※この作品はR-18です。

せともの。~クラスの銀髪の美少女に、僕が攻略される話~   作:霧里

12 / 12
瀬戸さんは僕のもの

 

嫌なことは後回し。

 

期限切れの間近になって、積み上がった問題の多さから目を逸らす。

夏休みの宿題なんかがいい例だ。謹慎中も、律に甘えてエッチして。課題なんて一枚も進んじゃいない。

 

彼が帰った後、一人になったあたしは机に向かう。

 

これ以上手間を掛けさせたくはない。やる気がないわけじゃなかった。

 

ただね。

 

握ったペンを放り出す。

 

全部やってしまうと、もう来てくれなくなるんじゃないか。

たとえ顔は出してくれても、学校帰りに寄るだけになるかも。朝から付きっきりなんて望めない。

 

子供みたいな気の引き方をしているな。

 

分かっても、一向に余白は埋まらない。

虫食いだらけの問題用紙は、まるで あたしの心を映しているみたいだった。

 

「ねぇ……律?」

「だめ」

「ちがくて、トイレ……」

「さっき行ったばかりでしょ」

「ちっ」

「舌打ちしない」

「……」

 

謹慎も残り一日。週末に足を突っ込んだ時点で、実質開けているようなもんだ。

なのに課題は終わってないどころか、名前ですら書いていない。半ば無理矢理。

律にペンを握らされたあたしは、机とお見合いさせられる。どうにかサボろうと思っても、全然許してくれなかった。

 

「……ご褒美」

「へ?」

「課題、終わったらさ?」

「前借りしたじゃんか……僕に女装までさせて」

「うっさいっ。自分だってノリノリだったくせに」

「それ、はっ……。思い出させないでよ、あんなの……」

 

頬を染めた律の横顔に、また自分を見失いそうになった。

押せばいけるか? 逆に襲われるくらいならいいんだけど、怒って出ていかれるのはイヤ。

 

「……家、いきたい」

「家って、僕の?」

「うん。あたしん家ばっか入り浸ってさ?」

「じゃあ、ちゃんと課題やってくれる?」

「うん」

 

素直かよ。

 

ようやくペンを持つ指に力が入る。さっと片付けて律の家に行こう。

こんなことなら、ちょっとは進めておくんだった。一日が掛かりで課題を終わらせたあたしは、ようやく彼の部屋の前に立つ。

 

「じゃあ、どうぞ?」

 

招かれて、扉が開く。

パッと付いた灯りに目を細め、広がる視界の先にあったのは、なんとも普通の部屋だった。

 

机があって、ベッドがあって、クローゼットの中には私服が入ってるんだろう。

特に散らかってるわけもなく、目を引く何かが飾られてるわけでもない。

ビジネスホテルの一室よりは生活感があるとはいえ、正直期待外れ。

 

もうちょっとこう。抱き枕や、ポスターの一枚くらい。エロフィギュアと言わないでも、アウトラインを攻めたようなモノを飾ってて欲しかった。

 

 

「ズルい」

「え、なにが?」

 

僕の部屋に入る前は、ソワソワしていたくらいだったのに。

唐突に唇を尖らせる凪の事が分からない。面白くない部屋だと思われても仕方がないが、そんな期待されても困る。

 

「片付けたんでしょ? どうせ……」

「そりゃ、ちょっとはね。だけど、いつもこんな感じだよ?」

「どうだかっ」

 

プンスカと、クローゼットの前に立つ凪を、だけど僕は止めなかった。

隠してるものなんて特にはないし。見られて困るものは、スマホの中くらい。

 

クローゼットの扉を全開にして、ベッドの下を覗き込む。

押し入れの奥にまで手を伸ばされた。もう少し、期待に沿うべきだったかな。きわどいポスターの一枚でも貼ってみたりして。 

 

「なに、急に笑いだして?」

「ううん。魔除けの御札みたいだなって?」

「何の話?」

「凪が可愛いって話」

「なっ……ぁ、ちっ。あっそ……」

 

そっぽを向かれてしまった。舌打ちの音ですら耳に心地良い。

台風一過。後に残ったのは、散らかった部屋の真ん中で不貞腐れる凪だけ。ドカっとベッドに腰を下ろした彼女は、猫のように寝転がる。

 

