Teaching Sweet Feeling 作:こまごめピペット
……陽が落ちた。
食事を終え、寝る支度を始める前。
僕は誘われた。
ベッドの上、彼の膝に対面で座っていた。
息が混ざりそうなほど近く、彼の鼓動が伝わってくるほど密着していた。
「シルヴィ……良いか?」
その声色は、落ち着いていた。
前のように、熱に色を染められてはいない。けれど、愛おしそうに、こちらを見つめている。
不思議だ。
僕を求められているはずなのに。
何故か、別人を見ているような、そんな感覚があった。
「……はい」
彼の手が僕の頬に、傷に添えられた。
温かくて、優しくて、ペンだこの部分も感じ取れた。
同じ手なのに、あの夜よりも優しく……僕の傷を確かめるように触れてくる。
「……痛くないか?」
何時もよりも優しく問い掛ける声だった。
「たまに疼きます……けど、ご主人様に撫でられるのは少しくすぐったいです」
答えると、彼が少し目を細めた。
「……そうか」
その声には、微かな笑みが滲んでいた。
彼の指先が、火傷の跡をそっとなぞる。
くすぐったさに、思わず肩が揺れた。
「……ん、っ」
「嫌なら、やめる」
「……嫌じゃないです。ただ、慣れなくて」
僕はそう答えながら、彼の胸に手を添えた。
掌からは、規則正しい鼓動が伝わってくる。
彼が少し目を伏せて、微笑んだ。
「……綺麗だ」
……まだ慣れない。
何度言われても、素直に頷けない自分がいる。
それでも、彼が僕に言ってくれることが嬉しい。
そっと彼の顔が近付いて、僕に口付けをした。
触れるだけだった。
なのに、僕の身体は早鐘を打って、こんなにも暑くなってくるのだろうか。
「ご主人様……」
「……ごめんな、シルヴィ」
密着していた彼の身体から、次第に熱が伝わってくる。
その意味を理解してしまって、僕は小さく息を呑んだ。
「……謝らないでください」
小さく首を振る。
これが、自分に向けられたものだということが、むしろ嬉しかった。
あれ……何故、嬉しいのだろうか。
救ってくれた彼が、求めてくれることに対してか。
それとも、女として、興奮してくれることが、嬉しいのか。
……分からない。
でも、どちらでもいいと結論づけた方が都合が良かった。
今の僕は、この身体で生きている。
だから……今、この瞬間だけでも……。
「……嬉しいです」
正直に伝えると、彼が少し驚いたように目を見開いた。
「……そうか」
彼の手が、そっと僕の腰に添えられる。
「続けるぞ……?」
「……はい」
彼の手がスカートの中に入り、太ももの傷を撫で、また口付けされる。
頭を撫でながら何度も、何度も唇を押し付けられた。
緊張を解きほぐそうとする軽いキスに身を委ねているうちに、いつの間にか僕はベッドに横になっていた。
仰向けになった僕を彼は見下ろし、深く、深く唇を重ねた。
舌が絡み、まるで吸われるようなキスだった。
「んっ、ふ、んっ……」
深く重なる唇の合間から、くぐもった声が漏れる。
彼の舌が、口の中を丁寧になぞっていく。
角度を変えながら、何度も絡め合う。
互いの唾液が混ざり、飲み込みきれない分が、口の端から零れた。
「……ん、ぁ」
唇が離れると、糸を引いて、プツリと切れる。
ただでさえ脈拍が早いのに……息が続かずにぼーっとしてしまう。
彼が、少し掠れた声で言った。
「……可愛いな」
「んっ」
追い打ちをかけるような一言に顔が熱くなってくる。
普段、そんなことを言うことなんてそうそうないのに。
彼の手は僕の衣服に触れる。
少しずつ、確かめるように、焦らすように、はだけさせてくる。
その指先が衣服の隙間から……触れてくる。
「……っ」
思わず身体が跳ねた。
「……すまん、急すぎたか?」
「ぁ……大丈夫です」
驚いただけだ。
前の夜のように激しくはない。
何度も僕の様子を伺いながら、優しく丁寧に指先が肌の上を辿っていく。
時折、こちらの表情を確かめるように、視線が上がる。
