イスタール年代記-快楽の修練者と藍色に染まる少女たち- 作:錫鹿とらちよ
「んはあああぁぁっっ!!……あ、あああああぁぁっ!!」
オイラー邸の「修練の間」に、今宵も切羽詰まった嬌声が幾重にもこだまする。
ベッドの上で修行者に組み敷かれ、あらゆる技をもって快楽の渦に沈められているのは赤髪の少女ミニスだ。
彼女は今日何度目かも分からぬ絶頂の雷に撃ち抜かれ、背筋を弓なりに反らせては天井を見上げて獣のような咆哮を上げた。
しかし、今日の修練はいつもとは勝手が違っていた。
彼女が羞恥と悦楽にまみれて乱れきる姿を、少し離れた椅子に腰掛けひどく心配した面持ちで見守るもう一人の少女――キルヴィがいたからだ。
ミニスの提案は主のオイラーや同僚の使用人アロンを驚かせた。
しかし、キルヴィの凍りついた心を溶かすための方法として熱心に説明するミニスの話に二人も納得せざるを得なかった。
今日の修行者である「クライス」にも事情は説明されている。
彼もこの街の修行者としてキルヴィの噂を聞いていたのだろう、「自分が役に立つのであれば」と快く受け入れ今宵は「愛情」の修練を行うことになった。
キルヴィは当初、椅子の上で極度の緊張に包まれていた。
目の前でベッドに腰掛ける親友がこれから男性に抱かれようとしている。
その異質極まりない状況に後悔する気持ちも生まれたが、それ以上に今から辛い目に遭うかもしれないミニスが心配でならなかった。
「ミニス……あの、…大丈夫?」
なんと曖昧な言葉だろう。
キルヴィは自らの無力さを感じながらも、他に掛ける言葉もなく心配そうに尋ねる。
「うん……キルヴィの前でするのは、少し恥ずかしいけれど…。でも、泣き叫んでいる姿を見られていた頃よりはずっといい」
二人が思い出すのはあのガトン収容所の牢獄で共に犯され続けた日々だ。
ミニスが目の前で男に抱かれる姿は何度も見てきたが、それらは全て「乱暴」であり、男が己の性欲を満たすまで喉が裂けるほどの叫びと苦痛を伴いながら耐えるものでしかなかった。
だが、この街で数度の修練を経験したこの赤髪の少女はイスタールの男性はそうではないと深い信頼を寄せているようだった。
やがて部屋の扉が開かれ、修行者のクライスが入室してきた。
二十代半ばの利発そうで清潔感漂う男性だ。
歳の頃からすると修行者の中でも経験を重ねているのだろうか、部屋に女性が二人という異様な状況においても落ち着いた空気を纏っている。
キルヴィは思わず警戒心を剥き出しにするような表情を向けたが、事情を知っているクライスは彼女に一礼を返すと、ベッドに向かいミニスへの修練を開始した。
「ま、またイきますっ!!…す、すごいっ……!!」
シーツを力強く握りしめ、ミニスが身体を大きく跳ねさせて叫ぶ。
キルヴィの角度からははっきりとは見えないが、クライスが彼女の股間の付近で何か精緻な「技」を施している。
よほどその「何か」が心地よいのか、ミニスは行為を続けてほしそうにねだりクライスもそれに応える。
しばらくその甘美な責めが続いては、ミニスが昂り身体を大きく痙攣させるという時間が過ぎていった。
ミニスが絶叫するたびにキルヴィは胸の前で手を組み心配そうに見守る。
思わず駆け寄って制止してしまいそうになるが、ミニスの反応は決して苦痛や嫌悪というものではなさそうだった。
「ク、クライス様っ……!!…僕っ……何回もっ……!!…い、イクッ……!!!」
行為の中で一つの区切りとなるのが「イク」というサインらしい。
彼女は今宵、何度もその言葉を発しておりクライスもその宣告を聞くたびに明らかに「仕上げ」の動作に入るのが見て取れた。
(「イク」というのは……一体、何なのかしら…)
キルヴィは目の前で繰り広げられる、あの監獄で見たのとは明らかに違う男女の営みをハラハラと見守りながら考えていた。
ミニスの反応を見るにその身に受けている感覚は痛みでも苦しみでもなく明らかに「快感」だ。
悦びに打ち震える彼女を見てキルヴィの頭にある予感がよぎった。
それはミニスにも秘密にしていたあること。
自分の心にも蓋をしていた、ある記憶。
監獄で醜悪な男たちに身体中のあらゆる箇所を弄ばれ、その全てに痛みや嫌悪しか感じなかった中でたった一箇所。
痛みの中で、奥の方で小さく何かが疼いた秘密の箇所。
あの時、苦痛に耐えながらほんの少しだけ灯った甘美な感覚。
あれを極限まで増大させたような類の快感を今のミニスは受けているのだろうか。
キルヴィはぶんぶんと頭を横に振る。
(何を考えているの…。あんな憎い男たちに好きなようにされて、あの部分だけ僅かに悦びを感じていたなんて)
誰にも明かさず自らも固く封印したはずの記憶。
キルヴィは思考を振り払い再びベッドの上の二人に集中する。
ミニスはクライスの様々な技を受けて呆けた顔で肩を揺らしながら横たわっている。
その彼女の脚を開き、今まさにクライスが次の段階に移ろうとしていた。
「っ……!!」
彼の股間にそそり立つ巨大なものを見てキルヴィが息を呑む。
挿入。
ついにあの忌まわしき最終行為が始まる。
男が自らの性欲だけを吐き出すための、あの行為。
かつて目の前で男に組み伏せられ、股間を貫かれ、泣き叫んでいたミニスの姿が重なりキルヴィの動悸が速くなる。
しかし、ミニスはあの頃とはまるっきり真逆の行動を見せた。
両手をクライスの背中に回し、悦楽の表情で全てを受け入れるような体勢になり、そして――
ヌルッッッ……!!!