だけど困った。

 

律の家、部屋に行きたいと言ったのはあたしだけど、それからどうするかだなんて考えてない。いつも、何してたっけ? ほとんどスマホしか触ってなかったような気もする。

 

ミルク色の匂いがした。

 

彼の布団を抱きしめて、深く息を吸い込む。

 

耳の先が冷たく感じるほど、顔が熱くてしかたがない。

手繰り寄せた布団を、足の間に挟み込んだ。もし今、一人にされたら……。ついバカなことを考えてしまう。ほんの僅かな時間でも、我慢できる気がしない。

なんなら、今すぐにでも襲われたりしないだろうか?

 

期待と……まぁ、半々くらい。

床に座り込んだ律は、ベッドに背中を預けていた。盗み見た肩越しの向こう側。

手元にはスマホがあって、そこには見慣れたゲームの画面が映ってる。

 

何も、今しなくたって。

 

「新キャラ?」

「うん。この前配布されてたんだって」

「ふーん」

 

彼の肩にアゴを乗せたあたしは、スマホの画面を覗き込んだ。

指を伸ばして女の子を突っつく。再生されたシーンは、なんとも たどたどしい。

初めて見たモノに、驚き、戸惑い、恐る恐るにキスをする。でも、一生懸命だ。

それは、あたしが出来なかったこと。いたずらして、からかって、それっきり。

一足飛びに体を重ねてしまってた。

 

 

「あんまり面白くなかった?」

 

いつもの凪なら、もう笑い出しそうなものなのに。今日はやけに大人しい。

その横顔はイヤに真剣で、なにか考え込むようでもある。

 

「ご褒美……」

「ん? 何してほしいの?」

 

ポツリ。耳元に吹き掛かる吐息が、なんとも悩ましい。

動揺が出ないように、ぐっと鼓動を抑え込んで、スマホから凪の方へと視線を移す。

 

「あたしじゃなくて、律の……」

「僕?」

「だってあたしの謹慎、ずっと付き合わせて」

 

歯切れが悪い。シーンを見た後なせいか、頬も赤く、呟く声は湿っぽい。

ただ面白がってた頃のようにはいかないな。誘ってるのか、誘われてるのか、二人でこんなの見てたら、どうしても考えてしまう事はあった。

 

「何か、してほしいことないの? あたしに……」

「んー……。これからも一緒にいれたら満足かな、僕は」

「なっ、あっ……。バカじゃないの、そんなの」

 

プロポーズみたい、かな?

 

肌が白い分だけ、染まった頬がよく映えた。その顔が見れただけで十分。

何か言い返そうとして口ごもる。続く言葉に期待はしても、それが聞けるのはもう少し先になりそうだ。

 

分かってる。

 

だから誤魔化した。

 

凪が聞きたかったのは、そんな将来の話じゃなくて、もうちょっと目先のこと。

気持ちがないわけじゃなかった。誘われればその気にもなる。

ただ、なんだ……。体目当てみたいに思われてるみたいで、ちょっと。愛情表現がそればっかりなのは寂しい。一緒にいられるなら、くすぐりあってるだけでもさ。気づかないふりをして、悶々とする彼女を眺めるのも悪くはなかった。

 

 

「いったっ……。え、なに?」

 

噛んだ。

 

耳の先を少しだけ。

 

なんかムカつく。言語化できない不満を、こんな形でしか発散できない。

どうしてあたしは、もっと可愛く出来ないんだろ。子供っぽいどころか、まだ犬猫の方がマシなんじゃないか。

 

困惑する律を尻目に、ムクリと体を起こす。

 

「出来ないと思って……」

 

有無なんて言わせない。さんざん迷惑をかけているのに、何も求められないのでは、収まりが付かなかった。彼の前に跪いたあたしは、そっと指を伸ばす。ジッパーの金具を摘んで、だけど中々下に降りてはくれない。股間の盛り上がりが邪魔になる。

 

それが、ちょっとだけ嬉しかった。

 

口では何と言ってもさ、その気にさせてしまえば こっちのもの。

意地なんて張ってないで、さっさと襲ってくれればいいのに。それでも言い訳が欲しいのなら、あたしのせいにしたらいい。

 

