僕のファーストキスを奪った幼馴染が、超ドSだった件 作:微熱@
舌を伸ばし、奈緒のおへその上の肌に触れた。
塩の味がした。微かな苦みと、柔らかい肌の質感。舌先に集中すると、奈緒の体温が直接伝わってくる。三十六度を超える女の体温が、僕の舌を通じて脳に伝達される。
「んっ……」
声が漏れた。自分でも驚くほど、甘い声だった。
おかしい。おなかの汗を舐めているだけなのに、貞操帯の中の肉棒がどんどん膨らんでいく。亀頭が金属の内壁にぎちぎちと押し付けられ、先端から我慢汁が滲み出しているのが分かる。
「ほら美優、見て。おなかを舐めさせただけで、もうこんなに反応してるわ」
奈緒が僕の股間を指し示す。貞操帯越しにも分かるほどの膨張と先端から溢れた先走りが、はっきりと確認できた。
「由紀人くん。自分がどういう状態か、自分の口で言いなさい」
「え……」
「『奈緒さんのお腹の汗を舐めたら、勃起しました』。はい、言って」
「な、奈緒さんの……おなかの、汗を舐めたら……勃起、しました……」
「もっと具体的に。どこが、どうなった?」
「……おチンポが、貞操帯の中で、パンパンに膨らんで……我慢汁が、出てます……」
「それ、普通の男の子の反応だと思う?」
「……思いません」
「じゃあ、自分のことをなんだと思う?」
「……変態、です」
「よくできました」
奈緒は僕の頭を撫で、それから立ち上がった。
「次のステップね。美優、あんたも参加しなさい」
「あたしも?」
「そうよ。あんたの靴下を脱いで、由紀人くんの鼻の前に持っていきなさい」
「靴下って……今日の?」
「今日の。一日履いた、たっぷり汗を吸った靴下よ」
美優は困惑しながらも、自分の足からハイソックスを脱いだ。紺色の布地は、足裏の部分がわずかに湿っている。夏の暑さの中、ずっと履いていた靴下だ。
「由紀人くん。目を閉じなさい」
僕は、言われるままに目を閉じた。
直後、ふわりと鼻先に布地が当てられた。
匂いが、脳を直撃した。
美優の足の匂い。洗剤の残り香と、汗が醸した甘酸っぱい体臭が、靴下の繊維に凝縮されている。そして、一番強烈に感じるのは、酸味のあるチーズのような匂い。変な匂いなのに癖になりそうだ。
「み、美優……さまの……っ」
意識が飛びそうだった。匂いだけで。触られてすらいないのに。貞操帯が悲鳴を上げるほど肉棒が膨張し、金属の中で暴れ狂っている。
「ほらね。靴下の匂いだけでこれよ。美優、あんたの匂いに、この子はここまで反応するの。これが依存のベースなのよ」
奈緒が解説を続ける。
「大事なのは、この反応を由紀人くん自身に認識させること。『自分は美優の靴下の匂いを嗅いだだけで勃起する変態だ』って。その自覚が深まれば深まるほど、ひまりちゃんみたいな普通の女の子の前に出ること自体が怖くなる。『自分はこんな変態なのに、この子の好意を受け取る資格があるのか?』ってね」
僕は目を開けた。奈緒の言葉が、あまりにも正確に僕の未来を描いていた。
すでに、その萌芽はあった。ひまりちゃんと話す時、僕はいつも「もしバレたら」という恐怖を抱えていた。貞操帯のこと。美優の奴隷であること。深夜の公園で犬のポーズで放尿したこと。それらが全て、ひまりちゃんの前での僕の笑顔の裏側に、黒い影として張り付いていた。
「さて、仕上げよ」
奈緒は再び僕の前にしゃがみ込んだ。今度は僕の耳元に唇を寄せ、蜜のように甘い声で囁いた。
「由紀人くん。今から私が触るのは、あんたの耳だけよ。耳だけ。それ以外はどこも触らない。でもね──」
奈緒の舌先が、僕の耳たぶの輪郭をなぞった。
「あっ……!」
電撃が走った。耳から首筋を通って、背骨を駆け下り、股間に炸裂する。
