※この作品はR-18です。

スーパーチートオリ主が 謎催眠パワーでアルクェイドを恋人にして 桜を救ってもらうために聖杯戦争を頑張ってもらうお話   作:kitsutsuki

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省略という二文字に助けてもらうことに致しました


05話

 

 

 

 

アーチャー&セイバー&ライダー VS バーサーカー戦

 

――省略――

 

アインツベルンの城、門前に到着する。

ぶち破って登場するバーサーカー。

 

ライダー奮戦。

イリヤとバーサーカーを分ける。

アーチャ固有結界発動――セイバーとライダーが奮戦。アーチャー9つ削り。

凛魔力切れで固有結界崩壊。

 

士郎の令呪とセイバーの聖剣――3つ削り。

バーサーカー13回目の復活をするも、イリヤに抱きしめられたまま消えていく。

 

「なんで13回も復活したのよ」

 

「こういうのはね、愛の力よ――

 

 

 

 ね、見ていたのでしょ、英雄王ギルガメッシュ」

 

「愛か。道化どもの余興にしては悪くない見世物だった」

 

「よーーーやく私の出番よね」

 

アルクェイドは黄金の王の前に立つ

 

金色の王は足を止めた。目の前に立つ白い女を見据える。

にっこり笑った。花が咲くような、無邪気な笑顔。

ただしその足元で地面が放射状にひび割れていた。

 

「ずっと見てたんでしょ? つまんなかった? 私の出番はこれからよ」

 

赤い瞳が細まった。品定めするようにアルクェイドを見る。

 

「我に挑むか、混血の姫よ。身の程を知らぬ者は嫌いではないが——」

 

背後の門から三本の宝剣が射出された。

試し撃ち。音速を超えた黄金がアルクェイドの頭、胴、脚を同時に狙う。

 

アルクェイドは動かなかった。

 

三本とも——アルクェイドの肌に触れた瞬間、砂のように崩壊した。

神秘の格で上回る者に対して、神秘で鍛えた武器は無力。

 

初めて、その顔から笑みが消えた。

 

「足りないわよ。今の貴方だと。

 冠位でも私が与えた方がいいかしら」

 

門が一斉に開いた。百を超える黄金の門。

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)の全展開。空が金色で埋め尽くされる。

 

「冠位だと——? 我を何と心得る!」

 

怒号と共に宝具の豪雨が降った。

天地を割るような弾幕。

爆音と閃光が冬木の街を昼のように照らす。

セイバーたちが巻き添えを避けて後退する中、砂塵と粉塵が渦を巻いた。

 

晴れた。

 

髪の毛一本乱れていない。欠伸を一つ。

 

「ねえ、もう終わり?」

 

王の顔に初めて亀裂が入った。屈辱。純粋な、煮えたぎる怒り。

 

ひょいと指を立てて。

 

「一つ教えてあげよっか。あなたがどれだけ門を開いても——私には届かないの。

 だって私を傷つけるには、私より上の神秘が必要でしょ?」

 

門を閉じた。静かに。そして——哄笑した。腹の底から。

 

「はははは! よかろう——ならば見せてみよ、我の冠位とやらを!」

 

アルクェイドの魔眼が開眼した。黄金の虹。

光そのものがギルガメッシュを貫くように照射された瞬間、英霊の器が軋み始めた。

 

1つ、2つ、3つ――

 

「これ以上に強い貴方を私は知らないけれど、

 それさえ超えて強くなるのが貴方でしょ。

 そして私は、最強の貴方を超えていくわ。さあ——来なさい、最強の王様」

 

上空で二つが止まった。

月を背にアルクェイドが浮かび、地上でギルガメッシュが門を背負う。

だがギルガメッシュの門は既に半数が潰されていた。素手で。

 

血の混じった唾を吐き捨てて。

 

「化け物め」

 

くすっと。

 

「お互い様でしょ?