摘む指先に力を込めて、強引にジッパーを引き下げた。

引っかかりが弾けて、広がった股間からムワッとした熱気が立ち上る。

パンツが引っ張られるほどの怒張。先走りが滲んで、染みが広がっていく。一直線に立ち上がった先端が、あたしを指さした。

 

「ねぇ、そっち……座って? やりづらい」

「う、うん」

 

ベッドの縁に座り直した律の足から、ズボンとパンツを引き抜いた。

開いた足の間に跪いた あたしの前には、剥き出しになった彼がいる。ビクビクと震えて、あたしを急かすみたい。何もされてはいないのに、吸い寄せられるように指が伸びる。

 

こんなの、挿ってたんだ……。

 

血管の浮き出る肉の棒は、随分と凶暴だ。

これが律のモノじゃなければ、悲鳴を上げていたかもしれない。素直なんだ。指先で触れて、大きく跳ねた。口ごもる彼とは違って、小刻みな脈動から苛立ちが伝わってくる。

 

熱い。

 

それに、固くて。

 

裏筋をなぞりながら亀頭に触れる。

ドップリと、溢れた先走りが指に絡んだ。どうしたらいい? どうして欲しい?

見上げた律は、顔を真赤にして唇を引き結ぶ。我慢しなくたっていいのに。それとも、もっとしてほしいって おねだりなの?

 

言われなくてもするけれど、言ってくれないと分からない。

 

初めての見様見真似は、思っていた以上に上手くは出来なかった。

両手で包み込もうとしても、手の中で暴れる彼をどう扱ったらいいのか。こんなに大きく腫らして、痛くはないの? 

 

辛い、苦しい。

 

降りかかる吐息から感じ取れるのは、そればっかり。

本当に、これであってる? どうにかして上げたいけれど、乱暴に扱いたら、破裂しそうでちょっと怖い。射精と一緒に血まで吹き上がるんじゃないかと思うと、どうにも踏み切れなかった。

 

 

「ねぇ、律?」

 

上目遣い。助けを求めるような凪の表情に、目を奪われる。

何だよ、自分から始めておいて。でも、止めなかった僕も同罪だ。やりたいことは分かる。して欲しいこととも重なった。

 

でも、本当に良いのかな?

 

別になんてことはない。女装プレイに比べたら、至って普通のこと。

目の前に跪く凪の姿に、沸々と湧き上がるものがある。罪悪感か。違う。もっと背徳的な……黒々とした欲望だ。

 

両手に包まれたモノが大きく跳ねた。

 

手のひらに擦れて、自身の先走りで滑る。

 

甘美な痺れと誘惑が、理性を揺らす。

おもむろに彼女の頭に触れて、そっと髪を梳いた。

 

「凪……お願い」

「うん」

 

小さな頷きは、戸惑いを飲み込むように。

声だって、今にも消え入りそうだ。繊細な指の感触は、ズボン越しにいじめられていた時とはまるで違う。一本一本が別の生き物みたいだ。僕のより冷えた指先が何本も絡みついて、締まる。じんわりと体温が彼女に移っていき、包まれた手の中はすぐに、ぬるま湯よりも熱くなった。

 

 

キス……したんだっけ? あたし達。

 

なんかエッチに夢中で、そういう段階は踏み飛ばしたような気がする。

今だってそう。彼に顔を寄せている。丸っこい先端だけを見れば、ちょっとは可愛いかも。

 

浮き出た血管に手のひらを擦られると、先端の割れ目から透明な汁が溢れでた。

窪みに溜まって、隙間に流れ込む。流れているのは、本当に血液なのかと疑うくらい。先走りが彼と、あたしの境を溶かす。あれだけ熱いと思っていたのに、今はもう何処からが自分なのかも曖昧だ。

 

舐めるの、これ?

