勇者が俺にだけ鬼畜なんだが 作:特殊性癖辞典
不思議な夢を見た。
勇者?
いや違うな、顔も違うし、服装だって変だ。
でも、まとってる気みたいのがなんか一緒なんだよな。
その男の、足元にいきなり魔法陣が展開して、光が男を包む。
なぜか、慌てて俺が駆け寄り手を伸ばし叫ぶ!
「主さま!」
「妖狐、よるな! 危険だ」
男の身体が光に消えて魔法陣が閉じる。
「主さま! 主さま!!」
泣きながら叫び続ける俺
なんだこりゃ?
* *
「ん、ふぁーあ!」
窓から朝日が差してる。
「もう、朝か」
まだ、太陽も赤みが残ってんな。もうひと眠りしよ。
俺は、ベッドに潜り込んで体を寄せる。
んっ?
寄せる?
誰に?
「おわっ!」
飛び起きた。いや、飛び退いた。
捲れ上がった布団の下にあったのは、
「勇者…… 」
しかし、なんて格好だよ。
顔は、鼻から下が、乾いた鼻血で赤黒くカペカペになってる。
おまけに、ズボンはズリ下がったまま、股間の勇者丸出しじゃねーか
俺も、スッポンポンだけどな。
要は、昨日のまんまか……
「でも、おかしいな?」
昨日、俺はなんか知らんが、気を失ったよな。
その前に、勇者は鼻血噴き上げて、倒れたよな。
「なんで、ベッドで寝てんだ?」
勇者が、起きて俺を運んだ?
いや、全裸の俺をベッドに運んで、俺が無事なわけないよな。
違うか……
俺が運んだ?
いや、ありえない。
男のときならまだしも、今の俺にこんな筋肉の塊持てるわけないものな……
なんか、わけわからん。
頭が、モヤっとしたまま、寝てる勇者を眺めてた。
なぜか、股間の勇者に目がいってしまう。
萎びた勇者を、ちょっと指で摘んでみる。
「萎びてんのに、元気な俺のよりデカいのかよ」
まあ、昨日からのやり取りで、俺が、短小包茎の早漏野郎だというのは、事実なんだろうな。
だけど、昨日は勇者の野郎なんて、口に入れた瞬間に勇者の素が発射されてたよな。
うん、持続力なら、俺の勝ちじゃね。
なんか、そう思うと検証してみたくなってきた。
だけどこの萎れた勇者じゃ試せないよな。
うーん、コレはあれだ、検証だからな、検証!
別に勇者の勇者を触りたいとかそんなんじゃないからな!
萎びた勇者に手を添えて、
「ヒール」
さすがに、寝てるしビーンとはならないか。
まずは、勃たせないとな。
サワサワ、ツンツン、ナデナデ……
イマイチ元気にならないな。
ペロ……
ムクッ!
おおー、いける、よしよし。この調子。
ベロベロ、プチュ……
ムクムク、バイーン!
勝ったな。ヨシヨシ、勇者は素直ないい子だ。
「ゴクリ」
やっぱりでかくね?
親指と人差し指で、長さを測ってみる。
手がちっちゃくて届かねー。
それにしたって、コレが普通なのか?
俺は下腹部に測った指を当ててみる。
へそのちかくまでくるやん!
こんなの入るの、女って?
どんな構造だよ。
まあ、待て俺が入れるわけじゃないからな。
まずは、持続力の検証だ。
よし、いくぞ!
自分がやるみたいに、勇者の勇者を握り込んで、いちスコ、二スコ、三スコ
ビクビクっとしてきて、硬くなってきた。
「ふふーん!」
もう、限界ですかー、ザコですかー
スコ、スコ、スコ、スコ
硬てー、熱い…
さあ、俺の記録までもう少しだぞ、頑張ってみろや、勇者!
9スコ!
あれ、なんともならんな?
いや、寝てるからな、感覚が鈍ってんだろ。
それ! いけや! 10スコ!
あれ??
スコスコスコスコスコスコ……
クッソー!
スコスコスコスコスコ……
なんだよコレ、なんでこんなに持つんだよ。
もう1分以上スコってるのになんで、出ないんだよ。
これが普通なのか?
じゃあ俺は、俺は、なんなんだよ!
不条理だ! コレで、もし俺が女とうまくいって初めてを迎えても…
「チッせ、はえー なにこの、ザコチンポ! 二度見せんな!」
とか、言われるのかよ!
クソクソクソ! コスコスコスコス
涙出てきた。
コスコスコス、クソクソクソ!
もう、勇者の勇者が俺の涙でべちょべちょになってら。
せめて、いけよ! この勇者がぁぁ!
クソクソクソ!
スコスコスコ
あっ、萎んじゃった。
時間切れで、呪い復活。
「ウワーン!」
なんか、めっちゃ情けなくなって、萎んだ勇者に縋りついて、号泣した。
この、この、フニャフニャ勇者めー!
涙と鼻水を擦りつけて、やったわ!
「ざまぁみろ! フニャフニャ勇者!」
精一杯の虚勢を張って言い放つと、ますます情けない気持ちになる。
「ウワーン! グスッ、グスッ……」
シャワー浴びて、涙落としてくる。
* *
なんだ、今の??