 こんなに可愛い女の子に化け物なんて、ちょっと」

 

鼻で笑った。血が唇の端から垂れている。

 

「可愛い化け物だ。

 ——我は気に入ったぞ。獅子よりいい。我のペットとして飼い潰してやる」

 

門が再び開く——今度は質が違った。

最奥に眠る宝物。乖離剣エア。三つの円筒が回転を始め、天地開闢の風が渦巻く。

 

「受けてみよ——天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!」

 

世界が裂けた。文字通り。対極の暴風が螺旋を描いてアルクェイドに殺到する。

片手で髪を押さえた。もう片方の手のひらを前に向ける。

 

「んー、ちょっと本気出すわね。」

 

真祖の手から放たれたのは魔術でも宝具でもない。

ただの魔力の壁。それだけで天地創造の一撃が——止まった。

 

英雄王は目を見開いた。初めて。完全に初めて。

そのまま押し返した。にこにこと笑いながら。

 

「はい、おかえりー」

 

自らの全力が跳ね返り、ギルガメッシュを飲み込んだ。

光の柱が天を衝き——静寂が訪れた。

 

 

 

 

 

「この程度で消えるとは思ってないんだけどね。

 ――ほらね、全快してさら強くなってくるのがこの王様

 このワガママな王様、ほんと化け物すぎない?」

 

煙が晴れた。クレーターの中心にギルガメッシュが立っている——傷が消えていた。衣

も新品同様。それどころか、霊格がさらに一段上がっている。

 

不敵に笑って。

 

「我は王だぞ。何度でも立ち上がる」

 

人類最古の英雄王。その存在の根底にあるのは人類史そのもの。

アルクェイドは目をきらきらさせて。

 

「すごーい! また強くなってる! ねえねえ、どこまで行くの?」

 

門を開いた。今度は数ではない。質。

一つずつが星の概念を宿した原初の武具。

 

「貴様が望むなら——星の数だけ見せてやろう」

 

「いいわね、そういうの大好き!」

 

 

 

 

観戦者たち呆然。

 

凛は城のテラスで毛布にくるまりながら。

 

「……あれ、聖杯戦争よね? 私たちがやってたの」

 

隣で同じくアーチャーも毛布を被って。

 

「哲学的な問いだな。答えは私も知りたい」

 

 

 

 

3時間を超える地球規模の超激戦

 

地面に大の字で寝転がって、はあはあと肩で息をしていた。

真祖が息切れしている。前代未聞の光景だった。服はぼろぼろ、手足に擦り傷がいくつか。

 

「十三回殺したのよ? さっきのヘラクレスより多いんだけど」

 

ギルガメッシュは——倒れていた。

仰向けに。衣は千切れ、鎧は砕け、全身に傷を負って。しかしその顔は——笑っていた。

満足げに。退屈を全て燃やし尽くしたかのように。

 

かすれた声で。

 

「——は。十三回だと。あの木偶の坊と一緒にするな

 ……我は……王として……意地で……立ったまでよ……」

 

ごほ、と血を一つ吐いて。

 

「だが——悪くなかった」

 

むくりと起き上がってアルクェイドは手を差し出した。

 

「でしょ? 楽しかったでしょ?」

 

その手を見て——ふん、と鼻を鳴らし——掴んだ。

 

 

夜明けが近い。東の空がうっすらと白み始めていた。

 

「もう二度と会いたくもないし、

 戦いたくもないけど。

 ――今まで戦ってきた中で一番楽しかったわ」

 

アルクェイドに引き起こされながら、血まみれの口元を歪めた。

 

「奇遇だな。我もだ」

 

二人はしばらく無言で立っていた。朝焼けが冬木を染めていく。

 

ぱんぱんとスカートの土を払って。

 

「あーあ、服ぼろぼろ」

 

衣を魔力で修復しながら。

 

「聖杯はくれてやる。どうせ貴様らが勝者だ。——だが次は負けんぞ」

 

びしっと指差して。

 

「次はないって言ったでしょ!」

 

 