 

見上げて、見下されている。

前髪に隠れた瞳は、じっとあたしを見つめたまま。そこにあるのは、照れでも、戸惑いでもない。不慣れなあたしに対する不満。髪を梳いていた指が固まり、鼻先に先端が掠めた。

 

すんっと、蒸れた残り香が鼻を突く。

 

青臭くて、汗臭くて。女の子みたいな顔をしている彼からは、想像もできないほど粗野な匂いだ。鼻先に付いた汁が垂れて、唇を舐めた。塩気と、僅かな苦み。

慌てて顔を引こうとしても、頭を抑えられてそれ以上には動かせなかった。

 

これだもん。

 

本気になった律は、ちょっと強引だ。

分かった。分かりました。やればいいんでしょ。おかしくなるのは、あたしも一緒。認めたくはないけれど、凄く、ドキドキしてた。ううん……。むしろ、気持ちが楽ですらあったかも。

 

ままならない感情の全部を、彼に委ねる。

 

嬉しいのに、イラついて。楽しいのに、ムカついて。

首輪をギュッと引かれたみたい。躓きながらも、あたしは彼の側に駆け寄るしかない。

 

ちっ……

 

舌打みたいな口づけ。先端にちょっとだけ、唾をつける。

一度やってしまえば、あとは簡単だった。後悔はないけれど、なんかやらかしたような、どうしようもなさはあった。

 

 

先走りで照り返す、凪の唇から目を離せない。

こんな事をさせて、本当に良いんだろうか? そんな憂いは一瞬で吹っ飛んだ。

好きな女の子が、自分のモノを甜めてくれている。愛情を重ねるのとはまた別の、愛情を差し出させる行為に興奮を覚えないわけがない。

 

髪を梳いていた指は、いつの間にか頭を抑えていた。

 

それ以上は下がれないように。もっと近づけようとさえ。

ただのキスだけじゃ満足できない。息継ぎしようとする凪の頭を強引に引き寄せた。次第に、唇が触れている時間のほうが長くなる。

 

綺麗だ。なんて、言う資格もない。

 

目尻に浮かぶ涙の雫に、興奮を煽られた僕は、両手で凪の頭を掴んでいた。

先端に固いものが触れる。僅かな抵抗を押し開くように、ゆっくりと僕のモノが口の中に割り込んでいった。

 

 

「んっ……」

 

えずき そうになるのを何とか耐える。

後で文句言ってやろう。絶対だ。思いながらも抵抗する気は湧いてこない。それどころか、潮が引くみたいに素直になっていく自分を止められなかった。肩から力が抜けて、アゴから力が抜けて。開いた歯の隙間から、熱い塊が押し入ってくる。

 

舌で受け止めようとして、ヌルリと滑った。

 

狙いを外した先端が、頬の裏へと突き刺さる。

 

一度引き抜かれて、また奥へ。

舌の上を滑りながら、今度は正しく喉奥へと亀頭が触れた。反射的に、お腹が竦み上がる。涎と先走りが溢れて、口の端から涎が垂れた。

 

ちょっと、まって。

 

あたしが、するから。

 

抗議をする暇もない。激しくはないけれど、優しくはもっとなかった。

もういいから。それならそれで、早く終わらせて。頭で思う以上に、体は素直だ。

唇をすぼませてみたり、熱い塊に舌を這わせてみたり。息苦しさに負けて息を吸い込むと、強すぎる律の匂いに頭がクラリとする。

 

白いことは、白いのか。

 

安い石鹸の匂い。いつも感じていたミルク色の雰囲気じゃない。

白く濁った色。エッチした後に漂う気だるげなあの匂いが、次第に強くなってくる。

 

出すの?

 

見上げた律の顔は、もう必死だった。

犬みたいに息を荒げて、必死に腰を振って。頭を抑えられたあたしは、受け入れるしか出来ない。使われちゃってる。胸の奥がチリチリとしていた。酷いと怒ってもいい場面なのに、強気に出れない。

 

被虐的な好奇心。

 

お尻を叩かれた時に感じた違和感の正体。

 

犬みたいなのは、あたしも一緒だった。

 

 

「けほっ!?」

 

咳き込む声と同時に、股間に熱が広がった。

飛び散って、ベタリ、張り付く。駆け上る快感を、止められない。何度も吹き上がっては、苦しそうな凪の声が聞こえてきた。最後の一瞬。腰が抜けて、ようやくだ。抜け出た途端に、吹き上がった精液が花びらを散らすように、彼女に降り注ぐ。

