イスタール年代記-快楽の修練者と藍色に染まる少女たち- 作:錫鹿とらちよ
「んんっ…んー…んっ…」
覆いかぶさるように上になるアロンの熱を全身で受け止め、キルヴィは熱く濃厚な唇の重なりに没頭していた。
先ほどまでのあの苛烈を極めた胸への責め。
その罪滅ぼしかのようにアロンは今、彼女の口内にあるお気に入りのポイントを優しく労わるように刺激している。
「……ぷはっ……アロン、もっと…。許さないわ……」
失禁と絶頂を何度も強制的に繰り返させた目の前の少年を見据え、キルヴィは恨みがましい瞳を向けながらも再び唇を重ねてその舌を甘やかしてほしいとねだる。
完全に舌全体を彼の口内に預け熱い粘膜同士を甘くねぶるように愛でられる感覚は、今の彼女にとって何よりの労いだった。
放尿しながらのアクメというあまりにも変態的な絶頂を幾度も極め、体力を根こそぎ消耗した身体にこの労いの口づけは心地よく浸透し重い疲労感を静かに溶かしていく。
実際、彼女は今日何度も絶頂を迎えていた。
だがそれは口内や胸――しかも敏感な乳首ですらない「裾野」という箇所での離れ業のようなアクメ。
アロンはいまだ、彼女の最もデリケートな性器に触れてすらいない。
(このまま特異な快楽だけに慣れさせてしまうのはさすがに良くない……)
修行者としての冷静な思考を働かせながら、アロンは口付けを絶やさぬままいよいよオーソドックスな、けれど最も根源的な責めへと移行する。
彼女の舌を甘噛みしながら、華奢な太腿を優しく撫で回していた手をゆっくりと、確かな意図を持って上方向へと滑らせた。
「………っ…!」
口内の舐め付けにうっとりとしていたキルヴィが弾かれたように反応する。
アロンの手はすでに彼女の鼠径部付近にまで到達していた。
「ぁっ……」
唇を離し、キルヴィは困惑と不安が混ざり合ったどこか怯えるような視線を彼に向けた。
ガトン収容所で、ただの性処理道具として散々甚振られてきたその場所。
アロンのことは心から信頼している。
だが、かつての記憶がどうしても恐怖を呼び覚まし反射的に身構えてしまうのだ。
(彼女に恐怖心を植え付けてはいけない……)
それだけを強く自分に誓い、アロンは慎重に、壊れ物を扱うように優しくその周囲を撫でさする。
「……触るよ?」
キルヴィを真っ直ぐに見つめ、小さく呟く。
その瞳に宿る「自分を信用して欲しい」という揺るぎない想いを読み取り、キルヴィは微かに震えながらもコクリと頷いた。
………ヌルッ。
「あぅっ……」
キルヴィが唇を噛み、声を抑えるようにして反応する。
先程の失禁で重く濡れてしまった下着はすでに脱ぎ捨てていた。
手探りで小さな割れ目を見つけ、指先で優しくなぞるとそこには尿とは明らかに異なる独特のぬるついた粘液が大量に溢れ、彼女の情欲を物語っていた。
「アロン……恥ずかしいわ……」
頬を赤く染め可愛らしく目を背ける彼女の姿。
その愛らしさがアロンの内にある雄の心を激しく刺激する。
しかしここで暴走するわけにはいかない。
彼女の一番デリケートな部分をまるで極上の宝飾品のように扱いながら、経験こそないがこれまで培ってきた「房中の知識」を頼りに彼は快楽の頂を目指す。
(たしか、この……上の方に…)
女性との性交において快感を極限まで高めるために用意された最も重要な器官。
彼女のクリトリスを探し指先に伝わる微かな感覚を頼りに探っていく。
「………!?」
やがて割れ目を上へと滑る彼の指先がそれを容易に発見した。
だが、指先に伝わった想定外の感触にアロンは一瞬だけ戸惑いを見せる。
「………どうかした?」
彼の微かな反応に気づきキルヴィが怪訝そうな顔を向けた。
最も大切な部分を預けている彼女にとって、相手の些細な反応も無視できない不安の種だった。
「ううん、なんでもないよ」
機微を悟られないようアロンは柔らかく微笑む。
だが、その頭脳の中では猛スピードで状況と情報を整理していた。
(……大きい……?)