彼の怒張が驚くほどスムーズに、十分すぎるほど濡れそぼった彼女の中に侵入する。
「ああああぁぁぁぁっっっ……!!」
ミニスが悦びに満ちた雄叫びを上げる。
彼女の小さな体躯には不釣り合いな巨大な男根が根元まで埋まる不自然な光景。
(ゴクリ……)
キルヴィは思わず喉を鳴らした。
下腹部でじわりと何かが湧き溢れた。
彼女自身が拒んでも、雌の本能が目の前の行為を見て身体の準備を始めようとしていた。
「クライス様っ!!……そ、そこっ!!…」
あっという間に感ずるポイントを掴まれたのか、ミニスの喘ぎ声が早速切羽詰まったものになる。
ドスッ!!……ドスッ!!……ドチュッッ!!!
角度をつけ、体重を乗せてその箇所を穿つクライス。
「ごっ……ごめんなさいっ!!……もうイクっ!!」
的確なピストン運動に瞬く間に追い詰められ、絶頂に襲われるミニス。
その小さな身体を激しくビクつかせ、快楽の濁流に飲み込まれていく。
「っ……ぉ……!!」
苦悶の表情で愛撫の時とは比べ物にならない快感に翻弄され、全身をガクガクと痙攣させる。
そんな彼女の頭を撫で、「いい子だね」と労うクライス。
その優しさと裏腹に再び激しい前後運動が再開される。
あらゆる体位で、あらゆる快感の秘所を抉られ、性交による重く深い絶頂を叩きつけられてはその都度甘やかされる。
悪夢のような甘美なルーティンを続け、もはやミニスは快楽を貪り甘やかされるだけの人形のように躾けられ完全に修行者に身を任せていた。
「イッ……ま、またイクッ……んぐっっ!!」
横向きに抱きかかえられ、膣壁の横壁を擦り付けられるように突かれ背筋を弓なりに反らして絶頂を貪る。
「ああああぁぁぁっっ!!……そ、それダメですっ…そこすぐっ……すぐイクぅっ!!!」
天井側の淫らな出っ張りを見つけられ、そこを刮げ落とすように引っかかれ全身を震わせ絶頂に撃ち抜かれる。
「んあっっ!!……!あっ……!!……ら、乱暴なのっ……す、好きっっ!!……んぐぁっ!!!」
男の上に跨った状態でがっちりと腰を掴んで固定され、ポイントなど関係なくあえて無茶苦茶にあらゆる箇所を下から突き上げまくられ、その粗暴な動きで精神的に絶頂に押し上げられる。
これこそがイスタールの修練。
彼らの読心の技によりミニスは己が好む全ての核心を暴かれ、徹底的に責め抜かれていく。
「嫌だと思ったら部屋を出て」
そう言われていたキルヴィであったが、とんでもない。
目の前で行われている凄惨な光景にキルヴィは目が釘付けになりその場から動けずにいた。
「イク」という状態を迎えるたびにミニスが心地よい状態を迎えているのは分かるが、その都度、目に見えて体力を消耗しているのが分かり心配になる。
「キ、キルヴィ!!……キルヴィッ!!……」
どれほどの絶頂を重ねられたのか。
涙と涎にまみれた美しい顔を歪ませ、ミニスは自らの限界を感じ四つん這いの格好で後ろから激しく突かれながら友の名を叫んだ。
「っ……!!」
壮絶な光景に椅子に縛り付けられたように動けずにいたキルヴィであったが、親友の異変を察しようやく腰を上げて彼女に駆け寄る。
「ミニスッ!!」
ベッドの傍まで駆けつけ、助けを求めるように伸ばされた彼女の両手をしっかりと握る。
しかし、彼女の口から放たれたのは助けを乞う言葉ではなかった。
「キ……ルヴィッ……ぼ、僕ねっ…!!あぅっ……幸せ…なのっ!!」
その訴えにどう答えていいか分からず、とにかく親友と見つめ合い両手を握りコクコクと頷くキルヴィ。
「気持ちよさでっ……!!…あそこでの嫌なこと……っ……全部っ…!!……全部塗り替えられてっ……!!」
その声に、何かの限界を感じる。
彼女に何かが迫っているのだ。
「だっ……だからキルヴィもっ……あっ……あっ……ダ、ダメっ……もう……」
彼女の背後にいるクライスも何かを察し、彼女の尻を掴み後ろというよりも真上から、体重を乗せて彼女のある一点を穿つような体勢に組み替える。
「ミニスッ……ミニスッ……!」
不安が心を支配する。
まるで目の前の親友が絶命するのを見守るような心持ちになり、狼狽えることしかできない。