 

ゴクリ……。聞こえた音に耳を疑った。

 

苦しそうに息をつまらせながらも、凪の細い首筋が大きく動く。

ゴクリ、ゴクリ、ゴクリ……。指先に付いた花びらさえも舐め取って、ようやく。

 

「はぁ、っ……出しすぎ」

 

悪態は付いてみせても、瞳は潤んだまま。

恍惚とした溜息を吐き出して、僕を見上げた彼女は物欲しそうだった。

 

 

「ありがとう」

「ごめんね」

「えらいよ」

「がんばったね」

 

頭を撫でて、頬を擦る。

 

飲ませてしまった。飲んでくれた。

口から出る言葉は凪を気遣うものばかりなのに、心持ちは穏やかでいられない。

 

「……律?」

 

小首をかしげ、甘えるように。

触れた手のひらに、彼女は頬を擦り付ける。もっと褒めろか。もっと撫でろか。

あるいはどっちも。その仕草が、ますます僕を焚きつけた。

 

凪と仲良くなるまでは、全然気にもしなかったのに。

 

クラスで、学校で、誰が一番可愛いだとか。

踏み込んで言えば、もっと下世話な話。付き合いたい。それだけならまだしも、飛び交う言葉に凪の名前が上がる度、僕の心はささくれだった。

 

……ちっ。

 

舌打をしたのはいつ以来かな。凪の癖が移ったのかもしれない。

吐き捨てた苛立ちは自分に向かう。「僕の……」なんて口走っておきながら、好きな女の子一人守れない。不安だったんだ。飽きられるんじゃないかって、ほとんど八つ当たり。自信のなさを彼女のせいにして、僕は……。

 

首筋へ伸びた指が、首輪(チョーカー)へと触れる。

 

何を考えた訳じゃない。何も考えられなくなっただけ。

隙間に指先が入り込んだ瞬間、カッと乱暴な感情が燃え上がる。

 

指を掛けたまま首輪を引いて、凪を引き上げた。

ベッドが軋んで、小さな悲鳴が上がる。恨めしそうに僕を振り返った凪は、シーツをギュッと握りしめて、枕に顔を埋めてしまった。

 

何だよ……それ。

 

文句の一つも。なんなら、蹴り返されててもおかしくない。

うつ伏せになった凪は、何も言わない。ホットパンツに包まれたお尻が、丸みを帯びて浮き上がる。

 

窮屈そうだな。

 

すごく中身が詰まっていそうだ。

 

厚手の生地に押し込まれたお尻。締め付けられた太もものくびれは、いやでも肉感を思い描いてしまう。触れれば、張りがある。撫でると、手に吸い付いた。

 

 

グッ……

 

腰が、浮き上がりそうになる。

強引にホットパンツを引っ張られて、あたしはシーツにしがみついた。

 

「ちょっ、まってってっ律。くるしっ、ひっぱんなっ。ほんとに、脱ぐから、ベルトっ……はずさせっ!?」

 

それが、堪らない。これが、いい。

 

首輪(チョーカー)を引っ掛けられた時からもう、ネジが外れてしまった。

跪いて、ちんこ甜めて、飲んじゃった。お腹の奥から、律の匂いが立ち昇ってくる。濃くて、重いのが、まだ喉にへばり付いて、呼吸の度に むせ返りそう。

 

焦る指先は滑ってばかり。

 

ようやく指先がベルトを持ち上げた瞬間。下着と一緒に、ホットパンツがズリ降ろされた。足の間がやけに涼しい。恥ずかしさに太ももを寄せれば、内側がヌルリと滑る。

 

つぅっ……と、糸を引くような。

 

不埒な想像が頭を染めた。

 

見なくても、自分がどうなってるかなんて嫌でも分かってしまう。

ちょっと乱暴にされて、悦んでる。お尻を叩かれたときのことを思い出して、甘い痺れが蘇る。

 

「ひゃっ……」

 

一本、二本……触れる律の指先が、お尻を舐めた。

さっきまで乱暴だったのが嘘みたい。ゆっくり、やさしく、円を描いて、手のひらが下腹にまで滑り込む。

 

肩を竦ませ、腰を引く。

 

でもそれは、彼にお尻を差し出しただけだった。

つぷっ……と、指先が割れ目に沈み込む。でも、欲しかったのはコレじゃない。感じた違和感は、物足りなさに繋がっていた。

 

さっきまで、頬張ってたのに。

 

今だって、お尻に擦り付けられてるのに。

 

どうして?

