僕のファーストキスを奪った幼馴染が、超ドSだった件 作:微熱@
八月二十四日、土曜日の夕方五時。
美優の家の前に立った時、この家の中には美優しかいないことを改めて意識して、膝が震えた。
『お父さんとお母さんがお姉ちゃんと二泊三日で温泉に行くの。あたし一人じゃ寂しいから、由紀人泊まりに来なさい。これは命令よ』
二日前に届いたこのLINEの時点で、僕の運命は決定していた。
着替えと歯磨きセットなどを詰めたリュックを背負い、チャイムを鳴らす。
「遅い。三十秒遅刻」
ドアが開いた瞬間、美優の冷たい声が飛んできた。黒のキャミソールにショートパンツ。素足でフローリングに立っている。髪を一つに束ね、化粧気のない顔。よそ行きでない、普段は誰にも見せない姿。
僕が玄関に入った瞬間、ドアが閉められ、鍵が掛けられた。もう誰も帰ってこないのだから当然かもしれないれど、なんだか監禁されたような気持ちになる。
「靴を脱いで。荷物を置いて。そのまま二階に来なさい」
美優の部屋に入ると、ベッドの上に首輪が置かれていた。いつもの革の首輪。
「着けて」
自分で首輪を着け、跪いた。美優がベッドに腰掛け、脚を組んで僕を見下ろす。僕たちの、いつもの立ち位置。
「今日の夕方五時から、明日の夕方五時まで。二十四時間、あんたはあたしの完全な支配下に入るわ。返事は?」
「はい、美優様」
「よろしい。ルール確認。一、あたしの許可なく立ち上がらないこと。移動は四つん這い。二、あたしの許可なく喋らないこと。質問された時だけ口を開くの。三、あたしが寝ろと言うまで寝ないこと。全部守れる?」
「はい」
「じゃあ、始めましょう」
美優は組んだ脚をほどき、素足をフローリングの上に伸ばした。
「まず、足のお手入れよ。あたしの足を、綺麗にしなさい」
美優の右足が、僕の目の前に差し出された。
床に這いつくばったまま、僕は美優の足を見つめた。小さくて白い足。指が細くて、爪にはクリアのマニキュアが塗ってある。足首から甲にかけての骨の浮き出た線が華奢で、くるぶしが小さく突出している。
「舐めなさい」
初めての命令だった。これまでは匂いを嗅ぐだけだった。嗅覚の支配から、味覚の支配へ──一段階、踏み込むことになる。
「は、はい……」
僕は美優の足の甲に唇を近づけた。舌先が、白い肌に触れる。
最初に感じたのは、肌の温度。体温で温まった皮膚の柔らかさ。次に味。汗の微かな塩味と、皮脂のほのかな脂っぽさ。そして匂い──嗅ぐのではなく舐めることで、匂いが味と一体化して口腔全体に広がる。靴下越しに嗅いでいた時の記憶が、今は直接肌から味覚として再生される。
「つま先の間も。全部」
足の指の間に舌を入れた。指と指の間に溜まった汗の味が、一番濃い。酸味と塩味が舌の上で弾け、美優の体液を直接味わっている事実が脳を痺れさせた。これが美優の味なんだ。
「あっ……くすぐったい……もう少し、丁寧にやって」
美優の声が、わずかに揺れた。足の指の間を舐められる感触に、支配者の仮面が僅かに緩んでいる。
右足が終わると、左足。同じように甲から指先、指の間、土踏まず、かかとまで。美優の足を隅々まで舌で清めた。唾液で濡れた白い足がフローリングの上で艶やかに光っている。
「次」
美優が脚を僅かに開いた。ショートパンツの裾から伸びる太ももの白い肌が、目の前に広がる。
「太ももも。膝から上まで」
僕は膝から舌を這わせ始めた。太ももの表側は筋肉がしっかりしていて、肌の下で引き締まった感触がある。肌は足よりもずっと滑らかで、汗の味が薄い代わりに、ボディクリームの微かな甘い残り香がした。
太ももの内側に舌が移ると、肌の質が変わった。外側より柔らかく、舌触りが絹のようで、体温がより高い。脈動を感じる場所。大腿動脈が通っている場所の皮膚は、薄くて温かくて、舐めると美優の体の奥の血の温度が伝わってくる気がした。
「んっ……そこ、もうちょっと上」
美優の声が掠れた。太ももの内側を舐め上げていく僕の舌先が、ショートパンツの裾のギリギリまで到達する。これ以上は美優のショーツに触れてしまう領域。
「う……止まりなさい。そこで止まって」
美優の手が僕の頭を押さえ、その位置で固定した。ショートパンツの裾の際、太ももの最も内側の柔らかい場所で、僕の唇は行き場を失って静止する。美優の吐息が、少しだけ乱れていた。
「……よし。もういいわ。足と太もものお手入れは合格」
美優は太ももを閉じ、平静を取り戻した。だが頬に薄い赤みが残っているのを、僕は見逃さなかった。
午後七時。夕食の時間。