「……気持ち、いいか?」
「……はい」
小さく答えると、彼が少し安堵したように目を細めた。
指先が鎖骨をなぞり、ゆっくりと下へ降りていく。
「……ん、っ」
胸に触れられ、思わず声が漏れる。
あの夜のような性急さはない。
一つ一つの動きに、確かめるような余裕があった。
「……くすぐったい、です」
「……嫌か」
「……いえ」
僕は首を振った。
むしろ、この丁寧さが、じわじわと身体の奥に熱を溜めていく。
彼の手が、下腹部へと降りていく。
「……触るぞ」
小さく頷くと、その指先が、下着の上からそっと割れ目をなぞった。
既に、そこは湿り気を帯びていた。
「……前より敏感になっているかもしれないな……」
「……そんなこと、言わないでください」
羞恥に、思わず声が上ずる。
彼が小さく笑いながら、下着の紐に手をかけた。
「脱がすぞ」
小さく頷くと、その手がゆっくりと布をずらしていく。
外気に触れた場所に、彼の指先がそっと添えられた。
「……ん、っ」
くちゅ、と小さな水音がした。
僕の身体を、隅々まで知られていく。
それなのに、怖くはなかった。
急かすこともなく、確かめるように、ゆっくりと触れてくる。
この手つきに、優しさや……愛情を感じてしまう。
自惚れかもしれない。
それでも、大切に、大切に扱われている。
そんな気がした。
彼の指が、蜜口へと沈んでいく。
「……あ、っ」
異物感に、身体が強張った。
「……痛いか」
「……大丈夫……です」
指が中を探るように、ゆっくりと動く。
その度、腰の奥からじんわりと熱が広がっていった。
「……ん、はぁ……」
自分の声が、次第に甘さを帯びていく。
「はっ……ぅぅ、っん」
もう、言葉にならなかった。
指の動きに合わせて、腰が勝手に揺れてしまう。
「はぁ、んっ、んん」
ゆっくりと、奥まで解すように指が動く。
くちゅ、くちゅ、と小さな水音が、静かな部屋に響いた。
「……もう、大丈夫です」
やっとの思いでそう伝える。
彼が頷いて、指を引き抜いた。
ズボンのファスナーから、そのいきり立ったモノが現れ、僕の秘部に宛てがわれた。
「……入れるぞ」
「……はい、来てください……」
そっと僕の薄く細い腰に手を添えられ、僕の中に、彼のモノがゆっくりと沈んでいく。
「んっ、はぁ……っんん」
あの夜ほどの痛みはなかった。
それでも、肉を押し広げられていく圧迫感に、思わず息を詰める。
「……大丈夫か」
「……はい……前より、少し楽です」
彼が小さく笑った。
「……そうか。良かった。……少し力を抜いてくれるか?」
身体が、異物を排出しようと勝手に締め付けてしまったようだ。
僕は小さく息を吐いて、肩の力を抜こうと試みた。
「……すみません、つい」
「いや、無理もない」
彼がそう言いながら、優しく背中を撫でてくれる。
その手の温かさに、少しずつ強張りが解けていった。
彼がゆっくりと、最奥まで腰を沈めていく。
「……全部、入った。……大丈夫か? 苦しくないか?」
その言葉に、身体の奥がじんわりと満たされていく感覚があった。
隙間なく僕の中に入り込んだソレは、引き伸ばし、内臓も押し上げて、お腹にまで陰影を出している。
「……大丈夫です。始めてください……ご主人様」
僕の声とともに、彼は少しずつ動き始めた。
ヌチャリ、ヌチャリと、小さな僕の壺は大きさの合わない彼の肉棒を受け入れつつも、ギチギチに締め上げていた。
「んっ、あぁ、っ、はっ」
ゆっくりと押し上げられる度、肺から息が漏れていく。
「っ、ぁ、ご主人様っ、あっ、だめっ♡」
急に迫り上がる快楽。
彼の手が僕のクリトリスを刺激していた。
「シルヴィ……」
「っ、ぁっ、はっ、♡んっ!」
徐々に早くなっていくストローク。
恥豆を刺激しながら、口付けまでされる。
「んちゅ、んっ、んん! ♡」
グチャグチャと中を掻き回され、舌まで絡めあい、呼吸まで上がってくる。