「ぁ……ぁはっ……今日ね、頭の中、覗かれて……いっぱいいろんな…気持ちいいところ責められて……イかされて……奥の方だけ…放っておかれて……ずっと限界なの」
ミニスが最も乱れ狂うポルチオの疼きはとっくに限界を迎えていた。
クライスはその剛直をミニスの膣内に埋めながら、最奥だけは逃すようにそこ以外の箇所だけを蹂躙していたのだ。
「最後に…思いっきり奥を突かれたら……凄いのが来て…僕、気絶しちゃうかも……」
涙でまみれた顔で目の前のキルヴィに微笑みかける。
それと同時に、背後ではズルルルッと卑猥な音を立てながらクライスが男根を引き抜いていく。
「でも、キルヴィがいれば……耐えられる…からっ……見てて……気絶しないで…最後までイクから……」
彼女の言うことはニュアンスでしか理解できなかった。
「奥の方」「凄いのが来る」「最後までイク」。
何を指しているかは分からないが、今から目の前の親友は何かを耐えきる姿を見せるつもりらしい。
「う…うん……うんっ!……が、頑張って…!」
なんと間抜けな返答だろうか。
知識のない自分が悔しくて堪らない。
これからミニスの身に何が起きるかも分からず、キルヴィは彼女を励ましその手を握りしめることしかできない。
助けを求めるように、彼女の背後で準備万端な様子の男を見る。
(彼女の望むようにしてほしい……)
最初こそ警戒心剥き出しの視線を向けていたが、今はこの男性を信用して最後の仕上げを任せるしかなかった。
イスタールの読心か、それとも熟練の経験者ゆえに察したのか。
クライスはキルヴィに向かって小さく頷き、最後のストロークを開始する。
………ドゴッッっ!!!
真上から――最深部まで一気に到達する、強烈な叩き込み。
「……あぉっ……!!!」
ミニスの顔が、今日一番の歪みを見せる。
ズルルルッッ………ドゴッッっ!!!……ズルルルッッ………ドゴッッっ!!!
全体重を乗せた凶悪な連撃。
待ち望んでいた突き込みに大きく形を歪ませ、潰されながら、彼女のポルチオはその歓喜の衝撃を受け止める。
「キッ……ルヴィッ…!!……キル……ッ……ヴィッ…!!」
「ミニスッ!!……ミニスッ……!!」
両手を強く握りしめ、キルヴィもいつしか涙を流していた。
ドスッッ!!……ドスッッ!!……ドスッッ!!……
彼女を突き刺す速度が上がっていく。
放置され疼ききっていた最深部をこれでもかと潰され、ミニスは裏返りそうな瞳を懸命に戻し、キルヴィの目を真っ直ぐに見つめる。
「キルヴィッ……!…キルヴィもっ……!!……これっ…してっ!……塗り替えっ…て!!」
今際の際の親友の頼みに、キルヴィは何度も首を縦に振る。
「分かった……!……分かったわ…!!……私もっ……私もするからっ…!!」
それを聞き、ミニスが少し微笑んだ気がした。
お互い白い跡が残るほど手を握りしめ合う。
「イッ……イクッ……!!……すっ、凄いのっ…来ちゃうっ!!……イクッ!!…み、見ててっ!!……イクッ!!!…………イクッッッ!!!」
ドスッッ!!…………ドビュッッ!!…ブビュッッ!!!…ドビュッッッ!!!…ドクッッッ!!!!……
「んあああああああーーーーーー!!!」
トドメに、ポルチオが潰れんばかりに剛直を挿し込まれ、最奥が強く密着した状態で熱く濃い精液がぶち撒けられる。
その衝撃と熱さはミニスの想像を軽く超え、子宮から生み出される快楽の津波が彼女の全身を攫おうと襲いかかる。
最奥を潰されるアクメを覚悟していたが、大量の射精も組み合わせられるとは思っていなかった。
一人では到底耐えられず、一撃目の衝撃で気を失っていただろう。
だが今は、目の前の親友に女としての極上の悦楽を見せるために途中で意識を手放してはならない。
「っっっっ!!!………っ!!」
彼女の意識を刈り取ろうと、暴力そのものの快楽が次々と襲う。
砂浜に全身を埋められ、顔だけ出ている状態で災害級の津波を断続的に顔面で受け止めているような感覚。
(堪え……ろっ……!!)
彼女は叫びながら、友の顔を真っ直ぐ見ながら、とうとう最後まで意識を手放さず
永遠に続くと思われた強大な快楽の砲撃を全て受け切り、そのご褒美とばかりに全身に行き渡る強く甘い悦楽を骨の髄まで味わい尽くし、幸福そのものの表情でベッドに突っ伏した。