美優が簡単な夕食を作った。冷製パスタとサラダ。僕は四つん這いでキッチンについていき、テーブルの横の床に座らされた。
「あんたの分はここに」
美優は僕の分のパスタを、床に置いた深皿に盛り付けた。犬用の食器ではないが、床に直接置かれるということは──手を使わず食べろということだろうか。
「フォーク使っていいわよ。さすがに素手で食べるのは非衛生的だし、明日もあるんだからちゃんと食べて体力つけなさい」
少しだけ優しさが覗いた。美優のサディズムには、常に線引きがある。越えていい線と越えてはいけない線を、彼女自身が慎重に見極めている。
午後九時。入浴の時間。
「お風呂、一緒に入るわよ」
心臓が口から飛び出しそうだった。
「え、あの、一緒に……」
「何? 嫌なの?」
「い、嫌じゃないですけど……」
「じゃあ問題ないわね。まず由紀人を洗ってあげるから。貞操帯は浴室で外す」
脱衣所で服を脱がされ、首輪だけ着けた状態で浴室に入った。美優はまだバスタオルを体に巻いている。
「座って。その椅子に」
風呂椅子に座らされ、美優が僕の後ろに回った。カチャリ。貞操帯の鍵が回る音。
「久しぶりの解放ね。見せて」
金属の檻が外され、鬱血したペニスが解放された瞬間、全身に痺れるような安堵が走った。
だが、解放の安堵は一瞬で恥辱に変わった。
一ヶ月以上ケージの中に閉じ込められ続けた亀頭の表面には、シャワーの水圧では到底洗い流せなかった白っぽい垢がこびりついていた。包皮と亀頭の溝に沿って、皮脂と古い角質と汗が混ざり合った恥垢が薄い膜のように堆積している。金属のケージ越しにシャワーを当てるだけでは、この奥まった場所の汚れは落とすことができなかった。
「匂い、チェックするわ」
美優が股間に顔を近づけた瞬間──その表情が、はっきりと歪んだ。
「っ……く、くさい……」
美優は顔を背けた。鼻を押さえ、眉を顰めている。
「ちゃんと毎日洗ってるって言ったわよね?」
「あ、あの……シャワーは当ててたんですけど、貞操帯の中までは……手が入らなくて……」
「……当たり前でしょ。金属の檻の中に指なんか入るわけないじゃない。あんたの責任じゃないけど……これは酷いわ」
美優はペニスを手に取り、検分するように角度を変えた。亀頭の先端にこびりついた白い垢を見て、さらに険しい顔になる。
「恥垢がこんなに溜まってる。カリ首の裏側にも……一ヶ月分でこんなに溜まるのね。衛生的に最悪。皮膚が荒れてもおかしくないわよ」
美優の声は叱責というより、所有物の管理を怠った自分への苛立ちを含んでいた。おあずけの罰として貞操帯を一ヶ月間開けなかった結果が、これだ。
「しょうがないわね。あたしが洗ってあげる」
美優はシャワーのお湯を掛けながら、ボディソープを手のひらに取って丁寧に泡立てた。そしてその泡立てた指で、直接亀頭を洗い始めた。
「あっ……! み、美優さまっ……!」
「動かないで。汚れが落ちないでしょ」
美優の指先が、一ヶ月分の恥垢を丁寧に剥がしていく。カリ首の裏側の溝に指の腹を沿わせ、こびりついた垢を泡でふやかしながら、爪を立てないよう慎重に擦り取る。鬱血して敏感になり切ったペニスに美優の指が直接触れる刺激は尋常ではなく、膝が勝手にガクガクと震えた。
「あぁっ……だめ、それ……気持ちっ……」
「気持ちいいんじゃなくて、洗ってるの。勝手に変な声出さないで」
美優は嫌悪と羞恥を綯い交ぜにした表情で、しかし手つきだけは驚くほど丁寧だった。包皮を指で剥き、その裏側に溜まった恥垢を一つ一つ落としていく。シャワーのお湯で流すたびに、白い垢が泡と一緒に排水口に消えていく。
「……ほら。綺麗になった。次からはもっとこまめに外して洗わないとだめね。週に一回は開けて、洗浄日を設けるわ」
洗い終えたペニスは、鬱血の赤黒さは残っているものの、亀頭の表面がつるりと磨かれた状態になっていた。美優は自分の指先を嗅ぎ、微かに顔を顰めてから石鹸で念入りに手を洗った。
「あたしの所有物なんだから、由紀人には清潔にしておく義務があるのよ」
それから美優は僕の体全体をシャワーで流し、ボディソープで洗い始めた。背中、腕、胸、腹──手のひらで直接泡立てて丁寧に。
「姉さんにレンタルされた時、どこか触られなかった? そこ念入りに洗うから」
「ううん……直接は触られてない。服の上からだから……」
「……そう」
その後は、太ももの内側を重点的に泡で洗われた。洗うという名目で、さっき舐めさせた場所を今度は美優が自分の手で確認しているのかもしれない。
「はい、おしまい。次はあんたがあたしを洗う番」