城の扉が開いて、おずおずと士郎たちが顔を出した。

朝日を浴びる二人の姿を見て——戦いは終わったのだと、ようやく理解したようだった。

 

「確か王様はとんでもなく美味しい酒持ってるんでしょ。

 朝日見ながらその酒でも飲んで勝手に消えていきなさい」

 

ぴたりと手を止めた。

虚空に門を開こうとしていた指がそのまま固まる。

 

「……貴様、我が酒蔵の中身まで把握しているのか」

 

もはや驚く者はいなかった。

アルクェイドとはそういうものだ。

 

ふん、と一つ息をついて——門を開いた。

中から取り出したのは金の杯と、琥珀色の液体が入った瓶。古代メソポタミアの神酒。

 

「天の晩酌(アヌのエンリル)だ。

 本来なら我のみの酒、真祖であろうが一滴たりとも——」

 

もう杯を奪い取っていた。

 

「わー綺麗な色! いただきまーす!」

 

こめかみに青筋が浮いた。

が——何も言わず、もう一つ杯を出して注いだ。自分で。朝日を見ながら

二人が並んで朝日に向かって杯を傾けた。

不思議と絵になった。傲慢な王と真祖の姫。世界を二度影にした二人が、黙って酒を飲んでいる。

 

その光景を見て。

 

「……なんか、ずるいわね。ああいうの。」

 

 

 

 

 

朝日が完全に顔を出した。

冬木に朝が来た。長い夜だった——いや長すぎた。

一晩で聖杯戦争が二転三転し、大陸が影になりかけ、最強の王が霊格を三段階以上更新した。

どんな聖杯の奇跡よりも意味がわからない結末だった。

 

士郎はイリヤを背負って城から出てきた。朝日を浴びて目を細める。

 

「終わったんだな」

 

セイバーその隣に立って静かに頷いた。

鎧はもう消えている。騎士王ではなく、一人の少女としての佇まいだった。

 

伸びをして。

 

「で——聖杯、どうするの?」

 

 

凛の声に、全員の視線がアルクェイドに集まった。

勝者が決めるべきことだった。

 

長い期間の浄化が必要な大聖杯はともかく、

イリヤの体からポンと取り出されていた小聖杯。

ギルガメッシュの気まぐれか、計らいか。小さな願いぐらい叶えられるものとなっていた。

アルクェイドはそれをイリヤに手渡した。

 

「これでホムンクルスの体と寿命を3人分治すぐらいは訳ないでしょ?」

 

小聖杯がイリヤの小さな掌に収まった。

淡い光を放つ杯。アルクェイドは気前よくそれを差し出したが、

本人は朝日の方を向いたまま振り返りもしなかった。

 

イリヤスフィールは目を覚ましていた。

いつから起きていたのか——杯を見下ろし、それからアルクェイドを見た。

 

「……いいの?」

 

ひらひらと手を振った。背中越しに声だけ。

 

「子供が遠慮しないの」

 

唇をきゅっと結んで——泣いた。声を殺して。杯を胸に抱いて。

 

 

何も言わずにイリヤの頭にぽんと手を置いた。それだけで十分だった。

腕を組んで、ふっと笑った。複雑な感情が全部混ざった、でもどこか晴れやかな顔。

 

「大聖杯の浄化は――まあ、後でキャスターじゃなかった。メディアと考えましょ。

 よーし、予定通りに聖杯戦争を2日でクリアー」

 

大きくバンサイをする。

 

「楽しかったねー、みんなはー?」

 

両腕を突き上げて万歳。朝日に向かって全力の笑顔。

 

「私はねー、最高! 最っ高!