 

もっとゴリゴリに削られたい。熱くて、固いのに、無茶苦茶にされたい。

律に犯されてる実感が欲しかった。彼のモノになりたい。彼をモノにしたい。

 

「あ、っ……胸、掴むなっ。つぶれちゃっ……ん♥」

 

胸を鷲掴みにされて、揉みしだかれる。

前戯の為じゃない。ただ、そこにあって、掴みやすそうだったからだ。抱き寄せられて、背筋が反り返る。艶めかしい律の吐息が、首筋に降り掛かった。

 

あたしが、彼を男にしてるんだ。

 

優越感もあった。ふだん振り回してる相手に手籠めにされる。悔しいのと、恥ずかしいので、気が狂いそう。いつもの仕返し、またお仕置きされるんだ。

律の指が割れ目を開く。先端が、何度もあたしを掠めた。

 

はやく……はやく……。

 

息は乱れて、気は急くばかり。

 

探られてる。挿りそうで、挿ってこない。

ポタリ……ポタポタ。割れ目から滴る雫の音が、遠くから聞こえてた。焦れて、焦れて、仕方がない。逃げていく先端を、追いかけたくなる。唇がワナワナと震えだし、自分を留めておくのも限界だった。

 

「はや、く……この体勢、きつい、んっ……から」

 

四つん這いとも言い切れない。

お腹と、胸を支えられて、遠吠えをする狼みたい。アゴを反らして上がった声は、想像に反して情けない。

 

「ぁっ……」

 

お腹を押されて、漏れただけのか細い悲鳴。

お腹の中を広げられ、焼け付くような違和感が宿る。溢れ出した愛液に、彼の興奮を冷まるどころか、いよいよと熱を上げて固くなった。

 

思っていたより、息苦しい。

 

お腹に溜まるほど飲んだ後なのに、なんでさっきよりも固いの。初めての時と比べても、変わらないどころかむしろ……。

 

あれ?

 

初めてって、そいや……ゴム。

 

「律、ちょっと、まっ……ぁぁぁっ♥」

 

生々しくて、艶めかしい。

ゾクゾクと、背筋を伝う甘い痺れに、あたしは言葉を見失う。

 

なにこれ。

 

なんだこれ。

 

蕩ける。

 

そうとしか言いようのない。

湯立つような快感に、頭が沸騰しそうだ。グツグツと煮えたぎって、すぐにも吐き出しそうになるのを必死に堪えた。

 

ヒダの一枚を押し開く度、圧縮された興奮が根本に溜まる。

 

ヒダの一枚を捲られる度、秘密を暴かれるみたいで堪らない。

 

分かってる。気づいてた。

一瞬、視線は重なって、だけど何も言えないまま。パンっと乾いた音に、葛藤が吹っ飛んだ。お尻を叩くように腰を打ち付け、お尻を叩かれたみたいに背筋が伸びる。

 

ベッドの上に崩れたあたしを、だけど律は離してくれない。

 

腰を抱えて、抱き寄せる。一秒だって凪から離れたくなかった。

沼に沈めるように、細い腰を押さえつける。奥へ、奥へ、何度も先端を押しやると、ザラリとした感触に纏わりつかれた。歯噛みして、もう何度も意識が飛びそうだ。快感の檻に囚われた僕は、獣と一緒だ。腰を動かすことしか頭にない。

 

出せ。

 

身勝手な欲望に、頭の中が静まり返った。

でも、それは……。躊躇いに動きが鈍る。それも一瞬、僕の目を覚まさせたのは、他の誰でもない凪の声だった。

 

「出せ……。出して、いいからっ。その、ままっ……。今やめたら、ゆるさなっ……ふぅっ、あぁ♥」

 