指先に感じるかなりの存在感を持った柔らかな感触。
それは、彼が探していた剥き出しの「核」ではなく、それを包み込み外界からの接触を遮断するように固く守り抜こうとする、厚ぼったい包皮であった。
「あっ……アロン…そこ、何か……良いかも」
目の前の彼女が、むず痒そうに腰をよじらせる。
分厚い包皮に守られているとはいえ、そこは性感神経が過密に集中した器官だ。
外側から軽く押されるだけで、彼女はこれまでにない鈍くも甘い感覚を覚え始めていた。
「よかった……。少し、動かすね」
脳内で膨大な知識を整理しながらアロンは静かに呟く。
経験こそないが、彼女の陰核は一般的な女性のものに比べてかなりの大きさがあるのが分かった。
問題は、それを守るその包皮だ。
本来ならばもう一回りか二回り小さな核が薄皮の隙間からわずかに顔を覗かせる程度のものであるはずの快感の芽。
だが、彼の指先に伝わる感触は想像以上に厚ぼったく、彼女の弱点を完璧に隠匿しようとする、堅牢な装甲そのものだった。
「……」
一通りの分析を終え、アロンは至近距離で彼女の目を見つめながら本格的な愛撫を開始した。
「んっ……ぁ……ア、アロン……」
包皮越しに優しく擦られ、揉み込まれる。
鈍く、けれど確かな甘さを含んだ感覚が下腹部一帯に広がっていく。
……心地よい。
あの地獄のような牢獄では自分は男性の射精欲を満たす「穴」としか見なされていなかった。
ゆえに、多くの男たちからは見向きもされなかった快感の芽。
彼女自身すら意識していなかったその場所をアロンに優しく慈しまれ、キルヴィの全身は予想外の心地よさに包まれた。
「ねえ……そこ、好きかも……。アロン、もっと……」
クリトリスを鉄壁の守りの上から揉み込まれる控えめだが甘やかな快感。
それをすっかり気に入ったキルヴィは、彼の頭に手を回し愛撫の継続をねだる。
口の端から垂れる涎を拭うことすら忘れるような、とろけるような快感。
先ほどまでの胸への責めが苛烈だった分、いつまでも続くこのまろやかな快楽に彼女は虚ろな目で浸っていた。
(心地よくなってくれているならいいけれど……このままでは、届かない)
長い時間その場所を揉み続け、穏やかな悦楽に浸る彼女を見守りながらアロンは次の一手を打てずにいた。
手強く守りを固めるヴェールに阻まれている限り、一定以上の快感を与えることはできないのだ。
深く確かな快感、ましてや「絶頂」にはこの程度の刺激では到底たどり着けない。
彼はその停滞を打破すべく、決意を持って行動に移った。
「キルヴィ、少しごめんね」
アロンはそう告げると彼女の視界から外れ、その下腹部へと顔を移動させた。
「あっ……」
目の前から愛しい顔が消えたことに、キルヴィは微かな寂しさを覚えた。
彼の端正な顔を飽きるほど見つめながら、この甘い時間にずっと浸っていたかったのに。
だが、彼の動きを追うと、先ほどまで延々と刺激されていた「そこ」に顔を近づけようとしている。
「いや……私……見られるのは…」
羞恥心が心を覆う。
だが、内腿に落とされる柔らかなキスの感触に得も言われぬ新たな幸福感を覚え、彼女は静止の言葉を飲み込んでその感触に身を委ねた。
彼女の股間を目前にしてアロンは思わず息を呑んだ。
想像以上に大きく逞しい、分厚い包皮。
そして、長時間の外部からの愛撫によって、その内側で肥大し脈打っているであろう大きな核。
華奢で小柄なキルヴィの体躯に備わった器官としてはあまりに堂々としたその存在感。
その強烈なギャップに、アロンはこれまでにない妙な興奮を覚えていた。
「ゴクリ……」
喉が鳴り、吸い寄せられるようにその場所へ唇を近づける。
「……あっ……!?……な、何?……」
突然股間を襲った熱い感覚にキルヴィは戸惑う。
指先で刺激されていた場所にアロンが口付けをし、次の瞬間には口内の熱で包み込んでいた。
「あうっ……!…だ、だめよ……口でなんて…」
言葉とは裏腹に、熱い口内で弱点を包み込まれる感覚の虜になるキルヴィ。
舌や乳首にそうされたように、陰核を包皮ごと口に含み熱い舌で執拗に舐めたくられる。
「ああっ……あーっ……ああーっ……」
溶かされてしまう。
指先で摘まれただけで蕩けそうだった場所が、より柔らかく熱い舌でねちっこく舐め回されては。
至福の表情で放心する彼女を尻目に、アロンは確信を得ていた。
今まで一度も破られたことのない堅牢な守りの内部で外壁越しにじれったい攻撃を受け続けた核は、明らかに疼き、装甲を脱ぎ捨てて外界へ飛び出したがっている。
舌に伝わる感触がそれを雄弁に物語っていた。
この分厚い包皮の中で、彼女の核は痛いほどに勃起し、膨張し、限界を迎えている。
アロンは唇を離し、ひとつの決意と共に蕩けきった彼女に静かに宣告した。
「キルヴィ……『剥く』ね」
「ぁ……ぇ……?」
終わりのない緩やかな快感が続くと思っていた彼女の耳に、聞き慣れない言葉が届く。
(剥く……?)
