時間、二人きりで話したいことがあるの。いいでしょ?」
「え……」
「ひまりには悪いんだけど、幼馴染同士で話したいからちょっとだけ遠慮してもらってもいいかしら?」
美優はひまりちゃんに向かって、天使のような微笑みを浮かべた。
「う、うん。もちろんだよ、坂本さん」
ひまりちゃんは少しだけ残念そうに頷いた。だが、その直後にこう付け加えた。
「じゃあ、その分、最後のお土産タイムは堀田君と一緒に回ってもいい? 渡したいものが……その、あるの」
ポッ、と耳の先まで赤くなるひまりちゃん。渡したいもの。それはつまり、お土産という名を借りた、告白未遂のお膳立てではないか。
僕が答えるよりも先に、美優が割って入った。
「もちろん。由紀人も喜ぶと思うわ」
その声は表面上限りなく穏やかで、しかし、美優の膝の上で掌に爪が食い込むほど強く、拳が握りしめられているのが見えた。
午前中のクラス全体での最終見学を終え、二時間の自由行動が始まった。
美優は僕の手首を掴むと、他のクラスメイトから離れるようにして、旅館の裏手にある庭園の方へと歩き出した。斉藤が「おーい、どこ行くんだよー」と呑気に声をかけてきたが、美優は「ちょっと写真撮ってくるだけ!」と見事な嘘を返した。
旅館の庭園は枯山水の石組みと苔むした灯籠が並ぶ、昼間でも人気のない静かな空間だった。生け垣の間を抜けた先にある東屋のベンチに辿り着くと、美優は僕の胸をドンッと突き飛ばし、強制的に座らせた。
「美優、様……」
「黙りなさい」
短い、しかし氷点下の一言だった。
美優は腕を組んで僕を見下ろし、しばらくの間、一言も発しなかった。鳥の囀りと、遠くから聞こえる他のクラスの生徒たちの笑い声だけが、庭園の静寂を薄く彩っている。
その沈黙の圧力に、僕は全身を縛り上げられているかのような息苦しさを覚えた。
「……言いたいことは、分かってるわよね?」
「あ……あの……昨日のことは……本当に、事故で……」
「事故?」
美優の声のトーンが、半音だけ上がった。それだけで、僕の背筋は凍りついた。恐ろしい、できることなら今すぐこの場から走って逃げ出したい。
「事故で、女の子の布団に潜り込んで、事故で、抱き合って、事故で、キスしたの? へぇ、由紀人って本当に事故が多いのね。交通事故の保険に入った方がいいんじゃない?」
「違っ……僕は美優様の指示で305号室に行って……それで布団を間違えて……」
「あたしは一番奥の窓際って言ったわよね? それを手前の布団にのこのこ入って、ひまりとイチャイチャして、あまつさえキスまでされて。それで何? 『事故でした』? 本当はわざとじゃないの?」
美優は僕の顎を片手で鷲掴みにし、無理やり上を向かせた。
「由紀人。あの時のあんたの顔、あたし全部見てたの。暗闘の中だったけど、あんたがひまりにキスされた瞬間、嫌がるどころか、ぼーっとして蕩けた顔してたの、はっきり見えたわよ」
「そ、それは、不意打ちで頭が真っ白になっただけで……!」
「嘘つき」
美優の声が、微かに震えた。
怒りだけではない。その震えの中に、僕はかすかな傷つきの色を見た。彼女のドSの鎧の下から、ほんの一瞬だけ、剥き出しの感情が漏れ出していた。
「あんたのおチンポの鍵は、あたしが持ってるのよ。あんたの射精は、あんたの快楽は、全部あたしのもの。それなのに、あんたは他の女に唇を許した。しかもあたしの目の前で見せつけるように」
美優の右手が、僕のズボンのベルトに伸びた。
「今からお仕置きするわ。ここで」
「えっ……こ、ここって……外だよ!? 誰か来たら……!」
「来ないわよ。ここ、生け垣で囲まれてるし、今の時間帯は誰もこの庭に来ないの。下見済みよ」
下見済み。つまり美優は、最初からこの場所でお仕置きをするつもりで、計画を練っていたのだ。
美優は僕のズボンのチャックを無造作に下ろし、パンツもずらして貞操帯に触れた。冷たい金属と、彼女の温かい指先が僕のブイラインに触れ、僕は思わず腰を跳ね上げた。
「あぁっ……!」
「声出すな。聞こえたらどうなるか、分かってるでしょ」
美優はポケットから例の小さな鍵を取り出した。
カチャリ。
聞き慣れた金属音と共に、貞操帯のロックが解除される。鬱血して赤黒く変色した僕の肉棒が、初夏の外気に晒された瞬間、僕は全身にゾクッとした快感が駆け抜けるのを感じた。
「ひゃうっ……!」
「見なさい。こんなにパンパンに膨れ上がって。ひまりとキスしてから、ずっとこの状態だったんでしょ? あの子のことを思い出して、貞操帯の中で勃起して、一晩中悶えてたんでしょ?」
「ち、違い……っ」
「違わないでしょ。このおチンポがなによりの証拠よ」
美優は指先で僕の亀頭の先端をツンと弾いた。それだけで、電撃のような快感が腰から脳天まで突き抜け、僕は歯を食いしばって悲鳴を堪えた。
「今日はね、ただ気持ちよくしてあげるだけじゃないの。あんたに、自分が誰のものか、体の芯に刻み込んであげるわ」
美優はそう宣言すると、東屋のベンチの上で僕をうつ伏せにさせ、ズボンとパンツを膝まで下げた。修学旅行の旅館の庭園で、僕は生まれたままの下半身を晒け出している。もし誰かが気まぐれで庭を散策していたら、一発でアウトだ。
「今から三十回、お尻を叩くわ。あたし以外の女にドキドキした回数分ね」
「さ、三十回……!?」
「多い? じゃあ聞くけど、あんたは修学旅行中にひまりに何回ドキドキしたの? お土産屋で、神社で、抹茶アイスで、おみくじで。ちゃんと正直に数えてごらんなさい」
正直に数えたら三十回どころではないが、そんなことを言えるはずもなかった。
「わ……わかりました……」
パァンッ!