「はっ、んっぁ、んっ♡」
くる、あの痺れが、耐えられないっ♡
「んっ、! あぁ、っ♡♡」
頭に閃光が走った。
身体が震え、強ばった。
「っ、出すぞ」
それと同時に、彼のモノが膨らんで、僕の奥で跳ね回りながら爆ぜた。
「ひぅ、ぁ、♡うっ、んっ♡」
とく、とく、と小刻みに震えて、僕の胎に子種が注ぎ込まれている。
「っ、ぁ♡ご主人様っ♡」
「はぁ、シルヴィ……」
手を、指先を絡め、再びキスを始めた。
僕は当然のように受け入れ、舌を絡めていく。
吐精して萎んだはずの彼のモノは、僕の中で再び硬さを取り戻していく。
ゆっくりとキスをしながら、絶頂したばかりの奥を捏ね始めた。
「んっ、ちゅ、はっん♡」
一回の絶頂でもバカになりそうなのに、二度目があるらしい。
唇が離れ、糸が伸びる。
舌で切り、彼は満足そうな顔で僕を見た。
「ごめんな、シルヴィ」
彼の声は、いつもの穏やかさより、少しだけ掠れていた。
謝りながらも、その目はこちらを離さない。
さっきまでの優しさの奥に、抑えきれない熱が滲んでいる。
まるで、理性の端が少しだけ焦げたような目だった。
彼は膝を掴み、僕の中を愉しむように擦り始めた。
「っ、あっ、はっ、うっ!」
敏感になりきった内壁を、容赦なく、しかし丁寧に抉られる。
既に溢れている精液が、動きに合わせてくちゅくちゅと音を立て、泡を立て、太ももを伝って落ちていく。
「んっ、あぁっ、♡ご主人様、深っいっ! ♡」
腰の動きは徐々に速くなり、今度はより深く、より力強く、僕を押し広げていく。
「はっ、んっ♡ あっ、だめっ……また、くるっ……!」
クリトリスを親指で圧し、同時に奥を突き上げられる。
視界が白く弾けた。
頭が痺れる。
それでも彼は僕を責め続けた。
「っあ〜……♡っぐっ♡」
身体が意思に反して跳ね回る。
歯を食いしばって、絶頂の波に飲まれないよう必死に耐えた。
「……我慢しなくていい」
彼の声が、耳元で囁かれる。
「んんっ……!」
その一言で、堪えていたものが、あっけなく崩れた。
「っく♡はっ、うぅぅ〜……♡」
「シルヴィ……」
名前を呼ぶ声にも、余裕がなかった。
律動は止まらず、絶頂の直後で敏感になった身体を、容赦なく揺さぶり続ける。
「あっ、まっ……! 今、イッて……♡」
声が、かすれる。
「……悪い。止まらない」
その一言だけで、彼がどれだけ余裕を失っているか、伝わってきた。
いつもの、確認を怠らない彼が、今は、止まることさえできずにいる。
その事実に、頭の芯が、また痺れていく。
「んっ、はぁ、ぁっ……♡」
突き上げられる度、絶頂の余韻がまだ引かないまま、また新しい波が重なっていく。
「……あっ! ♡、ごしゅじんさまっ! ♡ダメになるっ♡」
「……なっていい」
その言葉に、堪えていた何かが、また崩れていく。
彼の手が、僕の腰をしっかりと掴んだ。
逃げ場のない体勢で、深く、深く、突き入れ再び僕の中に精液を放った。
「あ゛〜っ! ♡っ♡あ゛〜! ♡」
声にならない声が、喉の奥から漏れる。
身体が弓なりに反り、内壁が痙攣するように彼を締め付けた。
「はぁ……っ、シルヴィ……」
彼もまた、低く掠れた息を吐きながら、奥で熱いものを吐き出し切った。
……しばらく、繋がったまま動けなかった。
二人の息だけが、静かな部屋に重なって響く。
「っ、ぁ……♡♡」
彼はゆっくりと腰を引き、溢れた精液がお尻を伝って落ちるのを、優しく指で拭った。
「……大丈夫か? シルヴィ」
「ぁ……っ♡だいじょうぶっ……♡ですっ♡」
絶頂の余韻が、まだ身体の奥で波打っている。
これ以上は、彼も何もしなさそうだった。
緊張の糸が、ゆっくりと解けていく。
意識が、遠のいていく。
最後に感じたのは、傷のある頬に落ちた、温かい唇の感触だった。
シルヴィになんて呼ばせよう……
-
ご主人様
-
先生
-
貴方(様)
-
旦那様
-
グリス
-
その他(コメントとかマシュマロから)