もうちょっと、可愛くおねだりしたかったのに。

りっちゃんの真似をしたつもりで、付け焼き刃じゃ上手くは出来ない。だけど、それでも。止まりかかった律の動きが戻る。「凪っ、なぎ……」何度も名前を呼んでくれて、その度に胸が熱くなった。

 

もう、何度イッたのかも分からない。

 

下腹に火が付いたかと思えば、キュゥっとなって、頭が濁る。

お尻を叩かれるみたいな衝撃の後、奥を突き上げられ、弓なりに体がしなった。パンっと弾ける快感を少しでも逃がそうとして、でも……。

 

 

女の子を組み敷いて、犯す。背徳感を孕んだ興奮に、息が詰まる。柔肉に絞られて、今にも射精しそうだ。なのに、出ていってくれない。あまりの興奮が邪魔をする。苛立ちをぶつけるように、凪の背中を抑えつけ、何度も……何度も何度も、腰を打ち付けた。

 

「んっ、ぐすっ……はっ、あっ。り、つ……あたし、また、また……あ、あ、あ、あっ____♥」

 

いつも強気な凪がさ。鼻を啜って泣いていた。

快感に声を焦がして、言葉をなくす。腰を引けない。力任せに締め付けられて、そのまま奥へ。

 

とんっ……。

 

思いの外柔らかい衝撃に、気持ちが緩む。

一番深い所で凪と繋がったその瞬間、僕の気持ちの全部が、洪水の様に溢れかえった。コレを愛情と言うには、苦い。我慢できなかっただけ。いくら凪が良いって言ったからって、僕が言った時とは事情が違う。

 

歯を食いしばっても堪えられない。

 

受け入れてもらえたことがあんまりに嬉しくて、涙が溢れる。

 

 

「……ごめん」

 

あやまんないでよ。

 

ポヤポヤとした頭の中で、律の泣き言を聞いていた。

なんだか悪いことをさせたみたい。良いって言ったのはあたしなんだから、素直にあたしで気持ちよくなってればいいのに。

 

お腹……重いな。

 

擦れたような熱さに、痛みが霞む。

随分激しくされたみたい。何度もイかされて、思うように体が動かせなかった。

もう一回。求められれば、もう抵抗すらも出来ない。オナホみたいに使われる自分を想像して、ちょっと浮ついてしまった。

 

「はぁ……」

 

大きく息を吐いて、気持ちを切り替える。

体を起こすのも億劫で、隅っこで縮こまっている律を呼びつけた。

 

「律、こっち」

「え、あ……うん」

 

手招きをしても、まだ足りない。

「ちっ」舌打をしてようやく、顔を覗き込んできた彼の頬を掴まえたあたしは、強引に唇を奪ってやった。

 

 

*******

 

昼休み。

 

謹慎開け直後ともなれば、まあ話題にもなる。

上級生を病院送りにしたという噂に尾ひれもつけば、尚更だ。怖がって遠巻きにされたり、面白がって話しかけられたり。

 

_何見てんの?

 

_いや、別に

 

送られてきたメッセージから目を逸らせば、教室の端から端へ、つまらなそうにスマホを弄る凪の背中があった。それにさっきから話しかけている男子は、なんだろう? 妙に必死で、漏れ聞こえてくる単語はあまり面白いものじゃない。

 

_妬いてんだ?

 

_悪い?

 

_あはっ♪ 素直じゃん。珍し。でもさ、勝手に話しかけてくんだよ? あたしにどーしろって?

 

からかうような返信は、まるで僕のことを試すようだ。

後で覚えてて。それでもいい、二人きりになれれば仕返しはいくらでも。だけど……それじゃ足りない。見てるところでもこんなに気分が悪いんだ。見えない所で、また凪に何かあったらと思うとどうにも落ち着かない。

 

「なぁ? いいだろ瀬戸? 試しにでいいからさ、俺と……あ、おいっ」

 

完全に無視。静かに席を立った凪は、カバンを持ってこっちへ来る。

で? 言葉はない。にっと唇を持ち上げて、視線で煽られる。同じように荷物をまとめた僕は、彼女を抱き寄せると、そっと頬へと口づけた。

 

「ちっ、ヘタレ。日和んなよ」

「いいでしょ。ほら、行くよ凪」

「はーい」

 