 ギルガメッシュ超強かったし、朝日酒は美味しいし!」

 

他の面々は満身創痍で疲労困憊、睡眠不足で死にかけていた者もいた二日間だったのだが、

楽しかったかと聞かれると——

 

士郎は苦笑いして。

 

「正直もう二度とごめんだけど……まあ、悪くはなかったかな」

 

受肉したセイバーは少し考えて。

 

「……ええ。良い戦いでした」

 

 

ジト目の凛。

 

「私はさっき魔力枯渇で三回ぐらい死にかけたんだけど。

 楽しいわけないでしょ。——でもまあ」

 

ふいっと顔を背けて。

 

「暇つぶしにはなったわ」

 

アーチャはー肩の力を抜いて。

 

「平和が一番だ。それだけは確信している」

 

ライダーと桜は穏やかに微笑んだ。

 

「ええ——とても」

 

「うん」

 

聖杯戦争、終了。

第五次は二日間という異例の短期決戦で幕を閉じた。

本来の歴史からすればありえない結末。だがこの世界では——これが正史だ。

 

 

 

 

 

「あ、ランサーのこと忘れてた!?

 聖杯使っちゃたから彼消えちゃうんだけど、というか言峰綺礼も放置してたの忘れてたー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場の空気が凍った。

 

顔が真っ青になって。

 

「ちょ——ランサーってクー・フーリンよ!?

  あの大英雄を忘れてたって——!」

 

アルクェイドは万歳の姿勢のまま固まっていた。

ぎぎぎ、とロボットのように首を回す。

 

アーチャーは舌打ちして。

干将・莫耶ではなく、ただの直剣を再び投影して。

 

「あの神父が大人しくしているわけがない。聖杯が使われたと知れば——」

 

「急ぎましょう」

 

 

朝日は平和に冬木の街を照らしていたが、問題は残っていた。

消滅しかけているランサー。

そして聖杯喪失を知って動き出すであろう言峰綺礼。

二日で終わった戦争の後始末がまだ残っている。

 

 

 

 

新都の教会。扉を開けた一行が目にしたのは、礼拝堂の冷たい石床に横たわる神父の亡骸だった。

胴体に風穴が一つ。即死。苦しむ暇もなかっただろう。

 

結論から言うとすでに言峰はギルガメッシュに殺されていた。

アルクェイドに戦いに挑もうとするギルガメッシュを止めたことが原因である。

 

息を呑んで。

 

「父さんの——仇」

 

遠坂時臣を殺した張本人。

だが今、目の前にあるのはただの死体だった。

憎むべき相手がもう何も語らないというのは、思ったより——手応えがなかった。

 

アーチャーは一瞥して、目を閉じただけだった。

何も言わなかった。言う必要がなかった。

 

そしてその奥に——青い槍兵が壁にもたれかかっていた。霊体が薄れ始めている。

 

にやっと笑った。不敵な顔。

 

「よう。随分遅い迎えじゃねえか」

 

士郎が駆け寄る。

 

「待ってろ、今——!」

 

手で制して。

 

「聖杯は使っちまったんだろ? わかってる。そういう顔してるぜ、お前ら」

 

ボロボロのランサー。彼もギルガメッシュとの闘争を行っていたようだ

ランサーの体は満身創痍だった。

左腕が半ばから消失し、脇腹が大きく抉れている。

ゲイ・ボルクを杖代わりにしてかろうじて立っている状態。

 

自嘲気味に。

 

「あの金ピカ、化け物だな。

 ケルトの誇りにかけて一発かましてやったが——まあ見ての通りだ」

 

つまりギルガメッシュはアルクェイドと戦う前にランサーと戦っていた。

セイバーは静かにランサーを見た。騎士として、同じ戦士への敬意がその目にあった。

 

「ドジ踏んでいやなマスター掴まされたが、退屈はしなかったぜ。

 心残りがあるとすりゃ——」

 

槍を持ち上げようとして、腕が霞んだ。粒子に変わり始めている。

 

「セイバーと、そこの金髪の嬢ちゃんと一騎打ちができなかったことぐらいか。

 ああ、そこのアーチャーはどうでもいい」

 

どうでもいいと言われても、アーチャーは腕を組み眉を潜めただけ。

 

「その金ピカの霊格あげまくって超超超強くなったのを真正面から倒してやったわ」

 

腕をまくるアルクェイド。

消えかけの目が見開かれた。

 

「——は? 