それは熟れた果実の皮を捲る時に使われるような表現。
今のこの状況に、彼女はそれを結びつけることができない。
思考が追いつかない彼女に不意に強烈な感覚が襲いかかる。
「っっっっ!!………あっ……!?…なっっ……!!???」
アロンの左右の親指が包皮の両側に添えられ、上方向へと力を込める。
それと同時に十数年間、彼女の奥底に眠り続け、分厚く柔らかな外装に守られ続けてきた「本体」が初めて外の世界にその姿を現した。
「なっっっ!!……ア、アロンッ……!!…な、何を……してるの!?」
理由もわからぬまま、キルヴィは目を見開いて慌てふためく。
「何か」を思い切りずり上げられ、
「何か」が剥き出しにされた。
その直後、文字通り彼女を貫くような強烈な感覚が走ったのだ。
姿を現したその核に、アロンは目を釘付けにされた。
彼の小指の先ほどもある逞しいそれはまるで男性器の亀頭のように段を成し、子どものような体躯の彼女の股間で、初めての外の世界にその存在感を誇示するように極限まで硬く勃起し、愛液を纏って雄々しくそそり立っている。
説明のつかない興奮がアロンを襲い、彼の股間に急激に血液が集まる。
修行前の少年は自らに芽生えた野蛮な欲求のままに、その剥き出しの突起へとむしゃぶりついた。
「っ!!!……あっ…!!……あぁっ…!!!……いやあああーーーっっ!!!」
先ほどまでまろやかな快感を与えてくれていた器官が、
その信頼を裏切るように暴力的なまでの攻撃的な快感へと変貌し、彼女の脳へと叩き込まれる。
「だっ……!!……めっ……!!!」
股ぐらに吸い付き滅茶苦茶に舌を動かすアロンの頭を、キルヴィは必死で引き離そうと押し戻そうとする。
だが、剥き出しの陰核に吸い付かれたまま頭を押し込んだため、結果的に舐め取られながらクリトリスを極限まで引き伸ばされるような形になってしまった。
「んぐっっ……!!…ぉあっ……!!!」
キルヴィの頭が、撃ち抜かれたようにのけぞる。
表面を舐め回され、吸引されながら伸ばされる感覚。
予告もなく発生した強烈なアクメが、甚振られている核から脳天にかけて、一直線に閃光のように突き抜けた。
(イッ…………!!………イッた……!!!)
思考が追いつかない。
弾丸のような衝撃に貫かれ、一拍置いてから後追いで現れた快感の津波が全身を支配していく。
「あっ……!!……ぁはっ……!!!」
本来は性感が備わっていない舌や胸の裾野を刺激された時のように、感覚を誤解させて得る擬似的な快感ではない。
女性に、エクスタシーを得るためだけに備え付けられた正真正銘の性感の塊。
そしてそこから生み出される、純度の高い快楽の根源のような絶頂感。
舌や胸でイかされ、快楽の何たるかを分かった気でいた彼女に突きつけられた本物の絶頂に
抗う事などできなかった。
彼女は彼の頭を引き離す事を諦め、せめて手心を加えてほしいと願い彼に懇願する
「アロンッ……!!わ、分かったから……!!そ、そこ…!!……していいから……も、もう少しだけ…!!!」
ずちゅうううっっっっ!!!
「んああああああああっっっっ!!!…!!……イッ…!!………イクっ!!!!」
返答の代わりに今日一番の強烈な吸引が叩き込まれた。
絶頂を予感し力を込めて身構えようとするが、それよりも速く、再び閃光のようなアクメが彼女を襲い無防備な身体を無慈悲に貫く。
「かっ……!!!……ぁ……っっ!!」
このイき方は危険だ。
本能がそう叫ぶ。
受け止める体制すら作れないまま魂を貫かれるような絶頂は、快感と呼ぶにはあまりに鋭利すぎた。
ずちゅうううううっっっっ!!!
「っぉっっっ!!!!??」
またしても、思考が追いつかない。
覚悟も、備えも、準備も。
何もできていない無防備な少女の身体を無慈悲に串刺しにするような絶頂。
胸を責められた時に思い知った。
この少年は、一度こうなってしまえば、正気に戻るまでは止まらない。
彼女はついに諦め、自暴自棄にその状況を受け入れることに決めた。
彼が我に返りこの凄惨な行為が終わる頃にもし自分が無事でいられたら、後で色々と文句を言ってやろう――
今、身を置かれている熾烈極まりない状況にそぐわない間の抜けた思考を掠めながら、
彼女は引き離そうとしていた彼の頭を、逆に自らの股間に押し付けるようにして叫んだ。
「アロンッッ!!、好きに……!!……好きにしてえっっっ……!!!」
この日、生まれて初めて外気に触れた彼女のクリトリスは、ようやく外の世界に解き放たれたと歓喜した次の瞬間にはその鎧を脱がせた男の口内にあっという間に閉じ込められた。
熱い暗闇の中で剥き出しの全身を舐め回され、吸いしゃぶられ、押し擦られ、徹底的に蹂躙され尽くし…
長い時を経てようやく解放されたのは、その持ち主がおびただしい量の絶頂を味わわされ、全身をビクつかせながら放り出された人形のように動けなくなっていた頃だった。