舌打はしても、頬は赤い。僕だってまともに彼女の顔を見られなかった。

手を引いて教室を出るのが精一杯。

 

「あーっ! りっつんが凪すけに唾つけてるぅ♪」

 

波多野さんの大げさな煽りを皮切りに、ザワリ……ザワザワと。どよめきに追いつかれる前に、二人で教室から逃げ出した。

 

 




「やーい、振られてやんのー。ざんねんしょー」
「うっせーぞ、波多野。なんで、秋月みたいなのが……俺でもよくないか?」
「そういうとこじゃね? あちきもノーサンキューですし?」
「こっちだってお呼びじゃねーよっ」
「やーい、やーい、振られまーん」

一週間くらい、これで煽られる。

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【R18】片想い中の幼馴染と同棲する事になった(作者:稲月)(オリジナル:現代/恋愛)

高校進学に合わせてド田舎の村から街へと出ることになった。▼ずっと片想いしている幼馴染と同じ高校だ。▼ところが引越し直前になって突然、その幼馴染と同棲する事に。▼やたらと無防備な彼女との共同生活は、いつだって心臓に悪い。▼そんな夢のような高校生活を続ける中で些細なすれ違いを繰り返しながら、少しづつ互いの距離を縮めていく話。▼——だと、思っていたのに。▼ある日、…


総合評価:107/評価:-.--/連載:16話/更新日時:2026年08月21日(金) 05:00 小説情報

【R18】完璧超人なクラス委員長を脅迫したはずが、逆に底知れない性欲と悪癖で骨までしゃぶり尽くされている件「じゃあまた明日脅迫してね♡」(作者:つる植物)(オリジナル:現代/恋愛)

そこそこの進学校で学年1位、家柄も容姿も完璧なクラス委員長・二宮倫子。▼モブ気質な主人公・平木は、ひょんなことから彼女が校舎裏で電子タバコを吸う「弱み」の写真を撮影してしまう。▼「バラされたくなければ俺の言うことを聞け」▼ほんの少しのエロスを期待して軽い気持ちで脅迫した平木だったが、倫子の反応は想像を絶するものだった。▼「場所を変えましょう。体育倉庫がいいわ…


総合評価:82/評価:-.--/連載:9話/更新日時:2026年07月20日(月) 23:00 小説情報

【R18】平和な日常でイングリッドとお隣生活~イチャイチャと寝取らせと~(作者:モブ好き)(原作:対魔忍)

対魔忍RPGX二次創作、内容はタイトル通りです▼『あなた』と『イングリッド』のイチャイチャ+寝取らせ恋愛。シリアスなし▼


総合評価:69/評価:-.--/連載:5話/更新日時:2026年09月13日(日) 12:07 小説情報

【R18】オンゲのフレンドがリアルのセフレになりまして ~フレンドなんだからリアルでもボクと一緒に楽しいことしよ!~(作者:真喜屋五木路)(オリジナル:現代/恋愛)

「だからさ――ボクと、セックスフレンドになろ?」▼高校生である吉永徹(よしながとおる)にとって、学校は楽しい場所とは言い難い。登校すれば陽キャ女子たちに席を占拠されているのは毎朝のことで、それを愚痴れる友達もいない。▼そんな彼にとって唯一の楽しみは、オンラインゲームで知り合った『ポーン』という名のフレンドと一緒にゲームをすることだった。▼声以外何も知らない彼…


総合評価:371/評価:8.67/完結:34話/更新日時:2026年06月14日(日) 20:00 小説情報

【R18】【完結】前線基地あまあま娼館ライフ(作者:ヒマリすきすきクラブ)(原作:ドットアビス)

ノリと勢いで書き始めたドットアビス二次創作です。▼強くて性欲も強い異世界兵士がヒマリと仲良くなる話。▼もしくはルクスノヴァによるアリシア女王戴冠ルート。▼ヒマリがすきです。▼タイトルが固すぎた気がしたので変更しました。(旧題:君は地の底に射す光)▼※ネタバレはありますが、それ以上にストーリー補完のための原作にない独自設定が多いのであまり気にしなくて大丈夫です…


総合評価:223/評価:9/完結:16話/更新日時:2026年09月22日(火) 20:00 小説情報


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