 おいおいおい、あの夜明けのどんちゃん騒ぎ、お前と金ピカだったのかよ」

 

 

あの英雄王を。霊格を何度も引き上げた状態の化け物を。

真正面から

腕まくりしながら自慢するアルクェイドを見るランサーの表情は——呆れと驚愕と

それから紛れもない羨望だった。

 

がくっと頭が落ちた。

 

「マジかよ。くそ——見たかったな、それ」

 

ふふん、と得意顔。

 

「しかも十三回殺してやっとよ? 大変だったんだから。」

 

笑い出した。掠れた、消える直前の声で。でも確かに笑っていた。

 

「はっ——最高じゃねえか。あの野郎をそこまで追い込める奴がいたとはな」

 

足先から光になって消えていく。もう膝までない。

 

最後にアルクェイドを交互に見て。

 

「いい話聞かせてもらった。

 ——次があるなら、あんたと組んでみたかったぜ」

 

光が散った。

 

 

その目的をすべて果たしたアルクェイドは恋人の元。

田中太郎の元へ、にこやかに。

あ、桜には後で連絡するからまたねー、と一言だけ残した消えていった。

 

聖杯戦争後

冬木市には受肉したサーヴァント。

アルトリア、エミヤ、メデューサが元マスターの元に居候を続けている。

メディアも葛木との新婚生活を柳洞寺で満喫している

 

うーんと桜が唸る。

 

「アルクェイドさんの連絡って何でしょうか? ライダー分かる?」

 

首を横に振った。長い紫の髪が揺れる。

 

「いいえ。あの方の考えることは……私にも測りかねます」

 

間桐邸。朝の光が差し込む居間で、桜はちゃぶ台に頬杖をついていた。

「間桐」の姓は変えなかった。

何故か慎二がどこかに消えていた。

今、この家には桜とライダーだけが残っている。

 

指で湯呑みの縁をなぞりながら。

 

「でも、アルクェイドさんがわざわざ連絡するって言うなら……きっといいことですよね?」

 

小さく微笑んで。

 

「あの方が悪いことを企む姿は想像できません。少し——規格外すぎるだけで」

 

 

 

 

一方、衛宮家は朝から騒がしかった。

 

「シロウ、おかわりを所望します」

 

無表情で茶碗を差し出した。

エプロン姿で朝食の支度を手伝っているのはアーチャーだった。

皮肉なことに、自分の未来の姿に飯を作らせている。

 

フライパンを振りながら遠い目をして。

 

「なぜ私がここにいる」

 

当然のように衛宮家の食卓に座って。

 

「いいじゃない、家族みたいで」

 

聖杯戦争終結から三ヶ月。

突如参入し大波乱を巻き起こしたアルクェイドは未だ冬木市に姿を見せていなかった。

そもそも真祖の姫が極東で姿を見せること自体がおかしいのだが。

彼女のあまりの自由さや親しみやすさ。

気がついたら、そこら辺でスイーツでも食べていそうだと誰もが思っていた。

 

 

 

 

 

冬木は平穏だった。嘘のように。

あの夜の狂騒が夢だったのではないかと思えるほどに、街は日常を取り戻している。

 

学校の屋上で弁当を広げながら。

 

「なんか静かだな」

 

隣でパンを齧りながら。

 

「静かな方がいいのよ普通は」

 

凛は士郎の背後に立って空を見上げた。

何かを感じ取ったのか——いや、気のせいだったようだ。

 

 

新都の商店街。

メディアが葛木宗一郎と並んで歩いているのを目撃され、柳洞寺の若き住職の熱愛発覚として地方紙に載ったのは先週のこと。

藤村大河は「宗一郎君に春が!」と大喜びし寺に通い詰め、当のメディアは迷惑そうにしつつも追い返しきれずにいる。

 

メディアはスーパーの特売に並ぶライダーと偶然出くわし。

 

買い物かごを提げたまま硬直。

 

無言で会釈して別の棚へ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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