股間にツンツンって刺激で、おっ、なんかイイって目が覚めた。
股間をみれば、マイスイートハニーが全裸で俺のを、いじっているではないか。
朝から、積極的なやつだぜ。
「ヒール」
小さな声が聞こえた。
続いて、俺のものを優しく撫でる手、そして口。
イイぞ、イイぞぉぉ!
元気が、出てきた!
しばらく俺のを、すこってたと思ったら、涙流してるぞ。
おい、いったいどうしたんだい。
けど、泣き顔もそそるもんがあるな。
ああー!
フニャりやがった。
時間切れで呪いが復活かよ。泣けてくる。
おいおい、あいつまでフニャった股間の勇者を、すこりながら本格的に泣き出したぞ。
号泣状態やん。
俺が状況を理解できず困惑してる間にアイツが、
「ざまぁみろ! フニャフニャ勇者!」
捨て台詞吐いてシャワー浴びに行っちゃった。
まったく、困ったマイハニーだぜ。
いやけど、泣き顔もいいね、俺の
メチャクチャに犯って、曇らせたいぞ!
安心してあいつを曇らせる!
そのためには、まずは魔王か、女神を倒さなきゃならんな。
俺は、アイツのために決意を新たにして、ベッドから起き上がる。
「ふう、サッパリした。起きたのか、おはよう」
アイツがシャワーから出てきた。
男の時と同じで、パンイチで首にタオルかけて髪を拭いてる。
形のいい胸が先っちょまで見放題タイムサービス状態ではないか!
ガン見してたらアイツと目が合った。アイツが俺をじっと見つめる。
なんだよ。おい、やる気満々のマンマンか? ヒールかけてもいいんだぜ。
「お前、顔は鼻血で股間もベタベタじゃん。とっととシャワー浴びてこいよ。汚ねーな」
「おう、そうだな。洗ってくれるか?」
「バーカ! つまらねーこと言ってないで早よ行け」
手のひらをチョイチョイと振って追い出された。
アイツの横を通り過ぎる時先っちょを指で弾いてシャワー室へと向かう。
「いらんことすんな!」
後ろからバフッとタオルをぶつけられた。
タオルからアイツの髪のいい香りが広がった。
おっしゃ! これで体洗おう!
* *
朝食を食べ終わるとそのまま、ギルドに向かう。
いつもの受付嬢のカウンターで
「俺、女になっちゃったんで登録の変更よろしく」
「お嬢ちゃん、お姉さん忙しいから邪魔しちゃダメよ」
「アホか、お前は?」
「あっ、勇者様。女神の迷宮から戻られたのですか」
「昨日、戻った」
「では、聖剣を手に入れたのですか?」
勇者が腰の聖剣『エタルナ』をちょいと触る。
「だがな、アイツが女神の逆鱗に触れて女にされた」
「あーそれで。また要らないこと言って女神様怒らせたんでしょう」
「おい、なんで俺が悪いみたいになってんの? 理由ぐらいちゃんと聞いてよ」
「それで、一緒に聖女属性も開花したらしいので、再鑑定を依頼したい」
「わかりました。準備します」
「おい、俺の話聞けよ」
受付嬢が俺をじっと見る。
「チッ! ちょっと可愛くなったからっていい気になるなよ」
なんか、ひどくね。
程なく再鑑定用の水晶が用意された。
僧侶と魔法使い、それにギルドにいた野次馬も集まってきた。
みんなが見守る中、俺が水晶に手をかざす。
まばゆく白い光がどえらい強さで噴き出した。
「グアー目がぁ!」
周りのやつらが目を押さえて悶絶してやがる。
「ウソ、全聖属性魔法完凸……」
受付嬢のあんぐり開いた口が塞がってないぞ。
なんか、やらしいな。あんな感じで咥えるのかな。
「メッサ、エッチだ」
ゴツッ!
受付嬢のパンチが俺の腹に決まった。
ぐっふ!
「中身も女の子にしてもらえや!」
俺もそう思う。
「あ、でもあんた人間もやめてるじゃん」
「えっ!」
ほら、浮かんでる鑑定結果の種族欄を指差す。
「なになに、あっ俺、古代魔法文字読めないんだよ。勇者読んで」
「お前さ、魔法使えるようになったんだから読めないとかダメだろ」
勇者が鑑定結果を覗き込む。
「種族、神獣族。妖狐 ランク九尾……」
「なんだそれ」
おい、勇者、おい! なに泣いてんだよ?
「妖狐! お前だったのか!!」
勇者が、ガバッと抱きしめてきた。
「おい、コラ! いきなり抱きついてくんなや! 発情期かコラ!」
「妖狐、ここまで追いかけてきたのか! 妖狐、妖狐!!」
「妖狐がどうしたんだよっていうか、妖狐って何? あれ? なんで俺泣いてるんだ……」
泣いてるどころか、思いっきり勇者に手を回して思いっクソ抱きついてるじゃん。
また、身体が俺の意思と関係なく動いてる。
怖っ! マジ、オカルトじゃね。
いうこときかない身体にビビりながら俺はぼんやり朝の夢を思い出してた……
ムニムニ?
ムニムニムニムニ。
「マイハニー。ハアハア、いい匂いだな」
「ケツ揉むな、ケツ!」
平常運転に戻った勇者に、なぜか俺はホッとしてる。
「わがままだな」
サワサワ
「撫でんのもダメに決まってんだろ! アホ勇者!」