僕のファーストキスを奪った幼馴染が、超ドSだった件 作:微熱@
二周目に入った時、公園の東側を通りかかったところで、僕の下腹部に切迫した圧迫感が押し寄せてきた。夜風に体を冷やされたせいか、急速に尿意がせり上がってくる。
「み、美優様……っ」
「何? 犬語で」
無茶を言う。ワンだけでは通じようもないので、鳴きながらぶらぶら情けなく揺れるチンポを見つめた。
「わ、ワン……ワンワン……っ」
「ひょっとして、トイレ?」
美優が察してくれたので、僕は何度も強く頷いた。もう限界だった。
「ふーん。じゃあ、あの木の根元でしなさい」
「え……」
「犬はトイレに行かないでしょ? 電柱とか木の根元にするものよ。ほら、右足上げて」
公園の端に植えられた木──欅だろうか。その根元に連れていかれ、僕はリードに繋がれたまま立ち止まった。
「さっ早く足、上げなさい。犬らしく」
「そ、そんな……」
「できないなら、あたしこのまま帰るわよ?」
えっ!? 僕を裸まま、置き去りにするってこと?
限界だった。膀胱がもう何秒も耐えられない。
僕は四つん這いの姿勢から、震える右足を持ち上げた。犬がマーキングをするように、片足を上げた不格好なポーズ。全裸で、公園の木の根元で、飼い主に見守られながら。
「いい子ね。ほら、出していいわよ。ちゃんとマーキングして、ここがあんたの縄張りだって示しなさい」
恥辱で顔が燃えそうだった。だが膀胱のリミットには逆らえず、僕は唇を噛みながら放尿した。
シャーッ、という音が、静まり返った深夜の公園に驚くほど明瞭に響き渡った。温かい液体が欅の幹を伝い、根元の土を湿らせていく。尿の湯気がほのかに立ち登り、夜の空気に溶けていった。
「あはっ、すごい。本当に犬みたいに足上げておしっこしてる」
美優が堪えきれないように笑い声を上げた。その笑い声が、僕の耳にこびりつく。
「ほら、ちゃんと最後まで出し切りなさい。見ててあげるから」
長い放尿が終わり、最後の数滴がぽたぽたと地面に落ちた。おしっこ後の生理現象で僕の体は、ブルブルと身震いする。それがまた本当の犬みたいだった。
「よくできました。いい子ね、由紀人」
美優は僕の頭をぽんぽんと叩き、それからスマホを取り出した。
「さて、お散歩の記念写真、撮りましょうか」
「し、写真……!?」
「犬は喋らない。ワンって鳴いて、お座りの姿勢」
僕は反射的にお座りの姿勢を取った。地べたに尻をつけ、両手を前について、犬が座るような格好。全裸の体に首輪とリードだけ。興奮で勃起しかけたペニスが月明かりに照らされてしまい、手で隠そうとするが、美優がそれを許さなかった。
「手はそのまま前について。おチンポ隠さないの。ペットの全身写真なんだから」
カシャッ。
スマホのフラッシュが、暗い公園を一瞬だけ白く染めた。僕の全裸姿が、デジタルデータとして美優のスマホに記録された。
「もう一枚。今度は、お手のポーズで。ちゃんとカメラ目線ね」
カシャッ。
「次は伏せのポーズ」
カシャッ。
「最後。舌を出してハッハッハって息しなさい。犬って暑い時そうするでしょ?」
僕は屈辱に打ち震えながら、舌を出して犬のように「はっ、はっ、はっ」と荒い呼吸をした。
カシャッ。
「ふふっ、すっごく可愛い。あたしのペット、世界一可愛いわ」
美優はスマホの画面をスクロールしながら、撮影した写真を確認していた。暗がりの中、モニターの光に照らされた美優の顔は、実験の成果を確認する研究者のように冷静で、それでいてどこか恍惚としていた。
「ねえ由紀人。この写真の中の由紀人、本当に犬みたい。首輪もリードもすごく似合ってる」
「み、美優様、その写真……消して……」
「バカね、消すわけないでしょ。大事に保存するわ。それにね──」
美優は僕の首輪をグイッと引き寄せ、スマホの画面を僕の目の前に突きつけた。画面には、全裸に首輪とリードを着けた僕の写真が表示されている。砂利の上で四つん這いになり、舌を出して喘いでいる、救いようのない姿。
「これ、いつでもひまりに送れるわよ?」
心臓が凍りついた。
「ひまりのLINE、あたしも知ってるんだから。ポチッってワンタップで、ひまりのスマホにこの写真が届く。『ひまり、由紀人の本当の姿、見てあげて』ってメッセージを添えてね」
血の気が引いた。膝から力が抜け、砂利の上にへたり込む。
もし、この写真をひまりちゃんに送られたら。全裸に首輪をつけて犬のポーズを取る僕の姿を、あの純真なひまりちゃんが見たら。
彼女の中にある「堀田君」のイメージが、一瞬で粉々に砕け散る。修学旅行の優しい思い出も、手紙に綴ってくれた真っ直ぐな好意も、全てが──
「い、嫌だ……! それだけは……ひまりちゃんにだけには……!」
「じゃあ、あたしの言うことを聞きなさい。今までも、これからも、ずっと。ひまりの前では普通にしてていい。でも、あんたの本当の姿はこれなの。あたしの犬なの。それを忘れないで」
美優は写真にロック機能をかけ、スマホをポケットにしまった。
「安心して。すぐには送らないわ。これはあくまで保険よ。あんたがあたしを裏切らない限り、ひまりがこの写真を見ることは永遠にない」
保険。録音データに続く、第二の鎖。しかも今度は視覚的な証拠だ。文字や音声よりも遥かに衝撃的で、言い訳の余地がない、決定的な「変態の証拠」。
僕はもう何も言い返せなかった。ただ、無慈悲な地面の上で裸のまま膝を抱え、震えることしかできなかった。
「ほら、そろそろ帰りましょう。風邪引いちゃうわよ」
美優はバッグから僕の衣服を取り出し、一枚ずつ手渡してくれた。パジャマに袖を通した瞬間、布地の温もりが冷え切った肌を包み込み、涙が出そうになった。
貞操帯も再装着された。カチャリという金属音を、僕はもう何の抵抗もなく受け入れた。
「今日のお散歩、楽しかったわ。由紀人、本当にいい犬になったね」
美優は僕の頭を最後にもう一度撫でし、こちらに背を向けて歩き出した。僕は置いていかれないよう、慌てて追いかける。
深夜の住宅街を並んで歩く帰り道。月明かりに照らされた美優の横顔は、奇妙なほど穏やかだった。まるで本当にペットとの散歩を楽しんだ飼い主のように、満ち足りた表情をしていた。