乾いた衝撃音が枯山水の庭園に響き渡った。美優の小さな掌が、僕の剥き出しの尻たぶに叩き付けられたのだ。
「ひぃっ!」
「一。声出したら最初からやり直すわよ」
パァンッ! パァンッ! パァンッ!
容赦のない連打。一発ごとに、僕の尻の皮膚がヒリヒリと焼けるように熱を帯びていく。庭園の苔むした石灯籠が、僕の屈辱的な姿を無言で見下ろしていた。
「七、八、九、十。まだ半分いってないわよ。あんたのお尻、もう真っ赤ね。ひまりのキスの味、まだ覚えてる?」
「忘れっ……忘れましたぁ……っ!」
「嘘ね。体は正直よ。お尻叩かれながら、前はビンビンに勃ってるじゃない」
美優の指が、下から回り込んで僕の肉棒を掴んだ。屈辱的な体勢のまま、前と後ろを同時に攻められている。それなのに、僕のペニスはみっともなく脈打って、先端から透明な液をだらだらと垂らしていた。
「あんたって本当に変態ね。お仕置きされて興奮するなんて、もう手がつけられないわ」
パァンッ! パァンッ!
「二十五、二十六――」
「美優様っ……もう、もうだめれすっ……!」
ジンジンする尻の痛みと、今にも爆発しそうなチンポの感覚で呂律が回らない。
「だめって何が? 出したいの?」
「出したいれすぅっ……!」
「ダメ。まだ四回残ってるわ」
二十七、二十八、二十九――。叩かれる度に漏れそうになるのを必死に耐える。いや、もう少し漏れてしまったかも。自信がない。
最後の一発は、これまでで一番強烈だった。
パァァンッッ!!
「さんっ……じゅうっ……!!」
美優はフゥッと息を吐き、赤く腫れ上がった僕のお尻を、まるで品定めするように眺めた。
「よく我慢したわね。ご褒美――」
美優はベンチに座りなおすと、僕の体をくるりと回転させ、仰向けにした。極限まで充血した僕の肉棒が、降り注ぐ陽光の下でビクビクと痙攣している。
「今から出していいわよ。でも、条件がある」
「な、なんですか……」
「あたしの名前だけ呼びなさい。『美優様のおチンポです、美優様だけのものです』って言いながらイキなさい。一言でもひまりの名前なんて出そうものなら、この鍵を庭の池に投げ捨てるわ」
美優は僕のペニスを両手で包み込み、ゆっくりと上下に動かし始めた。掌の温度が、金属の檻に閉じ込められていた僕の滾りを優しく溶かしていく。それなのに、彼女の目だけは氷のように冷たいままだった。
「あぁっ……美優様っ……美優様のおチンポですっ……!」
「もっと大きい声で」
「美優様だけのものですっ……! 僕のチンポはっ、美優様だけのっ……!」
「よく言えました。ご褒美よ」
美優のストロークが一気に加速した。右手と左手が互い違いに僕の竿を絞り上げ、親指が亀頭のくびれを的確にこすり上げる。修学旅行先の庭園の東屋で、僕は幼馴染に手淫されている。この狂った現実が、信じられないほどの背徳的な快感を掻き立てた。
「出ますっ……美優様っ、出ますっっ!!」
「出しなさい。あたしの手の中に、全部」
ドクンッ!!
凄まじい射精だった。昨夜からの鬱積が一気に解放され、白濁した精液が美優の掌を飛び越え、僕自身の腹部まで飛散した。ドクン、ドクンと脈打つたびに、次から次へと濃い白い液が噴き出し、美優の細い指の隙間からとめどなく零れ落ちていく。
「んっ……相変わらず、すごい量……。本当にいっぱい溜まってたのね」
美優は精液塗れの自分の手を眺め、それから僕の唇にその指を押し当てた。
「ほら、自分の味、ちゃんと覚えておきなさい。ひまりの唇の味なんか上書きしてあげるわ」
僕はぼんやりとした意識の中で、美優の指に付いた自分の精液のねっとりとした味を、従順に舐め取った。
「はぁ……はぁ……美優、様……ごめんなさい……」
「次はないわよ。次、ひまりに少しでも色目使ったら」
美優は僕のペニスに貞操帯を装着し直しながら、耳元で囁いた。
「鍵を壊すわ。永遠に」
美優ならば本当に実行するだろう。僕はその言葉の重みに全身の血の気が引くのを感じながら、ガクガクと震えて頷くことしかできなかった。