「耳は性感帯の宝庫なの。特に耳の内側、ここ──」
奈緒の舌が耳介の内側のへこみに入り込み、ちゅるりと舐め上げた。
「ひぃぁっ……!」
声が跳ねた。全身が粟立ち、腰が勝手にガクンと跳ねた。
「そして、ここ」
耳たぶを唇で挟み、チュッと吸い上げる。同時に、温かい吐息が耳の穴に吹き込まれた。
「あぁぁっ……! な、奈緒さんっ……耳だけで、こんな……っ!」
「でしょ? 由紀人くんの耳、すっごく敏感。これだけで射精しそうな顔してる」
射精はできない。貞操帯がそれを阻んでいる。だが、射精感に近い何かが下腹部でぐるぐると渦を巻き、逃げ場を失った快感が全身を灼き焦がしていた。
「美優、見て。チンポに一切触ってないのに、この子、もうぐちゃぐちゃよ。太ももの間、見てごらん」
美優が恐る恐るこちらを覗き込む。僕のズボンの股間は、貞操帯の隙間から溢れた我慢汁で広範囲に染みが広がっていた。
「ちょっと耳を舐められただけで、これ。由紀人くんの体は、もう完全に『ご主人様に触れられると反応する体』に仕上がってるの。あとは、この事実を由紀人くん自身の言葉で何度も何度も確認させて、内面に刻み込むだけ」
奈緒は立ち上がり、満足げに微笑んだ。
「由紀人くん。最後に、今日体験したことを全部、自分の口で言いなさい。美優の前で」
「ぜ、全部……?」
「全部よ。一つ残らず。自分がどういう反応をしたか、何に興奮したか、自分が何者なのか。正直に、具体的に」
美優が、ベッドの上から僕を見下ろしている。その瞳には、複雑な感情が渦巻いていた。嫉妬。悔しさ。そして姉のテクニックに対する、不本意ながらの感嘆。
僕は深呼吸をした。震える唇で、言葉を絞り出す。
「僕は……奈緒さんの鎖骨の汗の匂いを嗅いで、興奮しました。おなかの汗を舌で舐め取って、勃起しました。美優様の一日履いた靴下の匂いを嗅いだだけで、おチンポがバキバキになりました。耳を舐められただけで、射精しそうになりました。おチンポに一度も触れられてないのに、我慢汁で太ももがびしょ濡れです」
声が震えていた。自分の口から発せられる言葉の一つ一つが、自分という人間の底を晒していく感覚。恥ずかしいのに、止まらない。止められない。
「それで? 自分のこと、どう思う?」
奈緒が促す。
「僕は……どうしようもない、変態です。匂いを嗅いだだけで、舌で汗に触れただけで、耳を舐められただけで、こんなになる。普通じゃないです。普通の男じゃない」
「じゃあ、普通じゃないあんたに必要なものは?」
「……ご主人様、です。美優様がいないと、僕は……こんな変態の僕を、管理してくれる人がいないと……」
言葉が途切れた。喉が詰まったからではない。
自分の口から出た言葉が奈緒に言わされたものではなく、心からの本心だということに気づいてしまったからだ。
「よくできました」
奈緒が拍手をした。パチパチという軽やかな音が、静まり返った部屋に響く。
「ね、美優。これが心を掌握するってことよ。外から締め付けるんじゃなくて、本人に自覚させる。自分の変態性を、自分の言葉で認めさせる。そうすれば、ひまりちゃんがどれだけ純粋な好意を向けてきても、由紀人くんは自分から『自分にはそんな資格がない』って拒絶するわ」
美優はしばらく黙っていた。
それからゆっくりと僕の前に来て、膝をついて視線を合わせた。
「……由紀人」
「は、い……」
「今、あんたが言ったこと。全部、本心?」
美優の声が、いつもの冷酷な女王様の声ではなかった。もっと素朴な、年相応の少女の声だった。
「……本心、です」
「ふーん」
美優は僕の額に、軽くデコピンをした。
「バーカ。あたしがいなくても生きていけるに決まってるでしょ。でも──」
美優の指が、デコピンの赤い跡をそっと撫でた。
「あたしがいた方が、由紀人は幸せでしょ?」
それは質問ではなく、確認だった。
そして僕は、その問いに対する答えを、自分の中にはっきりと持っていた。
「はい。美優様がいないと、僕は……幸せじゃないです」
美優の唇の端が、かすかに上がった。いつものサディスティックな笑みではない。もっと柔らかくて、もっと脆い、壊れ物のような微笑み。
「お姉ちゃん」
「なに?」
「参考にはなったわ。でも、由紀人の調教は、あたしがやるから。お姉ちゃんの出番はここまで」
「はいはい。でも、いつでも手伝ってあげるわよ。夏休みの間はずっといるんだから」
奈緒はひらひらと手を振りながら、部屋を出ていった。薔薇の香水の残り香だけが、暑い夏の空気に漂い続けていた。
姉が去った後、美優は僕の首輪のバックルを締め直し、リードを持った。ぐいっと引き寄せられ、顔と顔が数センチの距離になる。
「お姉ちゃんに教えてもらうなんて、悔しい。でも、認めてあげる。あんたの匂いフェチ、あたしが育てる。靴下なんかじゃなくて、あたしの体そのもので、由紀人の変態をもっともっと開花させてあげる」
美優の吐息が唇にかかった。
「覚悟しなさい、由紀人。夏休みが終わる頃には、あんたはあたしの匂いなしじゃいられない体になってるから」
そう言って美優は、さっき靴下を脱いだままの裸足をすっと持ち上げ、僕の鼻先にそっと押し当てた。白くて小さな足の裏。薄いピンク色の土踏まずから、きゅっと丸まった指先まで、ハイソックスを脱いだばかりの素足が汗でしっとりと湿っている。
「ほら、嗅いで。これが、あんたのご主人様の匂いよ」
僕は言われるままに、深く息を吸い込んだ。
靴下越しではない、直の美優の足の匂い。繊維に濾過されていない、生の体臭。甘酸っぱい汗と石鹸の名残りが混ざった、濃密で生々しい少女の匂いが、鼻腔の奥まで染み込んでいく。
それが肺を満たした瞬間、貞操帯の中で肉棒がびくんと跳ね、先端からまたとろりと透明な液が溢れた。
「あぅ……美優、様……」
「ふふっ、いい反応。靴下よりずっと敏感じゃない」
美優は足を下ろし、それから床に転がっていた自分のハイソックスを拾い上げた。紺色の布地を丁寧に揃え、僕の手のひらの上に載せた。
「これ、持って帰りなさい」
「え……靴下、を?」
「宿題よ。あたしの匂いを覚えなさい。毎日嗅ぐの。朝起きた時、寝る前、あたしに会えない時間は全部、この靴下であたしを思い出しなさい」
美優の手が、僕の手を閉じさせるように軽く握った。靴下の湿った布地が、手のひらの中で温かかった。
「次にあたしが呼び出した時、匂いのテストするから。あたしの足の匂いとこの靴下の匂い、どこが同じでどこが違うか、ちゃんと答えられるようにしておきなさい」
「に、匂いテスト……」
「不合格だったら、おあずけ二週間ね」
僕は美優の靴下を、まるで聖遺物でも受け取るかのように両手で包み込んだ。
帰宅後、僕はその靴下をジップロックに入れ、パイプベッドの下のスペースに隠した。積み上げた古い雑誌やマンガの後ろ、壁際の薄暗い奥まった場所。母さんに見つかったら言い訳のしようがない。女子の靴下を自室に持ち帰った変態息子。それが今の僕だ。
しかしその夜、布団に潜り込んでベッドの下から靴下を取り出し、鼻に押し当てた瞬間──美優の足の匂いが脳を直撃し、貞操帯の中で肉棒が狂ったように暴れ始めた。
(僕は……本当に、変態なんだ)
奈緒の言葉が正しかったことを、僕は自分の体で証明していた。
夏休みは、まだ始まったばかりだった。